アニメキャラを呼び出して戦わせるマスターに選ばれた件   作:100¥ライター

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67話 お前を原作通りに倒してやるよ

エンヤ婆にジャスティス…この二人はどちらも面倒だなぁ。

 

 

まずはエンヤ婆。一見するとただの老婆だが、やつのスタンドは霧。その性質上銃で破壊不可能かつ剣で斬れない上に拳で抵抗すら出来ない。何かしらの対策がなければスタンドには一切攻撃不可能というまさにチート級のスタンド。

 

 

その上スタンドによる霧が発生している中で傷をつけられたら血が霧に溶けたと同時にその傷がコイン大の穴となる。

 

 

そうすることで人だろうと動物、果てには死体まで操る事が可能となり、その拘束力は穴は1つだけでも十分抵抗を困難にさせられるレベル。そして穴が増えれば更に力は増す。

 

 

それなのに操れる数に限界はない。3部でも承太郎がいなければかなりの苦戦を強いられていただろう。

 

 

余談だが、能力の性質上ステインとは噛み合いが悪い。ステインがいた時、ゾンビが一切来なかったのはつまりそういうことだろう。

 

 

次にジャスティス=ロウファン。最も厄介なのが彼の固有魔法である【ユースティアの天秤】。詳細は正確に説明するのが難しいので省くが、早い話未来予知だ。

 

 

あらゆる事象や相手の行動が手に取るように読める。その精度は未来予知キャラの中でもかなり高い方だ。おまけに視覚で視るものではないので戦闘中などで未来予知に気を取られるリスクもない。

 

 

その決められた未来を覆すのに必要なのは『人の強き意志』なんだとか。逆に言えばそれがなければずっとジャスティスの手の平で踊らされる。

 

 

ジャスティス…ここで会いたくはなかったな。いや、むしろグレン達がいた時に会えて幸運だったのかもしれない。

 

 

〜本編

 

 

「…エンヤ婆は俺、七草先輩、アイリスでなんとかするからグレン達でジャスティスの相手をしてくれ。恐らくあいつもそれを望んでいる」

 

 

「あぁ、物分かりが良くて助かるよ。むしろ余計な茶々を入れてきたら…君から殺すよ」

 

 

…今までに感じたこともない威圧感。俺の直感が告げている。今の俺がこいつに逆らえば確実に死ぬ…と。

 

 

「頼んだぞ、グレン…」

 

 

なら俺は俺のやれることをするだけだ。

 

 

「まっ、3人もいればお前には勝てるな」

 

 

「一人で倒す?この量を貴様ごときで倒せるか!?」

 

 

彼女がそう言った瞬間、別のドアから沢山のゾンビが溢れ出してきた。やはり物量で攻めに来たか。

 

 

「…アイリス。俺とお前でこいつらを凌げば俺達の勝利は確実なものとなる。いけるか?」

 

 

「もちろんです!」

 

 

炸裂弾(メテオラ)!」

「『エクスカリバー』ッ!」

 

 

近づかれて傷を付けられたら肉体の支配権を奪われて負けだから極力近づかせずにゾンビ軍団を制圧。そうして俺とアイリスがゾンビ連中を吹っ飛ばしている間に真由美がスタンドを攻撃して勝利する。

 

 

「そして…今回のキーとなるのは七草先輩です。先輩の力が必要なんです。出来ますか?」

 

 

「もちろんよ、今までの仕返し…たっぷりとさせてもらうわ」

 

 

〜モモside

 

 

ステイン…マスターから先ほど送られてきた情報によれば能力は血の凝結。

 

 

相手の血を摂取することで相手の動きを止めるとのこと。止める時間はB型が最長で約8分は動けなくされる。だからB型のモモは特に気をつけろ。って、私の血液型までよく知ってますね…

 

 

マスターのアニメ知識の広さと深さはよく知ってはいるつもりでしたが、まさかここまでとは…

 

 

流血しない仕様であるユウキさん以外はかすり傷でも負えば不利になるという今までの中でもかなりシビアな戦いです。

 

 

「ちっ!キリがねぇ!」

 

 

「うん!相手が素早すぎるし、どこにいるかも検討が付かないよ!」

 

 

二人でナイフを高速で投げ合ってくるとは…ここまで綱渡りな連携を完成させるのに一体どれだけの時間をかけ、何人もの人を倒してきたのか。

 

 

「でも致命傷となる場所は狙ってきませーっ!」

 

 

はっ!マシュさんがかすり傷を… そして血のついたナイフがステインの手に…!

