――扶桑皇国 横須賀 病院
緊急手術になる事態にまでの時間を作ってしまった・・。
俺は只呆然と、病室の椅子で天井を見上げてボーッとしていた。
それぞれ皆は疲れて寝てしまっている。
「マルセイユ大尉・・」
「どうした?シデン」
「俺は・・守れなかった」
「いきなりどうしたんだ?」
「いやむしろ、ここの世界に来てから守ると言うものはどう言う物になって・・」
「そうかぁ・・私が守る物と言ったらアフリカの地やカールスランとや色々さ」
「"守る"か・・。もし自分に弾丸が飛んできたら、シデンならどうする?」
「どうするって・・避けるに決まってるさ」
「命を守るために避ける?その流れ弾で味方に当たったら?」
「そう言う事はあまりよくわからないんだ。戦ううちにきっと見つかるさ」
「・・すまない、訳の分からない質問をして」
「なーに。ネウロイを2回撃破したエースなんだろう?しっかりしなくちゃ」
「ああ、有難う」
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ん・・?
ああそうだ・・。何で寝てたんだろう。
瞼を開いた時、レンガの屋根に窓から光りが差し込む。
そして扶桑に居る筈のないミーナ中佐が!
「何で、中佐が・・」
「彼方、相当疲労が溜まってたのよ・・。戦力的問題があったからすぐにこちらに来てもらったの」
「そんな・・!タケムラは!」
「タケムラさんの事は任せて。完治までには時間がかかるけど次の補給と同時に、付き添いの土方さんと一緒に帰って来るわ」
「良かった・・」
不思議と体が軽くなる。
「皆は?」
「疲れて寝てるわ。ネウロイはまだ来ないから大丈夫だろうけど・・」
「これを見てくれる?」
小さな透明の袋には大きな弾丸が1発。
キャノピーガラスの破片も1個
陸軍が使う、軽機関銃に使う弾か?
海軍では中口径と大口径が主なんだが・・。
「この弾は?」
「恐らく夜間哨戒に出ていたエイラさんのMG42が流れ弾で・・」
「彼女にはこの事を伝えないでくれ」
「ええ分ったわ」
「中佐、もうここに来て何日経った?」
「そうね・・まだ数十日程度よ」
「そうか・・」
「どうしたの?」
「いや、ただラバウルの仲間と会いたいと思って・・」
「そう・・。でも仕方ないわ」
「・・・好きな人は?」
「好きな人は・・もう死んでしまったの」
「すまない。いきなりこんな事を」
「ううん、良いのよ」
「ラバウル戦はこんな風に、仲良く飯食ったり訓練出来たりは出来なかった」
「どんなに強くても相手は物量で襲いかかる。必ず、戦闘があれば1人、2人死んでもおかしくなかった」
「私達と同じね・・。扶桑海軍でもこれ以上の消耗戦は続けられないって最終行動に出ているの」
最終行動?
「なんだ、その最終行動って言うのは」
「まだ彼方には教えられないの・・」
「俺達の戦場では良くあることだけど、適用しない武器には敵の武器を使うと言うのがある・・」
「!」
中佐が驚いた表情を作ると俺は何か言ったか?の様に首を傾げた。