Re:SAO   作:でぃあ

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UA30000超えました。ありがとうございます、皆様の応援のおかげです。今後もよろしくお願い致します。

誤字報告ご感想もありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。

クリスマスデート(午前)

内容はオリジナル要素に溢れているので読まなくても問題ないですが、楽しんでいただけると幸いです。


第二十六話

 待ち合わせ時間の午前八時まであと五分程だろうか。南東エリアの子体(こてい)な宿屋の一階に降りたキリトはロビーに備え付けられているソファーを確認するが、珍しいことにまだ誰も座っていない。普段であればしっかりものの少女がすでに待機しているのが常であったが、どうやら今日は自分の方が早かったらしい。

 

 ローテーブルを挟むように設置されているソファーの片側に深く腰掛けたキリトは、ふわわとあくびをしながら両腕をグッと持ち上げ筋を伸ばす。この身体は仮想世界のアバターであるというのに、現実世界で習慣づけられたことは自然と行ってしまうらしい。もはや不思議とも思わなくなったルーチンワークをこなした後、目をこすりながら扉の横にある窓に目を向ければ、照明が暗めの室内へ暖かい日差しが差し込んでいる。残念なことにホワイトクリスマスとはいかなかったようであるが、これから行うことを考えれば雪よりも晴れの方が望ましいだろう。

 

 昨日寝る前に考えた本日の行動ルートを頭の中で確認しつつ、キリトは視線をちらと階段に向ける。今日行うことはそろそろあの階段から降りてくるであろう少女との観光ツアーだ。攻略と自己強化のために常に効率的な行動を意識し続けたキリト達にとって景色や観光名所などの確認は二の次で、NPCの話や情報誌などから得た知識を持ってはいても実際に確認したことはないという場所は意外と多かった。ならば今後何かの役に立つかもしれないし、偶然時間が開いたのだから少し後ろを振り返ってみようというのが本日の建前だ。

 

 クリスマスイブに観光名所を男女二人組が歩いていれば、誰がどう見てもデートだろと総突っ込みを受けそうなものだが、それを気にしだしてしまうと女性経験が皆無のキリトは挙動不審になることは間違いない。そうなってしまえば隣を歩くであろう少女に恥をかかせることになると、キリトは今日のツアーを攻略の一環と思い込むことで冷静な自分を保とうとしていた。それがどこまで続くかどうかは、キリト自身にとっても(はなは)だ疑問ではあったが。

 

 大丈夫だ、クールになれと自己暗示をかけているキリトの耳に、階段から誰かが降りてくる音が聞こえてくる。時刻を確認すればもうすぐ午前八時だ。時間ぎりぎりとは珍しいなーと思いつつ階段に目を向ければ、赤いフーデットケープにレザースカートといつも通りの恰好をした相棒の少女が、普段より気持ち早足でこちらに向かってくるのが見えた。

 

「よう、アスナ。おはよう」

 

「お、おはよう、キリト君」

 

 普段通り軽く手を上げて挨拶したキリトに、普段通りの挨拶を返してくるアスナ。しかし、普段通りなのは言葉だけで、クールな表情がにっこりとした笑顔になっており顔はほんのりと赤く染められている。朝一の強烈な一撃は冷静さを保つための体力ゲージをごりっと削ぎ落とすが、今日は彼女にこの過酷な仮想世界を少しでも楽しんでもらうことが目的なのだ。負けるわけにはいかんと、心の中で頬をパンと張り気合いを入れ直す。

 

「よし、じゃあ行こうか。まずは朝食だな」

 

「うん。今日はエスコート……よろしくね?」

 

 首をコテンと横に傾げてにっこりと、今日はどうやらアスナの笑顔がバーゲンセール状態らしい。クエストやら狩りならまだしもエスコートとはまた何とも難しいことを望んでらっしゃるが、誘ったのはこちらからなのだから出来る限りのことはせねばなるまい。それに頑張った分だけこの笑顔を見れると思えば安いものだ。

 

 とにかく移動しようと、ティルネル号で水路に漕ぎ出す。相変わらずゴンドラに乗るとご機嫌になるようで、船首側の席に座ったアスナは周囲に笑顔を振りまいている。フードを外しているため(つや)やかな栗色の長髪が風に流れ、陽光を反射してキラキラと輝いている。第三層の大森林を背景にした時にも思ったことだが、彼女の髪が流れている時の姿はどうにも幻想的で一種の絵画のようだ。背景こそ違えど、日本人離れした彼女の容姿はいかにもヨーロッパ的なこのロービアの街に実にマッチしており、それを独り占めできているこの状況に多少の優越感を感じる。

 

「ねえキリト君、今日はどこに連れてってくれるの?」

 

 枝道の水路からメインチャネルに出た所で、アスナが髪を右手で押さえながらこちらに聞いてくる。

 

