アニメキャラを呼び出して戦わせるマスターに選ばれた件   作:100¥ライター

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デレステで常に小日向美穂に票を入れ続けている作者です。

小日向美穂がシンデレラガールになれると信じて…

ちなみに津島隼人は飛鳥Pです。津島隼人は基本的に厨二キャラが大好きなのです。

そんなわけでスマブラ対決が始まります!


73話 俺達は始まる前から既に勝っている

如月に提案された10本先取のゲーム対決。

 

今のところ5戦5勝で無敗。次はスマブラか。何であれ完膚無きまでにねじ伏せる。それだけだ。

 

 

「あっ!マスター、おかえり!」

 

 

「おかえりなさい、先輩」

 

 

戦いの場を変えるために家に帰ったらユウキとマシュが出迎えてくれた。

 

 

「ただいま、早速で悪いがテレビを借りて良いか?」

 

 

「あぁ?誰だ、そいつは。マスターの彼女か何かか?」

 

 

モードレッド、邪推するのもいい加減にー

 

 

「えぇ、マスターも隅に置けないでしょ?」

 

 

「か、か、彼女!?マスターに彼女がいたの!?」

 

 

「ちょっとシスティ、その言い方はマスターに失礼だよ」

 

 

あぁ、システィーナとかもこいつを知らないんだったな。最近爆発的に所持キャラを増やしたから無理はないか。

 

 

「はぁ!?別に私はこいつとそんな関係じゃー」

 

 

「真由美、戯言に妙に信憑性を持たせないでくれ…こいつはただのマスターだよ」

 

 

ハッキリ言ってマスターに彼女を作るメリットなどはない。

 

 

彼女が同じマスターであったのならそいつに気を許した後、いつか利用されてピンチになれば売られる。マスターだと明かさずに近づいてきたスパイだったら自分の情報が筒抜けになってしまう。一般人だったら決して理解されることのない秘密を相手に隠し続けなければならないし、もしそいつがその事を誰かに相談してマスターでないかと勘ぐられても嫌だ。 モテないことに関しては小4で悟り、割り切ったつもりでいたが、まさかこの事がメリットになる日が来るとは。人生とは分からなー

 

 

「ぐっ!」

 

 

「おい、今素足になったからって足踏みやがったな」

 

 

「あんたの説明は合ってるけど私に対して何も思うところがないみたいな発言とそれを裏付けるかのような淡々とした言い方が腹立つ」

 

 

やれやれ…性的な目で見たら変態扱いし、かと言って普通に見てたら何かないのかと怒る(ただしイケメンは例外。大抵のことは許される)。三次元の女は理不尽だよな、全く…

 

 

「へぇ…つーことはこいつを捕まえたから拷問なりして持ってる情報を全て搾り取ってから口封じで始末すんのか?」

 

 

「おい、モードレッド。俺はそこまで悪逆非道になった覚えはないぞ。そもそも時間外に始末したら処理が大変だっていう問題以前に金持ちの家の令嬢なんて行方不明になれば必ず足がつく。おまけにこっちに着いたばかりとタイミングも最悪だ」

 

 

「殺す前提で話を進めないで。始末する話を否定しなさいよ」

 

 

冗談だよ。俺は敵マスターとはいえ、殺すことはさすがにしない。

 

 

「あの、テレビを使う用とは一体どのような…」

 

 

「あっ、そうか。説明してなかったな。マシュ、俺達は今からスマブラをやるんだ」

 

 

「マスター!なら私もご一緒させてもらっていいですか?」

 

 

「あ、あぁ…ごめんな、アイリス。俺は今からこいつとタイマンしなきゃならないんだ。お前との勝負はまた今度な」

 

 

「条件は俺のオリジナルステージかつ体力制。スマッシュボールあり。これでいいな?」

 

 

「えぇ、構わないわ。どんなに達人プレイヤーであろうと2人操作なんてすれば必ずプレイに歪みが出る。余裕よ」

 

 

「そっか。なら始めよう」

 

 

