アニメキャラを呼び出して戦わせるマスターに選ばれた件   作:100¥ライター

51 / 84
ちょっと前にホームズが当たりました!!
福袋はドレイク船長だけと同クラスで言えばメイヴ。他のクラスでなら持っていない限定鯖を期待していた俺にとっては結構精神的に来るものがありました…ww

今は5章ピックアップまで待機中です!オルタニキやメイヴ。あとエレナママが欲しい…


48話 二人の叛逆者

俺には…津島隼人には…妹がいる。

 

 

俺は得意なことと苦手なことがハッキリしていた。

 

 

 

得意なことは超得意で高順位。逆に苦手なことはものすごくダメで下から数える方が早いくらいに鈍い。ピンキリですよね。

 

 

 

だが、妹は基本的に何でも出来るやつだった。

 

 

 

要領が良く、コミュニケーション能力があり、人望もある。俺に持っていないものを全て持っている妹だった。

 

 

 

そしてある日俺は知ってしまった。俺は両親から使えないやつだと言われていたことに。

 

 

 

今思い返せばそんなに悲しくはない。だが、当時12歳の俺の心を折るのには十分すぎた。

 

 

 

その後俺は普通に中学に入り、陸上を始めたり、様々なことをしてみた。

しかし、どんなものでどんなに頑張っても…どんな実績を残しても俺を認めてくれることは無かった。結局のところ俺はどこまで行っても使えないやつ扱いだった。

 

 

 

そう。自分より何倍も優秀な妹がいたからだ。

 

 

 

俺の先にはいつも妹がいた。テストをやらせれば大抵1位。成績はオール5が当たり前。いつもクラスの中心で一際輝く存在だった。

 

 

 

そんな最強の妹がいるのだから使えないやつ呼ばわりされても致し方ないだろう。いや、無理にでもそうやって納得しなければやっていけなかった。

 

 

 

俺の夢はでっち上げ…これも事実だ。俺は妹から…両親から逃げる口実を作り、上京した。

 

 

 

妹が俺を使えないやつと見下してはいた可能性はあるかもしれないが、確信はない。ハッキリ言ってこれは何の正当性もない逆恨みだ。

 

 

 

でもこうでもしなきゃ俺の気持ちは収まらない。

改めてお前はゲームでは絶対俺に勝てないのだと思い知らせるために俺は妹に牙を向ける。

 

 

 

 

アルトリア・ペンドラゴン。今ではかなりの派生キャラがいるアルトリア顔の原点かつ頂点。Fate/staynightで士郎に呼ばれたサーヴァントだ。

 

 

「父上…!!」

 

 

モードレッドの表情が憎しみで染まった。これは父上の憎悪が払拭出来ていない時か…

 

 

「モードレッドが迷惑かけましたね。我がマスターの兄ハヤト」

 

 

「いや、昨日現界したばっかだからまだなんとも言えないが」

 

 

俺はこの一言で悟った。やつはモードレッドに見向きもしていない…

モードレッドが何故、何に対して怒っているのか。それを垣間見た気がした。

 

 

「モードレッド、アルトリアはお前に任せる。リーファは俺達が全力で止める。父上に終止符を打て」

 

 

「言われるまでもない。俺がこの手で何度でも終わらせてやる。アーサー王!!」

 

 

 

『試合開始!』

 

 

よし、始まった!モードレッドならきっと勝てる。父上は任せた。こっちの問題はリーファだけ!

 

 

「…やはりこの戦いは避けられませんか」

 

 

「モーさんを倒すのは惜しいけど…任せたよ!セイバー!」

 

 

地味に勝つ事前提なのが腹立つんだが。お前そういうことは勝ちを確信してから言え。

 

 

「私も援護し…」

 

 

「親子喧嘩に水を差すのは無粋じゃないかな?」

 

 

ユウキが援護に入った。よし、これでいい。目には目を。こちらも飛行可能なユウキをぶつける。剣の勝負である程度の条件が対等ならユウキは確実に負けない。あとはいかに消耗せず倒せるかだ。

 

 

「ユウキは極力空中戦を仕掛けろ!モモは温存も兼ねて引き続き第三勢力を警戒!俺とシスティーナ、そしてアイリスはユウキの援護、マシュは俺とシスティーナを守ってくれ!」

 

 

空中戦が増えればリーファが援護をしようとする時に必ず下側を見るはず。それが分かれば対応が格段にやりやすくなる。

 

 

「了解!」

 

 

妹よ、久々のゲーム対決といこうじゃないか。俺の勝ちは決まっているがな。

 

 

 

「っ!リーファはユウキを撃破次第、アルトリアの援護に回って!分断しての各個撃破が兄ちゃんの作戦!極力アルトリアの近くに行って!」

 

 

ほう。俺の意図だけは理解出来たか。妹は頭は良い。勉強は出来る。だが、それだけだ。戦略ゲームでお前がいつも負けるのは俺はお前とは頭の出来が違うからだ!

