遂にお気に入りが100件を越えました。いやはや何と言って良いものやら分かりません。皆さん本当にありがとうとしか言葉が見つかりません。
さて13話です!戦闘があります!お楽しみ下さい!
「さてと、ステラと黒鉄妹を待たせている訳だし、二人が喧嘩する前に戻ろうぜ?」
「そうだね、というか珠雫の呼び方、黒鉄妹で確定なんだね・・・・」
「だってよぉアイツ人間、嫌いだろ?お前の事で家族すら嫌ってんだろ?女性なら兎も角、男姓の、ましてや他人からの呼び捨ては流石に嫌がるだろうからよ」
「それはそうかも知れないわね」
真琴、一輝、アリスの三人はステラと珠雫をショッピングモールのテリトリーに待たせ、用を足す為トイレに来ていた。
「さてと、トイレを出るか・・・(何か妙だな・・)」「どうしたの?真琴?」
真琴はトイレから出ようとした時、何か“違和感”を感じた。それはショッピングモールに有る筈のないもの戦いの気配“殺気”だった。
「おい、ちょっと待て、周りが静かすぎる・・・。それに人の気配が無い」
真琴は梁山泊にて気当たりの感知を学んで居た。それを用いて周りの気配を察知したのだ。
「・・・確かに、おかしいわね」
「ステラ達に何か起きたのかもしれない、二人が心配だ、早く二人の元へ急ごう!」
三人は彼女達が待つ場所へ走りだした。下のテリトリーが一望出来る場所に到着し、彼女達へ目線を向けると、そこではステラと珠雫を含め、ショッピングモールの従業員等と他の客達が何者かによって人質になっていた。
「一輝、緊急事態だ、理事長に連絡して固有霊装を展開できるよう手配しておけ」
「うん、分かった」
「(あの人達はまさか・・・)」
アリスだけが勘づいていた。
「アイツらは一体何者だ?銃も持ってるぞ・・・。テロリストか何かか?」
「あれはもしかして解放軍«リベリオン»かしら?」
「解放軍って確か、伐刀者を«選ばれた新人類»と掲げ、非伐刀者が集まり、世界秩序を目論む危険集団だったか・・?」
「あら?真琴、良く知ってるわね?」
「昔、師匠の世直しで相手にした事があってな・・・(奴等とは色々因縁が有るからな)」
「・・・そうだったのね(・・・世直しってどういう事?真琴は旅でもしてたのかしら?)」
すると、理事長に連絡した一輝が真琴達の元へ戻って来た。
「真琴、後の事は理事長が手配してくれるそうだよ」
「OK、一輝、ありがとな」
一輝が戻って来た所で、解放軍が動いた。厳つい顔の男が人質の母親に子供がうるさいという理由で手を挙げたのだ。母親は子供を庇いながらその男に許しをこいた。しかし、男は耳を貸さず、あろうことか持っていた銃をその子供に向けたのだ。
「下等な人間風情が俺の耳を汚したんだ!死をもって償ってもらわねぇとな!!」
「やめて下さい!子供には手を出さないで下さい!」
「んじゃお前が息子の代わりに死ぬか?」
「私はどうなっても構いませんから、息子だけは、手を出さないで下さい!」
「物分かりが良い女じゃねぇか!へへ、んじゃ早速・・・」
「やめろ!!おかあさんに手を出すな!!」
少年は勇気を振り絞り母を助ける為、銃を構えるその男に突撃を仕掛けた。しかし只の子供が屈強な大人に敵う筈がなく、簡単にはね除けられてしまった。
「このガキィ!調子に乗りやがって!!許さねぇ!今ここでぶっ殺す!」
「危ない!」
その男は銃口を母子に向けて、引き金を引いた。しかし銃弾が親子に当たる事はなかった。当たる瞬間、咄嗟にステラが、自身の伐刀絶技«妃竜の羽衣(エンプレスドレス)»を発動しその母子を身を呈して庇ったのだ。只の銃弾がAランク騎士ステラの身体に届く筈もなく、妃竜の羽衣(エンプレスドレス)に溶かされ蒸発した。
ステラが庇った後、奥から金髪のおかっぱ頭の男性が歩いて来た。その男は解放軍の面々からビショウと言われ、解放軍の非伐刀者達を指揮していたのだ。
その男が隊長だと把握したステラは無謀にも攻撃を仕掛けた。だがその男にステラの攻撃は届かない、何故ならビショウは解放軍で「使徒」と呼ばれる伐刀者であり、自身の“大法官の指輪(ジャッジメントリング)”と呼ばれる固有霊装でステラの攻撃を左手で無効化しながら受け止め、右手で無効化した攻撃を反射したのだ!
