「束の奴、なんつー行き方してんだよ」
束が一夏たちのいる旅館に、人参ロケットで登場した頃蓮は旅館から少し離れたところにいた。
最初は束に「一緒に行こうよー」と誘われたが、丁重にお断りした。
あんなにんじんを模したものなんかに乗りたくはない。
束が一夏と話終わり何処かへ走り去っていったのを見て蓮はこれからどうするかを考える。
束について行ったら確実に目立つため却下、海で泳ぐというのも見つかるとダメなので却下。
「....結局束から連絡があるまで待機ってことか」
そう言って一夏達がいる砂浜の方を見るとビーチバレーをしていた。
周りには他の生徒が集まりなかなかに盛り上がっているようだ。
「ふっふっふ、7月のサマーデビルと呼ばれたこの私の実力を....見よ!!」
「何だよ....サマーデビルって」
蓮は今しがたジャンプサーブを放った女子のセリフを聞いてそう呟いた。
そうこうしているうちにビーチバレーは終わったようで、ぞろぞろと昼食をとりに食堂へ向かっていた。
蓮はあらかじめ持ってきていた昼食を食べながら先程ビーチにやって来た千冬の方を見ていた。
「げっ」
千冬と一瞬目が合った。
見つかっていないと思ったがそうでもないらしい、泳ぐのをやめてこちらを見ながら手招きをしている。
どうすれば生身の人間が3kmも離れている人間を見つけることができるのだろうか。
おれは渋々無影を展開してとりあえず束にプライベートチャネルを開く。
『どうしたの? わざわざプライベートチャネルで、何かあった?』
「何か、織斑千冬に見つかった」
『あ~、ちーちゃんならしょうがないね。どういう状況?』
「こっちに向かって手招きしてる」
『じゃあ行っておいでよ』
「了解....」
通信を閉じ、蓮は千冬の上に重力掌握を使い移動した。
「お前がいるということは、
「ええ、来ていますよ。今は篠ノ之でも探しているんじゃないですか?」
「ふっ、あいつらしいな....で、お前たちはなぜここにいる?」
「明日は7月7日でしょ? 束が妹にプレゼントを渡すそうです」
千冬は、そうか、といい短い自由時間が済んだのか旅館の方に帰っていった。
その帰り際に「あまり騒動を起こすなよ」とだけ言って去った。
「ふふっ、それは....約束できないな」
蓮は一人、誰もいなくなった海岸でそう呟いた。
*****
「レンくん、今日は大変だったねえ。ちーちゃんに見つかるなんて」
「ああ、まさかあの距離で気づかれるとは思わなかった」
「何にしても、いよいよ明日だよ。箒ちゃんの誕生日とレンくんが楽しみにしているヤツ」
「ああ。まあ、面白くなることを期待しておくよ」
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