 

 

 

「システィーナ、ウェポン・エンチャントだ!」

 

 

「《その剣に光在れ》ッ!」

 

 

黒魔《ウェポン・エンチャント》

自分や他人にかけることが可能な身体能力強化の呪文。魔術師はリィエルなどよほどの例外でもない限り魔術が中心となるため身体能力強化なんかに魔力を使うなら別の呪文のために魔力を使う。

 

 

だが、これは物理攻撃を得意とするキャラがいるなら汎用性が高い。何より味方の邪魔をしない上に一般人を巻き込めないというこの戦いのルールでは中々使える呪文だと思う。

 

 

まぁ、今アルトリアやモードレッドがやってる魔力放出と同じと言ってしまえば身もふたもないが。

 

 

「ありがとう、システィーナ!」

 

 

よし!ユウキの一振りがリーファのガードを破った!

 

 

「うぅっ…まだまだ!」

 

 

「フェンリル・サイクロン!!」

 

 

巨大な暴風!広範囲技で一気に勝負を仕掛けに来たようだが…

 

 

「まずはシスティーナ!ラピッドストームでユウキを範囲外に逃せ!」

 

 

「分かったわ!」

 

 

ラピッドストームによる移動スピードアップ。ユウキの飛行テクニックとシスティーナによる精密な風のコントロールが相乗効果を生み、いち早く暴風から逃れることが出来た。

 

 

「よし、アイリス。暴風ごとリーファをぶっ飛ばせ!」

 

 

「『セイクリッド・ライトニングブレア』!」

 

 

「えっ、ちょっと!嘘でー」

 

 

アイリスの全身全霊の一撃。リーファが放った暴風すらも巻き込んで巨大化した稲妻の嵐は瞬く間にリーファを包みこみ、即戦闘不能に追い込んだ。オーバーキルにも程があるだろ。

 

 

「子供だからって甘く見ないでくださいね?王族は強いんですよ」

 

 

そんなひとたまりもない一撃を受けたリーファは戦闘不能で即退場となってしまった。勿体無いな、俺が使えばやつの3倍…いや、5倍は活躍させられただろうに。

 

 

「よし、あとはモードレッドがアルトリアを倒すだけか…」

 

 

「お力添えしますか?ハヤト」

 

 

「…やめておけ。やつに魔法はほぼ効かない。その耐性はめぐみんのエクスプロージョンやセリカのイクスティンクション・レイくらいの規模のものを使ってやっと効くかどうかぐらいだ。それにお前の技は一々規模が大きすぎる。モードレッドを巻き込んでしまう」

 

 

「めぐみんさんのエクスプロージョンでですか!?」

 

 

「イクスティンクション・レイでもしないといけないの!?」

 

 

対魔力Aは甘く見れない。まぁ、100%魔法に拘らなきゃリィエルの魔法で出した剣だとかエミヤの投影魔術なんかは普通に効くんだがな。

 

 

いや、少し話が逸れちまったな。

 

 

「それ以前に…この戦いはモードレッドが決着を付けないと意味がない」

 

 

だから俺達にはほとんどやることはない。強いてやることがあるとしたらモードレッドの勝利を信じて見守ってやること。念のためトリオン体になっておくこと。そして…

 

 

「やーい、やーい!妹よ!アルトリアが負けたらお前も退場だな!ははははは!ねぇ、勝てると思った?俺の最強布陣に勝てると思っちゃった?」

 

 

「ぐぬぬ…」

 

 

妹をクッソ煽ってやることだ。令呪を使わせればなお良し。令呪が回復するのはマシュの特権ルールがある俺だけのはず。だから無駄に令呪を使わせることは十分アドバンテージになる。

 

 

 

まぁ、仕方ない。俺に喧嘩を売るのがそもそもの間違いだったのだ。

 

 

「ハヤト。貴方、妹に何されたのよ…」

 

 

「秘密だ。至極つまらない話で良ければいつか話そう」

 

 

俺の過去編に需要がないのは当たり前だよなぁ?それにあと一つ肝心なことをやり忘れてた。

 

 

「でもまだ召喚権は残ってる!お兄ちゃんを倒せるキャラが来ることに賭ける!!」

 

 

「しまった!」

 

 

速攻気絶させりゃ良かった!一体どんなやつが…

 

 

「よぉ、嬢ちゃん!サーヴァントランサーだ。よろしくな」

 

 

あの青髪に全身青タイツ、そして赤い槍ゲイ・ボルク…クー・フーリンか!