思わぬ反撃を受けたステラは攻撃を受けた腹部を抑えながら、その場に膝をついた。するとビショウはステラに一つ提案して来た。それはステラがここで服を脱ぎ辱しめを受ければ、我々の邪魔をした母子を見逃すというものだった。ステラは母子を護る為、嫌々ながらその提案を受けた・・・。
その様子を見ていた一輝は堪らず激昂し、そのまま解放軍に突撃する勢いだったが、真琴は一輝の肩を抑えてそれを止めた。
「一輝、気持ちは痛い程分かるが少し落ち着け・・・」
「真琴・・・でもこのまま黙って見てるわけにいかないよっ・・・」
「んなことは分かってる、今お前が突撃してなんになる。下手すりゃ人質共々アイツらに殺されちまうぞ?」
「んじゃどうすれば!・・・」
「下を見てみろお前の妹が、何かやろうとしてる」
「珠雫が?」
「あぁ、それに俺に考えがある」
「何かしら?真琴?聞かせてもらえる?」
「いいか、まず珠雫が技を発動させたら、一輝は奴等全員の囮をしてくれ、ビショウと呼ばれるおかっぱ頭はお前に任せた。危険な囮だけどお前にしか出来ないんだ、頼んだぞ、一輝」
「分かった、任せてくれ真琴」
「アリスは一輝のサポートを頼む」
「えぇ、了解したわ」
「真琴はどうするんだい?」
「一輝が突撃すれば非伐刀者達、全員がお前に銃口を向け銃を発射するだろうから、その間に非伐刀者達をまとめて一網打尽にしてやるよ」
「そんなこと出来るの?」
「あぁ、師匠から授かった技を使えば出来るぜ?まぁ見てろ、んじゃ頼んだぞ二人共!」
そう言うと真琴は解放軍達の死角へ向かった。
「解放軍め、人質に取る下衆野郎共がっ・・・ここに居合わせた事を後悔させてやる!」
人質を護る準備が整ったのか、珠雫が声を挙げた。
「障波水れーーーん!!」
「何だ!」「人質の中に伐刀者がいやがったか!もういい撃ち殺して構わん!」「オラオラオラ!!」
「あとはお願いします、お兄様、アリス、真琴さん」
だが解放軍達の銃弾は珠雫達には届かない。何故なら珠雫が展開した伐刀絶技«障波水蓮»は幅30メートルがある水の壁を周囲に造り出す防御技。珠雫の防御力前に、銃弾すら防いでしまうのだ。
真琴が死角に到着直後、一輝が固有霊装«陰鉄»を顕現させ一刀修羅を発動し下に向かって飛び降りた。
「・・・来てくれ陰鉄!」
「ん?上にも伐刀者が居たか・・、こうなりゃ全員蜂の巣でいい!撃て!!」
「イイヤッハーーーー!!!」
「«一刀修羅»・・・(今は色はいらない色彩認識のリソースを必要な情報のみに振り分ける!もしあの左腕に受け止められれば攻撃は無効化される!だけど!)」
「一輝が作戦を始めたな、俺も動くとするか!・・我が身を護れ!甲鉄陣玉鋼!」
真琴がそう言った瞬間、腕と脚に砂鉄の様な黒い小さな粒子が、纏っていく。
次第にそれが防具となり、手甲とすね当てとして顕現する。
これが、近衛真琴の固有霊装、❮甲鉄陣 玉鋼❯
玉鋼とは日本の鎧や刀等を製作する際に、用いられる最も上質な素材を意味する。
何故、真琴の固有霊装が玉鋼と呼ばれることとなっているのか?
それは、真琴の能力と関係する。
真琴の伐刀者としての能力は、『有りとあらゆる能力を創り出す』というもの。これだけ聞けばステラや珠雫にも劣らない能力だ。しかし、真琴が仮にステラや珠雫が得意とする〝炎〟や〝水〟の能力を創り出したとしても必ず劣化したモノになってしまう。
これが、真琴の能力だ。
これは、父である近衛真一から受け継いだモノだ。現状の真琴は魔力が足りず、数多くの技を使用する事が出来ない。
使用出来る伐刀絶技は一つだけ。その記述はまた別の機会に。
ガラスの柵を飛び越えた真琴は音もなく下に着地した。そして銃を構えて発射している非伐刀者達のトリガーに掛かっている指を一本一本、韋駄天の様な速度で手首の方に間接を外していった。
「あれ?トリガーが引けない!」「指が外れているぅ!何故だ!」
「てめえ誰だ!」
「・・お前達全員、これで大人しくしていやがれ!!」
真琴は柔術の師匠から多人数用に使用する、技を繰り出した。
「❰岬越寺 無限轟車輪❱!!ヌアッハァ!」
真琴は一陣の旋風の様になりながら非伐刀者達を次々に飲み込んでいった。間接を極められた非伐刀者達が次々とエレベーターを囲いながら真琴の技によって輪になっていった。
「身体が動けん!」「お前ら動くな!痛いだろうが!」
「てめぇ!俺らに何しやがった!!」
母子に手を出した厳つい男が声をあらげながら真琴に言い放った。
「その技はお互いの体重を使って極めてある、他の人間に外から外してもらわねぇと決して外れねぇ!大人しくそこで反省するんだな!こっちは済んだぞ、今だ一輝!やっちまえ!!」
「お前ら何してんだ!」
(有難う、真琴!任されたよ!)
