アニメキャラを呼び出して戦わせるマスターに選ばれた件   作:100¥ライター

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やっと総合評価が200を超えました!ありがとうございます!!
40話以上も話数がかかってしまいましたが、これも長い間お付き合いしてくれている皆さんのおかげです!
これからも頑張りますので応援してくれると嬉しいです



38話 予期せずあいつに全面戦争をふっかけることになったワケ

スパイ…実はこの戦いにおいてほぼないとされる手だ。

 

正直、マスターに気を配りさえすれば9割以上のスパイは対策可能だ。

だが、スパイにアニメキャラを使うとどうなるか。

 

 

この戦いではマスターの証があり、それを見れば所持しているキャラが一目瞭然。だから仲間だと騙る間者を送ってもすぐバレる。

 

 

かと言って自分のキャラを相手の所持キャラにさせるには今現在の段階では最後の一人が相手の仲間になりたいと望み、それをマスターが承認するしかない。つまり自分が退場するので本末転倒だ。

 

 

組織の中の誰かを…という手段も捨て駒が使えないリアルでは現実的ではない。

 

 

だが、もしも偶発的にそんなことが出来てしまったのであれば?

 

 

そんな可能性が出て来た時こそ一層警戒するべきだろう。

 

 

 

 

「…私が…ジョルノさんが送った間者…?」

 

 

「お前が最初に来た時、あの発言はおかしいんだ。モモがジョルノ達の仲間であれどナナとは違って、マスター違い。これならまだ分かる。」

 

 

マスター違いでも上手くやってる組織は色々とあるらしい。前に会った雷と電のマスターもどうやら東京の鎮守府に所属し、その総帥と上手く行っているらしいからそれならまだ信憑性が高い。

 

 

「だが、何故アニメキャラ狩りにやられた時、ジョルノのところへ行かなかった?ジョルノのチームなら同作品であるナナがいることが保証されている上に優秀なリーダーがいる組織という点を見れば安定している。不確定要素が多すぎる俺達のチームに入る以上のメリットがやつのチームにはある。」

 

 

「この手段を取る理由として考えうる選択肢は2つ。まずはナナ達が信用可能でもジョルノのマスターが信用出来ないか。」

 

 

これに関しては今の俺にあたる。邦枝葵は信用出来てもマスターの時雨綾は信用出来ないみたいな。まぁ、そんなやつは割とレアかもしれないが。

 

 

「だが、モモはジョルノと普通に組んでいた。特に不信感を抱いている様子はなかった。相手マスターが信用出来なくて渋々共同戦線を張るとするなら本当にやむを得ない状況になる時ぐらいだ。あの時の戦いがそうだとは見えなかった。」

 

 

「そうじゃなきゃ…あとはスパイだってことくらいだよな…?」

 

 

「…ふふ、良い勘していますね。ただし、それは証拠にはなりませんよ。」

 

 

「いや、証拠って言ってもさ。たまにジョルノんとこ…つーか、ナナに連絡取ってるじゃん。」

 

 

「…はっ!!…見ていたのですか?私が報告していたのを…」

 

 

「へぇ、本当だったんだな。」

 

 

よし、成功!あんまやったことはなかったが、上手くいった。

 

 

「ー!? カマをかけましたね…」

 

 

「あぁ、ハッタリだよ。証拠なんて何一つなかった。だが、お前の自白でハッキリした。」

 

 

「じゃあ、どこまで吐いたか。やつの情報だのそこんところ色々詳しく教えてもらおうか。 少しでも嘘や隠し事が混ざったら即命令権を使うぞ。俺は正直気乗りしないから使わせないでくれよ。」

 

 

「はい…分かりました。」

 

 

 

 

聞いたところ想定していた程細かな情報は提供しておらず、所持キャラの報告やジョルノに牙を剥かないように監視したり…など要するにただのお目付役。だからこそ俺の劣勢時に仙豆を渡したり、珠雫やトランクスと戦う時に本気で指揮をしていたらしい。

 

 

「じゃっ、あとはジョルノに話をさせろ。あくまで多少話をするだけだ。」

 

 

「分かりました。」

 

 

モモに使わせているパソコンからジョルノに連絡をとった。

 

 

「モモかい?」

 

 

「いや、俺は今現在のモモのマスターだ。」

 

 

「おや?君は遊園地の時の…該当作品を漁っても一致するキャラがいないからもしや…と、思っていたけれどまさか本当にマスターだったとは。驚いたよ。」

 