「ああ、実は今日ははじまりの街を中心に回ろうと思ってるんだ」

 

「はじまりの街?」

 

 キリトの言葉が余程意外だったのだろうか、アスナが眼を丸くしている。どうやら驚かすことには成功したらしい。

 

「ああ。多分だけどさ、アスナがはじまりの街に居た頃って観光する余裕とか無かったと思うんだよ。あそこは美味しいカフェとかレストランも多いし、結構見て回れる場所もあるんだ。二人で歩くならちょうどいいかなって」

 

「確かに、必要なお店以外は目に入らなかったな。レベル上がったらすぐに移動しちゃったし……。こうして考えると一番見て回ってない街かもしれないよ、はじまりの街」

 

 はじまりの街周辺に出るモンスターはレベル3もあれば簡単に狩れてしまう。レベル3など一日あれば簡単になってしまうし、更なるレベリングを行うためには当然次の街へ行かねばならない。この世界で進むことを選んだプレイヤーたちにとって、はじまりの街は(まさ)しく始まりであって、ただの通過点でしかないのだ。

 アスナは進み始めるのが遅かったとはいえ、それまでは宿屋に籠りきりだったと聞いている。当時の精神状況を考えればとても観光など考えつくまい。彼女の言葉を聞いて、はじまりの街を選択したのは正解だったと、キリトは内心ホッとする。

 

「もう見飽きてるってことはなさそうで安心したよ。一応はじまりの街が見終わった後の予定も考えてあるけどさ、それは次の機会でもいいし、ゆっくりと見回ろう」

 

 キリトの言葉にアスナは笑顔で頷くが、すぐに笑顔が崩れ何とも複雑そうな表情に変わっていく。その様子を見て何か暗い過去の、地雷を踏んでしまったのだろうかとキリトは慌てるが、アスナの考えていたことは違ったらしい。

 

「……キリト君、随分手馴れてるね? もしかして、デートの経験、結構ある……?」

 

「でっ……い、いや、ない! 断じてない! これが初めてです!」

 

 非常に重要な単語が出た気がするが、それどころではないと急な追及を慌てて否定する。両手は(かい)の操作で塞がっているため、首をぶんぶんと左右に振ることでその意思を示す。

 

「そっかそっか、なら良かった」

 

 クスクスと笑い出したアスナを見て、キリトは瞬時に謀られたと悟る。それがどうにも悔しくなり、反撃すべくキリトもアスナから出た言葉を追及する。

 

「でもいいんですか、アスナさん? デートだなんて言っちゃって」

 

 自分が言った言葉とはいえ、慌てて否定するに違いない。キリトはニヤリとした笑みと共にアスナに問うが、アスナの反応はキリトの想定とは全く違うものだった。

 

「……デート、じゃないの? そっか、そう思ってたのはわたしだけだったんだね……」

 

 こちらに向けられたアスナの表情は寂しげで、選択肢を間違えたことをキリトは自覚する。そういう雰囲気を出してはアスナが嫌がると思っていたし、自分も冷静でいられるかどうか不安だった。しかし、彼女がそのつもりでいてくれるならキリトも素直に自分の心に従うべきだろう。この後楽しむためにも、アスナの不安はこの場で取り除いておくべきだ。

 

「いや……。デートって思ってくれてるなら、その、俺は嬉しいよ」

 

 自分を隣で支えてくれている彼女が、今日の事を好意的に捉えてくれているならそれはとても嬉しいし、ありがたいことだと思う。キリトは務めて真剣に、真面目な声で本心を伝える。すると、アスナは一瞬顔を俯かせた後クスクスと笑い始めた。瞬間、自分がからかわれたことを悟る。

 

「なっ、ひ、ひどいぞ! そのからかい方は!」

 

「だ、だってキリト君、すごい真面目な顔で言うんだもの」

 

 余程面白かったのだろうか、手を口に当てて目尻には涙が浮かんでいる。こちらは大真面目に勇気を振り絞って本心を言ったというのにこの展開は中々に酷い。もっと怒るべきなのか、いっそいじけてしまうべきか迷ったが、アスナの「でもね」という言葉とその後に続けられた、恐らく彼女の本心によって思考を止められる。

 

「わたしも、デートの方が嬉しいかな」

 

 頬を赤らめてはにかみつつ笑う彼女の姿に、キリトは「そっか」と一言返すのが精一杯だった。どうにも気恥ずかしくなりキリトは無言になってしまうが、それはアスナも同じようで顔を赤くしたまま街並みを見ている。結局、次に視線が合うのは転移門ではじまりの街に移動してからの事だった。

 

 

 

 はじまりの街は第一層の最南端の外壁に沿うように位置し、直径一キロの半円状の城壁に囲まれる形で存在している街だ。第四層まで解放された現在でも最大の街として存在感を誇っており、多くのプレイヤーの拠点として利用されていた。