使用するのはwiiリモコンか。いや、wiiリモコンを悪く言うつもりはないよ?俺もみんなとやる時、譲ったりして使う時あるし。使用するコントローラーや握り方を見て相手の強さを図る人もいるらしいが、その辺素人な俺から見てもあいつは強そうに見えないな。

 

 

ちなみに俺達はGCコン。やっぱりこれが一番馴染む。

 

 

「宣言しよう。俺達は始まる前から既に勝っている」

 

 

俺達のキャラはシーク。如月はゼロスーツサムスを選択。ステージは…

 

 

「は!?私、閉じ込められてるんだけど!!」

 

 

「移動は任せたぞ、モモ!」

 

 

「はい!」

 

 

スマッシュボールを割ったらあとは安全圏内から最後の切り札!

 

 

「光の矢!」

 

 

撃破。いやぁ〜、ここまで楽に勝てるとは。

 

 

「ふざけんな!!」

 

 

「んだよ、今回は圧倒的リターンに目が眩んで全面的に賛成したお前に非はあるぞ。もしかしてお前契約書を見ても大して読まないタイプか?」

 

 

金持ちの令嬢という立場なのに駆け引きに弱くていいのだろうか。

 

 

「2Pが確実に負けるように仕込んでいるとは思わないでしょ!」

 

 

「確実ではないぞ。お前が選んだキャラ次第でスマッシュボールを取れば抜けられたり、俺に攻撃できるチャンスも残してあった」

 

 

「もう1回!ステージは戦場!ストック2個でスマボなしのガチ勝負でフェアにやりなさい」

 

 

「俺達の二人縛りは?」

 

 

「もちろん継続よ」

 

 

「異議ありです!それはさすがにハンデの域を超えています!」

 

 

「えぇ、いくらなんでもそれはフェアじゃない!」

 

 

「落ち着け、マシュ。システィーナ。フェアじゃないと言うのは基本僅かでも自分に有利な状況に持ち込むための策だ。だからフェアじゃないのは当然。とっくにわかっているさ」

 

 

「おい、如月。5分寄越せ」

 

 

「は?」

 

 

「お前に勝つための作戦会議をする」

 

 

〜5分後

 

 

「いいのか…?お前はイカサマされて負けた。大人しく負けを認めたらこれで手打ちにしてやったのに…モモ、次は本気で頼む」

 

 

「えぇ、もちろんですとも」

 

 

俺達はソニック。如月は…ちっ、クラウドかよ。まぁ、いい…

 

 

「津島さん!初手はあれです!」

 

 

「よし!」

 

 

まずは下必殺のスピンを時々横必殺のスピンを絡めながら連打!下必殺は当てたらそっからコンボにつなげる!

 

 

「くっ、でも所詮ソニックなんてスピードが速いだけの雑ー」

 

 

そして隙を見せたら後ろ投げから空中コンボで追撃!

 

 

「トドメのホーミングアタックで迎撃!落ちろ!!」

 

 

ドォォォォン!

 

 

「1機落としたぞ」

 

 

「…は?本当に二人で動かしているの?」

 

 

「当たり前だろ?」

 

 

基本的には俺のやりたい事に合わせてモモが移動。俺は撹乱させながらコンボに集中。そしてモモは相手の出方を見て、隙があるようなら尻尾で俺の背中に合図を出して俺が確実にダメージを蓄積させていく。

 

 

「ギブアップするなら今のうちだぞ」

 

 

「誰がギブアップするもんですか!」

 

 

 

 

「いぃぃぃえいっ!」

 

 

スマブラで二度の敗北を喫し、酷く落胆する如月を他所に俺とモモのハイタッチが鳴る。

 

 

「嘘…でしょ…?」

 

 

「現実を見ろ。これで俺の6連勝」

 

 

「わ、私にだってまだ策はある!次は桃鉄でどう!?私、結構強いのよ?」

 

 

「ほぉう、桃鉄か」

 

 

「ダクネス!経営は得意でしょ?パートナーは貴方に任せるわ」

 

 

「モモテツ…だと?私はやった事がないが…」

 

