アニメキャラを呼び出して戦わせるマスターに選ばれた件 作:100¥ライター
こっちのモチベが下がっていた時、ある方が催促でメッセージを送ってくださり、それが励みになりました。
FGOの小説ばっか書いてて、こっちはおざなりでしたが、ちゃんとこっちの方もしっかり書いていきたいです!
工藤美玲。能力は相手の能力の略奪を行う『
発動条件も凄く簡単であり、相手が異能を使う瞬間を視認するだけ。発動すれば最後、その能力は彼女のものだ。
彼女の言葉を聞く限り能力のストックは無限。効果はほぼ永続。
デメリットは2つ同時には奪えないぐらいか。まともに戦えば必敗。それ程までに彼女の能力は強すぎる。
あまりの強さに一部のメンバーには能力を教えているほど。しかし、それでも俺が工藤美玲を採用しなかった理由はいくつかある。
まず彼女自体の身体能力が弱いことである。
こればかりは仕方ないのだが、能力のストックがなければただの女子高生。凄まじく身体能力が高いやつと対面した際に為すすべもなくやられてしまう。
2つ目にコンセプトが合わないため。俺が考えたパーティでは主に魔力を動力源とするキャラを増やし、相手の魔力を奪ったウィズがドレインタッチで魔力供給をしながら長期戦を戦い抜くというコンセプトだ。
唯一例外のストレアは能力無効化の上条さんなどへの特攻役として入れているが、それはあくまで特殊能力を持っていないからであり、そうでない彼女をあえて入れる必要性はないと感じたからだ。
そして最後に作中における異能使用率の低さと戦闘経験の浅さ。確かに圧倒的チート能力はあるが、戦闘経験が圧倒的に無さすぎるのではこの戦いには着いていけないと判断した。
工藤美玲の倒し方はいくつかあるが、例えば先ほど言った通り能力を略奪される前に素の身体能力が凄まじく高いやつをぶつけて異能を一切使わせずに倒す。
だが、これでは難しいので少し簡単な手を使えば能力無効化系の能力者をぶつける。彼女が略奪した能力の取り返し方は彼女が任意で返すか能力無効化系の能力者に攻撃されることである。気絶でも取り返せるとは思うが、詳細は不明。
能力使用の際も常に2種類の能力同時使用を心掛けるか視認されない場所、もしくは速さで攻撃するしかない。
つまり工藤美玲はF1マシンに乗った一般人のようなものである。
もし彼女が強くなっているとすればきっとそれは…
〜
先程倒したエルゼの姿を借り、すり替わることには成功した。だが、現状は何一つ良くはならない。
「あれは強すぎる…想像以上に」
少なくとも冬夜の能力を奪っており、そこから他にも色々と奪っているはずだ。
「マスターが教えてくれた美玲さん…でしたね。あれは無視するのが得策かとぉ…」
「仮にそうするとして、手のつけられない強さになったらどうするつもり?」
「そうなるからこそ早くマスターを探して殺すのが一番かと思われますが…」
「セリカ達との合流より先にマスターの特定を優先する?」
「…正直な話、ボク達の所持キャラで勝てると思いますぅ?」
「…勝てない。少なくともまともなやり方じゃ…絶対勝てない」
思いついただけでもセリカの黒魔《イクスティンクション・レイ》をルミアと俺でブーストさせて一撃で消しとばす。これを目視されない場所から不意打ちでやるぐらいしかないな。
「だが、何故工藤美玲があんなに強いんだろ…?」
「んー、恐らく本来のマスターに何かしらの戦闘方法を叩き込まれたからでは?」
「その可能性も確かになくはない。一つの可能性として考えておくわ」
本戦で叩き込んだ?いや、俺は結構な人脈を持っているが、それでも目撃情報は1つも無かった。略奪なんて能力を持ってたら絶対に嫌でも目立つ。
工藤美玲を成長させるために誰かしらから能力を奪わなければいけないのだから。もし情報漏洩を防ぐなら能力を奪った能力者を必ず始末する必要がある。だが、そんなに大っぴらに戦えば誰かしらが正体を突き詰める。
九州や四国、沖縄とかのデータはないから絶対に違うと言えないが。
あとおまけに言えば戦闘方法を叩き込むだけでもそこそこ時間がかかるのに実戦で生かせるほどとなれば時間は結構かかる。ソースは俺。
「ひとまずは撤退してマスター探しが無難かしら?」
「いい加減女の子口調で喋るのやめてくれませー」
ここはやはりプラムの提案に乗り、少し離れようとした矢先
「ふっ、かつて邪神と戦った事があったがよもや魔王なんて存在と会うことになるとはな…」
「セリカ!?」
「ん、貴様は確か…」
しまった。今の俺の姿はいせスマのエルゼそのものだ。確か変身のようなもので姿を変えるとしばらくは戻せないとか。どうやって信じ込ませるか。
「セリカ、私を信じて」
一番分かりやすい写輪眼風コンタクトレンズが最適だろう。信用を得るのに時間はかけられない。
「なるほど。了解した…私達の魔術でいうところ白魔【セルフ・ポリモルフ】。それと似たような魔術だな?」
「えぇ、そうよ。…そして現状は?」
「…あのウィズとやら。何者だ?触れただけで相手を麻痺させたり、眠らせたり…はたまた魔力を奪ったり…今は彼女が作った巨大な氷塊で足止めをさせているところだ。」
正体は…言えないな。リッチ違いとはいえ、リッチと因縁があるセリカにリッチ云々は話せない。
「なるほど。撃破した敵はいる?」
「…エミリアと巴マミを撃破した。お前のも撃破した…と、含めるならエミリアのマスターが所持している残りの敵は多くても4体だ。あの魔王がそれに含まれるかもしれないがな」
