アニメキャラを呼び出して戦わせるマスターに選ばれた件   作:100¥ライター

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皆さんは今期は主に何を見ていましたか?
作者は賭ケグルイや天使の3Pを主に見てました。
来期が楽しみです。来期でオススメのアニメがあれば是非教えてくれると嬉しいです。
ちょっと忙しい用事もなくなったのでまたペース上げて書いていきます。



59話 最強の敵

〜回想

 

 

「服装関連は変更可能だったからカラコンも入れてみたんだが、どう思う?」

 

 

某特殊な能力をリスペクトした赤いコンタクトレンズ。これはもうカッコいいに決まって…る?

 

 

「…」

 

 

「おい、何か反応しろよ」

 

 

「すみません、反応に困る上に意図が分かりません…」

 

 

沈黙を破り、トドメを刺したのは意外にもルミアだった。

 

 

これなら普通にボロクソディスられた方がまだマシだ。

 

 

「うっ…だが、これにはしっかり意味がある。見とけよ見とけよ〜!」

 

〜回想終了

 

 

「一つだけお前に言うぞ。騙ってんじゃねぇよ、三流マスター」

 

 

俺が苛立ちを覚えている理由はただ一つ。やつは…

 

 

「アルフォネア教授!?そしてルミアまで…」

 

 

「システィ!?そして…あのパーティは…」

 

 

ユウキ、アイリス、マシュ、システィーナ、モードレッド。残りのダクネスとアスナはともかく、ほぼ完全に俺の使っていたパーティのパクりじゃねぇか!!

 

 

「アイリス、あの人…私のマスターに似てない?あの右腕の包帯とか…頭の羽とか…」

 

 

おいコラ、システィーナ。俺は根っから厨二病だとでも言いたいのか。他にあるだろ!俺っぽいとこ!

 

 

「確かに…言われてみれば少し似ていますね」

 

 

「ん?だがそれではおかしくならないか?だってやつは…」

 

 

「相手の所持キャラはセリカ、ルミア、七草真由美、東堂刀華、ウィズですね。残り二人は見当たりませんが…気を抜かないようにしましょう」

 

 

システィーナのマスターの知識量はアニメキャラ名がすぐに出せる程度にはあるらしいな。

 

 

そしてよくよく見てみれば仮面まで被ってやがる…何故アバターなのにこんな事を?

 

 

ちなみにやつがカウントしなかったプラムとストレアは予め潜伏させてある。二人をいつ切るか。これが重要だ。

 

 

「ハヤテさん、あの方々を見ているとカズマさんを仲間にしようと福島まで来たことを思い出しません?」

 

 

あれ?もしかして俺の真名っつーか本名知ってる?さっきのあれが失言だったか。やっちまったが…

 

 

とりあえずここはすっとぼけておこう。勘違いであればそれでいい。

 

 

「?」

 

 

「はっ、すみません!本戦の時にそんな事があったのでつい…」

 

 

やはり杞憂だったらしい。ウィズは慌てて俺に謝ってきた。

 

 

「気を抜くなよ。やつらはダクネスとアスナを除き、全員同じマスターの所持者だ。統率力が半端じゃないぞ」

 

 

「《消し飛べ》」

 

 

セリカはたった一瞥だけで黒魔【インフェルノ・フレア】を発動させ、全てを焼き払う灼熱の業火を放った。さすがセリカ。あらゆる策はお前の前では無意味に…

 

 

「…この程度か。これならいけるな」

 

 

「ー!?」

 

 

さすがのセリカも動揺を隠せなかったのか目をむいている。

確かに常人なら3秒と待たず灰すらも残らず消滅する一撃を直撃させたはずだ。それでもダクネスはあまりダメージを受けていない。

 

 

「マスター、私に弱体化などの補正は入っているか?」

 

 

セリカの言っている弱体化補正は二つ考え得る。まず一つ目は強すぎる故の弱体化。二つ目は作中で起きたとある事情による魔力量の減少。だが、そのどちらでもない事は採用前に予め見ている。