 

「俺から言いたいことは一つだ。」

 

 

「…何だい?」

 

 

「…こそこそ遠くから監視なんてすんのやめて俺と同盟を組もうぜ?こっちの情報はある程度与えちまってるが、これからは更なる情報の共有といかないか?あと不可侵同盟も結んでくれると助かる。」

 

 

「そちらが提供する情報は?」

 

 

「…俺が今までに会った全てのアニメキャラをまとめたノートを写真に撮り、お前に送ろうじゃないか。それでジョルノから信頼が得られるなら安い買い物さ。」

 

 

「…ありがとう。それは後で受け取ろう。では、お礼と言ってはなんだろうけどこちらも今まで見たり聞いた限りのキャラのデータを送る。」

 

 

「オーケー。」

 

 

「…で、念のため確認だけれどまとめたノートの表紙だけ写真で撮って送った。なんてことはありませんよね?」

 

 

「そっちこそ。変なウイルス添付したり、解析不可能なデータ送るのはなしだからな?」

 

 

「…君とはいい関係になれそうだ。」

 

 

「こちらこそ…さすがパッショーネを率いるボス…いや、ジョジョと呼ぶべきか。」

 

 

ジョルノはディアボロを連想させるボスという呼び方が嫌いだったな。これはうっかりしてた。

 

 

「あぁ。いつか機会があるならば今度は直接会おう。それじゃあ。」

 

 

「またな。」

 

 

ピッ。よし、終わった…

 

 

「はぁぁぁぁぁっ!疲れたぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

良かった…1ミスしてたら危ないところだった。

 

 

「お疲れ様です。津島さん。」

 

 

「おう、サンキュな。」

 

 

これで気がかりも消えた。あとは明日のいつかにある戦いに備えるだけだ。

 

 

「じゃっ、改めて…モモ・ベリア・デビルーク。」

 

 

「はい。」

 

 

「俺が必ずたどり着くと決めた目的を達成するためにはお前の力が必要だ。その力を俺に貸してくれると嬉しい。」

 

 

「…こちらこそ改めて。私のことをよろしくお願いします、津島さん。」

 

 

 

 

そして翌日。時雨綾は学校に来なかった。その代わりに…

 

 

「全く…時雨綾のやつ。学校休むんなら連絡くらいくれてもいいじゃー」

 

 

「見つけたわ。津島くん、ちょっとそこまで付き合って。」

 

 

この葵の真剣な顔。つまりは何かあったってことだな。

 

 

「おけ。話を聞こう。」

 

 

 

 

場所を移動してから早速本題に入った。

 

 

「貴方の早退届は既に出したわ。試合開始コールが鳴り次第、すぐ向かうわよ。」

 

 

おいおい、いつの間に…手が早いな、全く…

 

 

「で、時雨綾も誘拐されたと?」

 

 

「そうよ。」

 

 

「あぁ、なるほど。つまりは『あー、今日も学校楽しかったなぁ。早く帰って宿題しなきゃ。』って独り言を言ってたら物陰から隠れていたおじさんから膝蹴りをくらって誘拐されたと。」

 

 

「…マスターが誘拐されたのは登校前よ?」

 

 

「すまん、忘れてくれ。つか忘れろ。で、犯人の要求は?」

 

 

「貴方の所持キャラであるモモ・ベリア・デビルークの譲渡よ。」

 

 

アニメキャラ狩り…もしかして同一犯か。全く…懲りない連中だな。

 

 

「モモは俺が永久指名してるからお前はTo LOVEるの文庫本版の大人買いでもして一生恋が実らない相手に貢いでリトとモモが相思相愛になるのを震えて待てと伝えろ。じゃあな。」

 

 

「…待ちなさいよ。」

 

 

「何だよ」

 

 

葵の目つきがより険しくなっていく。気を強く保たなければ気圧される程に。

 

 

「協力するって言ったわよね…?」

 

 

「やつは必要最低限の情報共有を怠った。よって同盟を破棄する。」

 

 

これを言ったからにはもう決別は避けられないだろう。そして俺がこのまま破棄すりゃ時雨綾も退場して終わる。 これでいいんだ。これで…

 

 

『試合開始5分前です。』

 

 

「むっ」

 

prrrr…

 

「…主犯から電話よ。」

 

 

「あいよ。」

 

 

とりあえずモモ譲渡を断る電話だけ入れるか。

 

 

『探しましたぞ。津島隼人。』

 

 

