29話
翌日、一年一組の出し物がボーデヴィッヒが提案した織斑と俺が執事をし他の女子が調理、メイドをするメイド喫茶に決定した。
織斑は最後まで抵抗(無意味)をしていたがクラスの女子に言い負かされ、最後は渋々と納得していた。
そして、楯無との模擬戦の日の放課後が訪れた。
そういえば、どこでやるか聞いてなかったな......
場所を決めてなかったことを思い出し、蓮は生徒会室に向かった。
「ーーーどうぞ」
ノックをするとすこしして返事が来たので、失礼しまーすといいながら部屋の中に入った。
しかし生徒会室の中にはお目当ての楯無はおらず、三年の虚さんが会計としての仕事をしていた。
「あれ? 生徒会長さんは何処へ?」
「会長なら織斑君と一緒に剣道場の方に行ったわよ」
「剣道場?」
「ええ。なんでも彼の特別コーチをするとか」
「へぇー。ま、剣道場の方に行ってみますね。ありがとうございました」
生徒会室を出る時に虚に一礼して、蓮は生徒会室を後にし、剣道場に向かった。
◆
蓮が剣道場に着くと楯無と織斑は柔道着に着替えて、組手をしていた。
「ねぇ。知ってる? この学園において、生徒会長というのはある一つの事実を示しているわ」
楯無は織斑に話しかけるが、織斑からの返事はない。というよりは返事をする余裕がない。
「生徒会長というのはねこの学園においてーーー」
織斑の体がフッと浮いたかと思うと体は床に叩きつけられた。
織斑はかなり痛そうにしていたがすぐに起き上がり構えを直した。
どうやら勝敗には何か条件があるらしい。もし柔道であるなら今の一本背負いで勝敗は着いているからだ。
「ーーー最強を意味するのよ‼︎」
楯無は織斑を見下ろしながら言った。
すると、構え直した織斑はさっきよりも鬼気迫った表情で楯無を掴みにかかる。楯無の襟を掴み、織斑は取った! といった感じで表情が華やいだがそれも一瞬だった。
織斑が襟を掴んだことにより楯無の胸元がはだけ下着が露わになった。
このラッキースケベめ......
とうの楯無はうつむき、表情が読めなかったがすぐに顔をあげた。
「一夏くん?」
「は、はいっ!?」
その顔は笑顔なのに妙な威圧感を感じさせ、織斑は思わず後ずさる。
「
楯無は拳を握りしめ、振り上げる。
織斑は冷や汗をかきながらも、動くことが出来なかった。
楯無の右ストレートは織斑の鳩尾に吸い込まれ、ゴロゴロと転がり、壁に当たってようやくとまり気絶した織斑を楯無と外で見ていた蓮の二人がかりで保健室に運んだ。
◆
織斑が目覚めたあと、楯無、蓮、織斑、織斑千冬の四人で再び剣道場に来ていた。
織斑姉弟が来ているのは俺たちが剣道場に行こうとした時、ちょうどその場に織斑先生がおり、何処に行くのか聞かれ、模擬戦をする事を伝えると織斑(弟)に
「参考までに見てこい」
と織斑にいい、自分は
「やり過ぎない様、私が審判をしてやる」
との事。
誰も頼んでないんだかな......。
そして現在、蓮と楯無は胴着に着替えて向かい合って立っていた。
蓮は腕を垂らした自然体の状態、対して楯無は腕を前に軽く構えいつでも対応できる状態だった。
「では、はじめ‼︎」
織斑先生の合図によって蓮と楯無の模擬戦は始まった。