史上最強の武術家の弟子伐刀者マコト   作:紅河

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こんにちは、紅河です!

やっと加々美を出せました!
オリジナル展開が続きましたが、次回から本筋に戻ります!
今回は短いですが、お楽しみ下さい!


BATTLE.24 珠雫の信念

「良いですよっと、送信」

 

 真琴が生徒手帳で刀華と連絡を取りながら、一人訓練場の控え室で待っていると、珠雫とアリスが入ってきた。

 

「真琴さん、お疲れ様です」

「お疲れ様」

「ん?珠雫とアリスか。あれ?一輝達は?」

「お兄様達なら、真琴さんの為にドリンクを買ってくるそうです」

「お、そうか、悪いな」

「それにしても、貴方、五人相手に無傷で尚且つ、一撃で倒すとか本当に何者なの?」

「アリスのいう通りですね、私もそう思ってました」

「何者って言われてもなぁ・・・必死に努力して技磨いたとしか言えねぇなぁ」

「だからってあれは強すぎよ・・・」

 

「ま、一つだけ言えるとすれば、俺は“信念”を持って戦いに臨んでるだけだな」

「“信念”?」

 

 珠雫が不思議そうに真琴に尋ねる。

 

「ああ、俺は決して相手を殺さず、大切な人を護る為、父さんとの夢を叶える為に武術を学び、戦っている」

「でもそれだけじゃ、あの強さの説明がつきませんよ?」

「仕方ねぇ、珠雫に一つ教えてやるよ」

「何ですか?」

「何も才能がある人間が、全て大成出来てる訳じゃない・・・。殆どの者はその才能に怠けて努力を怠る。さっき戦った鈴木達やこの学園の生徒が良い例だ。世の中で大成出来てる人間は皆、努力を続けて、一つの信念を持ってる。それがお前にはあるか?あるだけで大分違うぞ?」

「わ、私には・・・」

 

 珠雫は少し考えた。果たして自分にはあるだろうか?お兄様が止めてくれなければ、私は人として駄目になっていた。それをお兄様が止めてくれた。そんな兄を私は愛してしまった。家族に居ない者として扱われた兄に、全ての愛を私が捧げよう、女の愛も、家族の愛も全て!

 お兄様に認められる為に努力はしてきたつもりだった。でもこの真琴さんには手も足も出なかった・・・。私の愛は足らなかったのだろうか・・・。そんな事を考えていると、真琴が先に口を開いた。

 

「信念がなきゃ強敵に立ち向かえない、もっとも師匠の受け売りだが、それに、俺はお前の事を尊敬してるんだぞ?」

「・・・え?」

「一輝は家族に愛されずに産まれて来た。俺は一輝がどんな扱いをされてきたのか、一輝から話を聞いただけだし、直接見たわけじゃないから分からない。けどお前は、その実情を見てきたお前は!そんな兄の為に全ての愛を捧げよう、家族の愛も、女としての愛も!こんな覚悟を持てる奴は、中々居るもんじゃねぇ。お前が一輝と同じくらいに大切だと思える人間が増えれば、お前はもっと強くなる!だから、頑張れ」

 

 その言葉を聞いた珠雫は、ボロボロと泣き出してしまった・・・。自分のお兄様への愛は、他人に理解などされないだろうと思っていたからだ。だが一輝の元ルームメイトだった、近衛真琴が理解してくれたのだ。それだけで自分の心がほんの少し救われた気がしたのだ。

 

「お、おい!泣くほどなのか!?」

「・・・うっ、す、すみません」

 

 珠雫は持っていたハンカチで涙を拭いた。

 

「あらあら、女を泣かせるなんて、これは責任取らないとね?真琴!」

「ええええ!?」

 

 そんな会話をしていると、トントンと、扉を叩く音が聞こえた。

 

「あの音、い、一輝達じゃねぇか!?珠雫!扉を開けてくれ!」

「は、はい」

 

 珠雫が扉を開けると真琴が言った通り、一輝達が待機していた。

 

「お、お邪魔だったかな?」

「からかうなよ、一輝・・・。入ってくれ」

「うん」

「マコトがシズクを貰ってくれれば、私もライバルが減って楽なんだけどなぁ」

 

 ステラが珠雫を煽る様に言う。

 

「わ、私は真琴さんと恋人になるつもりはないですから!」

 

