アニメキャラを呼び出して戦わせるマスターに選ばれた件   作:100¥ライター

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ロクでなし魔術講師と禁忌教典など今期作も一通り終わりましたね…
ロクでなしだとグレンやシスティーナはもちろん、リクエストが来ているアルベルトもしっかり出していきたいです。
グレンやシスティーナはなんとかなりそうですが、アルベルトはしっかり出すとしたらある程度原作を買わないと…
キャラは把握しているのですが、なるべく使う魔術もほぼ全て把握してから出したいですw

アヌビス神が葵に憑依し、遂に葵戦もクライマックス!
今回も見てくださると嬉しいです。


36話 Expert×Expert

アヌビス神の能力をおさらいしておこう。

 

まずある程度の知識があればジョジョのスタンドということは言うまでもなく分かるだろう。

 

 

アヌビス神の異質な点は大きく分けて二つある。

 

 

まずは本体がいない点。前の本体はとっくの昔…確か500年以上前に死んでいる。その強い意志がスタンドとして刀に宿った。故にアヌビス神に決まった本体はいない。アヌビス神は彼が選んだ刀を抜いた者に憑依し、その者を剣の腕に関係なく達人化させて戦う。

 

 

そして二つ目は学習するという点だ。学習くらい普通だと思うかもしれないが、アヌビス神の真髄は宿主が変わろうと戦った経験はなくならないということと覚えることで更にパワーとスピードを増すということにある。

 

 

つまり理論上無限に強くなるというのだ。恐ろしいことこの上ない。そして達人と達人の掛け合わせはもちろん相乗効果を生み…

 

 

 

 

「葵!やっちゃいなさい!」

 

 

「くっ…」

 

 

「ユウキさんかアイリスを呼びますか?」

 

 

「いや、それじゃあ必ずアヌビス神諸共葵を殺…退場させることになる。アヌビス神は加減が可能な相手じゃない。スタープラチナとシルバーチャリオッツを覚えた状態であれば尚更。それより宿主を変えられることを恐れるべきだ。ユウキやアイリスの技まで覚えられたらそれこそめんどくさい。」

 

 

「恐らく一般人でもアヌビス神は効くだろう。ヤケを起こした時雨綾が抜刀するのもまずい…モモ、お前はマスターをとっちめろ。ここは俺がなんとかしてみる。」

 

 

 

「無茶です!そんなことをすれば貴方の命が!もしかして洗脳を振り切ってくれることを期待しているんですか!?」

 

 

「いや、そんなもんはハナから期待していない。ポルナレフですら洗脳を振り切れなかったし、多分無理だ。」

 

 

もちろん葵がポルナレフ以下と言っているわけではない。ポルナレフ程の実力者すら憑依を振りきれないならば剣か宿主のどちらかを壊すしかないという話だ。

 

 

洗脳を振り切ると言えばガッシュのシェリーとココの話はいい話だったな。だが、俺と葵はあんな感動展開を用意出来るほどの仲ではない。というか俺にはあんな素晴らしい友人どころかただの友人すらいない。

 

 

「大丈夫だ。お前はお前の役割を果たせ。俺も俺の役割を果たすよ。」

 

 

 

「来いよ。ミスターアヌビス神…いや、今回はミスアヌビス神かな…?お望み通り相手してやんよ。」

 

 

足が震えてる…やめろ、あいつはアヌビス神が憑依した邦枝葵だぞ!勝てるわけがない!