 

「いいから!やれば分かるわ」

 

 

弱ったな…俺はよくやるゲームだが、このゲームは思わぬ亀裂を生みかねないからみんなにはやらせてないんだよな…

俺がかつてこの手のゲームで無くした友達の数は計り知れない。

別にユウキ達を信じていないわけではないが、あえてやるものではないなというのが俺の判断だ。

 

 

今回の適任は…やっぱり駆け引きに長け、オールラウンダーのモー

 

 

「あんたのパートナーはシスティーナで固定!」

 

 

 

やれやれ…モモを使われたら負けるとの判断か?それともシスティーナになら勝てるという判断か?

 

 

 

「期間は15年!そして彼女を1位にしなさい」

 

 

15年。短すぎてどの作品であろうと桃太郎ランドには手が出せないな。そして俺が勝つんじゃなくてシスティーナを1位にする。中々エグいな。

 

 

「えぇっ!?私だってこのゲームやったことなー」

 

 

「俺が横から口出しするのはありか?」

 

 

「ありよ」

 

 

「なら勝てる。初桃鉄。お前の勝利で飾ろうぜ」

 

 

「…ねぇ、本当に勝てるの?」

 

 

「当たり前だ。それに魔術戦において大事なことは?」

 

 

「?何でそれを今聞くの?」

 

 

「いいから」

 

 

「いかに早く正確に相手の使う魔術を見切り、的確な対処が可能な魔術を選択するか…つまり魔術を使うタイミング?」

 

 

「そうだ。桃鉄も同じ。つまりこんなのは魔術戦と大差ない」

 

 

「大差あるわよ!そんなのはとんでもない暴論よ!大体魔術とはもっと崇高なものであー」

 

 

「とにかく!自分の持っているカードの的確な切り方さえできたら大抵の頭脳戦ゲームで勝てる。桃鉄で勝つのには特殊な技術も運も必要ないのさ」

 

 

今回モモを呼びたかった理由は彼女なら俺の期待を確実に上回ってくれると判断したからだ。彼女なら俺がわざわざ勝ち方を伝授する必要はないわけだし、策を練るのも上手い。それにシンプルなゲームなら意思疎通に言葉が要らないのも良い。

 

 

「まぁ、お前に見せてやるよ。桃鉄は運ゲーじゃないってな。それじゃあ、時間長引くからアイリス達は寝ててくれ」

 

 

〜桃鉄13年目1月

 

 

「ふっふっふ…スリの銀次が全額スッた時は焦ったけれど」

 

 

「対策してないお前が悪い。ちょっとばかりミスったが、俺の被害額は500万以下だぞ」

 

 

「ふざけんな、黙れ」

 

 

「わざわざ金を多く持っている時にカードマスでカード取りに行くお前の自業自得だと思ー」

 

 

「でもそんな余裕ぶっこいている間に貴方のパートナー…かなりピンチみたいよ?」

 

 

「ふざけんな、黙れ。そんなのは見ればわかる」

 

 

「うぅぅ…マスター、ごめんなさい、もう…」

 

 

システィーナ…正直50億円以上の借金を抱えることになるとは想定外だった。最初は俺も基礎だけ教えて様子を見た。そして手を出すにせよ、明らかな悪手を止めたぐらい。

 

 

だが、これはシスティーナを責めるより如月を褒めるべきだな。こいつ桃鉄うまいじゃん。どうやら俺は彼女を少々見くびっていたらしい。俺との差は10億円すらない。独占した物件でアドを取ってなきゃかなり厳しいところだった

 

 

思いの外頭が回るんだな。俺は如月が戦った所をあまり見たことがないが、もしかしたらマスターとしての指揮能力は高かったのかもしれない。

 

 

「お前はよく頑張った。如月が強かったんだよ」

 

 

「ふふっ、ていうことは私の勝ちね!」

 

 

「…何を勘違いしてやがる」

 

 

「はい?」

 

 

「まだ俺達の桃鉄は終了してないぜ!速攻魔法発動!シャッフルカード!」

 

 

「ふっ、徳政令カードなんてもうとっくに捨てたわ!まぁ、仮にあったとしても今更逆転なんてー」

 

 

「ダメだぜ?ダクネス。とっかえっこカードなんて大逆転可能なカードを優勢な時に持ってるなんて…少なくとも俺がシャッフルカードを入手したと分かった時点で捨てるべきだった」

 

 

とっかえっこカード。これを使えば自分と相手プレイヤー間の所持金が入れ替わる。つまり何が言いたいかって?