「誰だ貴様は。」

 

 

『パラガスでございます。』

 

 

「あっそ。要件を話せ。」

 

 

『ただ今マスターに代わります。もうしばらくお時間を。』

 

 

『大人しくモモをこちらに渡せば時雨綾とお前の命を助けてやろう。さぁ、どうする?』

 

 

 

「ふふふ…はははははははは!!あっはっはっはは…あ〜お前ってば…最高にバカだよな!!いやぁ〜ここまで笑ったのは久々だわ。」

 

 

「まず時雨綾のことはどうでもいい。そして俺の命を守るのはマシュで間に合ってます!はい!終わー」

 

 

『ひっく…うぅ…お願い、助、けて…』

 

 

終わって良いわけねぇよな!!

 

 

「てめぇ…時雨綾には何しても構わないが、そいつとそいつのマスターに危害を加えたら…地の果てまででも追い詰めて…俺のポリシー曲げてでもお前を殺すからな。今すぐそっちへ行く。待ってろ。」

 

 

「ちゃっかり私のマスターだけ省かないで。」

 

 

あ、つい本音が。しかし、今はそんなのに返す時間もない。

 

 

「葵。お前がバイクで飛ばせば何分で着く…?試合開始前に行けるか?」

 

 

「余裕よ。乗せてあげようか?」

 

 

「頼む。」

 

 

連続グラスホッパーの加速でも着けなくはないだろうがトリオンの消耗を考えれば最適解ではない。極力抑えられるなら抑えないと。

 

 

「じゃっ、お前達は後から来い。俺はとにかく先を急がせてもらう。指揮はモモに任せる。」

 

 

「了解です、津島さん。」

 

 

「さて、行くぞ。葵!」

 

 

「えぇ!」

 

 

頼む。どうか間に合ってくれ。

 

 

 

 

「ふん、全く…馬鹿なやつらだな。冷静沈着なマスターかと思えばお前の声一つで血相変えて本気になるんだからなぁ…システィ。」

 

 

「くっ…」

 

 

「はははは!ブロリーに勝てる者などもはや一人もおらん!女一人に踊らされるなどと…その気になったやつの姿はおわらいだったぜ?」

 

 

「そうだろう?パラガス…マスターの命を人質に取りさえすれば情が移ったキャラは従わざるを得なくなる。あとはこちらで奪えば命令権でいくらでも好き放題…はははは!」

 

 

「…あんた達…やることが下衆ね。そこにいる子達はみんなそれで落としたの?」

 

 

「はっ…哀れだな。お前もそうやって生意気な口を利くことしか出来ないんだからなぁ!」

 

 

「…だが、安心しろ。もう時期俺好みに改造してー」

 

 

「そうはさせらんねぇな。」

 

 

「えぇ。貴方の好きにはさせないわ。」

 

 

やっぱ葵は速かった。見事試合前に着いた。

 

 

『試合開始!』

 

 

「さて、来たな。三流マスターよ。だが、お前らの努力も徒労に終ー」

 

 

「葵。」

 

 

相手に気づかれないようにハンドサインを出す。これで察してくれるはず!

 

 

「心月流抜刀術参式…飛燕燕子花(ひえんかきつばた)

 

 

すぐさま意図を察した葵は木刀で周囲に円を描くように薙ぎ払い、斬撃を飛ばした。そしてそこには…

 

 

「ぐぁっ!ば、馬鹿な!」

 

 

よし、やはりいた!見た目からして落第騎士の霧矢…いや、桐原だったか。そして俺はこの隙を突かせていただきます!

 

 

「グラスホッパー!」

 

 

すぐさまグラスホッパーで加速し、一番重要なやつのみを救いに行った。

 

 

「…すまん、辛かったよな…。システィーナ。」

 

 

「ありがとう。本当にありがとう…うぅ…」

 

 

システィーナが目に涙を浮かべながら俺に抱きついてきてる。

確かに頭の悪い選択ではあった。でもシスティーナを救えたんだから悔いはない。ブロリーだろうと全面戦争ふっかけてやる。

 

 

「ちょっと!私はどうすんの!」

 

 

「悪いな!お前を助けるのは契約外だ!そこまで要求すんなら追加料金を貰うぞ!」

 

 

「はぁっ!?協力するって言ったわよね?」

 

 

「言ったよ?でもさ…俺はシスティーナを助け、お前とそのための最低限必要な情報共有をするぞとしか言ってないよな?システィーナのマスターの命もついでに助けるがそこまではしないぞ。」

