アニメキャラを呼び出して戦わせるマスターに選ばれた件   作:100¥ライター

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マスターの解説⑤

蒼樹優美子

ランスロット【セイバー】(Fateシリーズ)
アンジェリーナ=クドウ=シールズ(魔法科高校の劣等生)
波風ミナト(NARUTO)
トール(小林さんちのメイドラゴン)
安室透(名探偵コナン)


津島隼人を単独であと一歩まで追い詰めた強力なマスター
本人も正式な修行をミナトから受けており、基本的な忍術と螺旋丸を会得済み。
単体スペックがかなり高いメンバーが多く、応用も幅が効くため、相手の弱点を的確に突き、確実に追い詰める。

ミナトのマーキングが施されたクナイは全員が所持しており、飛雷神の術でどこにでも飛ぶ。

全員弱点らしい弱点が無く、隼人も二度と戦いたくないと評価している。

ただ、戦闘はあまり行っておらず、行った戦闘自体も安室透やミナトが暗躍し、一瞬で終わらせてばかりだったので強さの割に知名度は低い。


79話 それは雲のごとく

「サンキューな。これで勝てそうだ」

 

「言っとくけど!まだあんたの事何一つ認めてないからね!」

 

 

「えぇ、貴方との協力関係は今回限りです」

 

 

いや、何度も言うが、お前らのマスター一応俺と同盟関係だからな?

 

 

「…津島君、作戦は?」

 

 

「相手が未だに魔弾の射手を知らないってのがポイントです。まず全員あえてドライ・ブリザードでハーヴェストを攻めて油断を誘います。そして不意に七草先輩が死角から狙撃…というプランを考えています」

 

 

あとは上手く実行に移すだけ… ん、身体が思うように動かない?いや、人一人分体重が増えたような…

 

 

「何!?」

 

 

気づけば峰田の球体が泉美の左腕と俺の右腕をくっつけていた。

 

 

「すぐに全員距離をとれ!」

 

 

可能な限り距離を取らなければこのままじゃ大変なことに…

 

 

「きゃっ!」

 

 

「泉美!…おっと…」

 

 

今度は足をやられた…俺と泉美は両足をくっつけられて最早まともに動くことすらままならない。

 

 

「多少空飛ぶが、構わないな!?」

 

 

「はい!」

 

 

俺の疑問はたった一つ。何故峰田の姿が見えないどころか気配すら感じ取れないのか。気づけばくっつけられている。この謎をどうにかして解明したい。

 

 

『モモ、光学迷彩の類。それか低確率だが、メレオロンが関与している疑いがある。急いで特定してくれ!』

 

 

『了解しました。今くっつけられた位置からおおまかな位置を分析します!』

 

 

恐らくは前者の可能性が高いな。メレオロンを背負うことが出来るとは到底思えないし、メレオロンならスタンドまで消せるようになるから重ちーと組ませる方が合理的だしな。

 

 

気配に関しちゃ峰田の成長と考えても構わないだろう。

 

 

「よし、だがまずは重ちーに目にもの見せてやる!」

 

 

互いの手はくっつけられたが、足は各々拘束されただけ。グラスホッパーで移動は容易だし、直接俺達の攻撃が阻害されてるわけじゃない。

 

 

「面倒な相手は瞬殺するにかぎりま—」

 

 

しまった!峰田のボールが!だが、なんとか避けられる!

 

 

「ちっ…」

 

 

腹部に命中したが…まぁ他の何かに触れなければ問題は…

 

 

「ひゃっ!」

 

 

ドン!

 

 

「…え?」

 

 

『!?』

 

 

「おい、てめぇ!何がどうなったらそんな体勢になるんだ!ToLOVEるか!?ToLOVEるなのか!?」

 

 

うっせぇ、知るか。元はお前の個性のせいだろ…ていうか喋ったら光学迷彩の意味ねぇじゃん。

 

 

…だが、それにしても正直これは酷い。峰田がぶつかってしまったせいか誤って転んでしまった泉美が俺の方に寄りかかってきたので正面で密着することになってしまった。

 

 

「…悪い、俺のミスだ」

 

 

「…いえ、今回は貴方だけのせいではありません」

 

 

そもそも峰田は拘束系のキャラの中でも随一のスペックしてるからこれを想定出来なかったとは俺もちょっと抜けてるな。

 

 

しかし、これじゃまともに移動出来ない。

 

 

「だが、概ね計画通り…今からお前を蹂躙してやるぜ!」

 

 

ゴッ!ゴッ!

