最後の生存者
「皆んな聞いてくれ。我々スタッフの懸命な捜索の結果…遂に最後の生存者の居場所を発見した!」
ロマンからの報告を耳にした俺達は早速ブリーフィングルームへと向かった。最後の生存者…その名前は知っている。
「愛識かぁ…出来れば放っておきたいんだけどなぁ……」
「心配すんな!いざって時はこのモードレッドにお任せってな!」
「モードレッドが居れば安心だ。それに…少しくらい成長したしな」
ブリーフィングルームでロマンから説明を受けた。時代はなんと神代にまで遡り、英雄王ギルガメッシュとウルクの町が舞台だそうだ。
「メンバーも大分減ったな」
「はい…、ガウェインさん・トリスタンさんが減り…今では私とモードレッドさんとベディヴィエールさんしか居ません。ですが、私も精一杯先輩のちか──」
「ロマン!レイシフト頼む!」
「酷いッ!?」
「今回はマーリンも参加するらしいから頼もしいな。黒ジャンヌもナイチンゲールもなんだかんだでサポートに回ってるし」
「そう言われると嬉しいね」
さて、無事にレイシフトが成功する事を祈るしかないな。俺はコフィンに入り、目を閉じた。その横では先に転送された薩摩のコフィンもあった………。
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杖を握る。細い指で幾度も握り締めたそれはしっかりと馴染み、僕の手足として機能してくれる。
城壁から眼下の戦場を見下ろす。神代の魔物が犇き、人間が必死に足掻く。助けなければならない。救わねばならない。それが僕に与えられた使命。
「──擬似宝具展開。『
何百と唱え続けた術式を展開する。ドーム状に展開された魔術の障壁に魔物を閉じ込める。同時に冷え切った五体に暖かな血流が流れていくのを感じる。魔物達から吸い上げた魔力が血となり僕の命を繋ぐ。
幽閉された魔物達が魔力を失い、弱る様を一瞥した僕は魔術を解除して壁に凭れかかった。
カルデアから救助は来るだろうか?そもそも無事なのだろうか…?忘れずずっと出し続けている救難信号は受け入れてくれたのだろうか?
僕の頭の中にはそんな思いが渦巻いていた。
「こちら───カルデア、Aチーム。愛識 蓮…SOS……至急救援を求む」
何度言い続けたのか忘れた救援メッセージを送った僕は戦場の中で重過ぎる瞼を下ろした。願わくば、最期にカルデアの廊下を歩ける日を………。
以上、なろう系キャラの紹介と現状でした。
因みに擬似宝具と呼んでいた存在は正確に言えば固有結界でどれくらいチートかと言うと「発動後5ターンの間、『ターン開始時に敵全員からNP10%吸収&味方全員のNP10%増加を付与』を行う対国宝具」といえばそのキチガイぶりが分かると思います。が……今回は少し事情が違うようで…?