夜食を買うためにコンビニへと自転車で向かっている最中のことである。俺の住んでいる地域は市の中心地からそこそこに離れた場所であり、四方のどこを見ても山ばかりという自然豊かな場所である。街頭なんかもぽつりぽつりとある程度で夜となれば薄暗い。移動の主な手段が自動車であるという具合の田舎であると言えばおおよその雰囲気がつかめるだろうか。
さてそんな田舎の舗装された道路の脇では春を迎えて雑草が生い茂っている。俺の太ももあたりまでの草がもさもさと生えているそんな場所が何やら光り輝いていた。その光は赤っぽく見えるかと思っていると青っぽくなり、黄色、緑、白と不定期に様々な色に変化している。
雑草の根の方からそんな風に光っている。玩具か何かが光っているのかななんて思い、一度は無視してコンビニに行き、帰り際。まだ同じように光っているので好奇心に突き動かされて俺はその光へと向かった。光源まで来てみるが、そこには何もなかった。
「あれ?」
きょろきょろとあたりを見るとやはり光っているように見える。その光源はここであることも間違いないように思えた。しかし草をかき分けてもここには何もない。おかしいなあと首をひねる。
そうしている間にもだんだんと光は強く大きくなっているように感じた。おかしいとは思うが、光ってるからなんだっていうんだという思いが強く、がさごそと下を探るがやはり何も見つからない。その後も全く光源は見つけることができず、汗もかいたので帰ったらもう一回風呂入るかななんて考えて腰に手を当てグッと背を伸ばす。
上を見上げたその時、上から光が降り注いでいるということに気が付いた。
ああ、下じゃなくて上だったのかなんて思った瞬間には視界のすべてが真白く光り輝き、気が付くと俺は自宅の二階の自室で起床した。朝だった。
顔をしかめながら記憶を必死にたどるが光が上にあった以降の記憶は全く思い出すことができなかった。そのまま一階に降りると母がいる。
「……俺って昨日、コンビニいってからどんなふうに帰ってきたっけ」
そう聞くと母は何言ってんのあんたと言ってくる。
「いや、コンビニいってから帰った記憶があんまりなくって」
「寝ぼけてんじゃないの? まあ行ってから一時間くらいして帰ってきて、冷蔵庫に買ってきたもの入れてからすぐ部屋行って寝ちゃったみたいよ」
そう答えた後に母は身だしなみを整えていた。両親は共働きであり、今日は平日。俺はまだ春休みの最中なので学校が休みだが両親は仕事なので準備をしていた。父は既に家を出た後であるようだ。
「うーん、そうか。そうだったような気もする」
「そうだったの。あ、そうだゴミ捨て頼むわよ。後、休みだからって遊んでるんじゃなくって勉強ちゃんとしなさいよ」
そう言い残して母は車で出社していった。俺は何か違和感を感じながら可燃ごみをごみ袋に詰めて集積所に持っていき、帰ってから朝シャンを浴びてもそもそと朝食を食べる。
しかし昨日のことはなんだったのだろう。夢だったのだろうかなんて考えつつ自分の部屋に戻る。
起きてからまったく確認していなかったスマホを見ると友人から連絡が来ていた。昼一緒に食べて、そのまま遊ぼうというお誘いだった。了承を返し、服はどれを着ていくかを適当に見繕っているうちに気が付いた。
まぶたを閉じたとき、左下に何かある。目をつぶってるのに何かが見えるのかよとは思うのだが、パソコンのショートカットの様な物があるのだ。左目を閉じたときのみそれが表示される。なんだこれとそれに意識を向けると、ショートカットからプログラムが展開されるようにそれは大きく広がった。
「うおっ!?」
それは目を開いていても見えるようだった。形状だとかレイアウトは完全にパソコンでよく見る形で、薄透明にあるそれは自分の視界としては空中に浮いているディスプレイのように見えた。
「なんだこれ……?」
当然、疑問に思う。なんというかこれは人類に可能な技術なのか? あれだろうか。昨日のあの光はUFOからのもので、俺は実はキャトルミューティレーションされたとか。
想像するとブルリと体が震えた。まさかな。改造手術受けたとか頭開かれたとかそういったネット界隈でよく聞く与太話が頭をよぎるが意識して考えないようにする。
さて、このウィンドウをよく見ていると上部に名称が書いてある。それは見たことのない言語であると感じられたが、自然とその意味が分かる。
“改造”と一単語のみでそれは記してあった。その下には矢印で右と左があり、その右側には先ほぞまで表示されていたショートカットアイコンがあり三角の矢印、“改造”の順に並んでいた。
その下にはやはり知らない言語ではあるが“対象”という文字があり、そこに意識を向けるとさらに細かくいくつかのカテゴリーが表示される。その中で、人物というものがあったのでそれを見ると俺の名前があった。
なんとなく恐かったので自分の名前はやめて他の物にする。カテゴリーの中に小さいものというものがあり、この中に鉛筆があった。それに意識を向けるとデフォルト改造とカスタム改造というものがあったのでデフォルトの方を選択すると目の前のウインドウがさらに展開し、直径5mmほどの光の線が俺の勉強机に向けて伸びていく。
光の線をたどって引出しをあけると線がつながった鉛筆があった。ウインドウを見ると今までの平面と違って立体的になっていた。
名称:使い古しの 鉛筆
頑丈さ:■■■■■□□□□□……
美しさ:■□□□□□□□□□……
etc
こんな感じのゲージがあり、黒と白の境目につまみのようなものがある。試に美しさのつまみを右に動かしてみると、動いた分だけ黒いゲージが増えていき、鉛筆は目に見えて綺麗で美しくなった。そのゲージを動かすことでその数値が変動するのは動かしたモノのみであるようで、それ以外は動かなかった。
プリントされてあったポコニャンの絵はどこかの景色のようなものに変わり、小さな鉛筆だというのにその細部にわたって細かく丁寧に美しく仕上げてある。これを言い表す言葉は芸術品以外にないだろう。
気が付けば“名称:芸術的に最高峰の 使い古しの 鉛筆”に変わっている。
頑丈さのゲージを左に動かすと名称に“ガラスのような”という名称が付き、右に動かすと“防弾ガラスのような”という名称になった。たぶん頑丈になったのだろう。
これは現実なのか? もはや夢でも見ているのではないかと思い、上にある左矢印を選択して画面を一つ前に戻し、今度はカスタム改造の方を選択してみる。
すると、今度はメモ帳のような空白があるだけだ。いや、よく見ると一次元的な縦棒が点滅している。それはまるで文字の打ち込みを待っているかのようである。
カスタム、ということはなんだろう。デフォルト改造で表示されていたモノはおそらくそのモノの構成要素とか、ステータスとかそういったものだろうか。それの数値をあのつまみで自由に動かせる。それがデフォルト。
カスタムとなるとなんだ? デフォルトは初期設定状態のこと言っているのだろうか。だとすれば、カスタムは俺自身が設定したりするものということか?
とはいえ鉛筆にデフォルト以上の何か要素があるようには思えない。よくわからないのでこの機能は放っておこう。
さて、ここで気になるのは俺のデフォルト改造だろう。
ボツ理由
この能力で女の子を改造してエロいことしてやるぜと考えたかもしれないが、現代日本でそういうのって露見しないんですかね
プロット
このあと自分にこの改造が使えることを知った主人公は自分を改造しまくって頭もいいし顔もいいし身体能力抜群だしという妄想の産物みたいな感じになってずっこんばっこんとかそんなkんじにしようかなあって考えてたけどボツ理由に思い至った