 

 

「…いや、お前は不死身だから出禁になっていたわけであって、実力は完全に全盛期のそれだ」

 

 

「ならばやつには現代魔術では到底考えられない程の凄まじい魔力耐性がある…そういうことか?」

 

 

「あぁ、やつの耐性の多さははっきり言って異常だ。本戦で更に磨きがかかったと思われる。ダクネスはガン無視して他のやつらを先に落とせ。アイリスやユウキ、モードレッドなどのメインアタッカーを落とせばたちまち火力不足になる。そうすればこちらが押し勝てる」

 

 

「了解だ。マスター」

 

 

「刀華はモードレッド、セリカはアイリスを落としにかかれ。ウィズは援護。真由美は狙撃の準備をしておいてくれ。ルミアはひとまず後ろで待機!俺は援護に徹する!」

 

 

「システィーナのマスター、お前にだけは負けねぇぞ」

 

 

「君を先に倒させてもらうよ!」

 

 

「ですよね!マスターは放置しないわな!」

 

 

「はぁっ!せいっ!やぁっ!」

 

 

だが、かわせる。俺はユウキの剣を横で何百回も見てきた。だから対応もそこまで難しくない。よく見れば回避可能だ。状況次第ではストレアを切ることになるが、必ずプラムまでは切らずに済ませる!

 

 

「その反射神経からもしやと思ったけど…お前、写輪眼を持っているな」

 

 

「おっ、よく気づいたな…。システィーナのマスター。俺の能力の一つはこの写輪眼だ」

 

 

よし、引っかかった!!意図が分からないと言ったな、ルミア。俺の意図は能力のハッタリ。自分の能力を誤認させれば相手に不必要な警戒をさせることが可能。例えば写輪眼なら…

 

 

「相手は能力をコピーしてきます!過度な能力の使用は控えてください!」

 

 

そうだ。こうやって上手く警戒させることが可能だ。これでコピー警戒から激しい能力バトルを多少は避けられる。

 

 

黒い炎とプラムの魔法である程度は誤魔化せる。あとはボロが出る前に速やかに始末するか。

 

 

「じゃあ、次はこっちが攻める番だな!」

 

 

〜マシュside

 

 

こちらの手は全て筒抜け。まるで私達の事は全部知っていると言わんばかりに私達は彼の手のひらの上で踊らされている。

 

 

「はぁっ!」

 

 

敵のマスターが5人に分身!?まさか影分身まで使えるとは…そして彼らは黒い炎を剣のように生み出してきて…

 

 

 

「マシュ!防御!あのマスターさえ再起不能にすれば私達の勝ち!防いで!」

 

 

「はい、マスター!」

 

 

「くっ…」

 

 

能力を得たことで慢心したマスターはかえって倒しやすい!マスターが作戦会議で言っていた通りに…

 

 

「き、消えた…」

 

 

まさか私が攻撃を受けたのは影分身…?

 

 

「ならこのどれかが本体のはずです!」

 

 

2体3体と倒していくが本体は見つからない。

 

 

「はうっ!」

 

 

背後から狙撃…!?

 

 

「失礼…背中がガラ空きよ?」

 

 

「っ…!!」

 

 

彼の立ち回り全てが罠だった…?またあのマスターに歯が立たずに…

 

 

「マシュ!切り替えて!」

 

 

「は、はい!」

 

 

すぐに顔を上げて前を見据えた直前、違和感に気づいた…分身は4体倒した。本体は一体何処に…?

