とある規格外のIS操縦者   作:右左右左右

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14話

臨海学校2日目....いわゆる7月7日。

 

 

「さて、それでは各班ごとに振り分けられたISの装備試験をするように。専用機持ちは専用パーツのテストだ。全員、迅速に行え」

 

 

 はーい、と一同揃えて返事をし各班ごとに散らばり、準備を進めていく。

 

 

「ああ、篠ノ之。お前はちょっとこっちに来い」

「はい」

 

 

 打鉄用の装備を準備していた箒は、千冬に呼ばれてそっちに向かう。

 

 

「お前には今日から専用――――」

「ちーちゃ~~~~~~~~~ん!!」

 

 

 ずどどどど......! と砂煙を上げながらものすごい勢いの人影が走ってくる。

 

 

「....束」

「やあやあ! 会いたかったよ、ちーちゃん! さあ、ハグハグしよう! 愛を確かめ――ぶへっ」

 

 

 飛びかかってきた束を千冬は片手で止める。

しかも顔面だ。

 

 

「うるさいぞ、束」

「ぐぬぬぬ....相変わらず容赦のないアイアンクローだねっ」

 

 

 千冬のアイアンクローを食らっておきながら、何事もなかったかのようにその拘束から抜け出す。

よっ、と着地した束は、今度は箒の方を向く。

 

 

「やあ!」

「ど....どうも」

「えへへ、久しぶりだね。こうして会うのは何年ぶりかなぁ。大きくなったね、箒ちゃん。特におっぱいが」

 

 

 束は手をワキワキさせながら箒に迫る。

さすがの箒もそんな束を見逃せるはずがなく....

 

 

がんっ!

 

 

「殴りますよ」

「殴ってから言ったぁ....。箒ちゃんひど~い!」

 

 

 ....というふうに箒に制裁を加えられていた。

 

 

 そんなやり取りを見ていた一同は、皆ポカンとして眺めていた。

 

 

「え、えっと、この臨海学校では関係者以外――」

「んん? 珍妙奇天烈なことを言うね。ISの関係者というならば、一番はこの私をおいて他にはいないよ」

「えっ、あっ、はいっ。そ、そうですね....。」

 

 

 山田先生は、束に見事に言いくるめられた。

 

 

「おい束。自己紹介くらいしろ。うちの生徒たちが困っている」

「えー面倒くさいなぁ。私が天才の束さんだよ、はろー。終わり」

 

 

 そう言って、束はくるりと回る。

ポカンとしていた一同も、ようやく目の前にいる人物がISの生みの親である篠ノ之束だといことに気づいたらしく、女子の間が騒がしくなる。

 

 

「はぁ....。もう少しまともにできんのか、お前は。それで、頼まれていたものは....?」

「うふふふ。それは既に準備済みだよ。さあ、大空をご覧あれ!」

 

 

 びしっと上空を指す束。

その言葉に従って浜辺にいた生徒が上を向く。

 

 

ズズーンッ!

 

 

 激しい衝撃を伴って金属の塊のようなものが砂浜に落下した。

銀色をしたそれは壁のようなものが次々と消えていき、中のものを露わにした。

 

 

「じゃじゃ~ん! これぞ箒ちゃんの専用機こと『紅椿(あかつばき)』! 全スペックがある一部を除いた現行ISを上回る束さんとレンくんのお手製だよ!」

「レンくん?」

 

 

 それを聞いた一部の生徒がポツリとつぶやいたのを束は聞き逃さなかった。

 

 

「あれれ? 君たちもよく知っているはずだよ」

「....?」

 

 

 それを聞いた一夏たちはますます、わからないといった感じだった。

 

 

「それじゃあ、レンくん。隠れていないで姿をだしなよ」

 

 

 束がそう言うと束の後ろの空間がノイズが走るようにぶれた。

そしてその中から現れたのは無影を纏った蓮だった。

 

 

 それを見た一夏や鈴、セシリアは身構え、箒は一歩後ずさる。

シャルロットは状況が飲み込めず一夏の方を見て「....?」といった感じだった。

ほかの生徒に至っては、震えているものもいた。

そんな中で唯一違う反応をしていたのがラウラだった。

 

 

「あなたはあの時の....」

 

 

 ラウラはVTシステムの際、助けてもらっていた。

その為、ISだけはよく覚えていた。

 

 

 そして蓮は無影を解除し本当の意味で姿を出した。

 

 