 

 しかし、その町の規模に比してはじまりの街の転移門広場はキリトの予想に反して閑散としている。他の層の転移門広場は多くの人が集まる憩いの場として設計されており、屋台やベンチなどが設置されていた。当然このはじまりの街の転移門広場も円形の広場が石畳で舗装され花壇やベンチが円形に並べられているので、景観からしてこのようなイベントの日には多くのプレイヤーが集まっていてもおかしくはないはずだった。しかし、転移門から移動してきた人、これから移動する人は足早にこの広場を去っていく。

 

 恐らくは、この場で起こった出来事が脳裏に焼き付いているのだ。

 

 この転移門広場はゲームの開始時にSAOがデスゲームであると宣言された場所だ。あれから一月半経ったとはいえ、あの絶望の記憶は早々に消し去れるものではない。この場所に留まろうとする人がほとんどいないのは仕方のないことなのかもしれない。

 

 しかし、あくまで留まろうとする人が少ないだけであって、人通りは極めて多い。今キリトとアスナは転移門の真ん前という最も人通りが多い場所におり、本日の日付や男女ペアということもあって極めて多くの視線が注がれている。この状況にキリトは落ち着かなくなり、左に立つアスナも同じようで「うう、フード被りたい……」という小さい声が聞こえてきた。どうにも人見知りの気がある二人であったが、今日のプランは人目を気にしてはどうしようもない。そもそも、人目を気にするならクリスマスイブに男女二人で出歩くなというものだろう。

 

 今日はエスコートを頼まれたのだし、アスナの顔がフードで隠されてはキリトの楽しみが半減する。一度やると決めたなら、一々恥ずかしがっても仕方がない。むしろ見せつけてやればいいのだと、腹を据えたキリトは隣に立つアスナの右手をそっと握る。バッという音が聞こえるほどのすごい勢いでアスナの首がこちらを向いたが、今のキリトはその程度では動揺しない。

 

「さっきも言った通り、まずは朝食にしよう。お勧めのレストランもあるけど、軽く見て回って良さそうな場所に入るのもいいかもしれないな。……じゃあ、行こうか」

 

「う、うん……」

 

 顔を真っ赤に染めたアスナ。周囲から刺さる視線。しかし、気にしない。例え後々悶え苦しむことになっても、今はアスナをエスコートすることに集中するのだ。アスナの手を握った左手を軽く引き、キリトは商業区の方へ足を進めた。元々歩調は合っていたから問題ないが、周囲を見渡しながら歩けるよう今日はいつもより少しだけ歩みを遅くする。これくらいの速度でどうかなと隣を確認すれば、アスナは顔を沸騰させたまま俯かせている。嫌がられてはいないだろうが、手を握るのは流石にまずかったようだ。

 

「アスナ? その、恥ずかしいなら、手、離すけど……」

 

 ぶんぶんと首が左右に振られ、左手に感じていた力が強くなる。恥ずかしがりながらもギュッと手を握ってくる美少女。普段の鋭い視線や雰囲気はどこへやら、この世界でもトップクラスの実力を持つ細剣使い(フェンサー)様は、とてつもない可愛さを放つ生き物にジョブチェンジしていた。

 

「キリト君、急に、ずるい……」

 

 そのセリフはこちらが言いたいくらいだと、キリトは若干回転数が上がっている頭の中で呟く。アスナの様子は現状観光どころではなさそうだが、彼女がこの状態を望んでいるのだから仕方がない。自分を律することに長けた細剣使い(フェンサー)様のことだ、その内普段の自分を取り戻すだろう。それまでゆっくりと待っていればいいのだ。

 

 二人はのんびりとした歩調でレストランの固まる商業区画へと歩いていく。アスナが顔の赤みを残しつつも、会話が成立するまで復活したのは、商業区画に入る直前の事だった。

 

 

 

 はじまりの街で売られている食べ物のグレードの幅は、一コルで食べることができる黒パンを売る屋台から、一食十万コルもするようなフルコースまでと他の街に比べてかなり広い。武具屋に道具屋、宿屋の類も他の街に比べて充実しているので、恐らく全てのプレイヤーがこの街を拠点とできるよう設計されているのだろう。その中でも人気の場所であるレストラン街は、朝食の時間帯も相まって既に多くのプレイヤーたちが足を運んでいた。

 

「人は多いだろうと思っていたけど、ここまでとは思わなかったわ」

 

「今生き残ってる八千人の内、半分以上はこの街にいるだろうしなぁ。ちょうど朝食の時間だし、もたもたしてると埋まっちまいそうだ」

 

 キリトの知る安くて旨い店はどうやらこの町に住むプレイヤーにとっても人気のようで、外から見てもほとんど埋まっているように見える。この状態ならばじっくりと歩きながら考えるより、パッと店を決めて入ってしまったほうがいいだろう。アスナがどうするのという視線を送ってくるが、キリトは事前に予定していた店へと足を向けた。

