『暁紅』第二話になります。今回は『真剣で私に恋しなさい!S』の主人公『直江大和』の視点になります。
まだまだ物書きとしては素人ですが、読者様が楽しめる作品にしていこうと思いますのでよろしくお願いします。
川神市、島津寮。
まどろみの中から目覚めた少年の視界いっぱいに青い髪が映る。
「おはよう大和、そして好き」青い髪の正体、椎名京が大和に馬乗りになり、唇を近づけてくる。
「おはよう京、お友達で」京の額を押してキスを阻止。
「フラれた…。あと少しだったのに」ガクンと京がうなだれた。
☆
布団をたたみ。二階から一階の食堂に向かうと、少女があいさつしてきた。
「大和、おはよう」声の主。クリスティアーネ・フリードリヒは、ドイツのリューベックから川神学園に来た留学生で、長い金髪が目を引く美少女だ。
「おはよう、クリス」あいさつを返し、席に着く。
朝食はご飯、味噌汁、たくあん、鮭の塩焼きの和食だった。
「そういえばキャップは?」大和が近くを通り過ぎようとした卵型のロボット『クッキー』に訊ねる。クッキーは世界に名だたる財閥の一つである『九鬼財閥』が作りだした高性能お世話ロボットだ。
「マイスターなら、まだ寝てるよ。もう少しで起きると思うけど」ロボットとは思えない声が返ってくる。
「そうか」そう言っていると、食堂の外からドタドタと足音がして食堂の扉が勢いよく開く。
「おはようみんな!今日も元気か!」朝から元気いっぱいのキャップこと風間翔一だった。赤いバンダナがトレードマークであり、大和たち『風間ファミリー』のリーダーをしている。
「おはようキャップ、朝から元気だね」
「おう!なんか今度、転入生が来るそうじゃねえか!気になるぜ!」
「転入生?」京が赤く染まった激辛たくあんを飲み込んで訊ねた。京特性激辛ソースである。辛党の京はこのソースを常に持ち歩いている。
「学長とルー先生が話してるのを聞いちまってな」
「転入生か…」どのような生徒か気になる大和であった。
☆
通学路、多馬大橋。
「おお!きわどいぜ、このシャワーシーン」
「でしょ?これコミックスだと、乳首書き足されるね」男二人並んで本日発売の漫画雑誌を読んでいた。ちなみに、きわどいと朝っぱらから言うこの少年は島津岳人といって、大和たちが寝泊まりしている島津寮の管理人『島津麗子』の息子であり、風間ファミリーの一員だ。常に彼女募集中の餓えた獣な一面もある。
もう一人の、乳首と朝っぱら言うこの少年は師岡卓也といって。彼もまた、風間ファミリーの一員だ。
「ほう?転入生か。それは初耳だぞ?」大和の隣を歩きながら。武神、川神百代が言う。
「どんな人かしら?」タイヤを引きずりながら川神一子が言う。ちなみに、この二人は姉妹で、百代が姉である。
「一年生でしょうか…」一人つぶやく少女の名は、黛由紀江という。国から帯剣を許可された『剣聖』黛大成の娘であり、友達100人を目標にがんばる一年生。風間ファミリー唯一の一年生でもある。
そうこうしていたところに一台のバイクが後方からやって来た。
バイクに乗った犯人は師岡の漫画雑誌をぶんどると、前方に走り抜けていった。
「あぁ!ぼくの漫画が!」一子とクリスがバイクを追いかけるが徐々に距離を離されていく。
と、犯人が左手をハンドルから離した。どうやら、少し前を歩く男女の男が手に持っている袋を盗ろうとしているようだ。
「危な———————」一子が叫ぼうとした時。男は突如振り返り、犯人を殴り飛ばした。
「おごぉ!」苦痛の声を上げ、犯人は地面を転がった。
「盗みはダメだな」男が犯人を見下ろしながら言う。そして漫画を手に取った。
「週刊少年ジャソプ。巻頭カラー、人気絶頂、かずおの大冒険、か…。これはお前のか?」
「い、いや!俺のじゃない!」
「じゃあ誰の——————」
「あぁ!僕の漫画!」犯人の後方から駆け付けた師岡が声を出す。
「これはお前のか?」
「はい…」
「そうか」そういうと男は漫画を師岡に差し出した。師岡が受け取ると踵を返し女と一緒にその場を去った。
「あの男、相当のヤリ手だぞ」ボソリと百代が言う。
「え?」大和が振り返る。
「まったく隙がなかった。相当な手練れだな」そう言う百代の顔を喜びに溢れていた。
いかがだったでしょうか? 『暁紅』第二話をお届けしました。
犯人を殴り飛ばした男の正体は次回明かされます。
まぁ、わかってる方もいらっしゃると思いますが……。
今回は地の文が説明的になってた気がしますが。読みやすく書けていたらいいな~。と思います。
それでは、次回作は海斗に視点を戻して書こうと思います。
それでは。また次回作で。