アニメキャラを呼び出して戦わせるマスターに選ばれた件   作:100¥ライター

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津島隼人のお隣さん編がスタート!

京都から帰ってきて、数日が経った隼人一同。そこに謎のお隣さんが引っ越して来て…

そこから始まる新たな戦い!東京に帰ろうとマスターに休みなんてありません!


津島隼人のお隣さん編
69話 お隣さんが引っ越してきたらしい


俺は東京に帰ってからある事を始めた。

 

 

「ハヤトさん、もう少し詰めていただけますか?」

 

 

「あいよ。まぁ、ここまでしなくてもいいとは思うが…」

 

 

ルミアに頼まれ、システィーナと距離をつめる。画面が小さくてたまに見切れちまうから仕方ない。

 

 

『もしも〜し!聞こえるか?』

 

 

「あぁ、ちゃんと聞こえてる。そっちも俺達が見えてるか?グレン」

 

 

『ばっちりだぜ、見切れてたりはしてねーよ。…にしても今まで触れていなかったが、お前らの世界じゃこんなことが出来るとは…相変わらずすげー科学力だよな。俺達の世界じゃこんな通話は無理だったわけだし、写真1枚撮るのにも一苦労だったんだぜ?』

 

 

結局ソファに座ってスマホで通話をしているが、密着しなきゃいけないくらい詰めなきゃいけないとはな…そろそろパソコンでの通話に変えようか。

 

 

「あぁ、我ながらそう思うよ。遠くにいながら映像込みで連絡が出来るなんてな」

 

 

『そんじゃっ、今日もお前らに魔術を教えてやるよ。最初に言ったようにハヤトが魔術を使えるようになるかは保証しないぞ。こっちのマスターだって姉の方はもう一部簡単なものなら魔術を使えるようになってはいるが、弟はまだ会得してないわけだし。だが、その知識は無駄にはならないはずだ。ジジ…バーナードやイヴ。あるいはセリカなんかと遭遇した時に役に立ー役に立つはずだ!』

 

 

そう、グレンから魔術の授業を1日1時間だけ受けさせてもらうことにした。(厳密にはハーフタイム10分を挟んだ70分)

 

 

事の経緯については俺がグレン先生に頼み込んだのだ。ロクアカの魔術は他の作品のそれと違い、幅が効く。

 

 

もちろん覚えやすい魔術や覚えにくい魔術。そして得意な性質などから得手不得手はある程度決まってしまうが、人並みの適性があれば理論上大抵の魔術が会得可能だ。

 

 

おまけにロクアカの魔術は詠唱時間こそ少し長くなりがちだが、覚えやすい上に使いやすい魔術が多い。このすばのように会得が非常に容易な代わりにスキルポイントの都合で覚える魔法に制限が付いたりもしないし、他作品ではありがちな才能によって覚えられる属性が予め1つだと決まったりもしない。

 

 

劣等生の魔法に関しては真由美がいるが、CADの製作者や調整者がいないため却下。劣等生キャラは特権ルールによれば戦闘前と後でCADの調整が自動で行われるらしい。ただし、自前で能力を身につけるならCADと調整者は必須だろう。例えばお兄様がいれば全部解決。

 

 

「先生…何で一瞬黙ったんですか」

 

 

システィーナがジト目で画面越しのグレンを見つめているが…理由はすぐに分かった。

 

 

「そいつらは一般的な魔術師の型に当てはめられないから…だと思う」

 

 

『おぉ、それだよ、それ!ジ…バーナードは型破りな戦い方をしてくるし、何より俺や仲間達にすら隠しているものが多い。イヴは予め準備すりゃあ詠唱なしで炎系魔術が自由自在に使える。セリカに至っては魔法の威力そのものが規格外すぎる。よってこいつら3人は一般的な魔術師の対策じゃどうにもならない』

 

 

 

「大丈夫、グレン先生の教えは無駄にはならないよ。だって俺は絶対に魔術を会得するから」

 

 

こんなとこで止まっちゃいられない。トリオン体には魔力がないからトリガーとの両立は不可能だが、魔術が使えるってだけでトリオン体にならないメリットが増える。

 

 

正直サーヴァント二人に魔力を供給可能というだけではメリットが薄すぎる。現状で魔力供給が必要な場面は宝具の使用など大量に魔力が必要な時ぐらい。このためだけにわざわざトリオン体を解除して、無防備な時間を作るのは痛すぎる。

