アニメキャラを呼び出して戦わせるマスターに選ばれた件 作:100¥ライター
特に駄々こねてるとことか!
可愛さのあまり悶えていた作者です。
サモさんは手に入れたからいつかモードレッドの方も欲しいなぁ…
縁があれば我がカルデアに来ていただきたい…
あ、FGOでこんなまだストーリーをクリアしてない雑魚マスターともフレンドになってくれますよって方はメッセージとかで教えていただけると嬉しいです。
人気投票はまだまだ受け付けてますんで興味ある方は活動報告を見てください!
今回も見てくださると嬉しいです。
「あぁ…眠れん…」
待って待って…今9月だぞ?関西暑い…こんな暑さはいつ以来だろうか。
「仕方ない…少し涼みに行くか」
俺は近くで寝てるやつらを起こさないように慎重に外へ出た。今日の戦いは消化済みだから12時を過ぎなければ平気だろう。
「どこに行くんだ?」
モードレッド!?霊体化していたのか…お、お前と一緒に避難する準備…ではなくて。
「いや、ちょっと夜風に吹かれてこようかと…お前も来るか?」
〜
俺は涼みに行くついでとしてモードレッドにこの近辺を案内していくことにした。
「マスター、あれは何だ?」
「あれか?あれは清水寺。今日行く予定だった場所だ」
「マスターはこの近辺に詳しいな。なんかこの辺りの道も知ってる風だし」
しまった。さっきから全て正確に答えすぎたか。
「い、いや…これくらい日本人なら当たり前じゃないかなぁ?それに中学の頃修学旅行で来たことあるしさ。あはは…」
「ふーん…」
「ん、やつが来てる…少し静かにしててくれ」
認識阻害は…よし、もうとっくにかけている。
「さっきぶりだな。ルミアのマスター」
「えぇ、そうね。システィのマスター」
姉の方、ルミアのマスターか。どうやら弟はいないらしい。
「お前には聞きたいことがあってな。ちょっといいか?」
「奇遇ね、私もよ。貴方に用があったの」
「じゃあ、お前の方からで構わないから要件を話せ」
俺に聞きたいこと…ねぇ。特にあるとは思わないが…
「少し取り引きしない?」
「…取り引きだと?」
あんまり他の奴らがいない場所で勝手な取り引きはしたくないんだがな…
「私が退場したらルミアを貴方にあげる。だから貴方がもし退場したら…システィを私にくれない?」
「はぁ、そういうことか。警戒して損した。それならいいよ、別に」
「そう…やっぱり考え…って、えぇ!?本当にいいの?」
「いいぜ。たとえお前が騙してようが構わない。確かにルミアは数少ないヒーラーだし、システィーナと仲が良い。だが俺が考える最強の布陣には必ず必要って訳じゃないし、システィーナだってその気になれば法医呪文を使える。手に入らなかったとしても別にいいさ」
そもそも最強の布陣に絶対必須のキャラなんてほぼほぼ存在しない。シナジーも考えれば最強の組み合わせなんてまた変わる。
「そして…俺は退場しない。何があろうとな。だからお前との取り引きに応じてやる。お前が望んだ通りには絶対ならないだろうがな」
「…いいえ、これはルミアのためよ。あの子は私に気を遣わせないために強がってはいるけどずっとシスティに会いたがっていた。システィを誰かが手に入れたって話を聞いた時、その人に会ってみたかった。システィの所持者が貴方のような人だと分かって安心したわ。貴方にならもしもの時、ルミアを任せられる」
「買い被りすぎだ。俺はそんな大層なやつじゃねーって」
『俺のマスターなんだからそこはもっと堂々としろよ!』
モードレッドが背中をビシビシ叩いてくる。痛い痛い。加減を知ってくれ。あいつにバレるだろ。
「…そして貴方の要件は?」
「…お前さ、弟に対する劣等感に苛まれたりとかしないのか?」
「え?」
何で?って顔されてる。俺そんなおかしいこと言ったか?