 

 

『ぐぼぁっ!』

 

 

何かは分からないが、峰田以上にヤバい何者かが凄い速さで接近している!!…そんな嫌な気配がする。

 

 

「最近手ごたえのないつまらない敵ばかり…どうやら君も群れを成すことでしか戦えない草食動物みたいだね」

 

 

雲雀さんか…これはまた厄介な相手というか…下手をすれば俺達を半壊させかねない奴だ。

 

 

「何を!?くそっ…雲雀恭弥め…ちょっと女子人気高いからって調子に乗りやがって!!」

 

 

「きゃぁぁぁぁぁぁ!!雲雀さーん!やっちゃってくださーーい!」

 

 

あの一件普通そうに見える黒髪で短髪のOLがマスターか。ん、本当にOLか?なんか雲雀さんとお揃いの黒い学ランを肩に羽織っているし… いや、見た目から推察するにOLだろう。

 

 

「君、いい加減うるさいよ。咬み殺されたいの?」

 

 

「むしろ咬み殺してくださあああい!!」

 

 

「…君といると調子が狂うな。早く終わらせようか」

 

 

「くぅ…女子からの声援に対して気にしてませんよって顔しやがって…ふざけやがって!!」

 

 

「ジャンプ漫画の歴史の闇に永遠に沈めてやるぜぇぇぇぇ!!」

 

 

これは上手い投げ方をしたな。ただ雑に数を投げるのではなく、上手く回避ルートを著しく制限している。これはいくら雲雀でも多少は…

 

 

「ん…」

 

 

「きゃっ、雲雀さんのトンファーが!!」

 

 

「っしゃぁぁぁ!これでてめぇのトンファーは貰っ…ぶへっ!」

 

 

「貰った…は正しくないね。トンファーは…わざとあげたんだよ。君を咬み殺すのに武器なんて必要ないからね」

 

 

「言ったな?その舐めプを地獄で後悔しやがれぇぇぇ!!」

 

 

 

 

宣言通り雲雀はボンゴレギアも何も使わずに素で峰田を瞬殺してしまった。そして流石に退場になれば峰田の個性の球体は消えるらしい。

 

 

「あとさっきからその辺りで群れてる虫達…邪魔だよ」

 

 

次にボンゴレギアを使用し、いつものトンファーを拾った。刃の付いた鎖を出したかと思えばそれを雲の炎で増殖させ、あっという間に無数のハーヴェストを薙ぎ払った。

 

 

「ぎゃぁっ!!」

 

 

いくら重ちーといえども数百単位のハーヴェストをほぼ同時に潰されれば本体にダメージが出るか。…にしても俺が作戦を立てて各個撃破なんてやるまでもなく、単独で無双するんだから本当に恐ろしい。

 

 

「そこだね。いくよ、ロール。球針体…」

 

 

 

「なっ、何するど!待つど!話ならいくらでも…ぶばぁっ!!」

 

 

そして上がった血飛沫から重ちーの場所を特定して、伸ばしたトンファーで締め上げてからこちらへ引き寄せ、増殖したロールの餌食。完璧すぎてもうケチのつけようがない。息つく間もなく、重ちーすらあっさり倒してしまった。

 

 

「途中にいた変な科学者も倒したし、あとはもうマスターとやらだけかな」

 

 

マスター…?しまった!

 

 

『システィーナ!戻れ!!敵マスターのことは後回しで構わない!上手く撤退しろ!』

 

 

『ふふっ、心配性ね。大丈夫よ。今は優勢だからこの調子でいけば…』

 

 

『いいから早く!!そいつの10倍は強いやつが今向かおうとしている!目をつけられたら返り討ちにされるぞ!』

 

 

…いや、あいつに注意を促すより…

 

 

「泉美、香澄。今すぐマスターの元へ送り返す。モモのワープ装置を貸すからすぐだ。そうしたらもうこの辺りからすぐ離れるようにと伝えてくれ。俺の監督下で犠牲は出さない」

 

 

「…はい、分かりました」

 

 

「…不本意だけど…いいよ。今回は従う」

 

 

 

よし、これでとりあえず美嘉に怒られることはないな。あとは…

 

 

「あぁっ!貴方よく見たら津島隼人じゃないですか!!」

 

 

…雲雀のマスターめ、余計な事言いやがって。

 

 

「どうやら君も群れを成すことでしか生きられない哀れな草食動物みたいだね。僕が終わらせてあげよう」

 

 

「ぐぁっ!」

 

 

っ…!右腕ごとスコーピオンを吹き飛ばしやがった!!