 

 商業区の主街路に面した石で作られた三階建ての建物の最上階にあるレストランは、入って左側の窓際に茶色の四角いテーブルが数個置かれただけのこじんまりとしたものだ。店内の雰囲気は洒落たレストランというよりもバーという方が似合っているだろうか。入口の右側にはバーカウンターのようなものが設置されているから、朝よりも夜の方が雰囲気には合っているのかもしれない。

 

 キリトとアスナは窓際に並べられた五つのテーブルの内、中央のテーブルを選び腰を下ろす。商業エリアには三階建ての建物は珍しくないが、この建物の通りを挟んで向かい側の建物は二階建てのため、窓から見える景色は比較的開けている。

 

「この街のレストランはどこもざわついてるのかと思ったけど、結構落ち着いた雰囲気の場所もあるのね。ここもベータテストの時に?」

 

「ああ。値段もお手頃だからさ、エリアボスを倒した後に何回かここで一杯やってたんだ。お勧めは肉系かサンドイッチ系。飲み物は果物酒が結構いけるよ」

 

 キリトはローストビーフのようなものを、アスナはクラブハウスサンドを選び、飲み物はチェリー酒を二つ頼む。キリト達以外に客はいないため程なくして料理が運ばれてくる。乾杯の後一口食べたサンドイッチの味はどうやら合格点を貰えたらしい。

 

「やっぱり、見た目と味がある程度一致してるって重要よね……」

 

「ホントな。この店は肉が肉の味をしてるから、かなり貴重だと思うよ……」

 

 この世界のNPCレストランで出されるほぼすべての料理が、その見た目と現実世界で知っている味とが一致しない。そこそこの金を出せばそんなことが無くなるというのは経験上分かっているのだが、高級なレストランというのは主街区に精々一つしかなく、その層で稼げる日々の稼ぎの半分近い金額がメニューに設定されていたりする。当然利用者などほとんどおらず、普通のプレイヤー達は屋台や普通のレストランで食事をとることになるわけだが、店を選び間違うと悲惨なことになるのだ。

 

 外見がクリームまんで味はイチゴ大福のタラン饅頭などまだいい方で、ひどいものでは見た目がポークステーキなのに味が砂糖水に漬け込まれたゴムのようなものであったり、メロンのような見た目の果物がなぜか激辛だったりと、極めてえげつない設定がされているものが多い。味覚エンジンの設定を間違っているとしか思えないのだが、正式サービスでも変更がなかったと聞いているのでこれは仕様ということになる。

 

 美味しい食事は精神状態を良好なものに保つために重要なものであるため、各町の美味しいレストランの情報は比較的高値で取引されていた。情報屋の生業とするアルゴには毎日のようにレストラン情報を(たず)ねるメッセージが届いていることだろう。

 

「でも意外ね。このレストランなら満席になっててもおかしくないのに、わたしたち以外に誰もいないなんて」

 

 頬張っていたクラブハウスサンドを飲み込んだアスナが、当然であろう疑問を口にする。この店は値段の割に味がいい。これがもう少し上の層にあれば癒しを求めてこの店に駆け込んでくるプレイヤーは多いに違いないのだが、残念なことにここははじまりの街だった。

 

「最前線で稼いでる俺たちには大した金額じゃないけど、ここを拠点にしてるプレイヤーだと手が出しにくいんだよな、この値段」

 

「なるほど。この街の周辺じゃ稼げるコルも少ないもんね」

 

 キリトが頼んだ料理と酒を合わせても五百コルを少し超えるくらいだ。普段の食事よりは高いとはいえ、今の二人にとっては無理のない金額だと言っていい。しかし、この街の周辺に出現するモンスターを一体倒して得られる金額は大体三十コルがいいところだ。そうなると、一食に五百コルを使うというのは現実的ではないだろう。レベルが上がれば狩れる数が増えるとはいえ元々の金額が小さいし、ポーションなどの消耗品、武具の修理や更新には食事とは比にならない金額のコルがかかる。となると、はじまりの街を拠点としているプレイヤーにとって、この店は敷居が高いと思われても仕方のないことだろう。

 

「おいしいものを食べるためにも稼がなきゃいけない……か。現実世界でも同じとはいえ、結構残酷よね」

 

「一コルの黒パンで腹を満たすことはできても、味覚的な満足は得られないだろうしな。生き残るって意味ではこの街に閉じこもるのもいいかもしれないけど、味のしない黒パンと硬いベッドでいつになるかわからないゲームクリアを待ち続けるってのは結構きついことだと思うよ」

 

「うん。わたしも死の恐怖から最初はそうしてたけど……やっぱりね、死んでいくのよ人間的に。怖い夢を見るということ以外、何も刺激を受けないんだもの。でも、そういう生活をしてたからこそ感動したのかも、あのお風呂とクリームパンには」

