思った以上に速度と動きのあるネウロイで、戦う価値はある。
とは言え只の卵みたいな形だ。
身体が引っ張られながら操縦桿に操られる機体を動かし、ネウロイを旋回戦へと持ち込む。
後ろにつけば攻撃も出来まい。
「なッ!?」
変形型!?
矢の先の様な形になったネウロイは空高く上昇をし、そのまま一気に急降下しながら一撃離脱に近い光線攻撃を仕掛けてきた。
素早くフラップレバーを落として速度を少しばかり低下させる。
目の前が真っ赤になる、光線と一緒にネウロイは海面スレスレになりながら水平を維持。
そこを狙った俺は機首を落とし光学照準器をネウロイ手前に定め、撃つという意志を耐え切れない13mm機銃はハシャグ子供の様に銃火を唸らした。
4発に1発入る曳光弾は漆黒の装甲を撃ち削った所を肉眼で確認した。
弾跡を残し、回避をしようとするネウロイに強力な20mm弾を撃つ。
炸裂した20mm弾は次々にネウロイを撃ち抜き装甲を削り取る。
そして赤く光る石が見える。
「コアだ」
13mm、20mm機銃を一斉射撃を加えつつ速度に乗りながら一撃で決めようとした。
エンジンが甲高く鳴き始めた頃にはコアは撃ち砕けた。
息を失う様に静まったネウロイはそのまま消滅。
「はー何とかやった」
無線の調子も戻ってきている。
微かな隊長の声。
<<2番機、聞こえるか!?>>
「こちら2番機!」
<<突然通信不能になった。大丈夫か!?>>
「ネウロイと交戦したばかりでした。怪我はありません」
<<そうか。よかった・・。未だにネウロイが出現する。注意してくれ>>
<<それと今の進路を南進すれば扶桑艦隊と合流出来る。そこで補給を行ってくれ>>
ん?補給だけに艦隊に行くのか?
さすがにそれは無駄じゃないか・・?
「隊長、一旦ロマーニャに転進できますか?」
<<まあ良いが。俺達2機は扶桑艦隊へ合流する>>
「了解。ロマーニャの方へ転進を開始」
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さて夕暮れと来て青と赤が混じる夜になってきた。
所々燃料も持たないし、さっさとヴェネチアで補給をしたかった。
まあなんでそこまで拘るかと言うとイェーガー大尉とルッキーニ少尉がいると聞いたからだ。
なんせ親子見たいだから簡単に見つかるだろう。
「はあ・・腹減った、燃料補給したい」
無駄に使ったよなあ・・。
リベリオン製のオクタン燃料を楽しんだだけって感じがする。
建物の灯を照らしたヴェネチア市街が大きくなるが、燃料計はすでに0を示していた。
「あっ」
あ、あああああああ!?
しかもここは海上!
高度はまだ十分ある、大丈夫だ!
降下速度を利用して上昇するの繰り返しでやればきっと多分、着陸出来るところがある!
冷静に、冷静にだ。
機体だけは捨てるわけには行かないぞ・・。
まずどこかに信号銃があったはずだ。
座席下を手探りで・・あったぞ、やや銃身が大きい陸軍のだ。
キャノピーを引き下げて信号弾を夜景の空向けてボンッと言う銃声と一緒に、信号弾は撃たれる。
発光を照らすがこれは照明弾だ。
弾間違えたか・・?
「もうこれ駄目だ」
零戦の力で何とか港の広場へ着陸を試みようとする。
プロペラの回転が弱まり、着陸脚を出した。
そしてキュッとタイヤが擦れる音を鳴いた時には零戦は停止をした。
「はあ・・着陸したのは良いけど回収どうするんだろうな・・」
民衆がゼロ戦の周りを囲む中、プロペラは建物の数メートル手前。
今後の計画を立てなければいけなくなったぞ。