 

 

『…まぁ、お前に魔力があることは分かっているから才能0…なんてことはないが、才能が良くも悪くも作用するのは理解してくれ。それじゃあ、今日はまず基礎から。その後は魔術師との戦いで役に立つことやこの世界の魔術師の戦闘スタイルなんかも織り交ぜながら少しずつ教える。白猫やルミアに既に教えた範囲は駆け足でやるから分からなくなったらあとでどっちかに聞きな』

 

 

「はい、それでは、お願いします」

 

 

 

 

「ハヤト…貴方、物理作用力(マテリアル・フォース)やマナ・バイオリズムなんかも既に理解していたのね」

 

 

「あぁ、マテリアル・フォースはトリガーの話と似ているからな。トリガーの話も交えて説明しよう」

 

 

例えばトリガーで最もポピュラーな近接武器と弾である孤月とアステロイドを比べるとしよう。

 

 

それらを同じトリオン量消費し、アステロイドは一般的な拳銃トリガーで撃ったと仮定しよう。そうすると振り分けはこうなる。

 

 

アステロイド

射程3分の1 弾速3分の1 威力3分の1

 

孤月

威力 4分の3 硬質化4分の1

 

 

そう、弾速や射程にトリオンのリソースを割かれているのだ。

 

 

もちろんシューターが威力メインに調整して撃てばまた変わってくるが、どうしても純粋な火力では近接武器に勝てない。

 

 

これと似たような感じなのがマテリアル・フォースで主な三属性の威力リソースは確か…

 

炎熱 約85%

冷気 約79%

電撃 約82%

 

ってな感じになったはずだ。同じ魔力消費量でもこの差。魔力を消費して、世界に干渉する要素が少なければその分多くの魔力が攻撃力に還元され、多ければ還元される攻撃力は少なくなる。

 

 

風属性が弱いって言う輩がいたのはこのような攻撃面しか見ていなかったからだ。

 

 

干渉要素の多さは決してデメリットではない。その分改変しやすく、応用の幅が広いというメリットがある。

 

 

 

「マテリアル・フォースってのはつまりこういうことだろう?」

 

 

「…そうね。ケチの付け所がない説明だった。相変わらずその知識量には驚かされるわ」

 

 

「んなもん俺にとっては必須項目だ。少なくとも自分が使う武器や自分の所持キャラのことはしっかりと覚えとかなきゃ指揮に支障が出る」

 

 

「じゃっ、俺は資料のまとめに入るからそろそろ寝てな」

 

 

〜PCルーム

 

 

資料のまとめというのは京都でエンカウントしたキャラの名前を始め、キャラの画像や能力をまとめておくことだ。

 

 

首領パッチや天の助は正直何を書けばいいか困るが、他は問題なく書ける。

 

 

「そういえば今は京都最終日の辺りから始まった2人組ピックアップの期間中らしいですよ」

 

 

「2人組ピックアップ?」

 

 

俺はあと2回ガチャを引けるが、正直これ以上ガチャを引く気はないからなぁ…興味なくてあんま見てなかったけど確認しておくか。

 

 

『ブラゴ&シェリーや孫悟天&トランクスが新登場!他にも二人一緒になることで強力なシナジーを発揮するキャラや一部を除いた金色のガッシュのキャラなどが新登場します!』

 

 

なるほどねぇ…Fateみたいなマスターとサーヴァント的な関係のキャラ達や単品で出しても上手く力を発揮出来ないようなやつらがとうとう解禁か。

 

 

「このピックアップ…マスターはどう見ますか?」

 

 

「一旦無視…したいけどなぁ」

 

 

特に目玉商品扱いされているブラゴ&シェリーとゴテンクスなんかは確かに厄介だけど真に厄介な清麿&ガッシュやZEROの衛宮切嗣なんかが未解禁。

 

 

と、見せかけてガッシュのキャラならキャンチョメやゼオン、Fateなら言峰綺礼、天草四郎が面倒すぎる。

 

 

今のフルメンバーで戦っても勝ち筋が薄いやつがこれ以上増えないでくれると助かるんだが…

 

 

「見過ごせないやつらがまた追加されている。見つけたら要警戒かな。そしてガチャは主人公枠が解放されない限りは様子見に徹する」

 