 

 アスナは外に視線を向けながら懐かしそうに語った。確かにクリームパンを差し出した記憶がある。あれは確か第一層ボス攻略の前日だっただろうか。

 

「あの日、この世界に来て初めてお風呂に入って、甘いものを食べて……。ああ、わたし生きてるんだって思ったの。まだ全部を受け入れたわけじゃないけど、この世界を現実だって思えるようになってきたきっかけは間違いなくあの出来事ね」

 

 キリトは第三層主街区の宿屋での会話を思い出す。あの時、アスナはこの世界も悪くないと思ったことが複雑だと言っていた。それから精々一週間しか経っていないのだから、その認識が大きく変化した訳ではないはずだ。しかし、第四層での彼女の様子を見る限り、楽しいことは楽しいと素直に思えるようになってきているように思える。もしそれに自分が少しでも貢献できているなら素直に嬉しいことだ。

 

「こうして考えてみると、わたしが前を向けるようになったのはやっぱりキリト君のおかげなのよね」

 

「別に意図してやったわけじゃないんだけどなぁ」

 

「それでも、よ。理由はどうあれ、結果的にわたしの助けになってるのは間違いないもの。その内お礼するから、何かして欲しいこと考えておいてね?」

 

 して欲しいことと言われ一瞬(よこしま)な考えが思いつかなかったわけではないが、うっかり口に出せば視界に閃光が走るのは疑いようがない。コクリと頷いた後ローストビーフのようなものを片づけるべく手を動かす。薄く切られた肉を一枚口に放り込み、鳥肉のような味のする肉の味を堪能しつつキリトは考える。

 

 これからも隣にいて欲しい、なんて言ったらアスナはどういう反応をするだろうかと。

 

 対人関係が極めて苦手だと自負しているキリトでも、アスナが自分を嫌っていないということくらいはわかる。少なくとも嫌な顔をされることはないだろうし、もしかしたら彼女がキリトの想像以上に自分に対して好意的で、二つ返事で頷いてくれるのかもしれない。

 

 そうであったならどれだけいいだろうかとは思ってしまう。

 

 昨日の攻略会議が終わった後からクリスマスパーティーの事実を聞くまで、(つい)ぞ消化できなかったあのもやもやとした感情は間違いなく嫉妬だった。結果的に勘違いであったとはいえ、アスナが声をかけられたということに自分が嫉妬したという事実は消えるわけではない。

 

 彼女の隣に自分以外の人間がいるのは嫌だ。その場所は俺のものだと声を大にして叫びたくなるほどの独占欲。

 

 現実世界で他人との関わりを避けていた自分が、仮想世界でこのような感情を抱くことになるとは考えもしなかった。しかし、一度気づいてしまえば当然のことだったとも思ってしまう。

 

 初めて会った時、まだお互いの名前も知らなかったというのに彼女の笑顔に目を奪われた。脳裏に焼き付いたその笑顔を、同時に伝えられた心からの感謝の言葉を思い出す度に、キリトは名も知らぬ少女のことが気になって落ち着かなくなった。ずっと前を見続けたつもりだったが、視線の先には常に彼女がいたのだ。

 

「キリト君、どうしたの? 急に黙って」

 

 アスナの言葉で思考の海に沈んでいた意識が戻っていく。こうして改めて意識してしまうと気恥ずかしくなってしまうが、今日はとにかく冷静に落ち着いていこうと決めたのだ。朝一から直撃し続けている彼女の可愛さにゴリゴリと防御が削られているが、今のところはなんとか冷静さを保つことはできている。

 

「いやぁ、おいしそうに食べるなぁと思ってさ」

 

「なっ!? し、仕方ないじゃない! まともなサンドイッチなんて久々だし……」

 

 顔を赤くして怒る、意外に食いしん坊なアスナの姿に思わず笑みがこぼれた。この世界で彼女のこのような無邪気な姿を知っているのは自分だけだ。そのことはキリトに優越感を、そして(むな)しさを覚えさせる。

 

 彼女を独占しているのに、手を伸ばすことはできない。身体が触れ合うことはあっても、心を触れ合わせることができない。失うと決まっているのに、それを欲してしまっている。何とも無益な話だと思う。

 

 近い将来、アスナはキリトの手を離れ自分の翼で羽ばたく時が来るだろう。キリトの役目はその時を少しでも早めること。自ら持つ知識や戦闘技術、この世界で戦い抜くための全てを彼女に教える。それはアスナが生き残るために、現実世界への帰還を達成するために絶対に必要なことだ。

 

 全力は尽くす。彼女が死ぬところなど見たくないから、自らの全力をもって彼女を引き上げる。

 

