アニメキャラを呼び出して戦わせるマスターに選ばれた件   作:100¥ライター

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3人のマスターによる共同戦線が遂に開始!

京都に潜む謎の敵。3人のマスターはその正体を掴み、そして倒す事が出来るのか!

ちょっと遅くなってすみませんでした。


65話 共同戦線

「じゃあ、グレン。可能な限り情報提示を頼む」

 

 

モモからアルベルトのマスター達と共同戦線をすると聞いたので俺はその場にいたグレンと1対1でじっくり情報を聞くことにした。

 

 

さすがに誘い受けするやつに対して初見はキツい。

 

 

「了解だ。やつがどんなやつか。手に入れた情報を予め教えておく」

 

マスターの名前や容姿は不明

 

所持キャラ

・ステイン(ヒロアカ)

・謎の暗殺者

 

 

目的はアニメキャラを使い、甚だ悪質な行為に及ぶマスターの粛清。

この戦いはオールマイトのようなヒーローに相応しい心を持った者達がしのぎを削るものであるべきだと主張する過激派マスター。

 

それにそぐわないマスターや復讐しに来た者を返り討ちにしている。

やつらを見つけた時、妙な霧が発生してルミアがやられた。

 

他に2人程所持している可能性がある。

 

 

 

「おいおい、話を聞いた限りだとそのマスターほぼほぼステインの傀儡になってんじゃねーか?」

 

 

ステインの傀儡になることは100%悪いとは言えない。一番最後に残ったマスターが世界の破滅とか人類滅亡を願わないように…とか思っているだろうし。

 

 

もしこいつの目的である過激派マスターの殲滅が完了すればこの戦いはマスター間による命のやり取りはほぼなくなり、一種のスポーツの様なものとして生まれ変わるだろう。

 

 

だからと言って殺人を正当化しちゃいけないがな。それに自分こそ全て正しいと思っているのも腹立たしい。

 

 

「そうとも限らない。逆に利用している可能性だってある。というかお前みたいな自分のパートナーに反逆されるのって相当なレアケースなんだぜ?」

 

 

確かにそうだろう。まず第一マスターに所有されているアニメキャラは基本的にマスターを攻撃することが出来ない。

 

 

ただし、それはマスターが常にルールによって守られている状態だから。なので相互同意であれば自分のマスターであろうと攻撃可能である。俺は自分の所持されたキャラに異変があったなどイレギュラーがない限りは相互同意状態にしている。

 

 

だからこそシスティーナは俺に平手打ちが出来た。普通ならそういうルール違反の行動はキャンセルされていたらしい。

 

 

そして第二の理由。それはこの戦いで呼んだキャラがFateキャラのサーヴァントでない限りは命令権で縛れるからだ。サーヴァントを縛る令呪は余程の例外でない限りは即効性があり、具体的なものであればあるほど効果が高まり、具体性がなかったり、持続的なのだと効果が弱くなる。おまけにキャラによっては令呪を2画使わなければいけない場合もある。

 

 

ただし、命令権はあくまでそのキャラが実行可能な範囲内までしか命令権が作用せず、度を超えた命令権は不可能。だが、サーヴァント限定ではあるものの令呪なら時としてそのキャラ以上のスペックを発揮可能。

 

 

つまり命令権で縛れるキャラなら第一の命令で絶対服従を指示しても何もおかしくないのである。俺は命令権を使って指示を出すと不信感が募るのではないかと思い、命令権は使っていない。そして俺にはあいつらを自分より下に見ているなんてこともないしな。

 

 

「まぁ、そうだろうな。…で、気になったんだが、謎の暗殺者ってのが怪しい。特定は不可能だったのか?」

 

 

「特定が不可能だった。とは若干ニュアンスが違うな。思い出そうとすると記憶に靄がかかる。ってのが正しい」

 

 

記憶に靄…Fateのジャック・ザ・リッパーが一番近そうだな。

 

 

仮にジャックとステインだとしよう。フットワークが軽い2人の内どちらかが傷を付けさえすればステインの個性で敵の血を舐めて動けなくする。これで制圧完了。中々シナジーが強いチームだな。

 

 

だが、そうなると妙に合点が行く。それだと違う敵だった場合、対応力が著しく下がる可能性がある。何の証拠もないのに俺の憶測で物を言うのはやめておくか。

 

 

「…で、何故あいつは殺人をしたと断言出来た?実際殺しているのを見たとか?」

 

 