 

 

「ランサー!早速だけどお願い!」

 

 

「…ランサーだと!?」

 

 

「余所見してる暇があんのか、父上!!」

 

 

「っ…!!」

 

 

よし、モードレッドがまともな一撃を入れた!これは大きい!

 

 

 

「間髪入れずに叩き込む!」

 

 

アルトリアが体制を崩した以上、すぐに宝具をブチ込めばモードレッドの勝ち。妹は退場してもうこの戦いには関われなくなるだろう。

 

 

「モードレッド。終わらせてやれ」

 

 

「津島さん!大変です!大量の武器がこちらに飛んできています!!」

 

 

「…俺はアイリスとシスティーナを抱えてグラスホッパーで空中に逃げる!ユウキはマシュを抱えて空中に避難だ!」

 

 

「任せて!」

 

 

大量の武器…そんなもんを飛ばすやつなんて一人しか思いつかないな!!

 

 

 

「ふふ…ふはははは!これは傑作だな!セイバー!」

 

 

「くっ…その声は英雄王!!」

 

 

突如金ピカのやべーやつ(語彙力死亡)が来た。マスターが見当たらないから恐らくこいつの暇つぶしだろう。つかSN勢来すぎ。引かれ合いすぎだろ。

 

 

そして…

 

 

「ランサーが死んだ!?」

 

 

「この人でなし!!」

 

 

可哀想なランサー…対応が遅い馬鹿なマスターに呼ばれたばっかりに…

 

 

「いや、私のせいじゃないよこれは!!」

 

 

「人を勝手に殺すんじゃねぇ!」

 

 

「うわっ!生きてた!?」

 

 

さすが薄幸とはいえ、凄まじい生存能力を誇るサーヴァントだ。やはりそう簡単には死なないか。

 

 

「貴様らがセイバーをここまで追い詰めたのか。雑種共」

 

 

「いや、厳密にはこいつがだ。」

 

 

あれはモードレッドが全部やった。当然、それを俺の手柄のように話すなんてことはしない。

 

 

「その実力。この我が直々に見定めてやろうではないか!くだらぬ戦いをしようものならここら一体を更地にしてやろう!!」

 

 

「てめぇ!父上は俺が倒す!邪魔をすんじゃねぇ!」

 

 

「ふっ、セイバーは退場させないさ。何故なら…この後散々からかってやるのだからなぁ!!」

 

 

うわぁ、性格悪いなぁ…どんなマスターでもこいつの性格だけは直せない気がする。

 

 

「…ッ!!それで命を助けてもらうくらいなら私は今ここで退場する!」

 

 

「ふっ、マスターからロクにルールも教わってないのか?たわけ。この戦いではあの東洋の大英雄の宝具など自爆する技を発動させて退場することは可能だが、それ以外で自害することは不可能だ。」

 

 

 

そう。この戦いでは簡単にマスターの権利が剥奪されないように呼ばれたキャラ達の自害はたとえ令呪があろうと不可能だ。

そしてルールを教わってないのは妹の落ち度か。ごめんなさい、妹は戦略ゲーやRPGが苦手な上に説明書は読まないタイプなんです。許してやってください。

 

 

そして東洋の大英雄はアーラシュのことか。ステラには気をつけないとな…だが、一般人一人巻き込むだけでキャンセルされるから人気がなさすぎる場所に行きさえしなければ大丈夫か。

 

 

「…マスター、やつを少しだけ止められるか?」

 

 

「任せろ。こいつらならきっとやれる」

 

 

まずギルガメッシュの場合は王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)をどうにかしなきゃ始まらない。

対策はどうするか…

 

 

「アイリスは念のため魔力回復に努めろ!ユウキ、まだいけるか!?」

 

 

「うん!ボクに任せて!!」

 

 

「よし、ユウキは引き続き前線へ出てくれ!システィーナはマナ欠乏症に十分気をつけながら可能な限り援護!モモはマスターが近辺にいないか探してくれ!」

 

 

「オーケー!」

 

 

「マシュは引き続き頼む」

 

 

「了解です」

 

 

よし、マシュに守られていれば流れ弾は怖くない。完璧

 

 

「我を失望させるなよ。雑種」




最後まで見てくださり、ありがとうございます。
よく死ぬランサーであるクー・フーリンと英雄王ギルガメッシュが初登場です!!
特にギルガメッシュは一番リクエストが多いキャラだったので出せてホッとしてます…
SN勢も残り半分に差しかかろうとしてます。
残りのメンバーも希望があったり、ストーリー次第では参加します!

次回もお楽しみに!それでは!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。