 

 

モモを逃がしておいてアレだが今すぐ逃げたい。下手したらすぐ死ぬ。

 

 

「死ぬ覚悟は出来たか…?」

 

 

「あぁ、得体の知れないおっさんとかじゃなくて葵に殺されるならまだいい。」

 

 

 

「貴様相当狂っているな…」

 

 

 

「狂ってなきゃ生き残れないっつーの。人類皆バーサーカーだろ。」

 

 

落ち着いて風刃を構え、策を講じろ。俺には策を弄するしか能がない。術と策はやつにはないものだ。そこだけは俺が上回っている唯一のもの。

 

 

「…」

 

 

「…」

 

 

 

「こちらから行くぞ!アヌビス神!」

 

 

「かかってこい!惨たらしく殺してやろうではないか!」

 

 

「はぁっ!」

 

 

「ほらほらほら!軽い!軽すぎるぞ!」

 

 

風刃の一撃はいともたやすくいなされ、あっという間に後手に回ってしまった。

 

 

「ぐっ…!」

 

 

風刃は風の刃を飛ばせる以外はただの能力のないブレードだが、実際は軽くて丈夫かつ切れ味のある高性能ブレードである。

 

 

だが、だからこそ1発1発に重みがない。アヌビス神が防御するのは造作もない。

 

 

そしてこちらは…

 

 

「くらえ!」

 

 

「ぐっ!」

 

 

壁に風刃を刺すことで衝突こそ防いだが、かなり効く。

攻撃力は速さである程度補えるがそもそも葵より速度が出せない俺ではそれも叶わない。

 

 

「貴様の首を貰うぞ!」

 

 

切っ先をこちらに向けた突き!ならこれが決まる!

 

 

「これが風刃だ」

 

 

地面から出た風の刃がアヌビス神の剣先をへし折った。

 

 

「何!?」

 

 

「さっき壁に風刃を突き刺した時、壁に刃を潜行させた。そっから地面を伝わってきたわけだ。」

 

 

 

「おいおい、最強候補のアヌビス神…お前はそんな達人に憑依しておきながらこの雑魚マスターに負けんのか?」

 

 

まぁ、潜行というよりは伝播という方が合っているかもしれないが、今はそんな暇なんてない。こっから更にたたみかけるか?

 

 

「くっ!よくもよくもよくも!!」

 

 

「ぐっ!」

 

 

野郎…剣振り下ろした衝撃波だけで俺を吹っ飛ばしやがった…!やっぱ力が飛躍的に上がってる。そしてあっという間に俺の近くまで詰め寄ってきた。

 

 

「くらえ!」

 

 

風刃はさっき左へいったから手元に武器はない。だから刃も飛ばせない。ならばと俺はとっさに葵がすっ飛ばした木刀で突き刺しにかかった。

 

 

「甘い!」

 

 

「がぁっ!」

 

 

トリオン体の右腕が宙に舞い、腕から鋭い痛みが走った。だが、痛みに悶える暇なんてない。

 

 

「くっ…」

 

 

風刃はなんとか回収した…こっからまだなんとか…

 

 

「これで終わりだ!」

 

 

「…!!」

 

 

俺は思い切り校舎から投げ出されたが、咄嗟に風刃を校舎の崖に突き刺して事なきを得た。

 

 

「ふっ、ほらほら!落ちるぞ!しっかり握っていろ!」

 

 

「がぁぁぁぁぁぁぁ!うぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

こいつ!俺の右手を刀で…!!くっ…トリオンがどんどん漏れていく…

 

 

「…くっ、殺せ。その方が良い。」

 

 

「いいや、ダメだ。お前は更に嬲って最上級の苦しみを与えてから殺してやろう!」

 

 

「…忠告はしたぞ。」

 

 

「?」

 

 

「ビンゴ!」

 

 

風刃を壁に刺した時に潜行させた…ありとあらゆる方向からの風刃の刃!やつは俺の右手の甲をえぐるように突き刺しているからすぐには抜けない!

 

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 

「…ったく…葵の見た目で汚い言葉使いすんなー」

 

 

アヌビス神を倒した瞬間気が抜け…あ、しまった。トリオン体活動限界か。ブラックトリガーじゃベイルアウト出来ないし、命令権じゃ物理的に不可能なことは行えない。なら令呪を使わないと…

 

 

ガシッ!