「いや、直接は見てはいない。京都やその付近で行方不明者及び死亡が確認されたものの死体が見つからない事件が急激に増えた。そのニュースと敵の噂を嗅ぎつけ、繋がりがあるんじゃないかと考えた。そんで探りを入れたら案の定そうだったって話だ」

 

 

死体は見ていない…か。まぁ、下手したらグロテスクかつ猟奇的に解体されてんだろうなぁ。

 

 

「なるほど。じゃっ、早速行くとしようか。案内を頼む、グレン」

 

 

「ん、意外と乗り気だな。妹とは因縁があるから行きたくないんじゃなかったのか?」

 

 

「勘違いしないでくれ。行かないとは一言も言っていないし、妹が永遠に行方不明で処理されるのならまだしも一度死亡が発覚したら俺は葬式に出なきゃならねぇ。そうなるともっと嫌な家族と会う必要性が出てくる。それが嫌なだけだ」

 

 

「…ったく、素直じゃないやつだな。最初から普通に行くって言えば良かったものを…そしたらやつの本拠地まで案内する。ついてこいよ?白猫のマスター」

 

 

「やれやれ…素直じゃない?どの口が言うんだか」

 

 

 

 

 

津島隼人

 

ユウキ

アイリス

マシュ

モモ

システィーナ

モードレッド

ルミア

 

 

アルベルトのマスター

アルベルト

グレン

シノン

 

 

リィエルのマスター

リィエル

金色の闇

レキ

 

 

俺達全員の所持キャラは計13人。たった一人のマスターを潰すにしちゃオーバーキルすぎるパーティ。

 

 

「そういやお前ら二人のマスターは何でこの組織を追ってたわけ?」

 

 

「今更な質問だな…最近、あいつの所持キャラ達から過剰攻撃を受けた被害者が後を絶たなくなってきた。流石に俺達の地元でこれ以上好き勝手されるのは流石に腹が立ってな」

 

 

「この京都に住む私達が守らなきゃ他に誰が守るっていうの?私達はこの時のために入念に準備してきたの。絶対に勝つわ」

 

 

「お前達。京都が大好きなんだな」

 

 

「当たり前だろ?」

「もちろん!」

 

 

いいな、そういうの。俺もあんな風に堂々と胸張れたらどんなに良かったか。

 

 

「にしても薄暗い屋敷だな。霧がかってる上に人一人いなさそうだが、本当にやつはいるのか?」

 

 

「心配するな、俺達が特定した場所と一致している」

 

 

「アルベルトさんの言っていることは本当ですよ、マスター」

 

 

まぁ、怪しいところだけどモモもこう言っているから信じるしかないか。

 

 

「アルベルトはマスター二人とシノン、レキの護衛兼狙撃だっけか。つまり俺と他10人で攻め込むってことでいいか?」

 

 

「おっとアルベルト。もし俺がいなきゃシノン達の護衛に困ったりはしないか?なぁ?」

 

 

作戦のおさらいをしていたらいつの間にかグレンが混ざってきた。護衛を自ら引き受けるって…そんなに行きたくないのか?

 

 

 

「これ以上護衛は不要だ。おまけに貴様がいると連携が崩れる。つべこべ言わず屋敷へ行け。それとも怖いのか?」

 

 

「はっ、何を言うんだ?アルちゃん。俺は百年に一人の逸材と呼ばれたグレン=レーダス名誉講師だぞ」

 

 

あっ、普段言わないような事を言う辺りダメみたいだな。克服は出来ていないらしい。

 

 

「…白猫のマスター。そういやお前の優勝賞品…ルミアの方は既に受け取ったらしいが、もう一つ。ランダムであの戦いで使用キャラが手に入るんだったな」

 

 

「…それがどうかしたか?」

 

 

「それを引こうぜ!?今ここでセリカを引けばこれからも絶対役に立つこと間違いなしだ!この俺がわざわざあの屋敷まで赴くこともない!」

 

 

いや、セリカ引こうぜって…

 

 

ランダム枠はあくまで現界中のキャラは引けないから…

使用した8人から既に所持者がいるルミア、めぐみん、ウィズを引いて5人。シンプルに考えても25%…

 

 

「ふざけんな!これは万が一めぐみんが退場した時とかセリカ確定ガチャになってから使うんだっつの!今引いても出ないって!」

 

 

「いや、やってみなきゃ分からないだろ!?」

 

 

「課金すればまた引けるソシャゲのガチャと違って、これはやっちまったら終わるんだって!それに所持キャラの増やしすぎは良くないし!」

 

 

7人ってだけでもかなり多いし、京都に行っただけで3人も増えたとか洒落にならない。数を増やすのはシンプルに強くなるというメリットもあるが、その分一人一人が疎かになりやすくなる。俺は正直今の数が限界だ。

 

 

今やつの手に渡ればガチャを引かされる恐れがある…!!