 

 

〜ハヤテside

 

 

「俺はこっちだぜ!てめぇら!!」

 

 

「ストレアさん!?」

 

 

「ル、ルミアまで!!…何なの…?あのマスターは…」

 

 

さすがにルミアと俺(包帯に偽造させてるプラムもいるけど)を抱えて飛ぶというのはパワーを貯めるのに支障が出るので今回はプラムに頑張ってもらった。

 

 

プラムは太陽の元でも魔法を使えば平気なのでそこから翼に存在を偽造してもらうという二重術式をしてもらっている。そうすればあとはルミアは俺が抱えれば済む。プラムは多少過労気味だが、ここが一番大事なので頑張ってもらうしかない。

 

 

だが、ここで違和感に気づいた。システィーナの向ける目が怯えるわけではなく、好奇の目に近い。何がそんなにおかしいのだろうか。

 

 

 

「なぁ、リクエストはしてないが、どんな翼を出した?」

 

 

「漆黒の翼ですぅ」

 

 

「海藤君のあだ名みたいなのは求めてないんだが」

 

 

「貴方の言うカイドウクンとやらは分かりかねますがぁ…言葉通りの翼ですよぉ?」

 

 

「あっ、なるほど…よし、グッジョブ。素晴らしい」

 

 

「あはは…変わった趣味ですね…」

 

 

あっ、ルミアが苦笑いを始めたし、ここらで雑談は終わらせなければ。

 

 

「ルミア!」

 

 

「《光あれ》!」

 

 

「ブースト!!」

 

 

ルミアの黒魔【フラッシュ・ライト】。そしてその光を何倍にも増幅させる。

 

 

「きゃぁっ!」

 

 

「しまった!」

 

 

よし、俺の声に釣られたキャラ全員の目を潰せたはずだ。少なくともユウキ、マシュ、システィーナはやった。これでやつらはしばらくまともに動けない。

 

 

「決めろ、ストレア!」

 

 

ストレアにも更にブーストをかける!この一撃で決めてくれ!

 

 

「はぁぁぁぁっ!」

 

 

「カラミティ・ドライヴ!!」

 

 

ストレアの全身全霊の一振り。これならいくらマシュだろうと逃げるか宝具を使わなきゃどうにもならない。

 

 

「そうはさせませー」

 

 

目をやられたせいかは知らんが盾を構えたな、マシュ!やはりお前は逃げずに盾を構えた!

 

 

「ウィズ!アシストだ!」

 

 

「はい!『ボトムレス・スワンプ』!!」

 

 

「あ、足元が…!!」

 

泥沼魔法で地面を沼にしてマシュとその近くにいたユウキを沼に落とした。そんな足場じゃ踏ん張れないだろう。

 

 

「マシュ、お前はもう詰みだ」

 

 

分かっていたことだが、競り勝ったのはストレアだった。流石に目をやられた後に足場もやられちゃ満足に宝具の展開は出来なかったらしい。渾身の一撃を受けきれなかったマシュは後方に大きく吹っ飛んだ。

 

 

「そ…そん…な…ごめんな…さい…マス、ター」

 

 

マシュがその場から消え去った。どうやら退場扱いになったらしい。

 

 

「っ…!ここは一旦撤退だ!作戦を立て直せ!」

 

 

「あぁ!?撤退だと!?1人落ちたくらいでなに弱気になってやがんだ、マスター!!」

 

 

「お前は俺に令呪を切らせたいのか?」

 

 

「…ちっ、今回は引いてやる。だが、同じ電気使い同士。必ず決着は付けるからな!」

 

 

「はい、待っていますね、モードレッドさん」

 

 

「よっと…大丈夫か?ルミア」

 

 

翼に偽造していたプラムが包帯に戻った。今回はちょっとやりすぎたな。

 

 

「は、はい。私は大丈夫です」

 

 

「追わなくて良かったのですか?」

 

 

「あぁ、構わない。ひとまずは体制を立て直す。言うほど崩れてはいないがな」

 

 

「まずウィズのドレインタッチで魔力を奪えなかったのは痛いが、マシュ1人に対して魔力消費をかなり少なく抑えられた。ナイスファイトだった」

 

 

「ルミアさんにあまりサポートをさせなかったのも作戦だったのですね!」

 

 

「あぁ、ルミアの警戒度を極限まで下げるためにな」

 

 