「・・・真琴、脈は無いわ。あんまり落ち込まないでね」

 

 アリスが真琴を慰める。

 

「別に気にしてねぇよ。俺にはもう好きな人居るしな」

 

「あら!」「!?」「ええええ!?」「そうなの?」

 

 一輝達がそれぞれのリアクションを取る。それを聞いた、ステラと珠雫とアリスが真琴に言い寄っていく。

 

「だ、誰なのよ!?その好きな人って!」

「私も気になるわぁ!」

「そ、そうです!教えてください!」

「い、一斉に話し掛けるな!」

「僕も真琴の好きな人は誰なのか、気になるなっ!」

「一輝まで!?からかうんじゃねぇよ!」

「教えなさいよ!」

「今、言うつもりはない!」

「ええーー!」

 

 困った真琴が話題を変える。

 

「それより、俺のドリンクは?」

「ああ、そうだったね。はい、スポーツ飲料を買ってきたよ」

「おう、さんきゅ。いつも気遣わせて悪いな」

「ううん、気にしないで。大切な友人だからね」

 

 そんな二人を見ながらステラ達が部屋の隅に集まり、ひそひそ話を始めた。

 

 

「ねぇ、もしかして真琴の好きな人ってイッキじゃないよね?」

「私もそんな感じします、真琴さんって全然自分の事話さないんですもん」

「でもショッピングモールでノンケって言ってたわよ?」

「マコトだもの、ブラフかもしれないわ・・・」

「否定できませんね」

 

 

「アイツら何話してんだ?」

「さぁ?」

「おい、そんなとこで話してないでそろそろ出るぞ?」

 

 

 ステラ達の談笑は訓練場を出るまで続いた。

 真琴達が訓練場の入り口に到着すると、眼鏡をかけたある少女が真琴達を待っていた。

 

「あ、先輩方、お待ちしてました!」

 

「誰だお前?」

「私、日下部 加々美っていいます!新聞部に所属してて、近衛先輩と黒鉄先輩の記事を作り為に、ここで待ってたんです!」

「記事?」

「はい!お二人が授業に出てないのにも関わらず、強者の伐刀者を打ち倒し、選抜戦を勝ち進んだ事を皆に伝えたくて!私、お二人のファンなんです!」

「おい、何で俺が授業に出てないこと知ってんだ?」

「え!真琴さん授業に出てないんですか?」

「ああ、前の理事長をぶん殴っちまってな。この事は一部の人間しか知らないはずなんだが・・・」

「何でまた理事長を殴ったのよ・・・」

 

 それを聞いたステラが呆れる。

 

「それには理由があってね、真琴が前理事長を殴ったのは僕のせいなんだ」

「え?何でイッキのせいなのよ?」

「それはな・・・・」

 

 

 真琴は自分が何故留年したのか、何故一輝のせいなのか、ステラ達に話して聞かせた。

 

 

「まさか、前理事長に脅されてたなんて」

「無茶しますね」

「俺の選択に後悔はない、かげがえのない友の為だからな」

「やっぱりマコトの好きな人って・・・」

「いや、俺ノンケだからな!勘違いするなよ!?」

 

「あのー」

「あ?何だよ日下部」

「取材の件は・・・」

「ああそれか、どうするよ、一輝」

「僕は受けてもいいけど、真琴は?」

「俺か?俺は・・・」

 

 真琴は暫く考えると、こう答えた。

 

「ま、出生とか詳しくは言えねぇけど、それでもいいんだったら」

「はい!それで構いません!」

「その話だけどよ、明日でもいいか?」

「え?それは良いですけど、この後何か用事でも?」

「俺はな」

「黒鉄先輩は?」

「僕の予定は無いよ」

「それじゃ、先に黒鉄先輩から話を聞きますね!」

「うん、宜しく」

 

「んじゃ、俺、そろそろ行くな」

 

「ええ」「うん、またね」「お疲れ様です!」「じゃあね、真琴、また明日」「はい」

 

 真琴は一輝達と別れ、とある場所へと向かった。

 その場所とは刀華達が待つ、別の訓練場だった。控え室に珠雫達が来る前に、刀華から仕合前の調整をして欲しいと連絡があったのだ。真琴はスポーツドリンクを何本か買っていき、刀華達が待つ訓練場へ走って向かった。

 

 

 

 




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