交代人格たちには主人格って呼ばれる。
過去の家庭環境の影響がまだ残っている。
主人格 01話
…僕は誰なんだろう。
不意に思うことがある。
僕には人格がいくつもある。
精神科医は解離性同一性障害って言う。
でも、僕は障害だなんて思わない。
だって、生きていく上で不便は少ないから。
そう思わないと、やってけないでしょ?
辛い過去なんて、僕にはもう無い。
だから、思い出すことはできない。
思い出すにはこの記憶を知っている人格に聞かないといけない。
でも、怖いから聞かない。
それが僕の精神を破壊から救う唯一の手段だったんだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
僕は高校一年生。もともと中学の勉強じゃ困らなかったから、近くのそこそこいい高校に入ることができた。でも、困るのは…
『よお、お前なりの高校生活ってどんなんだよ』
…こいつらの存在だ。
交代人格の中でも見境のないやつはいつであろうと僕の精神に干渉してくる。
(別にどうってこともないよ)
『おかしいな、俺の聞いた事だと、今頃教室で友達とガヤガヤ騒いでるんじゃなかったのかw』
(…うっさい)
確かに、僕はそうなりたいと願った。でも、できなかった。他人と話すなんて………
だから昼休みの今は音楽室にいる。誰も来ない一人の空間でご飯を食べる。これがまた良い。
『かずや、主人格にそんなこと言ってもしょうがないよ。主人格はあれでも頑張ってるんだから』
『うっせえなぁ、大体とうやだってたまに昼休みに体を乗っ取って将棋を挑んでんじゃねえか』
今、聞き捨てならないことを聞いた気がする。
(…は? 何?)
『なんでもない! 何でも!!』
ここで単純に責めるのは良くない。それじゃあ、小学校のトラウマの脳筋怒鳴り散らしヤローと一緒だ。その脳筋怒鳴り散らしヤローも、かずやが撃退してしまったのだが………
(別に自由にしてもらうのは構わないんだけど…)
『か、構わないけど…?』
(…誰?)
一番気になるのはこれなんだ。
『…………』
(…誰と将棋やってるの?)
『………です』
(は? はっきり言って)
『クラスの室長です!』
僕は10秒ぐらい停止した。体の方の動きに考えがいかず、持っていた箸を落としてしまった。
(……マジで?)
『はい、本当です…』
我が学級の室長といえば、学年一顔が広いお方じゃなかったか…?
(……強いの?)
『いや、全然』
(それ、本人に言ったりしてないよね?)
『…言っては…ないと思う……』
後半にかけて、声が小さく聞こえる。つまり…
(言ったんだ…)
ため息を漏らし、僕は弁当を片付けることに専念する。時計は授業が始まる五分前を指す。
(授業に戻ろう……)
こんな言葉にも反応する。
『次は何? 数学だったら僕に変わってよ!』
『体育だったら俺だな』
(僕予定黒板見てないから次何か知らないし………それよりいきなり変わろうとするのやめて。精神的に負担が大きい)
『…………』
(黙って逃げないで…)
彼らのことは仕方ないと諦め、僕は弁当箱を持って教室に入ろうとしてようやく気付いた。授業は案の定体育で、教室には鍵がかけられて入れなかった。すぐにかずやに交代した。
クリムゾンです。この小説は定期的に更新する気は無いので気が向いた時に来るとでも思っておいてください。
ちなみに、作者は次二年生になります!なのでネタはまだまだたくさん…!