「あははは!相変わらず堅物は変わらないんだなー」
と言うイェーガー大尉の笑い声と一緒に輸送トラックは揺れる揺れる。
昨日の夜、信号弾に気づいたルッキーニ少尉のおかげでトラックに乗せてもらえたし高価なオクタン燃料も入れて貰った。
大尉お得意の改造もお目目にかかり、故障し易い20mm機関砲を修理やエンジン等色々やってもらった。
零戦はどこにあるかと言うと無理矢理の牽引で引いている。
重たい機体を楽々走行するのも彼女の改造のおかげかもしれない。
「なあ知ってるか?バルクホルンってな妹が大好きな奴でさ~。クリスって名前なんだけど目が覚めると、私物禁止のストライカーユニットで行こうとしてたんだ」
あの堅い軍人にもこういった面もあるんだな。
「ところでシデンは今後どうするんだ?」
「あっ・・まあネウロイを全滅させるまでは当分居るよ」
助手席中央、ルッキーニ少尉は猫の様に背中を丸めて昼寝。
ヴェネチアが解放されてからこうやって平和な日々を過ごしているんだろう。
「変形型ネウロイが居たんだ。知ってるか?」
地中海で出会ったネウロイの話を持ち出した俺は様々な事を話す。
「最初は卵の様な形をした。俺が攻撃を加えると、円状な物になるんだ。速度、機動は以前より強力だと確信したよ」
「私も見たな。それ」
「まったく、どっから来たんだが・・」
呆れた顔をしたまま、イェーガー大尉が乗る輸送トラックは停止。
目的地に着いたようだな。
彼女は504航空団と共同の為これ以上お邪魔する訳にも行かないからな。
トラックから降りて脚をだしたまま牽引終わりの零戦へ近づいて、フックやそれぞれの物を外す。
イェーガー大尉と一緒に思い翼を垂直へ伸ばし、広々とした草原に濃緑は輝く。
「どうせなんだからさ、これ持っていきなよ」
荷台から持ってきたのはリベリオン製の短機関銃。
それも陸軍がアメリカ軍から鹵獲した短機関銃と一緒の形。
「リベリオンのトミーガン。ここ周辺じゃあネウロイも多く出るし、墜落した時の護衛武器にもね」
「今いる所はガリアだからさ。ひょっとしたらペリーヌ達に会えるんじゃないか?」
"また"会おう事になるな。
どっちにしろ隊長機と逸れた2番機だから会えるのは嬉しいな。
「ああ。短い時間だったな」
「じゃあ私は行くよ!グッドラック!」
ここで別れたとき、俺は操縦席へ座りこむ。
トミーガンを席下の収納個へ込んで、あいた手でエンジンコックを回した。
1度揺れた機内だが、エンジンとプロペラは快調に稼働した。
それに比べ野太い感じな音で、飛べば今まで以上の速度が出ると俺は思い感じる。
「うおお・・。なんだ?今まで植物油を使っていたのに・・」
離陸まで時間がかかる国産エンジンとはまるで別、限界を超えたエネルギーで零戦は草原の大地を蹴った。
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隊長と合流したいが・・。
恐らくクロステルマン中尉の屋敷に居るはずなんだが。
ギャアアアア!
むっ!?
「!」
飛行して数時間程度と言うよりガリアの空をさ迷っていた時、ネウロイのビームは森林の不明地から放たれ主翼を引き千切った。
荒ぶる視界に、水平器は狂い始めた。
そして轟音をたたせながら森林の奥へと機体は突っ込み、身体に加わる強い衝撃で内臓が口から出そうになった。
何て日だ・・。
しかしイェーガー大尉の言う通りにここ周辺にはネウロイがまだ居た。
割れたキャノピーを開いて、2つの短機関銃を両手に持ち構えながら外へと出る。
もしもの信号銃とルッキーニ少尉から貰ったカゴのパンを肩掛けにし移動を始めた。
「痛みは無いな。さっさとここから抜け出そう」