アニメキャラを呼び出して戦わせるマスターに選ばれた件   作:100¥ライター

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魔法科高校の劣等生の映画を観てきました!
さすがお兄様と言ったところです
詳しいことを言うとネタバレになるので詳細は避けますが、とにかく面白かったです!
あとはノゲノラの映画も観に行かなくては…
最近面白い映画がありすぎて金に困ってますw

…と、雑談はこれくらいにして…今回も見てくださると嬉しいです


37話 時雨綾

保健室で授業をサボり、学校が終わったところで交渉の幕が開こうとしていた。

 

 

駆け引きは俺が全て担当し、俺に何かあればすぐさま他4人がなんとかするようにと言ってある。準備は万端…

 

 

ピロン!

 

 

何だ?このアドレスは…あぁ、魔王軍の新井からか。内容は…

 

 

『汝に一つ言い忘れていたことがあった。貴様…相当な女難の相が出ているぞ。この見通す悪魔バニルが忠告しておいてやろう。女には色々と気をつけた方がいいぞ。』

 

 

 

いや、何か普通に怖いんだが…それにもしかしたら俺の所に女のキャラしか来ない理由って実は…

 

 

「ここよ」

 

 

時雨綾の声で考えが止まり、意識が指差す先に向いた。特におかしな点はない至って普通の一軒家だ。どうやらもう着いたらしい。

 

 

「ん?」

 

 

何か違和感があるような…いや、それよりも俺と同様に徒歩で帰れる距離に家があるということは下手に相手の提案を却下するべきではない。やはりあそこで潰すべきだったか。

 

 

「お、お邪魔します」

 

 

「何?入っていいわよ」

 

 

「…いや、女の家になんて行ったことないなぁと思って」

 

 

「…あんた今までどんな生活をしてたの?」

 

 

「中学後半辺りからなりを潜め初め、高校ではミスディレクションさながらにいてもいなくても分からないぐらいの存在感で生活していたが。」

 

 

学祭の準備も軽くサボっても誰にも怒られないし、まず気づかないからな。役は裏方に回ったし。

 

 

「まぁ、そんな感じよね…同じクラスメイトだって特定したはずなのに一瞬貴方のこと分からなかったし。」

 

 

「それなら俺の高校生活も少しは役に立ったもんだな。」

 

 

まぁ、今この時に比べちゃ本当につまらない高校生活だったが。だが、それよりも…

 

 

「…さて、交渉開始といこうか。何が望みだ?」

 

 

交渉の席に座ったのは俺側はユウキ、アイリス、マシュ、モモの全員。対して時雨綾は葵のみ…約束は守ったが、それ以上はしなかったか。

 

 

「単刀直入に言うと…」

 

 

「あ、ごめんなさい。今日熱かったでしょ?喉渇かない?」

 

 

葵が話を切り出した時に時雨綾が話を遮ってきた。

 

 

「あ、結構でー」

 

 

「え、えぇ。少々喉が渇いていまして…」

 

 

しまった。水筒に渡していた飲み物を全部飲んでいたか。アイリスに拒否させたり、俺のを渡すのは気がひけるし、頂くか。

 

 

「すまん、頂く。」

 

 

「分かったわ。」

 

 

時雨綾は早速キッチンの近くの冷蔵庫へ行ってしまった。

 

 

「…で、話の続きを頼む。」

 

 

「え、えぇ…単刀直入に言うと私達は戦力を欲しているわ。」

 

 

「何のためにだ?」

 

 

「私の友達が誘拐されたの。」

 

 

「友達…ここで指す友達とは千秋とかお前の友達じゃなく、マスター…時雨綾の友達ってことでいいんだな?」

 

 

「そうよ。彼女はあるアニメキャラ狩りの手に落ちた。」

 

 

「アニメキャラ狩りか…」

 

 

モモの面持ちが変わった…そういえばモモもキャラ狩りの被害者だったな。

 

 

アニメキャラ狩りはこの戦いで忌むべき行為の一つ。相手が所持しているキャラを無理矢理奪う行為…しかし実際問題、相手の方から仲間になるという意思がないといけないので相手に特定の思考を植え付ける類の所謂洗脳系の能力者が必要となる。そして他の手段があるとするなら…

 

 

「えぇ。主犯はパラガスという男よ。」

 

 

『…!?』

 

 

思わず目を見開いてしまった。あいつは北海道で活動していたはずじゃ…いや、確かにブロリーは北海道にいたが、パラガスは乗っ取りに行っただけ。パラガスは別の場所にいたか…!

