【GE作者合同投稿企画】MMOだよ、神喰さん! 作:GE二次作者一同
投稿作品「私はただ生存率を上げたい」
コラボなんて初めての体験ですので上手く出来てないかもしれない……短いですし、すみません。オリ主と書いてますが、個人作品のオリ主とは別です
あちこちから湧き上がる怒号。空間を震わせる幾つもの咆哮。絶え間ない銃撃音が硝煙の臭いとともに辺りを包み込み、否が応でも今自分がたっているそこが戦場なのだと思い知らされる。
ゴッドイーターになってからまだ数日と経っていない為に訓練の一興として放り込まれたそこは、覚悟が足りなかった自分にとっての地獄と化していた。恐怖のあまりか身体は思うように動かない。ドレッドパイクやオウガテイルを練習施設で相手にしていた時よりも、遥かに身体が重く動きがぎこちなくなっている。
雷を纏い獅子の如く暴れまわる大型アラガミのヴァジュラ、数体発生しているそれらを十数人がかりで食い止めるゴッドイーター達。ベテランらしい人もいれば、自分と遜色のない新人ですら周りに散らばっている小型アラガミよりもそれを相手に立ち回っていた。
恐怖と緊張で視界がぐらつく。こうして二つの足だけで身体を支えられていることさえ奇跡かもしれない。一瞬世界が静止、歪んだかと思えば、気がつけばアラガミもゴッドイーターもその多くが何処か違う場所へと移動していた。まるで、瞬間移動でもしたかのようだった。
次に襲いかかってきたのは背中に走る鋭い痛み。見ると、オウガテイルの針が背中に突き刺さっていた。幸いにも深く刺さってはいないので、ゴッドイーター特有の治癒能力も相まってさほどダメージは負っていない。だが不幸なことに、その小型アラガミ達は自身を囲む様に発生していた。
「…………っ」
奥歯を噛み締め痛みに堪えながら、突き刺さった針を引き抜く。与えられたばかりで特有の使い方だってまだイマイチ分かっていないロングブレードを構える。味方はいないのかと辺りに目配せしても、みんながみんな大型アラガミに集中しているせいで誰もこちらにこない。
もしくは。確認していたとしても来てくれないのだろうか。
また、視界がぐらついた。気がつけば小型アラガミ達はすぐ近くにまで接近していた。形のある『死』が、すぐそこにあった。
「っお、おおおおぉぉぉぉ!!!」
己を鼓舞するように、恐怖を誤魔化すように大声をあげる。焦燥が振り切れないまま左足を踏み込み神機を構える。訓練の通りにやればいい。今ここで必要なのはその場でやる小刻みな攻撃ではなく、その場からアラガミの肉を断ち切りながらその場から大きく移動すること――!
「ぜああぁっ!!」
力を込め血や体液にまみれた大地を踏みしめる。駆け出すと同時に刃を水平にして、一気に全身の力を解き放つ。すると、強化された身体能力によって爆発的な速度で前進し、同等の速度で並走したブレードがいままさに喰らわんとしていたオウガテイルを口から尾まで真っ二つに切り裂いた。
血液が飛び散り、肉を切り裂く感触が手を包む。改めて神機を掴む拳に目を落とすと、爪が肉にくい込んで血が滲んでいることに気づいた。だが不思議と痛いとは感じない。それよりもたった今この戦場で、自分がアラガミを倒したという言いようの無い感覚に包み込まれていたから。
恐怖や焦燥は薄れ力が湧き上がる。まるで自分の能力が一段階上昇したかのように、内側から暖かさが湧き上がってくる。
「…………」
振り返ると、先程まで獲物を見つけたと言わんばかりにぎらついていたアラガミ達の目が、敵対するものを定めた警戒心溢れる瞳へと移り変わっていた。先程切った亡骸は瞬く間に地面へと吸い込まれていく。
そのさらに後方ではあのヴァジュラが横に伏していた。倒れたそれにゴッドイーター達が一斉に捕喰を行い、肉がなくなって原型が留められなくなったアラガミとして同じように地面に溶けていった。
だが、少しもしないうちに何処からともなく再びアラガミ達は現れる。さも生き返ったと言わんばかりに、全く同じ姿をして今しがた倒したオウガテイルもヴァジュラも出現した。現れたヴァジュラに、またゴッドイーター達は群がって襲いかかり始める。
はたして、この戦場に終わりはあるのだろうか。アラガミは無限に湧き出るとしても、ゴッドイーターはその限りではない。システムのように生き返ってくるアラガミとちがって、人間は死ねば終わりであり意志がなくなれば使い物にならなくなるのだから。
だが、いいだろう。自分はこの身が擦り切れるまで、精神が摩耗しきるまで戦い続けてやろう。もう恐怖なんてない、覚悟はこの戦場で固まった。成程これはたしかに、一種の訓練であったのかもしれない。
視界が一気に広がる。先程までガチガチだった周りの動きが、やけに滑らかになった。アラガミも、人も、空気の動きも全てが良く見える。上から飛びかかってくるオウガテイルを、袈裟斬りでカウンターで切り崩せるくらいには。
ようやく自分はこの戦場にまともに立てたのだ。あれだけ怖がっていた周りの小型アラガミを一閃のもとに付しながらそれを実感する。
ふと視線を入口の方へと向けなおすと、そこには新しく入ったらしい新人のゴッドイーターが信じられないものを見るかのようにしてこの場所を眺めていた。恐らくはその目に、自分が最初に見ていたような光景が広がっているのだろう。
しかし声なんてかけない。これは自分で乗り越えるべき試練であり、経験である。なればこそ余計なお節介は出来ない。だから、自分があの人に思う励ましはただ一つ。
――次はあなたの番だ。しがみつけ、この理不尽な戦場に。
作者の雑紙です、ここまで読んで下さりありがとうございました。かなりシリアスな感じに仕上がりましたけど、今回の主は『ラグや操作環境が酷い携帯端末でのプレイアブルキャラクター(GEO本シナリオの主人公とはまた別)』を元にしてます。こうしてみると一転回ってギャグに見えるのではないでしょうか。……あ、性別は想像におまかせしますね()
GEOはβ版はプレイしたのですが、携帯端末の処理速度等が遅いために思う存分楽しめなかったんですよね。今現在もダウンロードは出来てません、悲しい。乱戦エリアっていうのもそれらしい名前をつけただけで……すみませんにわかみたいなものです……ゴメンなさい許してください何でもしますから。
では最後に自分を誘ってくださった今回のコラボ発案者のバジルの香草焼き様、同じように参加してくださった皆々様に感謝を。ありがとうございました。