夜が明けた。
だが当分ここに居るのも悪いしなあ・・。
タケムラと隊長も同じ事言ってたし、1泊でも十分だったろう。
ベルギカ王国の空を眺めながら上空を飛行している。
増槽燃料も装備されより長距離の飛行が可能になった。
バルクホルン大尉のお手製のサンドイッチを口に頬張りながら朝食を得ながら、無線の隊長の歌声を耳にする。
んー日本では中々食えないぞこれ。
せいぜい、海軍の水兵達の一部じゃないかー?
あそこは英圏に影響されてるから敵の国なんて平気で使ってるし食ってるからな。
と言っても物資に悩みを抱える上に下士官の飯は麦飯ぐらいだろう。
<<改めて進路確認です。ベルギカ王国を出ましたら、ガリア西部へ飛行します>>
<<南下して、ロマーニャで補給する予定です>>
航路担当のタケムラは大抵正確だ。
だけど今後どうするかがまた同じない様になるな。
<<隊長、ガリア空軍からスクランブルです>>
おいおい・・スピットMk5とハリケーン混合だ・・。
<<誘導に従いましょう>>
<<んじゃ従うか・・>>
スクランブルと来た所で最高のチャンス。
誘導に従う濃緑の先頭の五二丙型、隊長機は6機に囲まれるスクランブル機の後に続こうとした。
それに2番機の俺も同様、3番機のタケムラも一緒に背中を視界に隊長を追おうとする。
まあ・・フランス空軍は輸入機が多かったって話を聞いたな。
特に英軍からのお古と言う。
しかし見るからして新米だな。
何しろ編隊が崩れてるどころかバラバラだ。
これじゃあ、もしもの時に敵機を逃すぞ。
言ってもしょうがないか・・。
今現在広がっている森林に花畑。
ここは金持ちの敷地上空なのか?
双眼鏡で屋敷を覗いて見ると、滑走路並みにデカイ芝の庭が広がっていた。
お・・?
花畑でクロステルマン中尉がいるんだが・・。
挨拶ぐらい良いだろ。
「隊長、高度落とします」
<<おう。すぐ戻れよ>>
どうも隊長も分っていたようだ。
風に乗り、機体を自由自在に操りながら囲まれるスクランブルの穴から抜け出し、遊び心が働いた。
90度の角度で花畑目掛けて急降下。
これに驚いて逃げる人々達。
重い舵を一気に引き、水平へと保とうとする。
キャノピーを開き、空へ舞い上がる無数の花びらに混じるクロステルマン中尉はこちらに向け大きく手を振ってきた。
それと同じ様にリネット曹長も。
<<彼らは敵ではありません。すぐに所属の場所に戻ってください>>
貴族効果なのかスクランブル機は何も無かったかのように、散り去って行く。
隊長とクロステルマン中尉の無線やり取りが始まるとタケムラ機は翼横に出て、手信号を送る。
"南西ニ転進シ海ニ出ロ。後ニ着ク"
南西に転進すれば何かあるのか?
まあ言われたとおりにやれば良いか・・。
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――地中海
さて言われた通りに来たのも良いが、俺だけになった。
一面広がる地中海にヴェネチア、ロマーニャや欧州の大陸が水平線に浮ぶのはっきり判る。
真っ赤に染まる夕焼けだが戦友達が流した血の色とそっくりだ・・。
だが燃料はもう持ち答えられない。
増槽分使った分に残りは機体燃料。
「!」
一瞬ばかり殺気を感じた。
酸素マスクを口周辺に着用し周りを見渡す。
野郎・・出て来い・・・。
この火力上げした零戦に来い・・!
「この!ロマーニャからいなくなったはずじゃないのか!?」
大型ネウロイが1機、俺の後部に食いついていた。
無線で隊長を呼ぼうにも雑音混じりで繋がる気配もない。
ならば俺が相手にしてやる。