 

 

「へぇ、あの白いちびっ子と同じ力か…」

 

 

白いちびっ子…空閑のことか。トリオン体のことをよく知る相手なら尚更分が悪い。ベイルアウトで帰りたいが、そう上手くはいかないだろう。

 

 

「マスター!私が援護するわ」

 

 

システィーナ!やっと戻ってきたか。俺の背後に回って—

 

 

「準備万端ってか!?」

 

 

「きゃっ!」

 

 

やはり俺を背後から峰田のマスターが持っていたナイフで突き刺そうとしていたらしく、ナイフが宙を舞う。

 

 

「クフフ…中々の観察眼ですね。これほど早く気づくとは思いもしませんでしたよ」

 

 

「あいつがルミアを置いて戻ってくるわけないだろ。初歩的なことだ」

 

 

さて、ルミアは…退場したなんてことはないだろうが、早いとこモモに回収を頼もう。

 

 

…そして今システィーナの右目は赤く、六を示している。

 

 

「ワオ、まさかこんなところで会えるとはね。これでやっと君を咬み殺せる」

 

 

「クフフ…何度戦おうと同じです。力の差というものをお見せしましょう」

 

 

急に立ちこめた霧から骸本人がその姿を見せた。一触即発…今はこの場に長居するべきではないな。

 

 

「君はもう帰っていいよ。むしろ邪魔をしないで欲しいな」

 

 

「あ、あぁ…ベイルアウト」

 

 

雲雀さんと骸の対決は見届けてみたかったが、これ以上下手をすれば退場者が出かねない。早めに帰るとするか。

 

 

【試合終了】

 

 

 

マスターの解説④〜追記〜

 

骸のマスター

 

六道骸

 

 

峰田のマスター改め、骸のマスターに。

重ちーだけになってから敗北の危機を感じたのかすぐさま最期の召喚権を使用し、骸の召喚に成功。ただし、すぐさま身体は乗っ取られてしまい、マスターの権限を奪われてしまった。

 

 

 

ベイルアウトすると俺のベッドに戻ってこられるのだが、1kmルールによって他の仲間もすぐワープすることになる。

 

 

つまり…

 

 

「いてて…」

 

 

そのシステムを知らない仲間が俺の存在を忘れ、のしかかってくるのだ。今回俺を下敷きにしたのが軽いルミアと真由美だったから助かったが、鎧を着ていたり、重い武器を持ったやつが落ちてくると一大事だ。

 

 

「す、すみません。大丈夫ですか?マスター」

 

 

「大丈夫大丈夫…さて、とりあえず全員無事で帰還したようで何よりだ」

 

 

「マスターさん、実はこの小型衛星カメラで雲雀さんと骸さんの戦いをこちらで撮っておきました。ご覧になりますか?」

 

 

 

「おっ、ナイスナイス!流石モモだな、いいぞ、いいぞ」

 

 

よしよしよしよしよし…と延々と頭を撫でたいぐらいの功績だが、普通に嫌われそうなのでやめとく。

 

 

「おい、マスター。勝手にベイルアウトすんなよな。せっかく良いとろだったのによー」

 

 

「良いところ?」

 

 

「はい。モードレッドさんはどうやら面白い相手…?戦っていたようで…」

 

 

「それってどんな相手?どんな戦い方をしてきたの?」

 

 

ユウキが興味を持ったのかモードレッドに質問し始めた。確かに後ほど行う資料作成に役立つかもしれないから聞いておきたい。

 

 

「ん?首無しの騎士…あぁ、デュラハンでいいんだっけか。デュラハンと戦ったぜ」

 

 

「…デュラハン?そいつ名前とか名乗らなかったか?もしくは黄色いヘルメットしていて、鎌を持っていたりしていなかったか?」

 

 

なんか嫌な予感がする。多分当たっているけどこれが当たりであると信じたくはない。だから思いつく限り他の候補を探す。

 

 

「黄色いヘルメット?おいおい、何言ってんだよ。鎌はともかく、そんな奇天烈なデュラハンがいるかっての!面白いやつだな、マスター」

 

 

いるから聞いてんだろ。いや、今はそんなことより…

 

 

「分かったよ、今名前思い出したから教えてやるよ。確かそいつ…」

 

 

 

 

「ベルディア。確かにそう名乗っていたぜ」




マスターの解説⑥

雲雀のマスター

雲雀恭弥

雲雀さん一筋で所謂夢女子と呼ばれるようなオタク。
格好も雲雀さんリスペクト。

このマスターが一番最初に引いたのが雲雀恭弥。そこに運命を感じて、彼の意を組むためにも一切仲間を増やしていない。
隙あらば友好関係を築こうとする津島隼人一行とは対照的にただひたすらに出会った敵を屠るのみ。
個人の撃破数記録があるのなら間違いなく雲雀恭弥が1位だろう。

雲雀はマスターのことをどう思っているかは不明。

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