一輝は壁を蹴り、ビショウに跳躍した。
(アイツ突っ込んで来る気か?馬鹿が!俺には罪と罰がある、お前の攻撃は効かねぇぞ!)
ビショウは一輝の攻撃を受け止める為に自身の
大法官の指輪(ジャッジメントリング)がある左手を掲げた。だがビショウが思う通りにはならなかった。
「第七秘剣«雷光»!」
「ウギャアアア!!・・・・」
一輝の固有霊装«陰鉄»によってビショウの左腕は切り下ろされた。一輝が道場破りを繰り返し様々な剣術の書物を読破し、自身で編み出したオリジナル剣技第七秘剣«雷光»だ。この技は相手が見えない速度で刀を振るうという速度重視の攻撃である。一輝が多くの剣術を観て学び、ある時は剣技を受けて学び、一輝によって編み出された。多くの剣技を観て、修得した一輝だからこそ成り立つ技である。この技は相手が相当の武芸者でもなければかわしたり、受け止める事は出来ないだろう。それほどの速度なのだ。
「お前の動体視力を上回れば受け止める事は出来ない」
「てめぇ・・・よくもっ!!」
「お前がステラにやったことを考えればこれでも生温いぐらいだ!」
一輝は静かに激昂していた。
「はい、お遊戯はお・わ・りっ・・・」
アリスは自身の影縫い«シャドウバインド»と呼ばれる伐刀絶技を用いてビショウの動きを封じた。これはアリスの固有霊装«黒き隠者(ダークハーミット)»という短剣を相手の影に刺すことによって動きを封じる事が出来る技である。
「(アリスの奴、あんな事できるのか、しかも姿も消せるとは厄介な能力の持ち主だぜ。つか、一輝のやつステラが人質に取られているとはいえ、躊躇なく人を斬ったか・・・。アイツはどちらの道に進むんだろうな・・・出来れば俺と同じ道に進んで欲しいが・・・)」
「真琴、他の奴等を足止めしてくれてありがと・・・」
「イッキ!」
一輝は一刀修羅の副作用で疲労し、ステラがすかさず一輝の、身体を支えた。
「身を呈して母子を護るとは・・・でも立派な行動だったと思います」
「有難う、珠雫、アナタは人質を守ってくたじゃない」
「おい、お前ら油断はするな、こういう奴がまだいるからよ!」
真琴はそう言うと、人質であるOLらしき女性を拘束したのだ。
「離しなさいよ!私は人質よ!?」
「マコトなにやってるの!戦いは終わったのよ!」
「アホか!これを見ろ!」
真琴はそのOLから一丁の拳銃を一輝達に見せた。
「これを見ても、そんな事言えるか?」
「ピストル!?仲間が人質に潜んでいたのね・・・」
「な、何故、分かったのよ!アンタ!」
「あぁ?んなもん決まってるだろう?お前の目が怯えていないからだ。普通の女性なら人質に取られただけで慌てふためき、怯えるだろうが。だがお前はそんな目付きしてなかった、寧ろ安心しきってただろ?作戦は順調に進んでいるって顔してたぜ?これっておかしいよなぁ?」
「くっ・・・」
真琴が女性を見ながら問い詰めると解放軍だった女性が観念したのか沈黙していった。
女性の沈黙を確認した真琴は“気当たりの感知”を始めた。真琴は梁山泊にて油断は禁物だと教えこまれている。その為、他に仲間がいないか確認していたのだ。
“気当たりの感知”とは気の運用の一つで、人間の気当たりを感知し位置などを把握する事が出来る技だ。弟子級では扱うのは難しく巧く扱う事が出来ない、しかし気を掌握している真琴は、それを用いて周囲の感知を行っていた。
すると真琴は一人此方に近付いてくる一つの気を確認した。それは一度感じた事のある気当たりだった。破軍学園の校内で一輝と真琴に挑発し、戦いを挑んで来た伐刀者の気だった。そしてその伐刀者はあろうことか、真琴が抑えていた女性に向かって、真琴もろとも攻撃を仕掛けたのだ!!
「ん?おい!桐原!回りくどい事しないでさっさと出てこい!」
「あれぇ?何で底辺伐刀者の落第の拳«ワーストフィスト»が僕の狩人の森«エリアインビジブル»を見破る事が出来たのかなあ?」
(私でも感知出来なかったのに、真琴は近付いてくるて来る狩人の気配を感じ取ったていうの!?さっき、解放軍達を無傷で捕らえた事といい、人質の中にいる解放軍を見付けた事といい、真琴って本当に何者なのかしら?)
「久し振りだね、黒鉄君・・・」
「桐原君・・・なぜ君がここへ・・・」
一輝に含みのある言い方を放ちながら去年一輝のクラスメートであり、破軍学園で狩人の二つ名を持つ桐原静矢が一輝達の元へ歩みを進めていた。
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