 

 

「違います!彼らは最初にダメージを与えること自体が目的なんです!」

 

 

「っ…!!」

 

 

血の凝結…!!マシュさんが動けなくされてしまいました…もっと早く詳細を伝えるべきだった…!このまま行けばジリ貧になり、敗北は必死。

 

 

今打てる最善手は…

 

 

「ヤミさん、あの力は制御可能ですか?」

 

 

「あの力…もしかしてあれのことですか?」

 

 

「はい、そのもしかしてです。それが可能であれば私達の勝率は上がります」

 

 

今はあの力に縋るしか現状を打破する手はない。少なくとも私にはそれぐらいしか思いつかないです。

 

 

「ですね…私も全力をー」

 

 

『その必要はないぞ。金色の闇』

 

 

「アルベルト、いいのですか?」

 

 

『今、そちらへと向かう。そして作戦は…』

 

 

何かしらの策をアルベルトさんから伝えられたようですが…本当に彼一人加わるだけでこの状況を打破可能なのでしょうか。

 

 

「それでは貴方に任せます。アルベルト」

 

 

ダークネスはあちら側としては極力使わせたくはない。と言ったところでしょうか。この戦いでは相手のデータはいくらでも調べられるのでマスター相手に能力を隠すのは無意味です。

 

だとしたらダークネスには使用後に戦闘終了後にも影響を及ぼすリスクがあるとかダークネスになれる時間が今の戦闘時間より短いなどのデメリットがあると考えるのが妥当ですね。

 

 

「えいっ!」

 

 

ヤミさんに飛びかかってきてー

 

 

「ヤミさん!危ないです!」

 

 

「…んんっ!」

 

 

「この程度ではかすり傷一つつきませんよ」

 

 

腕をガンドレッドにトランスさせることによる防御…。味方である内は頼もしい限りですが…いつか敵対することを考えると頭が痛いです。

 

 

「そして…やっと来ましたか、アルベルト」

 

 

ヤミさん!?何で狙撃の準備を図っていたアルベルトさんの場所をわざわざバラしちゃうんですか!?

 

 

「邪魔な魔術師さん!まずは貴方から殺して魔力供給させてもらうよ!」

 

 

ジャック・ザ・リッパーがアルベルトさんとの距離を詰めようと接近し、首を刈り取る。…と、同時に外から雷鳴が駆け、彼女の身体を寸分違わず貫いた。

 

 

「…プリンセスモモ。あれはアルベルトの射線まで誘き寄せるために出した幻だったのです」

 

 

『ヤミ、ターゲットの退場を確認しろ』

 

 

「…退場しています。流石の手際ですね、アルベルト」

 

 

『褒めたところで何も出ないぞ。次の標的の撃破に取り掛かる。ステインの誘導は貴様に任せる』

 

 

アルベルトさん…マスターからも高い評価をもらっている

 

 

〜隼人side

 

 

「アイリス!もうちょっといけるか?」

 

 

「…はい!もちろんです!」

 

 

「ふっ、てめーらがやってることは全部無駄じゃ!今まで撃った弾丸は全て虚しく霧散しておる!てめーらの行動から考えるとどこかにあるであろう核を破壊すれば倒せる…なんて思ってんのかぁ?甘い甘い!!どんな場所から弾丸を撃とうとこのジャスティスは破壊不可能なのじゃ!」

 

 

「虚しく霧散してる?そう思うんなら別に構わないが…その間にお前を原作通りに倒してやるよ。そう、一呼吸する内にな」

 

 

「一呼吸?んなもん簡単に…ほれ、これでいっかーうぅ…うぐぐぐぐ…」

 

 

ジャスティスは霧のスタンド。だが、頭部は存在する。承太郎はスタープラチナで霧を全て吸い込むことでスタンドの頭部を押さえ込んで呼吸をさせないようにすることで倒した。

 

 

真由美が高速で撃っていた弾丸は二酸化炭素を集めて作っているドライアイスだ。それを気化させたらどうなるかなんて…分かるよな?

