暁紅   作:昆布豆豆太郎

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どうも、昆布豆豆太郎です。

『暁紅』第三話になります。

今回は視点を海斗に戻し、すこしですがバトルシーンも入れてみました。

それでは、ゆっくりお楽しみください。


初めての決闘

「さっきの、川神学園の生徒よね?」隣を歩く麗華が訊ねる。

「そうみたいだな。俺たちと同じクラスになるかはわからないが」

(それにしても。かずおの大冒険ってクソつまらなかったが、川神じゃあ人気なのか?)

そうこうしていると、二人は川神学園に到着した。周囲の生徒が不審がる。

それもそのはず、教師には見えないスーツを着た男と。それを従えているように見えるかもしれない女が学園に踏み込んで来れば嫌でも目立つ。

「そこの二人、止まりなさい」背後から声をかけられ振り向くと、赤い髪に眼帯、さらにどこぞの軍服という風貌の女性が『休め』の姿勢で立っていた。

「…なんだ?コスプレか?」

「どこかの軍人なんじゃない?」

「お前たち、この学園は関係者以外立ち入り禁止です。帰りなさい」

「なら問題ないな、俺たちは関係者だ」

「?…訳の分からないことを。言葉でわからないというのなら、仕方ありません」女が背後から腕を露わにすると、両手にトンファーが握られていた。

(…どこから出したんだ?あれ。背中に隠すには少々無理があるんじゃないか?)

「実力行使に出ましょう!」そう言い女は海斗に遅いかかってきた。トンファーによる鋭い一撃が海斗を捉えようという時。二人の間に何者かが割り込み、トンファーを防いだ。

「待つんダ、マルギッテ。彼らは関係者ダ」訛りのある日本語を喋る中国人は女を止めると、海斗へと向く。

「すまなかったネ、君たち。ケガは無いかイ?」

「ぐぅ!腕をやられた…!」腕を抑える海斗を麗華が蹴り飛ばす。

「嘘を言わない!」

「……大丈夫だ、問題ない」

「そうカ、そうカ。なんともなくて良かったヨ」

「そんなことより、あんた誰だ?」

「私ハ、川神院師範代のルー・イーだヨ。ここ川神学園では体育教師をしている」

「教師か、わかった」

「不審な人物ではなかったのですか、失礼した」女———マルギッテが頭を下げる。

「いえ」麗華もつられて頭を下げる。

「学長に用があったんだよネ?案内するヨ」ルーに連れられ麗華と海斗は校舎へ入っていった。

一人残されたマルギッテはわずかに震えている己の腕を凝視した。

(私が一撃を繰り出すときのあの男の殺気は、尋常ではなかった。あの男、川神百代並みに厄介かもしれない)

しかしマルギッテの口は、嬉しそうに釣り上がっていた。

 

                      ☆

 

川神学園、学長室

 

「では、お主らには今日から2-Fに転入してもらう」川神院総代にして川神学園学長である川神鉄心は麗華と海斗にそう告げた。

「わかりました。でも…」麗華が歯切れの悪い声を出す。

「ほっほ。心配せずとも、教科書や寝食などの手配はすでにすましておる」

「ありがとうございます。それでは、これから2-Fの教室に行きます」麗華が頭を下げる。

「まぁ待て。もうちょっとでお主らの担任が着く。説明などを受けながら向かうがよい」

「わかりました」

 

しばらくすると、一人の女性が学長室に入ってきた。髪を後頭部のあたりでまとめている。

「学長、彼らが転入生ですか?」

「そうじゃよ、二人を頼んだぞい。小島先生」

女教師は頷くと、海斗たちに向く。

「私が今日からお前たちの担任になる、小島梅子だ。よろしく」

「二階堂麗華です」

「朝霧海斗だ」

「うむ。ではさっそく教室に向かうとしよう」梅子は鉄心に一礼し、学長室を後にする。それに海斗たちもついて行った。

 

                      ☆

 

「ここで待て」教室の前に来ると梅子は二人を廊下に残し、教室に入っていった。

転入生だけが味わうこのそわそわした感じ。それを海斗たちは味わっていた訳でもなく、平然としていた。

しばらくして、教室の中から「入れ」と声がしたので二人は教室に入った。

まず、海斗が入った瞬間に喝采が、特に女子連中から起こった。

そして麗華が入ると、男子連中から喝采が起こった。

「静粛に!」梅子が地面を鞭で打つ。室内が静かになったところで、梅子が切り出した。

「では二人とも、自己紹介を」

「二階堂麗華です。よろしくおねがいします」

麗華が言い終えると拍手と喝采が、特に男子連中から起こる。そしてしばらくして静かになる。

「朝霧海斗だ、よろしく頼む」またしても拍手と喝采が、今度は特に女子連中から起こる。

「うむ。では質問のある者は挙手しろ」梅子が生徒を見回す。

「はい!」一子が手を上げる。

「はい!川神」

「朝霧君に質問!なにか武道をしてるの?」

「いや、してないが」

「じゃあ今朝、なんであんなことが出来たの?」

「今朝?」

「バイクに乗った犯人を殴り飛ばしたアレ」

「たまたまだ」

「う、…簡単に答えてくれないわね。なら、決闘よ!私が勝ったら、タネを明かしてもらうわ!」ズビシッ!と海斗を指さす一子。

「決闘?」

「ここ川神学園には、生徒同士が白黒はっきりつけるために『決闘』というルールがある」梅子が説明する。

「それはなんだ?学力テストでもするのか?」

「いや、基本的には一対一の戦闘だ」

「今サラッととんでもないこと言わなかったか?生徒同士の戦闘を学校が了承するのか?」

「そういう規則だからな」

「……戦闘って言われても。第一タネなんかないし…」海斗は麗華を見やる。

「許可するわ、海斗」海斗の視線の意味を理解してGOサインを出す麗華。

「ただし、勝ちなさいよ」

 

                      ☆

 

グラウンドに出てきた2-Fの面々は、各クラスから注目を浴びていた。

「これより!決闘を開始する。時間制限はなし、どちらかが降参するか、こちらが判定するまでの勝負だ!なお、武器はレプリカを使用すること」

海斗と一子がグラウンドの真ん中で向かい合う。

「それでは…、はじめ!」梅子の合図と同時に一子が薙刀で斬りかかる。

それを海斗は難なく避ける。二撃、三撃も難なく避ける。

「おいおい、ワン子の攻撃がかすりもしねーぞ」岳人が唖然としている。

「動きに無駄がない、すごいものだな…」クリスが感心している目の前で、海斗が大きく踏み込み、一子との距離を詰める。

「なっ!」一子が薙刀を力いっぱい横薙ぎに払う。しかし海斗はそれを難なく片手で掴み、空いている手で一子の腹部に拳を叩き込んだ。

「うぐっ!」苦悶の声を上げる一子、少女一人には拳一発で十分だった。

「それまで!勝者、朝霧海斗!」梅子の合図と共に、周囲が歓声に包まれる。

「ご苦労様、海斗」麗華が海斗に近づいてくる。

「あぁ」

「それでは、生徒は全員教室に戻れ!」梅子の指示を受け、生徒達は校舎に入っていった。




いかがだったでしょうか?

『暁紅』第三話をお届けしました。

海斗と一子のバトルシーン、いかがだったでしょうか?
あまり読み応えのないバトルシーンだったでしょうか?
今後はバトルシーンの方にも力を入れていこうと思いますので、よろしくお願します。
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