 

 

「ですが、邦枝さん。アニメキャラという制約上戦いの時間でなければアニメキャラどころかマスターにすら手出し出来ないのでは?」

 

 

 

「マシュ、確かにアニメキャラは手出しが出来ない。だが、マスター同士なら?」

 

 

「マスター同士…マスターならただの人間…はっ!…でもそんなことを…」

 

 

どうやらピンと来たらしい。そしてその犯人の行いを推測出来たせいかマシュの表情が著しく曇った。

 

 

「そ、主犯はパラガスなんだろうけど実際はその友達を誘拐したのはマスターであり、そいつのアニメキャラは誘拐したマスターを人質に取られているから反抗出来ない。…おおよそこんなもんか?葵」

 

 

ここまで言い切った瞬間、葵はバン!と思い切りテーブルを叩いた。

その目からは静かな怒りが感じられる。

 

 

「え、えぇ…そうよ。察しが良くて助かるわ。」

 

 

「そんな…酷いです…」

 

 

「そうだな。アイリス…許しがたいことだよな。」

 

 

「今時雨綾が俺に一服盛ろうとしていることくらいにな。」

 

 

「えぇっ!?」

 

 

「さすが津島さん、気づいていましたか。」

 

 

反応からしてユウキは気づいておらず、モモは気づいていたか。視線を無理に合わせる必要がないとはいえ、やはり抜け目ないというか…

 

 

「なっ、何を言ってるの?津島くん!」

 

 

いや、その表情からバレバレなんだが。そのために葵を出せと言ったんだし。卑怯な手とかを好まない葵は恐らくこのことに反対したんだと思われる。

 

 

「お、おまたせ…アイスティー持ってきたよ…」

 

 

「葵、やましいことは一切ないと言い張るんだな?」

 

 

「そ、そうよ…」

 

 

「よし、じゃあ…時雨綾が持っているグラスと俺のグラスを交換しろ。」

 

 

「うぅ…」

 

 

「…仕方ないでしょ!どんな手を使ってでも貴方を仲間に引き入れないと私の大切な友達が酷い目に…!」

 

 

「今トランクスと珠雫に認識阻害をかけてんのは俺がトイレ行くだの携帯の着信が入っただのでこの話を他者に漏らされ、悪用されるのを防ぐためだろ?

そして葵がさっきからマスター名も所持してるキャラも言わず、曖昧に濁しているのも同様。

例えば超レアなキャラをそいつが持っているだなんて他者に知らされたらそのキャラの争奪戦になるからな。」

 

 

たとえ小さい子供にすら銀行員にこの銀行にはいくらお金があるんですか?と聞いても絶対教えてくれないのと同じだ。

 

 

「ついでに言うならテーブルを叩いた時、あれは万が一にもアイスティーに入れる薬の音を聞かれるのを防ぐため。あと言うことの一つ一つを短くし、相手を会話に引きずり込むやり方も時雨綾の入れ知恵か?」

 

 

「…全部読まれていたの?」

 

 

「お前らが…というよりはマスターである時雨綾は結構用心してんだと改めて実感した。だが、これはルール違反だ。」

 

 

「よし、お前ら帰るぞ。俺はロクでなし魔術講師と禁忌教典(アカシックレコード)の呪文や詠唱呪文の暗記で忙いんだ。」

 

 

「…その子の所持しているキャラはシスティーナって聞いたわ。」

 

 

しまった!やつにつけ込まれた!!ヘマしちまったな…だが、システィーナと聞けば俺も欲しい。

 

 

だが、こいつのことだ。にわか知識でハッタリかまして実際は嘘でした。という可能性もある。だから俺は少し意地の悪いことを言った。

 

 

「なら証拠を見せてみろ。…そうだな、マスターと写っている写真とかだと好ましい。」

 

 

写真を撮っても一般人はそのキャラがいることやそのキャラであると認識出来ないのは写真で見ても認識阻害がかかっているからだ。マスターにもかかる認識阻害がかかっているのであれば他のマスターにすら目視することは出来ない。

 

 

「証拠…出してみろよ。」

 

 

「えっ、それは…」

 

 

「ほら、出せないんだろ?つまりはそういうこった。」

 

 

「…」

 

 

「確かにシスティーナがいるのは嘘かもしれない…でもさ、システィーナがいる可能性が1%でもあるんなら…助けに行かないわけにはいかないよな!!」

 

