中立者達の日常   作:パンプキン

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それは束の間の平穏。それを過ぎれば、誰が死んでもおかしくない。


作戦会議

「レオーネとスサノオが進めていたトンネル掘削だが、大聖堂手前までの開通が完了した。いよいよ、ボリック暗殺ミッションの決行だ」

 

あー…遂に其処まで来たのね。後で姉さんに報告して計画の最終確認しないと。

 

「内部協力者による情報によると、標的(ボリック)が大聖堂で夜通し祈りを続ける日があるという。それは明後日、密偵との報告とも一致している」

「その夜、決行するという訳だな」

「その通りだ、アカメ」

 

 

「だけどボス(夢想家)、地中からの侵攻はイェーガーズも読んでるんじゃない?…というより、それを想定した警備でも何らおかしくはないわよ」

「ああ、その通りだ。だから此処は二つのチームを編成する。一つは、トンネルを通って強襲する陽動班。メンバーは私、スサノオ、レオーネの3人」

「被弾覚悟、回復力や防御力が高いチームだな」

「イェーガーズが迎撃に来るだろう。が、相手にする必要は無い。とことん引っかき回し、生き残る」

「もう一つのチームは陽動班とのタイミングをずらし、本部から回してもらったエアマンタ(特級危険種)を使い、空から大聖堂に突入。立て直す隙を与えずにボリックを討つ。マインとアカメの2人だけだが、頼んだぞ」

「了解、ボリック暗殺のみに集中ね」

「ああ、相手の戦力は強大だ。だからこそ狙いを絞る。今討ち取る必要が無いならば、恐らく今の戦力でもエスデスと相対出来るだろう。彼奴の得意分野は攻撃だ、護衛となれば全力を出す事は出来まい」

「其処に付け入る隙があるかもね」

「…懸念事項を言うならば、ジャッカルだ」

「ジャッカル…あの傭兵も居るのか?」

 

この大食らい(アカメ)、名前聞いただけでムカつく顔するんじゃないわよ。ホントぶっ殺したい…けど、姉さんの頼みもあるからなぁ…

 

「密偵の情報によると、僅かながらに存在が確認された。奴も立ちはだかるなら、エスデス以上に警戒した方が良いかもしれない。奴の戦闘能力は未知数、真正面から戦ったケースはアカメの一件以外に無いからな」

「…何が立ち塞がろうが、ボリックは必ず葬る」

 

…雰囲気的にもお開きね。

さぁて、ナイトレイドの戦力は4人。対してイェーガーズの戦力も4人。そして私と姉さん。

…私も賞金首なんだし、計画次第で上手く立ち回らなきゃね。

 

 

 

 

 

 

ナイトレイドの作戦会議より翌日。

 

 

「こうしてお前と話す機会が出来るとはな、ジャッカル」

「私も同意見ね。で、態々そんな無駄話をする為に貴女の借り部屋に私を招待した訳じゃないでしょう?」

 

大聖堂から少し離れた、安寧堂教者達の住まう住宅施設の一室。其処に、エスデスとジャッカルは居た。

エスデスは窓際の椅子に腰掛け、ジャッカルは部屋のドア近くの壁に背中を預け、エスデスと相対する形で立っている。

 

「勿論。…お前は、ナイトレイドがいつ動くと考えている?」

「明日ね。教主補佐様が月一やってる祈りの日、其処を襲撃しなくていつ動けばいいって話よ」

「だろうな。私達は奴の警備だが、お前はどう動くつもりだ?」

「大聖堂の入り口で待機しとくわよ。態々標的が来てくれるんだし、何より手間が省ける。で、貴女に渡しておく書類があるんだけど」

 

そう言ってジャッカルは、丸めて纏めた二枚の書類を取り出し、エスデスの横のテーブルの上に投げ渡した。エスデスはその書類を手に取り、読み始める。

 

「…ほう?」

 

エスデスの表情が動き、興味深く見つめる視線を一瞬ジャッカルに向ける。その書類には、要約すればこう書いてあった。

 

一枚目:大臣命令による、ナイトレイドメンバー:マインの指名手配解除

二枚目:明日実行される、ナイトレイド撃滅の計画

 

「この資料を見れば、どうやらナイトレイドのマインはお前の仲間らしいな」

「その認識で構わないわ。前々からスパイとして潜らせていたけど明日無くなる上、指名手配解除の手違いで貴女達(イェーガーズ)に無用な敵対関係を作る必要もない」

「…この計画書、お前とマインの二人掛かりで完封するような内容だが?」

「彼女からの情報を統合すれば、現状のナイトレイドなら私とマインで壊滅出来る。順調に進めば貴女達イェーガーズは、警備をしてるだけで任務完了よ」

「…」

 

会話を続けながら書類を読み終えたエスデスは、再度視線をジャッカルに向ける。

 

「何か?」

「…いや、其処まで言うならばやってみると良いさ。其処で奴等が倒れるならば、所詮其処までの奴等だったというだけだ」

「そうね。それじゃあ、話す事も無くなった事だし、こっちはこっちで明日の準備をしておくわ」

 

話を切り終え、ジャッカルはドアから退室する。エスデスは、ジャッカルが去っていった部屋のドアを見ながら、思考を回していた。

 

(…何か隠しているな。奴の仲間がスパイとして潜っていたならば、情報は筒抜け。戦力を削り、壊滅させるチャンスは前に幾らでもあっただろう。態々私達と歩調を合わせる必要など無い筈だ。だが何を隠している?隠す理由は何だ?)

(…まぁ良い。奴は仲間ではないが、まだ敵でもない)




「…まぁ、こんな感じね」
「…姉さん、私達が活躍し過ぎると都合悪かったんじゃないの?これじゃ私達が主役なんだけど」
「あの後考えてみたんだけど、イェーガーズとゴタついても結局は問題ないって判断したわ。イェーガーズが敵になるんなら、その時は殺すだけだし」
「まー…確かにそうね。お金にならない仕事はあんまり好きじゃないけど」
「そうなったらお気に入りのパフェでも奢るわよ」

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ナイトレイド残存戦力:4人
ナジェンダ、スサノオ、レオーネ、アカメ
所有帝具:電光石火 スサノオ、百獣王化 ライオネル、一斬必殺 村雨

イェーガーズ残存戦力:4人
エスデス、クロメ、ラバック、ラン
所有帝具:魔神顕現 デモンズエキス、死者行軍 八房、修羅化身 グランシャリオ、万里飛翔 マスティマ

第三勢力残存戦力:2人
ジャッカル、マイン
所有帝具:千変万化 クローステール、浪漫砲台 パンプキン

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