 

「これ以上メンバーを増やしては色々と問題も増えますからね」

 

 

「さて、本題に入るぞ。本当なら新幹線でまとめる予定だった資料の作成だ。まずユミルが退じょー」

 

 

『ピンポーン!』

 

 

「私が出るわ」

 

 

「あっ、すみません。七草先輩。お願いします」

 

 

とは言ったものの話は気になるな。ちょっと聞かせてもらおう。

 

 

「夜分遅くに申し訳ございません。本日お隣に引っ越してきた如月と申します。ささやかなものですが…」

 

 

キサラギ…見えない情報のみでも口調は丁寧、おしとやかな女性である事が分かる。大学生…もしかしたら転勤で飛んできたOLとかの可能性もあるな。

 

 

「あら、そこまで気を遣わなくても良かったのに…」

 

 

「貴女のような方が近所にいて安心しました。何かあったら頼らせてもらってもよろしいですか?」

 

 

「えぇ、私で良ければ」

 

 

「それでは、失礼しました」

 

 

 

 

「…どんな人でしたか?」

 

 

「金髪に青い目。髪型はツインテールで…年は14歳くらい…?」

 

 

大きく予想を外してしまった。アニメかよ。まぁ、今までマスターなのにアニメみてーな髪色のやつとかいたっけ。だが、その話を聞く限り…どっかで見たことある気がするんだがな…気のせいだな。

 

 

つーかその歳で礼儀作法がなっているものなのか…すげーな。

 

 

「そういえば何か貰っていませんでしたか?」

 

 

「えぇ…これだけれど」

 

 

白い恋人ねぇ…確か北海道で有名なお菓子だったな。心当たりは特にないが。

 

 

「では、これは明日美味しくいただきましょう。おやすみなさい、七草先輩」

 

 

「隼人君も早めに寝てね。おやすみなさい」

 

 

〜翌日

 

 

せっかくの休日だったので今日はそれを生かして真由美にこの辺りを案内することにした。この辺りは言ってしまえばホームグラウンドになのでよく知ってもらって損はない。あと真由美とは生きている時代がかけ離れすぎている。ボーボボよりかはマシだが、それでも多かれ少なかれカルチャーショックを起こしているだろう。

 

 

「それじゃあ、エスコートしてね。マスター」

 

 

「エスコートだなんて…恐れ多いですよ」

 

 

今回の俺の役割はあくまで案内役だ。デートでは断じてない。

 

 

「それじゃあ、まずはよく戦闘で行く場所から…」

 

 

 

 

標的である津島隼人をストーキングしている女性が二人。もちろんマスターに認識阻害をかけてもらっているのでたとえどんなに近づいても絶対に気づかない。ただし、底が知れない相手だから念のため少し離れた場所から様子を見る。

 

 

「ねぇ、あいつ蹴り飛ばしてきてもいい?もの凄く腹立つし、絶対ロクなやつじゃない。ボクの勘がそう言ってる」

 

 

「ダメです。我々がマスターを害せるのは基本的に戦いの時のみです。例外的に両者の間で合意があれば戦闘を行えますが…その場合は認識阻害を解除しなければなりません。それに今認識阻害を解除すれば私の認識阻害も自動的に解除されます。…今は耐えてください」

 

 

この戦いの特殊ルール。マスターが確認している限りマスターを恫喝など精神的に害することはできても物理的に害することはどうやっても不可能。

 

 

なので今出てきても何の意味も持たないどころか私達の独断行動のせいでマスターに迷惑をかけてしまう。

 

 

おまけに今は大勢の人がいる。今下手に暴れたら警察のお世話になるのがオチ。

 

 

「津島隼人。17歳・高校2年生。持ち前のアニメ知識の多さや咄嗟の機転で抜け目なく戦い、メンバーを指揮する策士ってマスターは言っていたけれど…ボクにはタダのクズにしか見えない。こいつを野放しにしていたらきっとお姉ちゃんは不幸になる」

 

 

だから今は私達が出来ることをするのみ。

 

 

「ですから…今は一旦矛を収めてください。私達でじっくりと彼を見定めるのです。お姉様に相応しい人間かどうか」

 

 

「うぅ…分かった。仕方ない…」

 

 

 

〜隼人side

 

 

「俺達、尾行されてる気がする」

 

 