 閃光のように走る剣術、全ての人間の眼を引き寄せる容姿、そして、この人ならばと思わせる可能性。多くの人間がそれに気づいた時、彼女は皆の前に立ち進んでいく。だが、その時自分は一体どの位置にいるのだろうか。

 

 自分の力では彼女の隣に立ち続けることはできない。でもせめて背中ぐらいは支えていたい、彼女が進む道の露払いぐらいはしたい。相棒という関係ではなくなったとしても、彼女の視界に入れる程度には自分を高めたいとキリトは願った。

 

 

 

 食事を終えレストラン街を軽く見回った後、通りの各所に存在する屋台を覗き見ながら目的地であるらしい公園へと足を向ける。はじまりの街の通りは街の規模の割に細く、メインストリートを除けば精々が片側一車線の道路と同じ程度の幅といったところだろうか。そんな道幅であるから通りを行き交う人の顔はよく見えるし、どのような表情をしているかがわかる。

 

 自分たち二人はどうやらそこそこに注目を集めているようで、女性プレイヤーからは好奇の視線が、男性プレイヤーからは敵意を含む視線が向けられているように思えた。それがなんとも恥ずかしく、アスナは纏っている深紅のフーデットケープのフードを被りたい衝動に駆られてしまうが、それをしてしまうと隣で自分をエスコートしてくれている少年に申し訳が立たない。

 

 チラと隣に立つキリトに顔を向ければ、こちらに気付いたのか「どうした?」と聞いてくる。それに首を横に振りながら「なんでもない」と答え前を向けば、同様にキリトも前を向く。どうにも、気恥ずかしい。

 

 食事をしているときは何でもなかったいうのに、こうして二人で並んで歩いているとどうしても顔が熱を持ってしまうが、それも仕方ないとは思う。アスナの右手、普段ならば腰に下げられているレイピアを持つその手が、今は相棒の少年の左手を握っていた。同世代の男性の手を握るなど当然アスナには初めてのことで、同い年ぐらいの男女が手を繋いでいればそれがどういった関係に見えるかも理解している。

 

 恥ずかしい、でも、嫌ではない。

 

 誰よりも前を行くこのキリトという少年の隣に、自分が立っていると認識されている。もちろん周囲はそういう意味の視線を向けていないことはわかっている。だが、その事実が今のアスナには嬉しかった。

 

 手をしっかりと握りながら通りを歩いていく。はじまりの街は大雑把には区画整理がされているようだが、その内部は細道が入り組んでおり初めて歩く場所ならば道に迷う者も出るかもしれない。しかし、彼の脳内にはしっかりとした地図が展開されているようで、迷うことなく進んでいる。

 

「ねぇ、キリト君。ベータの時にこの街も結構探索したりしたの?」

 

「ああ、SAOベータテストの目玉の街だったからなぁ。隅から隅とまではいかないけど大体のところはな。……正式サービスじゃ初日にはこの街を出てたから、大きな変更点がなくて今日は助かってるよ」

 

 初日にはこの街を出たという言葉が、アスナに彼との差を感じさせる。自分が恐怖で宿屋に籠ると決めたとき、この人は既に前に向けて走り出していた。その後の無茶なレベリングによってアスナのレベルは18とキリトと一つの差まで縮まってはいるが、レベル差だけでは測れない実力差が存在している。絶対にありえないことであろうが、もし彼と本気で剣を合わせることがあるとしたら、地に伏すことになるのは間違いなくアスナの方だろう。

 

「遠いなぁ……」

 

 ポロリと本音がこぼれてしまう。物理的にはこうして隣に立っているのに、実力的には彼の背中を見失わないように追いかけるのが精一杯であるし、精神的には完全に彼に寄りかかってしまっている。自らビギナー達の敵意を背負う道を選んだ彼を支えたいと思っているのに、支えられているのは結局アスナの方で、悲しいほどの無力さを感じてしまう。

 

「え、あっ、ごめん。歩くの疲れたか?」

 

 慌てた様子のキリトが謝ってくるが、はて何のことだろうと思い返して、自分の言葉が原因だということに思い至る。

 

「あ、違うの。公園が遠いってわけじゃなくて……キリト君が遠いなぁって思っちゃって」

 

「うん? 遠いって、今隣にいますけど……?」

 

「ううん。そうなんだけど、そうじゃないの」

 

 頭の上に疑問符が浮かんでいるキリトをごまかすべく、アスナは握られている右手に少し力を込める。すると途端に疑問符が消え顔を赤めながら頬を掻く姿を見て、ついついかわいいなぁと思ってしまう。

 

 普段は冷静沈着で前を常に見据えている彼も、たまにではあるが子供っぽい姿を見せる時がある。どちらも本当の彼の姿なのだろうが、個人的には彼の子供っぽい姿の方が好きだ。彼がこれを聞いたら、男なのにかわいいとはどういうことなのかと嘆くのだろうが、本当にかわいいと思ってしまうのだから仕方ない。