「いや、さっきの戦いから推察するに指揮系統があるのは恐らく弟の方だろ?それにこの戦いの適正もやつの方が数段格上に見える。仮にお互い今の所持キャラのままだとして、最後にお前ら二人が残って一騎討ちをしたら確実に弟の方が勝つ。姉としてさ…自分より上の弟がいるって嫌じゃないのか?」
兄より優れた弟など存在しないと言うやつがいたが、あれは大嘘だろう。事実、弟や妹の方が優れてるなんてのはザラだと思う。
「ふっ、ふふふっ…」
「何がおかしい」
「あっ、ごめんごめん。怒らないで」
むっ、ちょっと感情的になっていたか?俺はただやつの真意を知りたかっただけなのに。やっぱ前と比べて感情的になりやすくなった気がしてならない。
「私は確かに色々と弟より下よ?さっき言ってた指揮系統だってその通り。弟の方が何倍も格上。でもね…私には弟のないものを色々持っている。面白い話が得意な人や速く走るのが得意な人、勉強が得意な人…この世界には色々なことが得意な人がいるけれどそれらに優劣は付けられないでしょ?」
「まぁ、つまりは…へーきへーき!フレンズによってとくいなことちがうから!ってやつかな?システィのマスター」
けものフレンズ。あれはいいアニメだった。見るとたちまち癒される素晴らしいアニメだ。今はアホガールがあるから癒し枠はなんとかなっているがあれを超える癒し枠はそうそうないだろう。
「それに…血の繋がった弟なんだからさ、好きでないと損じゃない?」
ルミアのマスターは嘘偽りのない笑顔を浮かべてそう言った。あぁ、それを胸張って言えるのはすげー羨ましいよ…
「ありがと、それじゃあな」
「えぇ、縁があったらまた会いましょう。」
『…マスター、何故あの質問をした?』
ルミアのマスターが去った後質問の意図が分かっていなかったモードレッドが俺に聞いてきた。まぁ、理由なんて俺の私情だから分からなくて当然っちゃ当然だがな。
『あぁ、それにはちゃんと理由があってな。帰りがてらそれを説明しよう』
無理に隠すことや内緒にするのは高い直感力があるモードレッドには逆効果だ。こいつの場合その場で素直に明かすべき。
サーヴァントに対しては念話っつーか所謂テレパシーが可能なので幾分楽だ。
それにホテルまで距離はまだある。話してみるか。
〜
翌朝、もちろんよく眠れなかった。
ホテルに帰った後も寝る前に何時間もモードレッドとの話に付き合いすぎたせいだ。全く、これから観光なのに…
いや、こんなグチグチ言っているせいで説得力には欠けるかもしれないが会話自体は楽しかったので悔いはない。
「じゃあ、今日は清水寺だね!」
清水寺は色々なアニメでも修学旅行の題材にされたり、割りかし人気な場所である。
今回も一人で旅行してるというのも怪しまれると思うのでシスティーナのみ認識阻害を外している。
「清水の舞台から飛び降りる…という言葉の語源になっていますね」
「清水の舞台から飛び降りる?」
システィーナとアイリスの異世界出身組が一様に小首を傾げている。やっぱ日本の諺なんて知らないもんだよな。
「ほら、あそこから飛び降りるのは常人にとっちゃかなり勇気が要るだろ?簡単に言えばそれとか勇気ある思い切った行動の比喩表現だ。」
「そんでちなみにその清水の舞台から下までは約13mくらい。」
「へぇ…想像より高いわね」
「あんなところから飛び降りるのですね」
「じゃっ、いっちょ景気付けに…」
「降りるなよ?モードレッド!頼むから降りるなよ?死ぬ死なないの問題じゃないからな!?」
あんな言葉が出来たせいで江戸時代とかでは飛び降りるやつが実際に出たもんだから明治政府が飛び降りちゃいけませんだなんて言ったんだぞ。まぁ、中には大凶引いたせいか不運が重なり、清水寺の舞台から転がり落ちそうになったやつもいたが。
ちなみに先ほど言ったように高さこそそこそこ高いが、下の木がクッションになることもあってそんなに死んだりはしない。
「…でもどうしてあそこから飛び降りるの?」
察しが良いというか何というか…確かにあんな言葉が出来ただけとは思えないよな。
「江戸時代にはな。200人以上飛び降りてんだ。そりゃあ、もう60過ぎたじーさんまで飛び降りてたらしいぜ?」
そんなじーさん達はもれなく全員お亡くなりになったらしいが。
「そんな理由としちゃある恋愛沙汰の願いを持っていたやつが飛び降りたら願いが叶ったんだとさ。もちろん恋愛沙汰以外にも人それぞれ色々理由はあったらしいがな。そんな噂を鵜呑みにしたやつらが飛び降りてったんだ」
俺からしちゃ恋愛沙汰で死ぬなんて間抜けすぎる気もするがな。
「日本には変わった恋愛スポットがあるのね…」
システィーナがちょっと引いてる。やはりかなり前のこととはいえ、死人が出る願掛けはヤバいか。
「いや、いくらグレン先生が好きでもお前はお参りだけしろよ?」
「《誰が・好きになるか・あんなやつ》ーーッ!!」
「っ!!」
いきなりの詠唱呪文を改変させた黒魔《ゲイル・ブロウ》によるフリーフォールはやめてくれ!死ぬ死ぬ!