 

 

「全く…どんな距離からスタンドを撃っても全弾霧散する。つまり射程距離が明らかに変わっている。これに違和感を覚えないなんて…随分能力を過信してたんだな」

 

 

「お、のれぇ…」

 

 

「完全再現…と、まではいかないが原作通り一呼吸で倒して、お前に霧をかけることは出来たぜ」

 

 

「あら、もう終わり?」

 

 

スタンドの周囲に二酸化炭素を蔓延させ、二酸化炭素中毒に追い込んで勝つ。俺が決めたとはいえ、恐ろしい作戦だよなぁ…

 

 

そしてやっぱり退場はしてないか。それならあとでモモから自白剤的なもんでも用意してもらって『弓と矢』で他に誰を射抜いたかとか聞いてもありかもしれない。

 

 

「マスター、それじゃあ次はあちらに戻ってユウキさん達を助けに行きませんか?」

 

 

「おっと、そうは問屋が卸さない」

 

 

 

「誰ですか!?」

 

 

やつの横に浮いているのはスタンド…のはず!!なのに俺のデータ内には入っていない。

 

 

俺はジョジョのスタンドは3部から8部まで…それがたとえ小説からのものだろうと全て網羅している。(ジョージ=ジョースターの小説だけは見ていて頭が痛くなってきたから途中で理解するのを止めてしまったが。)

 

 

そんな俺が万が一にもスタンドを忘れるなんてことがあるはずない。なのに該当データにないスタンド。それならマスターであることが確定。

 

 

何故一般人であるはずのマスターがスタンドを持っているのか。それは恐らくエンヤ婆がもたらした副産物『弓と矢』のせいだろう。

 

 

4部ではスタンド使いになり得るか一々射抜く必要があったが、後半から矢が求める者を射抜けば確定でスタンド使いであったり、6部に至っては鏃に触れるだけでスタンドが目覚めるようになった。これによってリスクは低下していき、最終的にほぼ0になった。これで大量のスタンド持ちマスターが量産されてると厄介だな。

 

 

かつて…というか、マスター権を手にした初日で虹村形兆と交戦したが、もしかしたらあいつも『弓と矢』を持っていた可能性があったんだよな…すぐ退場させといて良かった。

 

 

スタンドの外見はカジノのスロット?のようなものか。人型スタンドでない以上は直接の戦闘にはあまり向かないが、その分特殊能力系が強いやつだと考えていいだろう。強いて気になることがあるとしたらそれが7・7・7で止まっていることだ。

 

 

ん?何か上から音がしてくるような…

 

 

「七草先輩!危ないです!!」

 

 

この距離だろうとグラスホッパーを使って、低空加速すれば間に合う!

 

 

「きゃっ!」

 

 

危ねぇ…頭上のシャンデリアが落下してきやがった。単なる老朽化?違うな。

 

 

 

「運が悪かったな。まさか…シャンデリアが落ちてくるとは」

 

 

おっ、あのスロットが回り出した途端すぐにまた7・7・7で止まった。やはり先ほどシャンデリアが落ちてきたこととスロットはリンクしているとしか思えない。

 

 

「すっとぼけてんじゃねぇよ。それがお前のスタンドなんだろ?」

 

 

 

「そうだ。これが俺のスタンド『ハロー、ハッピーワールド』。この能力がある限り俺は無敵だ」

 

 

ハロハピじゃねぇーか!確かに4部スタンドは一部海外バンドから名前を引用してたりするけども!そもそもアニメのバンドだし…もう色々と突っ込みきれない。

 

 

「じゃあ、そいつの効果とやらをもっと見せてもらおうじゃねぇか。お前だけで俺をどうにか出来るつもりなんだろう?」

 

 

「あぁ、分かっているさ」

 

 

は?そこに転がっていた小石を投げた?全く…何やってやがんだか、ふざけやがっ…

 

 

ブォン!

 

 

「はぁ!?」

 

 

はぁ…はぁ…リィエルの大剣が吹っ飛んできやがった。急いで避けられたから吹っ飛んだトリオン体は左腕1本で済んだが…

 

 

「ごめん、突然転がってきた石につまづいた」

 

 

「おい、リィエル。勘弁してくれよ、下手したらつまづいたじゃ済まない事になって…はっ!」

 

 

分かった。完全に理解した。

 

 

「さては因果律操作の能力者だな、オメー」

 

 

ふっ飛んだ左腕はリボーンのスクアーロみたくスコーピオンを纏って剣の義手にしよう。

 

 

スコーピオンは長さをある程度調整可能である上にどこからでも出せるというメリットがある。それを上手く活かし、トリオンが漏洩している部分を覆うように伸ばせば剣の腕が完成。しばらくはこれでどうにか凌げる。

 

 