 

 

「なっ!?」

 

 

システィーナにとっかえっこカードを入手させた。俺に来たら来たで上手くやるつもりだったが、ナイスだ。

 

 

「さぁ、あとはとっかえっこカードを切るだけだ」

 

 

「ちょ、これもしかして…」

 

 

「ビリに堕ちろ!」

 

 

「…え?はぁぁぁぁ!?」

 

 

急激な大逆転劇を受け入れられないのか如月が動揺し始めた。やはり急激な状況変化が起こると冷静さを欠くタイプか。

 

 

「堕ちたな。この金額はお前の全ての物件を売らなきゃ…いや、売っても帳消し不可能。お前さえ失脚させたらあとは残った2年を使ってゆっくりシスティーナに効率よく物件を買わせていくだけ」

 

 

「…さぁ、まずは全物件を売り払ってもらおうか」

 

 

 

 

「負けたぁぁぁぁぁ!!いいとこまでいったのに!」

 

 

ダクネスを選んだことも正しい判断だったのだろう。カズマと一緒にいた影響もあってか中々駆け引き上手になっていた。

 

 

それに今まで如月とやったゲームの中ではそこそこ楽しかったな。

 

 

「俺達の勝ちだ…次は8戦目。今日のところは時間も遅いし、一旦やめないか?」

 

 

「何よ、勝ち逃げするつもり?」

 

 

「むしろ負け分取り戻すまでやるつもりか?桃鉄なんてやるからもう11時だし、寝ないか?こちとら学校があるんで…つーかお前もだろ?」

 

 

「っ!!…分かった、絶対リベンジするから待ってなさい」

 

 

 

 

さすがにメンバーが増えすぎたので学校へ行く時は厳選してきた。まずユウキとモモは必須。そこからプラス真由美でひとまず問題はないだろう。

 

 

「なぁ、最近先生達の中でインフルエンザが流行っているらしいぜ?それで最近他のクラスじゃ蒼樹先生による作文とかの授業が増えてるんだってさ」

「まっ、そんなの関係ないですけどね」

「上機嫌だな」

「だって、今日転校生がやってくるらしいぜ!俺の友達も彼女作ったわけだし、俺も頑張んなきゃ!」

「女か!?ってことは女だよな!?」

 

 

んだよ、うるさいなぁ…たしかにこの時期の転校生は時期外れではあるがそんなに騒ぐことでもないだろ。転校生ごときではしゃぐ年齢じゃないだろうに。というか地味にオルガ混ぜるのやめろ。

 

 

「ねぇ、津島くん」

 

 

事務的な指示がなければこのクラスで俺に話しかけてくるやつはたった一人しかいない。

 

 

「どうした?時雨」

 

 

「…貴方はどう思う?」

 

 

「どう思うって…転校生か?」

 

 

「話が早くて助かるよ、その…マスターの可能性とか…」

 

 

「俺も情報が少ないからまだ何とも言えないが、お前がかつて派手なマスターの特定をやったからそれを聞きつけてわざわざ転校してきた可能性もなくはないぞ」

 

 

全く…全校集会で割り出すなんて肝が据わってるよなぁ。俺には到底出来ないことだ。

 

 

「あの時は友達を助けるので手一杯だったから…それにあの時の私は津島くんに色々失礼なことを…」

 

 

「いや、それに関しちゃ気にしてないよ。ところでその友達は今元気にしてるか?システィーナがその元マスターを久々に見てみたいんだってさ」

 

 