「お、男?」

「そうだよ。レンくんは世界で一番最初の男性IS操縦者であり束さんと同じく、唯一ISのコアを作り出せる男性だよ」

 

 

 その言葉に、砂浜にいた全員が騒ぎ出す。

束しか作れなかったコアを他に作れる人物が現れたのだから当然であると言える。

 

 

「ちょっと待ってください。世界初の男性IS操縦者は一夏のはずじゃあ....」

 

 

 シャルロットが気になった部分を束に質問する。

それをを聞いた束は、ああ、そんなことか、と続けて話す。

 

 

「公式ではね。でもいっくんって4ヶ月前に初めて動かしたんだよね。でもね、レンくんは何年も前から動かしていたんだよ」

 

 

 それを聞いて辺りはさらに騒がしくなる。

 

 

「そしてさらに、さっき言った一部を除く、のその一部がレンくんの機体なんだよ」

「そこまでにしておけよ、束。これ以上事を大きくするな、面倒だ」

「はーーい。それじゃあ箒ちゃん。今からフィッティングとパーソナライズを始めようか! 私が補佐するからすぐに終わるよん♪」

「は、はい....頼みます」

 

 

 箒は蓮の横を通る時少しばかりこわばっていた。

そんな箒を見た一夏は蓮を睨む、しかし蓮はどこ吹く風といった感じでまったく相手にしなかった。

 

 

「じゃあ、始めようか。レンくんもよかったら手伝ってよ」

「まあ、それくらいならいいだろう」

「あと、箒ちゃんのデータはある程度先行して入れてあるから直ぐに終わるよ。」

 

 

 蓮と束は何十というコンソールを開き指を滑らせる。空中投影ディスプレイを全12枚ほど呼び出すと膨大なデータに目を配らせて、それと同時に同じく12枚呼び出した空中投影

 

のキーボードを叩いていった。

 

 

「はい、フィッティング終了~。超早いね。さすが私達」

 

 

 作業は数秒で終わった。その速さは尋常ではなく、束と蓮の技術の高さを物語っていた。

 

 

「あとは....レンくんパーソナライズもしておいてよ」

「ん、わかった..........はい、終わり」

「んじゃさ、試運転も兼ねて飛んでみてよ、箒ちゃんのイメージどうりに動くはずだよ」

「ええ、それではやってみます」

 

 

 そう言って箒は紅椿を纏い、飛翔した。

 

 

「どうどう? 箒ちゃんが思った以上に動くでしょ?」

「え、ええ。まあ」

「じゃあ、刀使ってみてよ。右のが『雨月』で、左のが『空裂』ね。武器特性のデータ送るよん」

 

 

 そう言って、束は指を躍らせデータを送る。

そうして箒は各武器を操り、束が用意したミサイルも全て破壊した。

 

 

「―――やれる! この紅椿なら!」

 

 

 そんな時だった。

 

 

「たっ、た、大変です! お、おお、織斑先生っ!」

「どうした?」

「こ、こっ、これをっ!」

「特命任務レベルA、現時刻より対策をはじめられたし....」

 

 

 そして数人の生徒の視線を感じたふたりは手話でやりとりをはじめる。

しかし元々傭兵であった蓮にはその手話の内容は筒抜けだった。

 

 

(ハワイ沖で試験稼働をしていたアメリカとイスラエルの共同開発のIS、福音(シルバリオ・ゴスペル)が制御下を離れて暴走....か)

 

 

「――全員、注目!」

 

 

 千冬は手をパンパンと叩き生徒全員を振り向かせる。

 

 

「現時刻よりIS学園教員は特殊任務行動に移る。よって今日のテスト稼働は中止。各班、ISを片付けて旅館に戻れ。連絡があるまでは各自室内待機すること。以上だ!」

「え....?」

「ちゅ、中止? なんで? 特殊任務行動って......」

 

 

 不測の事態に女子一同が騒がしくなる。

しかしそれを千冬が一喝で制した。

 

 

「とっとと戻れ! 以後、許可なく室外に出たものは我々で身柄を拘束する! いいな!!!」

「「「はっ、はいっ!」」」

 

 

 全員は、急いで今まで使っていたISを片付け始めた。

 

 

「専用機持ちは全員集合しろ! 織斑、オルコット、デュノア、ボーデヴィッヒ、凰!――それと、篠ノ之も来い!」

「はい!」

 

 

 異様にハキハキとした返事をする箒を見て笑っている束の横で蓮はこれから起こることを考えていた。




只今、活動報告の方でアンケートをしています。
皆!! 書いてって(´・ω・`)


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