 

 

「大丈夫だ!前にマスターが見せてくれた海賊の漫画があったが、あれだって船長が8人も仲間を連れていたし、問題なー」

 

 

『あ』

 

 

必死の抵抗も虚しく、最後は俺のうっかりでボタンを誤射してしまった。

 

 

そしてボタンを押してから思い出した。ガチャは本人しか引けないことに。

 

 

「ガチャしちゃったじゃん!召喚するしかないじゃんか!」

 

 

やれやれ…ぶっちゃけ今回は最適解がセリカ。適解にストレア。その他は合わないから正直セリカじゃなきゃ困るんだが…

 

 

七草(さえぐさ)真由美(まゆみ)よ。よろしくね、マスター」

 

 

「…」

 

 

あっ、これ最適解から一番遠い案件ですね。何でよりにもよって…

 

 

「貴女のマスターである津島隼人です。よろしくお願いしますね、七草先輩」

 

 

落ち着け。決して動揺を見せるな。この戦いではあるあるの目当てのキャラと違う。というのは相手のやる気を大きく削ぎかねない。

 

 

「その様子だと戦いはこれからかしら?」

 

 

「あぁ、そんなとこ。こいつらの説明はあとでー」

 

 

『試合開始5分前です!』

 

 

「試合開始の通達だね。私達マスターやアルベルトさんはここで待機している。システィーナのマスターは早く屋敷へ向かって」

 

 

「はいよ…トリガー起動!」

 

 

今回も前と変わらずにスコーピオン、シールド、グラスホッパーを両手で2つずつ。メテオラとハウンドは片手で1つずつ。このオールラウンダー型でいいだろう。

 

 

無論ベイルアウトすればすぐにリスポーン地点として登録したホテルに即飛べるのは確認済み。周到な準備をしたあとはあの屋敷で妹を助けてくるだけだ。

 

 

「そんじゃ、敵マスターの撃破。及びそのついでに不甲斐ない妹を助けてやるか」

 

 

 

 

「マ、マ、マスター!わ、私から離れちゃダメよ!絶対離れないでね!?絶対だからね!?」

 

 

あっ、これ知ってる。こういう前振りがあってから離ー

 

 

「もう!どうして言ったそばから離れようとするの!?一昔前のバラエティ番組じゃないんだから!ほら、手を握って! 私から絶っっっ対!!に離れないで」

 

 

 

「…怖いのか?」

 

 

ここはただでさえボロボロでいかにも出てきそうな雰囲気の屋敷なのに外に出ている霧も相まって更に不気味さが増している。

 

 

「何だかお化け屋敷みたいだね。今回はやらなきゃいけない重要な事があるし、戦い中だからはしゃいだりは出来ないけど…今度お化け屋敷に連れていってほしいな」

 

 

「お化け屋敷ですか?私も今度連れて行ってほしいです!」

 

 

ユウキやアイリスはちょっとだけ楽しんでいるようにも見えるが、年相応の女性には少々キツいだろう。

 

 

「ち、違うわよ!?私はマスターより年上のお姉さんだもの!マスターを導くのもお姉さんの務めよ!」

 

 

七草真由美が最適解から一番遠い。そう言った理由は彼女が大のお化け嫌いだからである。

 

 

今も俺やみんながいる手前、見栄を張ってはいるものの足がガクガクしている。

 

 

ちなみに刀華も同じくらい苦手だから彼女も今回の適解ではない。基本的に夜中しか活動出来ない上に俺の手に余るプラムよりかは幾分マシだが。

 

 

そしてさっきまで右サイドで真由美と手を繋ぎ腕まで組んでいた俺達だが、いつの間にか逆サイドにシスティーナがいた。お化けが苦手コンビに腕をガッチリと掴まれ、身動きがままならない。

 

 

これが遊びで来ているお化け屋敷ならまだしも今は準備時間だとはいえ、戦闘中だ。はっきり言うと邪魔。このままステインとか来たら俺のライフラインでもあるトリオン体が一瞬で無意味に消し飛ぶんだからな?