「えぇ、おかげさまで彼女は今平和な生活を送れているわ。ありがとう」

 

 

「…別に俺は特別なことなんて何もしてないって。ん、そういや聞いておきたいんだが、アオキ先生って誰?」

 

 

アオキ先生…作文とか言っていたから担当教科は現代文あたりなんだろうけど…何も思い出せない。

 

 

「え?蒼樹先生って…あの蒼樹優美子(あおきゆみこ)先生?」

 

 

「蒼樹優美子…担当教科は?どこの担任?部活の顧問はしているのか?人間関係は?既婚者か?」

 

 

「ちょっと!いきなりそんな沢山聞かれても…既婚者かどうかも聞くだなんて…ははーん、さては先生に恋しちゃった?あの先生男子生徒に結構好かれー」

 

 

「違う」

 

 

「あっ、そうなんだ…」

 

 

今まで先生に興味なんかなくて一切調べてなかったから聞きたかっただけなんだが。先生が何かしらの手段で他のクラスの先生を休ませて全クラスを片っ端から調べ上げるローラー作戦を始めたマスターという可能性だってなくはないんだぞ。

 

 

キーンコーンカーンコーン!

 

 

「あっ、チャイムが鳴ったから席に戻るね」

 

 

時雨綾…所持しているキャラは確かに強いが、マスターとしてのスキルはさほど高くない。転校生が強いマスターであれば危ういかもな。

 

 

「おはようございます、みなさん」

 

 

あ、あれが蒼樹優美子先生か。髪型は若干茶色っぽいふんわりとしたボブカット。…身長は俺とほとんど同じか…想像以上に高い。

かなり大人びた先生だな。男子高校生共がやたら釣られるのも頷ける

 

 

「本日は貴方達の担任である先生が風邪でおやすみなので休みの間は私が代わりに担任を務めますね」

 

 

『うぉぉぉぉぉぉ!!』

 

 

黙れ。うるさい、静かにやつを分析させろ。

 

 

「そして早速ですが、今日から貴方方のクラスに来る転校生を紹介しますね。入ってきてください」

 

 

「はい」

 

 

ん?どっかで聞いたことあるような…

 

 

その転校生は黒板に名前を書き始めた。

 

 

「如月美嘉です。みんな、よろしくね!」

 

 

何やってんだミカぁぁぁぁぁ!!

 

 

待って、あいつ本当に高校生なのか?あの身長で?見たところ150すらないのに?

 

 

「席は…あら、ちょうど津島くんの隣が空いてるわね」

 

 

「津島…?あああぁぁぁぁぁ!!」

 

 

何やってんだミカぁぁぁぁぁ!ふざけんな!俺を見て驚くな!怪しまれるだろ!お前がマスターだってのは時雨のやつにも一応隠しておきたい話だし!時雨にもお前がマスターであることは隠す予定なんだぞ!

 

 

「え?あの転校生は津島と知り合い?」

「どんな関係!?」

「まさか恋人!?きゃー!!」

「なぁ、そんなわけないよな!?俺とお前の仲だろ!?」

 

 

やかましいわ。そして誰だ、ロクに話もしたことないのに俺とお前の仲とか言ったやつ。まぁ、いい。これを切り抜けることくらいは造作もない。この程度なら修羅場ですらない。

 

 

 

「あら、もしかして昨日旅行で東京スカイツリーが見たいと言っていたあの子ですか?奇遇ですね。あの時は案内してくれたお礼だと言い、食事を奢っていただき、ありがとうございます。ですが、さすがに申し訳ないのでその時のお金はちゃんと返しー」

 

 

え?何でこっちに詰め寄ってくるんだ?おい、来るな、来るな、来るな!

 

 

「貴方とこんなところで会うなんて…これってもしかして…運命…?」

 

 

抱きしめられ、さも恋人かのような甘ったるいセリフを吐いてきた。これが迫真の演技なのだからより一層タチが悪い。

 

 

『えええぇぇぇぇぇぇぇ!?』

 

 

耳をつんざくような叫び声が学校中に響き渡った。


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