左の枠をスコーピオンで埋めたことにより、フルシールドやメテオラは使えなくなるが、そもそも大量のトリオン漏出を防がなければこの試合終了まで持たない。

 

 

「ふふふ…流石は津島隼人。そう言う君はデータ通りトリガーを所持しているみたいだね。その分析能力と対応力の高さ。君がいてくれたら俺の正義執行もより完璧なものとなっただろうに」

 

 

 

「…可哀想なやつだな。最初に召喚したのがもっと良いやつだったらお前はこんなことしなかっただろうに。そしてお前が掲げる正義執行はお前自身のじゃなくてステインの…だろ?」

 

 

これは半分が煽りだが、半分は本心だ。もし奴がドン底にいたとして、そんなあいつに手を差し伸べたやつは恐らくステインだとして、ステインが助けてくれたのなら…それでステインと同様の正義を掲げるようになるというのは想像に難くない。

 

 

人間はほぼ全員クズだと思っていたにしても最初に出会ったキャラがもっと優しさに溢れたキャラであればああはならなかったのではないかと思う。

 

 

ソースは俺。一番最初に来たのがユウキのような心優しい人物でなければダークサイドに堕ちていた可能性の方が大きかった。

 

 

そう考えると…俺もやつのようになることだってあり得たかもしれない。改めてユウキには感謝しなきゃだな。

 

 

「可哀想…だ?ふざけるな!肯定するでも否定するでもなく…俺を哀れむだと!?」

 

 

次は…コインを上にトスしてきた? そうして俺がコインに気を取られた矢先にシノンが奴に狙撃…!?腕を狙ったその弾丸はコインによって軌道がズレた。

 

 

「マスター!危ないです!」

 

 

俺の危機を察知したアイリスが慌てて剣を振り下ろした。弾丸は真っ二つになり、一安心。と思いきや…

 

 

「嘘だろおい…」

 

 

そもそも弾丸がコインで跳ね返ってきたこと自体が信じられないのにアイリスが斬った弾丸が真っ二つになってもなお止まらずに俺の両肩を穿った。

 

 

…だが、驚いた割にトリオン体のダメージはそこまででもないのが不幸中の幸いか。この程度なら数分ほっとけば漏出も止まる。

 

 

「もう躊躇はしない。死んでも恨むなよ」

 

 

「やれやれ、あいつと一緒に埋葬されたくはないな。やれやれ」

 

 

「やれやれやれやれうるせぇ!」

 

 

「…永遠に幸運でいるだなんて人間は余程の例外を除けば存在しない。その幸運が尽きた時、その瞬間がお前の敗北だ」

 

 

永遠に幸運でいるやつ。心当たりはあるが、強すぎる因果操作能力持ち故に禁止制限級。それにスタンド能力は基本インフレすることがなく、常に一人一人がオンリーワンの強さを持っていたからあれもそこまで強いものにはならないだろう。

 

 

「敗北?はっはっは、この能力のために…そしてお前を倒すために貯めてきた幸運。そう簡単に無くせると思うなよ」

 

 

あっ、こいつは今、運には限りがあるって言いやがった。上限があるなら攻略するのはそこまで難しくはない。

 

 

「七草先輩は俺の妹を見張っておいてください。そして…どういった形で利用されるか分からないので俺がやつの運を使い切らせるまで遠距離攻撃は避けてください」

 

 

「引き続きアイリスは俺と攻めに行くぞ」

 

 

「お前の運か俺のトリオン体か…どっちが先に尽きるかの勝負といこうじゃないか」

 

 

マスター一人で登場してくるってことは因果操作を使って、これから強キャラを出してくる可能性だって0じゃない。早く無力化させなくては。




【スタンド名】ハロー、ハッピーワールド
【本体】 ステインのマスター

パワー E
スピード E
射程距離 A(自分に関することならどこまでも)
持続力 A〜E(自分の貯めた運に比例)
精密動作性 E
成長性 E


能力
スタンドであるスロットが7・7・7のラッキーセブンを出している限り自分の運が最高潮となり、様々なラッキーを起こせる。
具体的に何が起きるかは本人にも予測不可能。
そして何かしらで運を消費すると若干のインターバルが生じ、その間は能力の効果外。

ラッキーを起こせる回数や度合いは今までに貯めた運に比例される。
そして運を使い果たすとスタンドは自動的に消える。


名前の由来はバンドリ!に存在するガールズバンドの一つである『ハロー、ハッピーワールド』から。

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