暁紅   作:昆布豆豆太郎

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どうも、昆布豆豆太郎です。

『暁紅』第四話になります。

今回、『麗華』と『麗子』の二人が出てきます。パッと見では見間違うかもしれませんので、『麗華』と『麗子さん』とさせていただきました。

それでは、ごゆっくりどうぞ。


寮入り

授業が終わり、帰りのHRが始まった。

「二階堂と朝霧は島津寮で寝泊まりすることになっている。既に荷物は届いているはずだから、確認しておくように」梅子が海斗と麗華を見る。

「わかりました」

「わかった」

「風間、彼らを寮に案内してくれ」

「わっかりました~!」翔一が盛大に頷く。

「それでは、解散!」

 

「よ!もう寮に行くのか?」HRが終わると、翔一が近づいてきた。

「ああ、そのつもりだが」海斗が応対する。

「そんじゃあ、ついてきてくれ」教室を後にする翔一を海斗たちは追いかけた。

 

                      ☆

 

「あんたら、どこから来たんだ?」寮への道すがら、翔一が訊ねてきた。

「暁東市の高等区ってところから」海斗が答える。

「暁東市…、犯罪が少ないっていうあそこか」

そうこうしていると、前方に数名の川神学園生徒が並んで歩いていた。それを見た翔一は声を上げる。

「お~い!大和に京、それにガクト!」呼ばれてこちらを振り返った男女には見覚えがあった。2-Fの生徒だ。

「あれ?キャップ。案内中?」真ん中の普通そうな生徒、大和が翔一に訊ねる。

「おう!なんでも、暁東市ってところからきたらしい」

「知ってるよ、二階堂って有名だしね」

「なんだ、知ってたのか…」ガッカリする翔一。

「知らねーのはキャップぐらいだぜ」岳人が呆れながら言う。

「でよ~、二階堂ってなんだ?」翔一が訊ねる。

「本当に知らないのキャップ?日本でも有数の大財閥だよ?」と大和。

「は~、なるほどな~。どうりで気品っつうか、オーラがあるはずだぜ」

「こいつに気品なんて無いぞ?」横槍を入れた海斗を蹴飛ばす麗華。

「あるわよ!」

「おもしろいな~、おまえら」

和気藹々と一行は帰路を進んだ。

 

                      ☆

 

「あんたたちが今日からうちで寝泊まりするっていう麗華ちゃんと海斗君だね?」寮についた海斗と麗華を出迎えたのは麗子さんだった。

「ああ」

「お世話になります」

「あたしゃ、この寮の管理人の島津麗子だよ。荷物は部屋に届いてるから、確認しておいておくれ」

「わかりました」

「で?部屋はどこだ?」

「麗華ちゃんの部屋は二階で、海斗君の部屋は一階にあるから。あと、二階は男子禁制だからね。もし破れば、怖い目に逢うよ」

「わかった」

「それじゃあ、京ちゃん、麗華ちゃんを部屋に送って行っておくれ」

「わかった」京が麗華を連れて二階へ。

「大和ちゃん、海斗君を部屋に送って行っておくれ」

「わかりました。それじゃあ、行こうか」

「ああ」大和に連れられ、海斗も部屋に向かった。

 

「ワン子との決闘どうだった?」

「ワン子?」

「川神一子、俺たちは『ワン子』って呼んでる」

「なるほどな。攻撃が単調だったから読みやすかったな」

「あまり動いてなかったけど。そんなに単調だった?」

「動き一つ一つにキレが無かった。重りでも着けてるようだったな」

「その通り。ワン子はいつも重りを着けてる。そのおかげで何回も負けてるんだけど」

「重りを外したら負けるかもな」

「…そんな顔してないよ」

「…ばれたか。お前、頭良さそうだな」

「普通だよ」そう言っていると、海斗の部屋の前についた。

「ここだよ」

「わざわざ悪いな」

「気にするなよ」そう言うと、大和は自分の部屋に入っていった。

 

                      ☆

 

部屋に入った海斗は荷物の確認をし。朝買った、というか麗華に買ってもらった本を読みはじめた。

そうしていると、夕食の時間となり。呼びにきた大和とともに食堂へ。

「おっ、来たか。ここだここ」海斗を見て、翔一が席を示す。

海斗が座ったところで食事が始まった。

「朝霧殿と二階堂殿はどのような関係なんだ?」唐突にクリスが訊ねてくる。

「ボディーガードとプリンシパルだ」

「プリンシパル?」首を傾げるクリスに海斗が説明する。

「麗華は大財閥である二階堂のお嬢さんで、そういった要人をプリンシパルというんだ」かなりかいつまんで説明したがクリスは理解したのか「フムフム、なるほど」と頷いた。

「あと、朝霧『殿』とかって呼び方じゃなく普通に呼んでくれ」

「ああ、では…。『海斗』と『麗華』というのはどうだろう?」

「普通だが、それがいいな」海斗が納得して頷く。

「そうね」麗華も頷く。

 

 

その後、食事を済ませ。海斗は男連中と一諸に風呂に入っていた。

「やっぱり、交流を深めるには風呂が一番だな」翔一が髪を洗いながら言う。

他の者は、体を洗い終えて湯船に浸かっていた。

「てか、なんで俺まで一緒なんだ?」源忠勝が不思議そうに言う。

「いいじゃんゲンさん、せっかくだし一緒に入ろうぜ」

「ったく」悪態をついても風呂から上がろうとしない忠勝。

(…ツンデレってやつか)海斗は横目で忠勝を見ながら、暁東市にいる友人たちのことを考えていた。

(どうしてるかな…。そういえば今日の献立は尊の大好きなサーロインステーキだったはずだな。大喜びで食ってるだろうな)

 

「ぶえっくしょん!!」同刻、暁東市二階堂邸。

「ど、どうしたのですか!?宮川様?」尊徳がいきなりくしゃみをしたことに驚き、勢いよく振り返る彩。

「い、いえ。なんでもありません、彩お嬢様」

「風邪でもお引きになられました?」

「いえ、誰かが僕の噂でもしたのでしょう」

「はぁ…。それにしても今日の夕食のステーキは美味しかったですね」

「はい。霜のふったいいお肉でした」

「宮川様。大喜びで食べられてましたね」

「うっ。お、美味しかったので。つい…」

 

                      ☆

 

風呂から上がり、読書を再開した海斗は、そのまま朝まで本を読み続けた。




いかがだったでしょうか?

『暁紅』第四話をお届けしました。 今回、マンガとか小説でありそうな『噂でくしゃみ』を書いてみました。いかがだったでしょう?

次回から『前編』『後編』の二部構成で一話書こうと思います。理由は、本格的なバトルシーンに入るからです。
『真剣で私に恋しなさい!S』の最初の方の大規模なバトルシーン……。この時点で「あっ!あれか!」と思う方もいらっしゃるかと思います。
この第五話に海斗と麗華がどう絡んでくるか。現在、繊細かつ綿密に、急ピッチで話を作っております。

どうか、もうしばらく待っていただければ幸いです。

それでは、次回をこうご期待!
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