「…尾行?キャラなら認識阻害をかけられているのが一般的なはずなのに?」

 

 

「すまないが、これは今までの経験による勘だ。なんとなくそう感じるんだ」

 

 

「分かった、マスターを信じるわ」

 

 

「…じゃあ、ちょっと俺についてきてくれ」

 

 

「…え?そっちは人気がほとんどない場所よ?尾行を振り切るならー」

 

 

「違う、俺は逃げない。迎え撃ー」

 

 

「お姉ちゃんと別れろ!!お姉ちゃんに擦り寄る羽虫め!」

 

 

「わ、別れろ!?ちょっと!何を言ってー」

 

 

「よし、来たか」

 

 

こっちに向かってくる今回の追跡者。なるほど、やっぱこいつなのね。

 

 

「忠告はしたからね!」

 

 

飛び膝蹴りを加速させてきたか。劣等生の世界で言うなれば加速・移動の複合魔法に当たる芸当。そして皮肉にもかつて司波達也が初めて彼女と会った時と同じ構図になったか。あの時達也って何して対処したっけな…

 

 

いや、俺は俺の攻略法でいかせてもらうか。

 

 

「シールド!」

 

 

面積を極力削いでちょうど相手の膝を覆える程度に。そしてそれを若干こちら側に逸らす!

 

 

「うぁっ!?」

 

 

案の定受け流すことには成功。よし、第一関門は突破!これでひとまずはなんとかなー

 

 

「とりゃあ!」

 

 

「ぐっ…」

 

 

風槌…!!圧縮した空気を弾丸にしてきたか!自分はもう一人のやつに助けてもらう前提で落下しながらも攻撃を仕掛けてきたってわけね…

 

 

やつが攻撃に踏み切れた理由は俺が防御してしまったからだ。これによって俺のことを攻撃可能なターゲットとして認識したのだろう。

 

 

最初に攻撃するな、と。マスターなら誰にでもある権限でただ拒否すれば良かったのだ。くそっ、運命は繰り返すんだなと思って慢心した俺のミスだ。

 

 

背後を取られた攻撃で大きく吹っ飛びはしたものの、さしてダメージはない。圧縮した空気を飛ばしていたが、圧縮の時間が足りなかったためだろう。

 

 

「香澄ちゃん!」

 

 

落下中の香澄を減速させ、軟着陸させたのはやはり彼女か。香澄とよく似た姿のあの子。

 

 

「ありがとう、泉美!」

 

 

七草香澄に七草泉美。これで揃ったな。『七草の双子』が!!

 

 

魔法科高校の劣等生には優秀なやつらが沢山いるが、こいつらは他の誰にもないオンリーワンな技を持っている。そんなやつと出くわすとはな…これも同作品のキャラ同士は惹かれ合うというやつなのか。

 

 

「…さて、こっからは本気だよ。津島隼人」

 

 

「分かりました。香澄ちゃんがそう言うのであれば…私も協力します」

 

 

「そう来なきゃ、面白くないな」

 

 

今回はちょっと趣向を凝らして近接武器のトリガーを全て置いてきて、シューター用に改造したんだ。早速実験第一号と二号になってもらおうか。

 

 

『勝負!!』

 

 

「いい加減にしなさい!!!」

 

 

「ぎゃっ!」

「ひゃっ!」

 

 

二人の頭に真由美の手刀が振り下ろされ、うずくまる。

まさか真由美がここまで怒ったりするとは…なんか新鮮だな。

 

 

「マスターも!すぐ好戦的にならない!」

 

 

「…はい、気をつけます」

 

 

怖ぇ…マジやべぇ…真由美がこんなにも怖いだなんて思わなかったわ。

 

 

「それじゃあ、場所を変えるけど…逃げずに話してくれるわよね?」

 

 

「はい、可能な限り話します」

「もちろんです、お姉様」

 

 

そして俺と同じく真由美の威圧に負けた二人は更に萎縮して、大人しく真由美についていった。




七草真由美の妹である七草香澄と七草泉美が登場!

詳細は次回話しますが、二人は乗積魔法という魔法科高校の劣等生の世界において唯一無二の事が可能な存在なのです。

それでも劣等生の世界には映画でも活躍したスターズの総隊長さんとかもっとすごいやつらが沢山いるというのが現実ですが…


次回も楽しみにしていただければ嬉しいです。それでは!

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