エミリア、巴マミ、エルゼ、遊佐恵美、ヴァレンシュタイン。つまりは他2名の伏兵がエミリアのマスターの所持キャラか。ならあとは楽だな。
「いえ、ありえないわ。エミリアのマスターは女縛りを強制されていた…と、言っていた。それが本当なら魔王は他の人が所持しているキャラと考えるのが妥当だと思う。更に証拠として、私を見ても眉一つ動かしていない辺り仲間ではない」
「…そうか。それでは魔王殺しとでも行くか?」
「そうはさせないわよ!」
新たに来た第三者…魔王がいればそこに必ずいるあいつだった。
「ちっ、こんな時まで会うか?フツー…80人だぞ?そん中からわざわざお前と俺が選ばれるって…」
「ここで会ったが運の尽きよ、魔王。観念しなさい」
「しかし、恵美。今はそれよりあっちを見るべきじゃないか?」
「何?私を騙そうったそうはいかなー」
「いいから!あの黒髪の女を見ろ!」
「黒髪の女?」
黒髪の女…工藤美玲か。だが、今更何の変化が…
「ははははは!私は最強の力を手に入れた!全ての能力を略奪し、今こそ私が頂点にー」
「ふーん、でもちょぉ〜っとだけ。注意力が足りないかなぁ〜」
ポチッ
食峰操祈の
「ほぉ〜ら、もう私の洗脳力で操り人形が1つ完成!」
「あら?この子…マスターが憑依しているだなんて…変わった状態ねぇ…なら!」
『命令権を全員に行使する!私に攻撃するな!!』
「よし!これで全員に命令権が発動!こいつの全所持キャラも傀儡になったわね」
えっ…?マスターが憑依?お前…もしかして…
「くっ!やられたわね…」
一気に操祈のマスターが工藤美玲のマスターの所持キャラごと傀儡にして16人も所持していることになりやがった。死ねよ、お前。慢心するからそうなるんだぞ。
「今はあれを倒すのが得策じゃねぇか?」
「悔しいけど…そうね」
「それなら私は一旦仲間と合流するわね」
ルミア、真由美、ウィズ、ストレア、刀華…どうか無事でいてくれよ。
「待った」
え?その声は…恵美?
「貴方、どうして相手マスターの所持キャラと一緒なの?」
「…」
…あ、これ。ヤバいやつだ。
「失礼します!!」
「あっ、コラ!待ちなさい!!」
やべぇよ、やべぇよ…まさかあんな早くバレるなんて…まぁ、当然っちゃ当然か!急いで窓を蹴破らなければ!
「ンァッー!!」
「ん?」
どこかで聞いたことあるような無駄に甲高い断末魔…これは…いや、今は気にしないで逃げよう!
「待て、マスター!相手の様子がおかしいぞ!」
「え?ちょっと!私のマスターやられたの!?」
恵美が消えかかって…あぁ、あのやべーエミリアのマスターが遂にやられたか。ストレアか真由美か。どちらがやったかは知らんが、ナイス。
「そういえばスカウトルールは健在らしいですし、探してみますぅ?」
そうだな。スカウトルール。つまりは退場したマスターの所持キャラを仲間にすることが可能なルール。せっかくならとびきりいいやつを…
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!何やられているのですか!!私のマスターは!」
「ん?誰?」
いや、この声は聞き覚えが…高橋なんとかさん…的な声だ。
「プラム。飛べ」
「えぇ!?飛ぶのって結構大変…」
「さっき窓の破片で腕切ったから血をー」
「了解しました。マスター」
こいつ…まぁ、協力してくれるならいいだろう。さすがにこれ以上やると近々貧血になりそうだからもうやらないけど。
「さて、貴方は?」
「あっ、その声はエルゼ…?な、何故消えかけてないんですか!?私のマスターはやられたはずじゃ…」
あっ、やっぱバレますよね。なら素で話しても構わないか。
「めぐみん、俺を信じて仲間になってくれないか?どうせ消える身のお前…なら、今お前のマスターを殺した最強の相手に最高のタイミング爆裂魔法をぶちかましたくはないか?」
あいつを倒すにはもうこれしか打つ手がない。正直スカウトに失敗したら詰み。あいつに殺されたかは知らないけどそいつにした方が都合良さそうだな。
「話はとても胡散臭いですが…最強の相手に最高のタイミングで撃たせてやる。その言葉を信じましょう」
よし!めぐみんゲット!これでなんとか勝ち筋が見えてきた…
「ありがとう、めぐみん」
「それとその瞳!身体を乗っ取った時に発動するみたいな能力ですか!?とてもカッコいいです!!」
おぉ!みんなに見せたら苦笑いしか起こらなかったこれをカッコいいと言うだなんて!やはり紅魔族のやつらはセンスあるな!
「一旦所持キャラを集めて集合しようか」
〜
「…で、ストレアは?」
ルミア、真由美、ウィズ、セリカ、プラム、刀華。そして仲間に加えためぐみん。だが、ストレアはどこにもいない。…と、いうことは…
「…やられたわ。ストレアを倒したのは達也君よ」
お兄様か。なら負けるのも納得だな。戦力差がありすぎる。
「私達を逃がすためにストレアさんは…」
「ルミア、そう気に病むな。お前のせいじゃない」
強いて原因を挙げるなら俺がしっかり見ていなかったからだ。ちょっと離れすぎたな。
「これでマスターの数は9人…いや、傀儡にされたあのマスターも減らせば8人か…」
さて、次はどこから落としにかかるかだが…
「見つけたよ!」
「全員回避!」
重く早い一撃…恐ろしく早く、洗練されたこの剣技…俺はこれを知っている。何度も隣で見続けてきた見知ったものであるから。
「ユウキ…」
「今度こそ勝たせてもらうからね!」