 

 

「え?だって同盟…」

 

 

「確かに同盟を組むとも言った。だが、よく思い出せ…俺はお前を助けたりするなんてことは一言も言ってー」

 

 

俺がそんな意地悪いことを言っていると時雨綾が無言で涙を流し始め…

 

 

「分かった!分かったから!あとで…システィーナのついでのついでぐらいに助けるから!」

 

 

「…ったく、ペース狂いっぱなしだな…。じゃっ、パラガスとそのマスターに一つ言っておく。確かにお前らはルール違反をしてない。だが、お前らのやり方が気にくわねぇ!俺が全力で潰す!」

 

 

「何故だ?欲しい女を手に入れ、あわよくば抱く。貴様もそれに尽きるはずだ。その何が悪い?まさかお前にはそういった感情が全くないとでも?」

 

 

「そういうことじゃねぇよ!確かに俺はゴリゴリのゲイなんかじゃないんでシスティーナは大好きだ。それは否定しねぇよ。だが、てめぇのために来てくれたキャラに対してそんなこと考えるんじゃねぇ!そして何より…システィーナが泣いてんだろうが!!」

 

 

ついカッとなって感情を剥き出しにしてしまった。俺はこんなこというようなやつじゃないはずなのに…反省しなくては。

 

 

「システィーナ。離れるなよ。」

 

 

「わ、分かったわ。」

 

 

システィーナの手を俺の首に回してもらい、後ろから抱きつくようにしてもらった。これで俺の腕はフリーになった。

 

 

よし、ある程度集中出来る。これがルミアなら即詰ー

 

 

「いたたたたた!泣きながら首を絞めるな!」

 

 

「今絶対失礼なこと考えていたでしょ!」

 

 

「一応お前を助けに来たやつになんて言いがかりつけてくれてんだ、お前は!」

 

 

…まぁ、少しぐらい元気になったなら良しとしよう。

 

 

「さぁ、やつを倒せ。フロスト。」

 

 

フロスト…?さっきあのマスターはフロストと言ったか?つまりもしかして…

 

 

「おやおや?あの捕まっていた彼女はともかく彼はマスターである以上普通の人間では…?殺してしまうかもしれませんよ?」

 

 

やっぱフリーザのそっくりさんのフロストだよなぁ…全く…

 

 

「別に殺しても構わないさ。」

 

 

「おい、随分と悲しいこと言うじゃねぇか。一応同じ学校の生徒だろ?まぁ、ウチの学校から犯罪者が出た時点でもう悲しいが。」

 

 

「お、同じ学校だったの!?」

 

 

時雨綾…ちょっと鈍くないか?まぁ、俺はもちろんあいつの名前なんざ知らないが。

 

 

「あのさぁ、お前が人質にされて俺との繋がりが露見したとか間違いなく確信犯じゃん。お前のあの馬鹿な行為を見てたんだろうよ。」

 

 

他にも1kmルールが作動しないため、学校から1km圏内の場所に捕まっていたことになる。これは断言は出来ないが判断材料の1つには出来る。

 

 

「にゃにおう!!」

 

 

「だが、それがなきゃシスティーナは助からなかった。感謝する。」

 

 

「お前にも協力を求めるかもしれない。傷心のところ悪いが…協力してくれるか?」

 

 

「…えぇ、私に出来ることなら。」

 

 

さて、あとはこのまま粘ればオーケー…極力切り札を切らせる前に撤退したいが…。他のマスターがいる弊害として、ベイルアウトで俺達だけ逃げることは出来ないな。

 

 

「…すみません。少し遅れました。」

 

 

「珠雫、来てくれたんだな。」

 

 

「邦枝さんからの連絡がつかなくなって焦って探してみたら…案の定こんな展開ですか…。」

 

 

「そ、それは…ごめん。」

 

アイリス、マシュ、ユウキ、モモ。総じて俺の仲間が来るまで時間を稼げてれば俺の勝ち。ただの時間稼ぎ。切り札を切らせない立ち回りを心がければなんとかなるはずだ。

 

 

「さて、ここが踏ん張りどころだな。」




最後まで見てくださり、ありがとうございます。
遂にまだギリギリ今期のアニメであるロクでなし魔術講師と禁忌教典(アカシックレコード)から白猫ことシスティーナが登場!
同作品でリクエストが来ているアルベルトも必ず出しますのでそちらはもうしばらくお待ちください!
次回もお楽しみに!それでは!

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