医務室へ皆行ったが俺はあえて行かなかった。
格納庫へ入ると、ストライカーを整備していたイェーガー大尉とルッキーニ少尉が居た。
「お?ああ、今朝の!」
イェーガー大尉が気づき、後からルッキーニ少尉が手を振ってくれた。
適当なところに尻をつけて本題へ。
「イェーガー大尉はバルクホルン大尉と仲が良いのかい?」
「仲は微妙だけど同じ仲間だからな~。一応、信頼はしてるよ」
「ねーねー!これ飲んでみるー?」
ルッキーニ少尉の小さな両手で差し出してきたのは、瓶の中の茶色い液体。
「これは?」
「リベリオンの炭酸ジュースなんだ。飲んでみなよ」
炭酸と言えばラバウルでサイダーとか飲んだな。
まああれは飲みやすかったから。
瓶を口に運んで、一気に飲んだ時舌と喉、食道が痛い感じにヒリヒリする。
「た、炭酸がきついね・・」
甘くて少し苦い感じがするけど・・。
「ストライカーを整備しているのかい?」
「ははは。ストライカーじゃなくてストライカーユニットさ。 私のはノースリベリオンP51D」
「P51D・・」
ふとP51Dと言う言葉に脳裏から銀翼の戦闘機が蘇る。
その時は敵の新型機と認定し襲いかかったもんだが、相手になるほどのものじゃ無い。
なんせ高高度、高機動、高火力、高防弾、高航続・・。
どれも零戦が求めていた物をすべて入れた最高の戦闘機だ。
「どうしたぁ?」
「あ、いや・・あっちの世界でもP51Dと言う戦闘機があってな・・」
「へー・・。そう言えば別世界ではネウロイと戦争でも?」
「人間同士さ。 ネウロイなんていない」
「人間同士・・か」
小さく呟いたイェーガー大尉。
なんせ人間と人間の戦いだからな・・。
「ねーシャーリー、なに話してるの?」
「んー?ルッキーニには難しいお話さ」
まるでお母さんの様にルッキーニ少尉の頭を優しく撫でる。
「じゃあ俺はここで・・」
「おうまた後でな」
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お昼になるとまた皮膚を焼く様に暑い日差しが・・。
が、そこで我々の出番がやってきた。
ネウロイがこちらに接近して来ているのだ。
一直線に零戦へ乗り、現れる整備士が翼を伸ばす。
エンジンが爆音を唸らせながら、操縦桿を引いて倒し、右へ左へ。
「エルロン、ピッチ問題なし!」
次はフラップレバー。
「フラップ問題なし!」
声を高く確認を終えた整備士。
これで良い!
「よーし!問題無いな!」
「1番、隊長機発進!」
「2番機発進す!」
「3番機、問題なし!」
駆けつけてハルトマン中尉、イェーガー大尉、坂本少佐、ペリーヌ中尉がストライカーユニットを装備する間、俺達小隊は滑走路を蹴るゼロ戦を操り、空へと飛び立つ。
隊長機が機首を上げ、上昇する。
操縦桿を引く。
左右上下へ翼を振りバンクする隊長機は速度を落とし、俺の隣へ機体を動かし手を動かす。
"敵1体、高速型ネウロイ 高度3000m"
敵は1体、高速型のネウロイ高度3000m。
確かにジェットストライカーの様に速いロケットネウロイが突っ込んでくる。
距離を自ら縮める敵に20mm機関砲を発射。
爆発と揺れに、20mm弾は目標に命中したが装甲が剥がれる程度の損傷で、そのまま見えない速さで俺達を追い越した。
<<うおおおおおおお!!>>
<<バルクホルンさん!まだ魔力が!>>
バルクホルン大尉!?
すぐに機体を旋回しネウロイを追うと視界に、75mmカノン砲を手に砲撃を続けるバルクホルン大尉の姿があった。
<<あれには追いつけねえなあ・・>>
隊長が言った瞬間にネウロイは撃破、と同時にバルクホルン大尉は以前と同じ様に海へ落下。
<<無茶したなあ・・。当分はあの子達に取られるんじゃないか?>>