 

 

「ん?」

 

 

「これはせめてものお礼よ。」

 

 

あぁ、葵か。憑依が終わってすぐに俺の手を掴んでくれたのか。

 

 

「…すまん、助かる。」

 

 

試合には勝ったはずなのに勝負では負けちまったな。葵が心の優しい良い奴だったことが幸いし、この手を取られて命が助かったが、これがそうでなければ俺の命が取られてゲームオーバーだっただろう。

 

 

「私の負けよ。貴方、名前は?」

 

 

「津島隼人だ。」

 

 

「津島くんね、よろしく。」

 

 

「さて、じゃあ…ちょっといいか?マスターと話がしたい。」

 

 

「え、えぇ…」

 

 

 

 

俺が戻るとモモが他のみんなの無力化に成功していた。やはりモモはこういったサポートとしての方が役立ってくれるな。

 

 

「さて、時期に今日の戦いも終わる。時間かけたくないし、俺がお前に言いたいことを簡潔にまとめるとこうだ。」

 

 

「…お前いい加減にしろよ。」

 

 

「うぅ…」

 

 

今まで見せたこともない怒りの感情を露わにしたせいか時雨綾のみならずユウキ達も萎縮した。

 

 

「あの場は俺がなんとか出来たからいいが、お前よくスペックも性格も全く分からないキャラを戦場にぶっ込む気になったな。あいつが派手に暴れてたらお前の仲間。…いや、下手をしたらお前にまで手をかけていたぞ。」

 

 

マスターが死んだり、退場した際に他の仲間になるルールがどれだけかは知らないが、アヌビス神がDIO様に忠誠を誓うだの思っていて、そしてDIOが元々の部下が仲間に入るのを全て承認していたら仲間になった。とかもあり得そうだから怖い。

 

 

おまけに誰でもいいから次の主を!と想い、どっかの誰かが受け入れますよという意思表示をしているだけでもその人仲間に入れますよ。とかだったらもっと恐ろしいことになってた。

 

 

この辺の定義はいつかしっかりと突き止めておく必要があるな。

 

 

「とりあえず強そうな駒をゲットしたから出そうみたいな感じか?この戦いは将棋とかストラテジーゲームじゃないんだぞ。そんなことまで分からなくなっちまったか?」

 

 

「まぁ、要するに…お前と組んで足を引っ張られたくない。また来たら何度でもブチのめす。退場はさせないでやるからこれ以上安易な召喚は避けろ。以上。じゃあな。」

 

 

「…待って。」

 

 

「ん…まだ何かあるのか?」

 

 

俺が振り返るとすぐ後ろに葵がいて、耳打ちしてきた。

 

 

「 」

 

 

!?マジか…

 

 

「うむ…。葵がそこまで食い下がるならお前に免じて交渉の席につくとしよう。」

 

 

「本当!?」

 

 

時雨綾が予想外に喜んでいる。あの安堵の表情…かなり切迫詰まっていたと思われる。

 

 

「ただし、条件がある。まず少なくとも葵は必ず認識阻害をかけずに交渉の席に出せ。次にこちら側として俺が呼んだキャラを最低一人出させろ。そして交渉の場はお前の家。最後に…以下の条件を破るか俺を出し抜く気でいるなら…交渉決裂はもちろん。俺はお前を敵として、全力で排除する。日にちは任せるが、どうする?」

 

 

「…分かったわ。今日の放課後にすぐ済ませるわ。」

 

 

「了解。そしたら…」

 

 

「俺を保健室に連れていってくれ。今授業中だから普通に遅刻したらお互い面倒だろ?俺が貧血で倒れていたことにすっからお前は俺を連行していたってことにしておいてくれ。」

 

 

「え、えぇ…」

 

 

俺は二度に渡った邦枝葵戦で精神的にかなり疲れた身体を時雨綾に委ね、保健室まで連行してもらった。

 

 

時間を考えると交渉まであと1時間とちょっとか…どうするかな…

 

『試合終了!』

 

 

 




最後まで見てくださり、ありがとうございます。
とりあえず時雨綾及びそのキャラ達とのバトルはこれでおしまいです。
次回は交渉が始まり、二人のマスターの駆け引きの始まりです!
それでは!

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