 

――こんな姿を見てるのは、わたしとアルゴさんだけ……なんだよね。

 

 今は自分とアルゴだけだが、今後はどうだろう。この先階層が進むにつれて最前線付近で活動するプレイヤーも増えていくだろう。そうすればキリトと共に戦う経験をするプレイヤーも増えていくに違いない。<<ビーター>>扱いせず、彼自身を見ることができる人もだ。彼を慕って周りに集まる人は少なくないだろう。

 

 そんな状況になったとき、自分は変わらずに彼の隣にいることができるのだろうか。

 

 今は自分が彼の相棒として活動しているが、この立ち位置はアスナが望んで無理矢理得たものでキリトが望んでいたものではない。一緒に居たいと言ってくれたことは事実だが、ずっと一緒に居てくれるのかと聞いたら答えはなかった。そのことが、いつか別れの時が来ると暗に言っているようで不安を覚える。

 

 繋がれた右手。デートという形を取ってもらって、彼から繋いでくれた手。繋がれているのは今日のお昼までだ。次にこの手が繋がれるのはいつになるのか、機会があるのかすらわからない。自然と触れあうことはあったとしても、こうして手を繋ぎながら歩くことなんてあるのだろうか。

 

 この時間が終わればアスナは再び命懸けの戦いへと赴く。覚悟はできているし、躊躇うつもりもない。でも今だけは、先のことを忘れてこの大切な時間を楽しみたいと思う。相変わらずすれ違う人達からの視線は強いが、それを気にしてこの時間を無駄にするのは嫌だ。

 

 いつもより近い彼との距離をもう少しだけ詰めた後、アスナは不安を隠すようにキリトの左手を握りしめた。

 

 

 

 はじまりの街で最も大きい公園に設置されている巨大な噴水。キリト達はそれを中心として広がっている円形の広場の周りに設置された多くのベンチの中の一つに腰を下ろしていた。時刻は午前十時前。日差しの温かさと、噴水から水が吹き上がったときに感じる少しひんやりとした風が心地よい。ゆっくりと過ごすには理想的な場所だろう。

 

 噴水広場はこの公園で一番人が集まる場所でベンチの多くはすでに人が座っており、男女の二人組も所々に見ることができる。自分たちもその男女ペアの一つではあるのだが、他のペアと違うところは視線を相当に集めているということだ。その理由の大部分はキリトの隣に座る美少女の存在であることは疑いない。うっとうしいと思わないでもないが、朝一から視線を注がれ続けてきたのでもはや慣れてしまった感がある。それは隣に座るアスナも同じようで、視線を気にすることなくぼんやりと水が一定のリズムで吹き上がる噴水を眺めつづけていた。

 

「穏やかだね……」

 

「ああ、そうだな……」

 

 会話が止まる。公園を歩いている最中に少し座ろうと言ったのはアスナの方からだ。こういったことは初めてだと言っていたし、慣れないことに疲れたのかとも思ったが、彼女の表情を見るにそういう訳でもなさそうだ。休憩というわけではないならこちらから会話を振るべきなのだろうが、こうして改まってみると話題を見つけることができないあたり、自らのコミュニケーション能力の残念さを思い知る。

 

 横目でアスナを見れば、じっと前を――恐らく噴水を――見つめている。その表情がどのような感情を持っているかは窺うことはできなかったが、少なくとも気まずさや不快感を持っているようには見えない。この場合なら無理に話しかけるより、そっとしておいた方がいいのかもしれない。彼女の言うとおり、多少の賑わいはあれどうるさすぎるわけでもなく穏やかな時間が流れている。普段は慌ただしく動いているのだし、今は攻略のことを考える必要がないのだから、このように只々(ただただ)座っている時間があってもいいのかもしれない。

 

 しばらく無言の時間が続いた。しかし、不思議と不快感は感じない。お互いに噴水をぼんやりと見ているだけであるが、キリトの左手とアスナの右手は繋がれている。改めて意識を向ければ、自分の身体もアスナの身体もポリゴンでできたアバターであるはずなのに、何故か彼女の体温を感じることができた。

 

 心地よいと感じる、人肌の温度。アスナも同じように感じてくれているなら嬉しいと思う。

 

 彼女のヘイゼルの瞳は未だ前を向いているが、もし今左手に力を入れたらどうなるのだろう。彼女の瞳はこちらに向くのだろうか。試してみたい気持ちになるがその理由を見つけることができなかった。

 

 頭の中で葛藤するも結局実行に移すことなく視線を前に戻そうとするが、その直前にアスナの口が動いた。

 

「非日常、よねぇ……」

 

 何故そんな言葉が出たのかと、前を向きアスナと同じような光景を視界に移す。目に映るのは、晴れの日に公園を行き交う人たちやベンチにのんびりと座っている人たちの姿。この光景が日常が非日常かと聞かれれば、多くの人が日常と答えるのだろう。

