<<隊長どうします?>>
<<どうするも何も援護するしかないだろ。俺に続け!>>
<<了解!>>
「了解!」
エンジン出力を高め最高速度であの飛行物体へ俺達は攻撃を開始する。
ペンのキャップぐらいのサイズだった物体は次第に大きくなり、鯨の何倍くらいかの想像以上の物だ。
今までに無い戦闘だ・・。
冷や汗が出る。
あの光線が不思議と怖い。
光学照準器と視界が影に包まれ暗くなる。
隊長機の攻撃と同時に左手を7.7mm発射機を握り指で引き金に力を込め様とした。
引かれた時、機首の機銃がかんしゃく玉の様に火薬を炸裂させながら7.7mm弾を発射する。
宝石板の黒い六角形は銀色の弾跡だけを残して、後から後へ線を描いた。
右手で操る操縦桿で飛行物体の側面を抜ける。
<<隊長! 20mmでも駄目です!>>
<<くそぉ・・!>>
「何だ・・?」
空から舞い振るガラスの様な破片が。
上を見上げる。
太陽の光りが刺す空の中、少女が2人に増えていて大型のライフルを手に。
そして次々やって来る。
アメリカ製の機関銃を持った女の子、P51と言う米軍の戦闘機に似たものを足に装着した者まで。
続々とやって来る・・!
ロケットランチャー、2丁機関銃、イギリス製のブレン機銃を持った少女達が。
3機1個小隊を編隊飛行したまま、高度を上昇させ飛行物体の真下で様子を見る事になった。
なんせ20mmでも効果が無い物だ。無理も無い。
華麗な飛行雲を絵の様に。
弾幕で装甲が削れるのを嫌がっているのか飛行物体は、少女達の攻撃も関わらずその場を避けようとするが――
<<なんだありゃあ!>>
隊長達が見たのは、赤い光線を切り裂く人間・・?じゃない。
獣の耳や尻尾を伸ばした女が刀を持ち、光線と物体丸ごとを真っ二つに斬り破いた。
何も無かったかの様に物体は静かに消滅・・・。
<<私達の基地に来い、話したい事や聞きたい事がある>>
<>
――不明地 食堂
夕暮れの日差しの中、お城の様な空軍基地が存在していた。
ここはロマーニャと言う国らしい。
物知りの3番機じゃなくて伏せ名の"タケムラ"は俺と隊長にイタリアと教えてくれた。
俺達は食堂へ入り縦長のテーブルへ座れたまま、2人の少女と対面をする所だ。
「私は坂本美緒少佐だ。原隊は扶桑皇国海軍24航空戦隊 288航空隊所属だ」
大和撫子らしい乙女だなあ。
右目は眼帯で隠してあり、中はどうなっているかは知らない。
只、負傷したと言う事は絶対だな。
「名前はミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ。よろしくお願いしますね」
お姉さんらしい赤髪の欧米人?の女が口にした。
この混合にさすがに耐えられないのか、隊長は護身拳銃へひっそり手を伸ばしている。
「俺達は大日本帝国海軍、ラバウル航空隊から分裂した小隊の隊長だ。階級は中佐」
「よろしく頼む」
「俺は伏せ名でタケムラ。階級は大尉」
「3番機・・。シデン。階級、大尉
本名はあるんだけどあえて晒さない。
敵味方はっきりしてからだ。
「話したい事は先に言う。ここの部隊は何だ、お前達は何者だ、そしてここは何処だ」
「ほお、随分あると思ったらそれなりに少ないもんだなあ。よし良いぞ、話してやる」
坂本さんと隊長の対話か・・。黙って聴くか。
「ここの部隊は501統合戦闘航空団、通称"ストライクウィッチーズ"だ」
「ウィッチの力、魔力を持った者がここに集められる。と言っても少数だけどな」
「私達はウィッチの能力を持った軍人達だ。今日再編成されたのだ」
ん、今日?
「1945年にヴェネチアにネウロイと言うさっきの飛行物体が占領したのだ。そこで我々501戦闘航空団が集結し、ここアドリア海を主力にロマーニャを解放する」
ここの世界では1945年か。
「穴埋め出来ないまま我々達が集まったと言ったほうが早いな。はっはっは」
「美緒ったら・・」
「最後にここは何処だと言っていたな」
隊長は小さなポケットに入れていた世界地図の紙をテーブルに広げ、赤いペンを2人の前に差し出す。
「ここは何処の国か分かるか?」
指したのはブーツの形をしたイタリア。
「ここは私達で言う世界ではロマーニャ、北へ上がればカールスランとブリタニア、ガリア、北東へスオムス、オラーシャ・・。そして太平洋を乗り越えリベリオン、扶桑だ」
と言いながらカタカナで丁寧に記入していくでは無いか。
ここまで言うと、ここは501戦闘航空団、ストライクウィッチーズ。ウィッチは魔女を意味する。
1945年にヴェネチアが占領され解放するために再結成。
それぞれの国の形は変わらず別世界、現世界でも存在する。
「そうか・・。有難う、坂本少佐」
「そうだ。君達が乗って来た戦闘機は何て言うんだ?」
「零式艦上戦闘機ニ二型」
「量産の戦闘機か・・」
「何かお礼をしたい。戻れる道が開けるまでここで戦わせてくれ」
「良いのか?生存率は少なくなるが・・」
「構わない。戦わないだけマシだ」