人形岬無希の学園生活 作:やる気電力
生徒会戦挙書記戦 当日
「それでは、これより生徒会選挙書記戦を始めさせていただきたく存じます。まず始めに黒神さま、球磨川さまは少々前に来てもらってよろしいでしょうか」
黒神めだかと球磨川禊は疑問に思いつつ前に出た。そして、前に出た二人の腕を長者原融通が三つの手錠で繋いだ。
「…これは一体何の冗談だ?」
「いえ、あなた方は試合後も暴れるなど戦挙に支障を来たしかねないので、互いに互いを拘束していただく措置でございます」
『もー、長者原くん。そんな事しなくても僕は暴れないのに。それに、僕なんかと繋がれためだかちゃんが可愛そうだよ』
「…私は構わん」
「次に名瀬さま。あなた様は今回阿久根さまの代理でエントリーされましたが、あくまでも代理ですので、現生徒会側が勝利しても書記職に就くのは阿久根さまということをご了承ください」
「ああ、別にいーよ。俺は元々あの人形ナンチャラを倒せれば文句はねーからな」
「人形ナンチャラじゃなくて人形岬だよー。忘れないでよねー、名瀬先輩君!」
「ではこれより書記戦の試合形式を決めていただきたいと思います。人形岬さま、13枚のカードから一枚お選びください」
「んーと、じゃあ…それ!」
人形岬無希は台に置かれた13枚のカードの中から酉のカードを指差し、長者原融通は酉のカードをめくった。
「書記戦の形式は『燕の越冬』に決定いたしました」
「燕の越冬? 今度は燕を使うってことか?」
「いいえ、人吉さま。本物の燕を使うわけでは無く、燕は今回はあくまでモチーフでございます。書記戦の勝利条件は相手より長く建物内にいること。つまり我慢比べにございます」
「我慢比べ?」
〈箱庭学園内の校庭〉
「こちらの建物が今回の書記戦の舞台となります」
長者原融通の指差す先。そこには夏休み前までは無かった二階建ての正方形型の建物があった。
「それでは、これより書記戦のルールを説明するため、まずはこちらの建物について説明させていただきます。この建物は見ての通り二階建てになっております。二階は零下50度の極寒空間、一階は床に100度以上に熱してある鉄板が敷き詰められた灼熱空間となっております。また、この建物の一階と二階の移動は、四隅に設置された階段と中央の螺旋階段です」
「なっ、こんなとこで我慢比べをすんのかよ……」
「黒箱塾時代は氷室と火を放った家の二つを使って試合を執り行ったそうです。今回の試合は我慢する事が越冬の見立でございます。そして立候補者こそが燕であり、この試合は厳しい環境に耐える燕ということにございます」
長者原融通の言葉を聞いた現生徒会側のほとんどは絶句し、思考が停止してしまっていた。
「それではルール説明に入ります。①スタート位置は別々②建物から出たら負け③十秒以上意識を失った場合は負け④建物の破壊を目的とした行動をした場合は負け⑤降参は可⑥物の持ち込みは必要最低限の物以外は五種類まで、以上が主なルールとなっております」
長者原融通がルールの説明を終えると名瀬夭歌の手が静かに挙がった。
「なあ、長者原くん。服とかは持ち物に含まれるのか?」
「服は必要最低限の物となりますので、持ち物には含まれません。ですが、ジャンバーや帽子といった無くても問題ないような物は持ち物に含まれますので、名瀬さまの着けている包帯とナイフは持ち物に含まれますのでご注意下さい」
「そうか、ならこれは外しておくか」
名瀬夭歌は着けている包帯とナイフを外した。
ほとんどの人が思考停止する中、名瀬夭歌は既に試合に勝つ為に頭を回していた。
一方、もう一人の立候補者の人形岬無希も頭を回してはいた。だがそれは試合に勝つ為ではなく名瀬夭歌をめちゃくちゃにして壊す為だったことは誰も気づいていなかった。
「ねーねー、長者原くん君。五種類まで持ち込み可ってことはー、五種類までなら何個でも持ち込んでいいのー?」
「はい、問題ございません」
「良かったー」
「皆さま、他にはありませんでしょうか? では、試合は今から三十分後に開始いたします。名瀬さまと人形岬さまは持ち込みたいものを開始までの間に選挙管理委員まで申請しておいてください」
「はーい」「おう」
* * * * *
「では時間となりましたので両者建物に入ってください」
「わーい、僕が一番のり!」
人形岬無希は元気よく扉を開け手からて名瀬夭歌をめちゃくちゃにして壊す為に
「さてと、行くか」
名瀬夭歌は静かに扉を開けて人形岬無希を倒して勝つ為に
〈名瀬夭歌 持ち込み品〉
・注射
・メス
・クーパー
・ノーマライズ・リキッド
・GW1516
〈人形岬無希 持ち込み品〉
・鉛筆
・デジタルカメラ
・ボイスレコーダー
・睡眠薬
・自白剤