人はありとあらゆる対策なんて考えちゃいられない。だからこそ警戒度を下げたやつの対策は疎かになりやすいってそれ一番言われてるから。

 

 

「セリカさん、貴方も世界は違えど剣士なのですね。貴方の剣技。とても素晴らしかったです」

 

 

「ん?あれは魔術だぞ?」

 

 

「?」

 

 

「刀華、あれは白魔改【ロード・エクスペリエンス】って言って、物質の残留思念を読み取って憑依させるって魔術でだな…」

 

 

「簡単に言えば人の武器渡されようとそいつ同様のスペックを発揮出来るみたいなもんかな。あの剣はやつの世界では最強だった女の剣。だからこその実力だ」

 

 

セリカは白兵戦、魔術戦共に隙がないオールラウンダーだ。魔力もあのシスティーナですら叶わない程大量にある。だからこそ使用過多には気をつけなきゃならない。

 

 

誰にでもチートキャラをぶつけるのは最早思考の放棄に他ならない。

 

 

「マスター…ちょっといいですかぁ…?」

 

 

「どうした?」

 

 

「貴方から魔力をいただきますが構いませんよねぇ…?」

 

 

「あぁ、今の内にやっとけ。吸血はすんなよ」

 

 

「心得てますって、それではご遠慮なく…」

 

 

吸血種(ダンピール)の魔力供給は少し特殊であり、他者の血液、汗、精え…ゲフンゲフン…とにかく体液の補給さえ出来れば魔力供給や生命維持が可能だ。

 

 

正直、他人からドレインタッチで奪うにせよ、ウィズを前線に出しすぎては危ないのでこういう別の手段で魔力供給できるやつは貴重だ。

 

 

だが…

 

 

「男の娘とはいえ、体に舌を這われるのは落ち着かない」

 

 

18禁展開よりはマシだが、さすがに感じたこともない感覚に寒気すら覚える。

 

 

「それくらい我慢してくれないと困りますぅ…分身してるように見せる幻覚を出せとかマスターの無理難題に全て答え切ったのは誰か…分かりますよねぇ?」

 

 

「…悪かった。好きにしー」

 

 

「静かに…誰かいる。プラム、隠れろ」

 

 

「ねぇ、なんだか強そうな相手だよ?本当に戦うの?私1人だけなのに…」

 

 

「当たり前だ。俺もいるから安心しろ。それにお前には切り札があるだろ?」

 

 

「そ、それはまだ切れないし…」

 

 

「《そこか》」

 

 

「ひゃっ!」

 

 

セリカの黒魔【プラズマ・カノン】。彼女から放たれた極太の稲妻砲は曲がり角のすぐ横を通り過ぎた。

 

 

「…で、誰だ?」

 

 

「あ、あの…イリヤって言います…」

 

 

「もう働いてるの?じゃあ」

 

 

「しょ、小学五年生…です」

 

 

そんなふざけた返しだろうと返してくれるイリヤちゃんは人間の鑑…

 

 

「小学五年生…?いやいやいやいや!ちょっと待てよ!」

 

 

小学生のイリヤ?ならプリズマイリヤのイリヤなのは確定的に明らか!

 

 

「漫画原作のイリヤがいる!何をしたかは知らんが反則だ!」

 

 

確か何かしらの手段を使い、大会に出られないキャラを出すのはそれが偽者でも反則行為だ。あれは間違いなくアウト。反則負けになるはず。

 

 

「いいや?反則じゃないさ。FGOのサーヴァントが合法なのは知っているだろう?だからその中に含まれるイリヤも合法なのさ」

 

 

イリヤが合法とか危ないフレーズだが、ひとまずは置いておこう。

 

 

「イリヤとそのマスターだけじゃ俺を含めた七人に勝てるわけがないだろ!」

 

 

もちろん躊躇も手加減もしない。だが、やつの表情に動揺がない以上、何かしらの考えがあるのだろう。

 

 

「馬鹿野郎。俺が無策で来たと思うか?俺はこの状況だろうと勝つぞ」


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