天井から兎が現れた。兎といってもまんま動物の兎ということではないれっきとした人間の少女?だ。
なら何故兎というのかと聞かれたら、少女の見た目がそうなのだから仕方がない。
天井裏から顔だけを覗かせてニコニコしている少女の頭には、メカニックなウサ耳がついていた。
「「…………」」
天井からウサ耳を付けて顔をのぞかせる少女とコップを片手に固まっている少年、という変な図が出来上がってしまっているが気にしない。
少年は事前に気配は掴んでいたため少女が現れたことには驚かないが、少女の格好の奇抜さにただ呆然としていた。
しかし少女はそんな少年のことなど知らずニコニコだった笑顔は沈黙が深まるごとに顔に冷や汗を垂らしながら焦った表情に変わっていく。
「あ、あれ? もしかして私、部屋間違えちゃったかな?」
「い、いや....部屋はあってるが....」
少年がそう答えると少女はとおぅ、と言いながら天井からくるりと一回転して床に着地した。
降りてきた少女の服装はこれまた奇抜なものでもはや一人不思議の国のアリスとしか言いようがなかった。
「だよねだよね。この束さんが間違えるわけないよねー」
「束? お前、まさか篠ノ之束か?」
「そうだよー。私は天才、篠ノ之束さんだよー」
彼女、篠ノ之束はIS開発者であり、今世界が最も探している人物でもある。
探しているというのも、彼女はISを発表したあとすぐにいなくなったのだ。
そんな彼女が現れた驚きと同時に疑問を感じた。
――――何故俺のところに?
彼女はさっきも言ったように世界中が探している人物だ。
そんな彼女が見つかるような危険を冒してまで少年のところに来た。
それが何故か、少年にはわからなかった。
故に問う、何のために自分のもとに来たのかを......
「それはね、君を迎えに来たんだよ」
「......はぁ!?」
少年は予想外の答えに素っ頓狂な声をあげて立ち上がってしまった。
しかし彼女の目を見て静かに座った。
少年が見たとき彼女の目は真剣そのものだった。
「なんで俺を迎えに?」
「君はある意味では、私が作ったISの被害者なんだよ。ISの女性にしか扱えないところを研究者が男の操縦者を作り出すって躍起になってる時に、君は誘拐され、記憶を消され、改造され、そして....適合し、世界でただ一人の男性IS操縦者になったんだよ。そんな君を私は世界からせめてもの罪滅ぼし....ううん、ただの自己満足かな。でも、ただの自己満足でもいいから、私は君を利用しようとする人間から守りたい、だから迎えに来たんだよ」
つまり篠ノ之束は俺のことを不幸で可哀想な男と見て哀れんでいるのか....
「ふざけるなよ!! 確かに施設にいたときは毎日続く実験が嫌で嫌で仕方なかったさ、何度も死にそうになってきたこともある。その実験で人間離れした力をつけて周りから恐れられることもあったさ、でもな俺はそのことを不幸だとは思っていない。人を不幸と勝手に決めつけんじゃねぇ!!」
「....そっか、君は....その力のせいで歪んでしまった人生を、不幸と思わないんだね」
そう言うと束は少年に右手を差し伸べて、ニッコリと笑う
「それじゃあ....私と一緒においで!!」
「......ああ!!」
*****
その後
「そういえば君って、名前なかったよね?」
「ん? ああ、ないよ」
「じゃあ、君は今日から篠ノ之 蓮(しののの れん)ね」
「え?」
少年の名前はいつの間にか決まっており、少年は
P.S
束の隠れ家に行くために束が用意したロケットが上空でどこかの国の戦闘機にミサイルと間違えられて撃墜されそうになったのは内緒である。
何か、とあるのエンゼルフォールのときの上条ちゃんみたいになっちゃいました。
本当はこんなキャラじゃないのに....。
これでいいのか!!?