 

「そ、それじゃあ!」

 

 

時雨綾の表情がぱぁっと明るくなった。

 

 

「協力はしてやる。出し抜こうとしたことも目を瞑るとしよう。だが、協力するって言ったからには必要最低限で構わないから情報の共有はさせろよな。」

 

 

「分かったわよ…」

 

 

「あ!」

 

 

「何?」

 

 

 

 

「お前野獣先輩だろ」

 

 

「まず立証その1!野獣先輩女の子説。これは当たり前だから飛ばす。

次にその2。王道を征く。時雨綾は王道系のアニメしか見ておらずまさに王道を征くやつだ。そして野獣先輩もソ◯プという王道を征く人だ。立証その3。大胆な告白。俺がお前を論破しようとしたらキレ気味で大胆な告白をしてきた。野獣先輩も無理矢理ゴリ押しで大胆な告白をしている。」

 

 

「立証その4!野獣先輩はアイスティーに睡眠薬を盛って眠らせる。そして時雨綾も同様の行為を行った。だが、本題はこれからだ。野獣先輩が睡眠薬を盛ったのは4章!この話の1話〜9話を序章とし、10話から19話を1章…と区切っていく。もしくはユウキが仲間になったのを1章とし、アイリスが仲間になってからを2章と、仲間が増えた回から章を区切っていくと…前者なら今は番外編諸々を含めればちょうど40話。後者ならモモは4人目の仲間。つまり4章となる!」

 

 

「立証その5。お前の名前である時雨綾(しぐれあや)時雨(しぐれ)時雨(じう)に変えてローマ字にするとJIUAYA。並べ変えるとA YAJIU!つまりあ、ヤ・ジウになる!ヤ・ジウは沢山ある野獣先輩の呼び名の一つ!よって時雨綾は野獣先輩。Q.E.D. 証明終了」

 

 

 

 

なんてことを思いついたが、完全に空気をぶち壊すのでやめておくか。

 

 

「い、いや…気のせいだった。とりあえず計画の詳細を聞こう。」

 

 

〜〜

 

 

話を聞けば明日の戦闘開始の時にでもすぐさま向かうらしい。それまでは無事が保証されているんだとか。あの時はかなり切羽詰まってたんだな…。

 

 

さて、3人共風呂に入って寝たな。だったら…

 

 

 

「お風呂いっしょに………入っても………」

 

 

「!?」

 

 

「いいかなぁ〜〜〜〜〜〜〜っ?『モモ』!?」

 

 

某ジャンプ漫画の殺人鬼のごとくモモのいる風呂場に入った。もちろん下半身の所はしっかり隠して。

 

 

「あらあら〜、津島さん…私を我が物にしようってことですか?」

 

 

「全然違う。話はもっと別の話だ。3人には聞かれたくない話なんでこのような措置を取らせてもらった。」

 

 

モモには最初から気になる点があった。それを聞きたい。

 

 

「そうですか。なら私もちょうど3人には聞かれたくない話がありまして…」

 

 

「それならお先にどうぞ。」

 

 

「それでは…津島さんが時雨さんに協力する気になった主な理由はユウキさんとアイリスさんですね?」

 

 

「…お見通しか。そうだよ。俺が断ろうとした時、ユウキとアイリス…そしてマシュもなんだか凄く悲しそうな顔しててさ。これを受けないと後で一悶着ありそうな気がしたんだ。情に(ほだ)されるなんて…バカみたいだろ?かつて…ユウキに会う前の俺なら間違いなく断ってた。でも今の俺は随分と感情的になっちまったもんだなと改めて思うよ。」

 

 

「…私達のせいですか?」

 

 

「あぁ。でも悪いことだとは思ってないさ。お前やマシュ、アイリス。そしてユウキと出会えてやっと人間らしくなれた気がする。」

 

 

「じゃっ、次は俺からお前に…」

 

 

「これは言うか言うまいかずっと悩んでいたんだが…」

 

 

これを聞くのは失礼にあたる。だが、モモは優秀だ。だからこそ今後強敵と戦う前にしっかりと真偽をはっきりとさせたい。

 

 

「お前、ジョルノのとこの間者…要するにスパイだろ?」




最後まで見てくださり、ありがとうございます
今回は…前のバトル回連続と打って変わって駆け引きばっかになってしまいましたw
どっちでも面白い話を書けるように頑張りたいです!
それでは!

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