この素晴らしき女神様に感謝と祈りを! 作:EternalSky
はじめての作品のため、見てくれた人感謝です。
「あは! あははは!!
あははははははははははははは!!」
何もかもがわからない。
体が、ただ、重い。
少しずつ冷たくなっていく。
頭が回らない。
私は何をしていた?
わからない。
理解できないのはなんで?
ピチャピチャと水の音が聞こえる。
雨でも降ってるのだろうか?
まるで力が入らないし、なにも見えない。
真っ暗だ。
獣の雄叫びのような、甲高い音が聞こえて。体が揺れ続けている。
なんだろう。
わからない。
わからない。
ワカラナイ。
次第にその音も冷たい感覚も消えていって、
頭に靄(もや)がかかってなにもわからなくなった。
体の中から突然、ドクンって音が聞こえた。
あれから何時間たったのかわからない、ただ靄がなくなって頭がすーっと楽になった。
でもすーっとなったのは一時的なモノだったようで、今度はぼんやりとし始めた。
なんだっての。
熱い。熱いの。
頭にズキリと響いた。何度も、ズキリズキリと痛みが走る。
ぼんやりとした頭の中で、意識を飛ばさないようにひたすらに耐えた。ここで耐えないとまたなにも分からなくなる恐怖に襲われた。
辛いの。助けて・・たすけて・・。
・・・私も辛いっての!
その言葉に反論を返していたが、ドンドンぐるぐると痛みが回り、辛くて頭がチカチカする。
でも、このまま意識を飛ばしたらダメ。
だ・・ち・・おね・・・たすけ、
言葉と共に、さっきの非ではない痛みが頭から全身を駆け巡る。
どれだけの時間たったのだろう? 頭の痛みが止まったが、今度はドンドン熱くなっていく。お腹の中から痛みと共にドンドン熱が侵食していく感じがする。
お腹の痛みのせいか、頭のぼんやりが収まっていく。
・・・だけど、何だか暖かい。
なんとか気合いを入れて眼を開く、まだグラグラする視界だが辺りを見回していく。
そこはどこか暗い場所だった。星のように全体に光が散りばめられていて、幻想的な場所だった。これが本来の夜空ってやつなのだろう。
その夜空を散りばめた場所は屋外ではなく、地面は真っ黒で見えない。まるで見えない床。
そんな幻想的な場所には場違いな普通っぽい椅子に私は座っており、ぼんやりと視界の・・・というか目の前に青い影が写った。
光があっても暗い闇の中で、視界がぼやけていたのが治っていき、目前に見えた青い影が、
美しく煌めく水色の髪であることに気づいた。
・・・どんなシャンプー使えばこんな髪になるの?
何かむかつく。
唐突に入ったきれいな髪を見て、ぼんやりと思考に入り終えると、心配そうな顔でこちらを覗きこんだ女の人が見えた。
誰よあんた。
「ああ、起きたわね。・・・もう大丈夫そうね。
んじゃ改めて・・・コホン。
一条雪さん、ようこそ死後の世界へ。
あなたはつい先ほど、不幸にも亡くなりました。
短い人生でしたが、あなたの生は終わってしまったのです」
ふっと笑顔で微笑んだ彼女に内心イラッとする。
理解できない。したくない。
でも、先ほどの痛みも靄もぼんやりした感じもすべてがなくなっていた。
というか何? 死後の世界? なにそれ?
なんだこのメンヘラは?
事務的な椅子に座った私、一条雪は混乱していた。
というのも、なんというか私は死んでしまったらしいのだ。
プロローグ
先ほどからこちらとは違う豪華そうな椅子に座り、威厳たっぷりというか、神々しい感じがしてさらにイライラを募らせる。
さっき言っていた言葉もなんとなく理解できるのがさらに腹が立つ。
本物なんだろう。これが女神なんだろう。
なんでかわかんないけど理解できてしまった。
というか、やっと辛かった人生が終わったらこれだ。
すっごく苦しかったし、つらかった。
だいちゃんがいなければ、あの時に命を捨てていたというのに。
それが終わって、やっと開放されたと思ったら・・コレだ。愚痴も言いたい。
とにかく圧倒的に弱い立場な私が女神の機嫌を損ねないために、めいいっぱいの作り笑顔でアラアラと首をかしげることにする。
「えっと、どうゆうことでしょうか?」
「そのまんまの意味ですよ。
残念ながら、あなたは亡くなられたのです」
少し俯いて彼女は答えた。
影がさしているという感じ・・でも気に入らない。
女神様だっていうのなら、なんで・・・なんで・・・・。
「そう、ですか・・・」
「ええ・・・。
私の名はアクア・・・。
日本において、若くして亡くなった人間を導く女神です。
そして、これからあなたはどうするか、いくつかの選択肢があります」
若くしてか・・・。正直もっと若く死んでいたかった。
この女神様は多分、私が死んだ理由がわかっているんだろう。表情でなんとなく理解できた。
だいちゃんと同じ、心配をしてくれている表情。
それが無性に腹が立った。
「選択肢ですか? いったいどのような?」
「簡単に言うなら、
天国に行くか
日本で生まれ変わるか
異世界に行くか
になるわね? 個人的には異世界に行くのをおすすめします」
うさんくさい笑顔でそういうことを言われた。
なんというか、目が言っている。
面倒だからさっさと決めてくれ。そう言われている気がする。
あれ? さっきの勘違いかな?