 

 だが、隣の少女はこの光景を非日常と言った。その理由をキリトは何となくだが理解できる。

 

 現在のキリト達の日常はこうして穏やかに過ごすことではない。命を削り、向かってくる敵をポリゴン片に変えることこそが日常なのだ。何か一つ間違えれば命を失うギリギリの世界に身を置くキリト達にとって、穏やかに過ごす彼らの姿こそが正しく非日常に違いなかった。

 

 しかも、非日常的なのは目に映る光景だけではなく、自らが置かれている状況もそうだ。日々パソコンに向かい人との関わりを避け続けてきたキリトにとって、所謂憩いの場に足を運ぶ機会など当然のようになかった。その自分が噴水の前のベンチに腰掛けて美少女と手を繋いでいるのだ。

 

「そうだなぁ……」

 

 先ほどと同じ、同意の言葉を口に出す。彼女が非日常と言った理由はこの光景の事なのか、はたまた状況の事なのかはわからなかったが、キリトにとっても非日常なのは確かだ。だが、それが不快感とイコールというわけではない。少なくともキリトにとってこの非日常は好ましいものだ。

 

 自分だけがこの光景の異物であるという感覚。アスナに言われるまで気づくことはなかったが、気づいてみると確かにそう感じるものがあるし、一度感じてしまった違和感は中々消えるものではない。だが、左手からの熱によってその違和感を上回る安堵を感じている。

 

「でも、こんな非日常なら悪くないんじゃないかな」

 

 一人なら違和感を感じた時点で立ち去っていただろうし、そもそもこんな場所に来ることなど無かっただろう。だが、二人なら、アスナと一緒なら悪くないと思う。

 

「そう、かもね。わたしたちの場合、日常が忙しすぎるもんね」

 

「忙しい、と言うにはちょっとハード過ぎる気もするけどなぁ」

 

「うん。でも、そのせいなのかな。この時間がすごく貴重な時間に思えるよ」

 

 クエストの事も、攻略のことも考えなくていい時間。現実世界では当たり前だった時間が、この世界では貴重な休息時間となる。食事をし、散歩をし、公園で噴水を眺める。たったこれだけのことが貴重と感じてしまうほどに、キリト達は走り続けているのだ。

 

「現実世界に戻るためには進み続けなきゃいけないけど、適度に休まないと倒れちまうからなぁ」

 

「そうね。それに関しては身を持って味わったわ。この世界で空腹と睡眠不足で倒れるなんて」

 

 溜息をつくアスナを見て第一層の迷宮区の出来事を思い出す。あの時偶然、たまたま、アスナが戦っていた部屋の近くをキリトも探索していた。とはいえ救援のタイミングが後十秒遅かったら、アスナはキリトの目の前でポリゴン片と化していただろう。もしそうなっていたらキリトは<<ビーター>>の汚名を背負ったまま一人で走っていたに違いない。

 

 アスナの右手から伝わる熱。あの時少しでも遅れていたら、一人だったなら感じることができなかったこの熱を失いたくない。キリトが左手に力を込めると、応じるようにアスナから伝わる力も強くなる。

 

 視線が合う。今まで前を向き続けていたヘイゼルの瞳に自分の姿が映る。その瞳はキリトが感じた不安を解きほぐすような暖かさを宿していた。

 

「君のおかげで、わたしはここにいる。だから、大丈夫だよ」 

 

「……そうだな。アスナはここにいるもんな」

 

 握れば、握り返してくる。たったそれだけの事で安心できた。アスナの行動で自分の心が随分と簡単に揺れ動くなと思うが、それも仕方ないのかもしれない。彼女の存在は、今のキリトにとってそれほどに重要なものなのだから。

 

「そろそろ行こっか。結構のんびりしちゃったし、次あるんでしょ?」

 

 アスナの言葉に頷く。このまま、手を繋いだまま、こうしてゆっくりしているのも悪くないと思う。だが一応予定は立てているのだし時間もあるのだ。行かなければもったいないだろう。

 

 その気になればまた来ることができる。次もこの公園でということにはならないだろうが、上の層に行けばまた新しい観光名所が出てくるはずだ。時間の余裕ができた時にアスナを誘って巡ってみるのも悪くない。

 

 キリトは立ち上がり、アスナを手助けすべく左手を引く。「ありがと」という言葉と共にアスナも立ち上がり、こちらに向き直った。

 

「よし、行きましょうか。次の『非日常』を楽しみに」

 

「こういうことが日常になって欲しいんだけどなぁ」

 

 こんな穏やかな時間が日常になってほしいと心から願う。前を進むアスナに手を引かれながら、次の目的地に誘導すべくキリトは足を動かした。




クリスマス(午後)はもうちょっとだけ後なんじゃ!
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