急いでトリオン体に換装!グラスホッパーを下にスタンバイ!
「…やれやれ、俺が一般人だったらどうする気だったんだ…」
危うく本当に清水の舞台から飛び降りるとこだった。
「あれ俺が一瞬認識阻害かけてなきゃあっという間にマスター特定されてたからな?」
色々集めたデータをまとめてみた結果呼び出したキャラに認識阻害がかかっていればそのキャラが行なったリアルではありえない事柄ならマスターにも一時的に認識阻害はかかるということらしい。
だが、声などは認識阻害の対称にならないので叫び声を上げていようものなら突然奇声を上げるやべーやつ認定されていた。
「…っと、さてもうちょい回るぞ。お土産もいいもんあるし」
京都のお土産で定番といえば八ツ橋と思いがちだが、和菓子や抹茶系統も中々良いものがある。中には抹茶八ツ橋なんてのもあったり…
「ッ!」
『どうした?マスター。何かあったか?』
『いや、何か嫌な気配がした。そんだけ』
気のせいかもしれないが…もしかして…
『件のやつか?』
『じゃなきゃいいがな』
「あれ?もしかしてお兄ちゃん?お兄ちゃんだよね!」
「…」
幻聴か。あぁ、幻聴だ。幻聴だ。by 津島隼人
俺をお兄ちゃんと呼んでいいのは二次元に生息する可愛い女の子だけだ。
あ、アイリスに頼んだら1回くらい呼んでくれるかな?
「…」
「ねぇ!せっかく久々に会えたのになんか冷たくない?」
「どちら様ですか?すみませんが俺は彼女との旅行で忙し…ぐっ!」
痛い痛い痛い!手がぁぁぁぁ!手がぁぁぁぁ!モードレッドか!?マシュか!?
『デレデレすんじゃねぇ、マスター!!』
「今システィーナさんが彼女だと言う必要がありましたか!?先輩!先輩!!」
まさか二人一緒だったとは…つかやめろよ!痛いから!!
『変なこと言ったのは悪かったから!あ〜もう声出ちゃいそう!』
いけない。後半普通にキレかかってた。ユウキとアイリスがなんとか宥めて止めてくれなきゃヤバかった。
「…とにかく貴方は氏素性も知らない私に話しかける程さぞかしお暇なのでしょうけれど私は貴方に割ける時間は1秒もないんです。それじゃあ」
ったくモードレッドめ…何がまずかったのだろうか。モードレッドの扱い方でも改めて確認しとくか。
「ちょっと!妹に対してそれは酷いんじゃない!?」
「うるさいです。私は一人っ子なのです」
「あの…先ほどの方、本当に妹じゃないのですか?妹だと名乗っていますが…」
「いいか?マシュ。あいつは恐らくネトゲとかでも偶に見る特定の人物の妹なり姉なりロールプレイ…簡単に言えばなりきるやつだ。そっとしておけ」
あんなやつは知らない。知らない。僕は何も知らない。
「津島隼人兄ちゃん!」
「ツシマハヤト?知らない名前ですね。私の名前は鏑木響《かぶらぎきょう》と言います。貴方の言うところのツシマハヤトとは全くの別人です」
「お兄ちゃん!そんなアニメキャラの名前をテキトーに合わせた偽名使わないで!話が進まないでしょ!?」
「しつこいですね。さっき会ったばかりの貴方と進める話なんてないです。好感度を上げてからやり直してください」
ただし、好感度が上がるとは言ってない。
「もう!私にも考えがあるんだから!」
「
ちっ、身分証明書まで出されてここまで言われちゃあれか。
「全部説明する。ここ京都は俺の地元。そしてこいつは…続柄上俺の妹にあたる存在だ」
やっぱ京都だけは何が何でも止めるべきだった…京都で会いたくないやつの中で三本指に入るやつとまさか遭遇するとは。
「会いたかったよ。お兄ちゃん」
隼人の前に現れた隼人の妹!
システィーナに頼まれているのに頑なに京都には行きたくないと言っていた理由の一つです。
次回からもうちょい彼女について掘り下げたりしていきます!
それでは!