「こっちだ!」
扱った小銃よりも重たく、肩を叩きだすような強い反動と共に機関銃の引き金を、指の関節で倒し続ける。
黄色い曳光弾が弾かれこちらに気づいた塔型のネウロイは、地を剥がしながらとじわじわ近づく。
それを誘導する様に瞬く間、ジープは動き出す。
ネウロイのビームに土煙は立ちながら追撃を加えた。
牽引車諸共破壊されると宙に一瞬浮びながら、背中を座席に強打した。
痛い。
いや、むしろ軽いほうだ・・。
そのまま石橋を通過。
ネウロイは諦めたのだろうか。
コアを防御しそのまま地中へと埋まりながらこの、視界から消えていった。
それと同時にジープも止まった。
「はあ・・やったな・宮藤さん」
「その武器・・私に貸してください」
言われるまま、助手席の方へ。
これで少しは体が楽になる名な・。
その時、木や芝生に居た鳥達が一斉に鳴き始め空へと羽ばたく。
後ろを振り向いたとき、塔型のネウロイが聳え立っていた。
「・・!」
宮藤さんが操るジープは急発進し、ネウロイ目掛けて体当たりしようとしていた。
まさに体当たり攻撃。
勿論自分も無駄時にするわけにも行かない。
宮藤さんは重たい機関銃を持ちながら脱出。
それと一緒に、拳銃を手に身を投げ出し、柔道の受け身を利用し体の衝撃を減らす。
熱風が皮膚を熱した。
「うおおおお!」
機関銃をぶっ放しネウロイの攻撃する宮藤さんは鬼の様に急変した様子だった。
そして大きなコアが破れたとき、一緒にネウロイのビームまでも宮藤さんの身に襲いかかり、数十メートル先まで吹き飛ばされた。
「宮藤さん!」
走って駆けつけるも、仰向けの宮藤さんの腹部は赤く染められ、簡単な治療が出来る状態ではない・・!
「宮藤少尉!」
「服部軍曹か!彼女は重傷だ!」
「そ、そんな!」
「通信は出来ないか!?」
「ノイズが酷くて・・あっ!」
なんて数だ・・。
黒く埋め尽くす空には子機のネウロイが大群として集まっていて、その中には母機の大型ネウロイまでが出現していた。
そうか・・!
「服部軍曹!こいつらよりもっと高く飛べないか!?」
「もしかしたら無線が・・!繋がるんですか!?」
「ああ分ってるじゃないか!」
頼むぞ服部軍曹・・。
援軍の要請は君に懸かっているんだ。
俺は彼女の身を守るのに精一杯なんだ。
ネウロイの妨害範囲を振り切れば無線が届くはずなんだ!
■(視点切り替えはこの様な形で変えます)
――ガリア ライン川周辺
誰にも知られず、ひっそりとある巨大な戦艦と共に扶桑海軍の元ウィッチがカタパルトに乗せられた、零観機に搭乗していた。
巨大戦艦は左右に浮き輪を搭載。
白い水兵達が対空戦闘に備える為に、25mm3連装の対空機銃には弾倉が装填され、高角砲は天へ向けられていた。
そして巨大な砲を持つ、46cm砲はすでに砲弾の装填が完了していた。
森林を上に飛行をするのは、ウィッチが11名、零戦隊2機、負傷している宮藤芳佳に向かう。
ハイデマリー少佐は微かな声を聞き取ったのか眉を寄せる。
「何か聞こえます・・」
そう発すると、インカムの奥からは、
<<宮藤少尉を・・助けて!・・>>
とノイズ混じりの服部静香の声が。
これに全員は急行する。
大和の後部、カタパルトからは零観機が発進される。
「宮藤ー!」
彼女の声と共に。
――視点 シデン
プロペラのエンジン!?
首を上げたとき、緑の翼を連ねた機体と人型物体・・まさか!
「隊長!」
ウィッチ隊と零戦だ!
「隊長!俺です、俺です!」
思いっきり手を振る俺に、隊長は微笑んだ顔で手を振った!
嬉しくて涙が出そうだけど今は流す時間じゃないんだな。
「お、おお・・」
蒼の光りを地上から放射する魔法陣。
それに大きい・・。
半径5mを楽々超えている。
まさか、宮藤さん。
「ああやっぱり。解散してもウィッチに」
犬の様な耳と尻尾。
が、子機のネウロイがすでに取り囲んでいて、光線は何時でも撃てる状態だった。
拳銃の引き金を引こうとしても遅い気がしたが森林の奥深く、凄まじい砲声が響き渡った。
砲声が轟きその数秒後。
ネウロイは一瞬にして砕け散る。
「シデン!後ろ、後ろだ!」
後ろ・・?
隊長の声に後ろを向くと、カールスラント製の戦闘機1機がプロペラを回し止っていた。
それを送り届けたかのように去っていくカールスラントのパイロットは、お迎えの部隊の車両へ乗っていく。
「どうだ!俺のお土産は!そいつはカールスラント空軍のウォッケウルフだ!」
ウォッケウルフ・・?
メッサーシュミットと言う陸軍の飛燕は聞いた事がある・・。
こいつは・・。
まあ良い、どれだけ高性能か俺が乗ってやろう!