 

 

「おい、離れろ。システィーナ。流石に動きにくい」

 

 

「わ、私はマスターが方向音痴だから案内しているだけよ!」

 

 

「俺は方向音痴じゃないし、仮に方向音痴だとしても七草先輩がいるから十分なんだが。なぁ、怖いんだろ?」

 

 

ちなみに俺はシスティーナがお化け嫌いだと知っていながら言っている。

 

 

日頃こいつには振り回されているし、ちょっとくらいからかってもバチ当たらないよね。

 

 

「…分かった。そこまで言うならやってやろうじゃない。私がお化けなんか平気ってことを証明してあげるわ」

 

 

あら、これはまた意外な展開になってきたな。システィーナを一人で突撃させるわけにはいかないが…

 

 

「ほ、ほら、グレン先生!て、手をつな、繋いであげるわ!せ、先生もお化け苦手なんでしょ!?」

 

 

声が上ずっている上に手から尋常じゃないくらい汗をかいている。やっぱり怖いんじゃないか。

 

 

「ばっきゃろう!勘違いするな、お前がお化け嫌いだから俺が手を繋いでやるんだろ?まぁ、いいじゃねぇか。お前だってこれくらい可愛いところがあった方が男からモテるぞ。白猫」

 

 

 

「うるさいうるさい!余計なお世話よ、この馬鹿ー!!」

 

 

なんだろう…下位争いってこんな感じなのだろうか。そもそも出てもいないお化けにこんだけ怖がれるとかある意味すげーぞ。

 

 

「プリンセス・モモのマスターさん。えっちぃことばかり考えていないでこれから来る敵に備えてください」

 

 

「心外だな、金色の闇。俺は公私混同はしないタイプの人間だ。戦う時はしっかり切り替えているつもりだ」

 

 

俺はユウキのために生きると決めた以上、盤外戦術で負けるなんてことは絶対に許されない。ハニトラだろうと絆されない自信はある。

 

 

「しかし、七草真由美におっぱいを押し付けられた時、マスターさんの心拍数が上がっていました。満更でもないのでは?」

 

 

「いや、逆に嬉しくないとでも?嬉しくないと言ったらむしろ失礼だろ。お前だってなんだかんだリトがお前に興奮してくれたら嬉しー」

 

 

俺が言いかけた言葉がヤミの良くないスイッチを刺激してしまったのかヤミが無言で殴りかかってきた。もちろん今は試合開始前の準備期間前だから俺がやられることはないが、心臓に悪い。

 

 

「まぁまぁ、落ち着いてください。いいですか?ヤミさん、今は共闘中ですから。文句があるなら後日好きなだけ戦えばいいだけです」

 

 

「…分かりました。プリンセス・モモに免じて今回は矛を収めてあげー」

 

 

そこから先の言葉を何かが揺れたかのような音がかき消した。

 

 

『きゃーー!!』

 

 

はっ!?…ったく。お化けとかより急に耳元で叫ぶ真由美の方が怖いわ。

 

 

「先生、今きゃーって言いませんでしたか?」

 

 

「言ってないし!?白猫だろ!?身体がビクビクしてたし!」

 

 

「あ、あれは身体が反射的に身構えただけでー」

 

 

ドスッ

 

 

「あっ、ぶつかっちゃった?ごめんな…さ…い?」

 

 

システィーナが前をあまり良く見ていなかったのか誰かとぶつかった。いや、誰か…ではないな。

 

 

「ひっ…ひぃーーー!」

 

「うああああーーー!!」

 

 

システィーナとグレンが全力で逃げて、俺達の最後尾についた。

 

 

いくら学生のシスティーナだからと言って、余程の強者でない限りは全力で逃げたりしないだろう。グレンなら尚更。だが、今回は違ったらしい。

 

 

そう、出てきてしまったのだ。お化け屋敷っぽいあれが。

 

 

一見すると人間そのもの。しかし、どこか目は虚ろで肌色が悪く、おまけに全身血まみれ。まさしく…

 

 

「ねぇ、マスター。何があったの?」

 

 

「あっ、七草先輩。やめた方がー」

 

 

真由美はその怖いもの見たさのせいかつい前に出てしまった。そして見てしまった。

 

 

「ぐおぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

そう、まさしくゾンビを誰よりも近くで。

 

 

「い、いやーーーーーー!!」




京都騒乱編で仲間増えすぎ!と思っている方も多いでしょうが、魔法科高校の劣等生から七草真由美が新たに登場です。

小悪魔的な大人の魅力と可愛さを併せ持ったとても可愛い子です。

ちなみにセリカなんて入ってきたら所持キャラ達のパワーバランスやロクアカメンバーが3人になって作品のバランスが崩れちゃうんで没になりましたw

次回!ゾンビと戦ったり、試合が始まったり、敵と遭遇したりします!それでは!

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