でも正直、生まれ変わっても辛い。
どうせなら天国に行きたい。
「天国に・・」
「一応言っておくと、天国といってもあなたたちがおもっている天国とは違うのよね」
・・・どうやらこの選択は女神様はお気に召さないらしい。
天国の説明が入ったけど、単純に何もない世界だそうだ。
なんでも・・・。
死んだんだから食べ物はない。
死んでいるのだから物が生まれることはない。
何かを自分で作ろうにも材料はない。
先に死んだ人たちのみで永遠の日向ぼっこと世間話だという。
確かに天国とは違う。ある意味、地獄と言っても差し支えないはなさそう。
でも、死ぬ前よりはマシ。
「そんな退屈な場所に行きたくはないですよね?
あなたには日本に転生はつらいでしょ?
だから、私はあなたが異世界に行くのをおすすめしてるの」
「・・・・・・そう、ですね」
正直、もうあの場所に未練はない。生まれ変わったとしても・・・正直辛くて生きる気力はわかない。
だいちゃんはもういないし、何もできない。
すぐまた女神さまの前につくのが目に見えている。
でも、異世界に行ってもなにも変わらない。
ただ・・・・・・正直、天国のほうがまだマシ。
もう、つらい。
こんな苦痛を味わい続けるだけの命はいらない。
「・・・実はね。
今ある世界でちょっとマズイことになってるのよ・・・。それであなたにその世界に転生というか移住してほしいのよ」
「・・・・・・」
移住・・・ね。
そりゃそうだよね。私なんかが天国に行かせてくれるわけないし、異世界に行くしか選択肢はないよね。
「それで送るなら、若くして死んだ人を肉体と記憶はそのままにして送ってあげようってことになってるの。
当然、すぐ死ぬようなことにならないよう・・・何か一つだけ。
向こうの世界に好きなモノを持っていける権利をあげているの。もちろんそれは強力なスキ・・・力だったり、とんでもない才能だったり、それこそ神器といっても差し支えない道具を希望した人もいたわ。
・・・・・・どう? これならあなたの希望を叶えることもできるわ」
今までとは違って、微笑むような笑顔だった。
胡散臭いと思っていたけど、本当の女神のような・・・慈しみを持った笑顔で・・・・・・。
これが打算だとは聞いたけど、それでもいままで会い続けていた人たちとは・・・どこも違っていて・・・・・・。
だいちゃんとも違う。なんだろう?
「・・・・・・聞いてもいいですか?」
「ええ、どうぞ?」
「望めば、なんでも?」
「・・・ええ。一つだけなら。それこそなんでも」
「異世界での言葉や文字は?」
「その辺は問題ないわ。
私たちは死なせに異世界に飛ばすわけじゃないの。日本語で聞こえるし文字も理解できるわ。
名前も変えたいなら向こうで違う名前を名乗
ればいいわ。
ただ、肉体面はそのままであること・・・心苦しいけどそこは望まれない限りできないわ」
そこまで聞いて、理解できた。
「異世界に行きます。
望むのは、私の・・・・健康です」
彼女は、女神様は救ってくれると言っている。
日本では無理だけど、望めば私が欲しかった自由に動ける体が手にはいるよって・・・。
「はい、承りました。
では、この魔方陣の中央から出ないようにしてくださいね」
そういうと、青く輝く魔方陣が私の前に現れた。
現れた魔方陣に移動しようとするが、当然ながらこの体は満足に動かせない。
「あー大丈夫よちょっとまってね。
はい、これで大丈夫よ」
久しぶりに、腕が動く。この足で立てる。
あ、ああ。ああああ、神に感謝を!
両手を握りしめながら、女神様に祈りを捧げる。
そして、ゆっくりと踏みしめるように魔方陣に歩いていく。
「・・・一応健康だけじゃなく、才能にもおまけしておくわね。
過去を引きずることはないわ。あなたには幸せになる権利があるわ。
だから、あなたが異世界での幸せをお祈りしておきますね」
女神様の祈りに、目に暖かいものがあふれた。
「一応、様式美だからね。
さあ、勇者よ。願わくば、数多の勇者候補たちの中から、あなたが魔王を打ち倒すことを祈っています。
さすれば、神々たちからの贈り物として、どんな願いでも叶えて差し上げましょう。
・・・・・・・とは言ったものの、無理はしなくていいのよ? あなたはあなたの幸せな人生を送りなさい」
最後にぼそりといった言葉を最後に、青い魔方陣が光を集めながら輝きを増していった。
光に呑み込まれながら、ゆらりゆらりと周囲が揺れた。
「ありがとう・・ございます、女神様」
揺れた視界に女神様が微笑んだのが見えた気がした。
正直、原作は知らないです。
アニメでちょろっと見た形だけの独自解釈ものです。
変な点は多々ありますし、伏線と深読みしてやらかすくらい突撃していきますよ!
後、テスト投稿もかねてますので、よろしくお願いいたしますね!