【GE作者合同投稿企画】MMOだよ、神喰さん! 作:GE二次作者一同
投稿作品「極東は今日も地獄です」
『―――聞こえるな? 帰還予定時刻から既に3時間が経過している。通信も入らない。となると何らかのトラブルが発生していると思われる。手段は選ばなくていい、必ず見つけて連れ戻せ』
『レーダーに反応、ザイゴート……9です! な、なんですかこの数は』
『あら、その程度でしたら簡単ですね?』
言葉にせずにサムズアップを向けようとする。だが持ち上げただが持ち上げた右手はもっふもふのキグルミに包まれた腕であり、親指を持ち上げる事が不可能だと理解し、やっちまったぜ、とキグルミの下で狂笑を浮かべながら頭の裏を軽く叩いた。それに続く様に通信の向こう側から声が聞こえてくる。
『サムズアップを見せようとしたいのにキグルミだと忘れてしまってたようですね』
『言葉なしなのに良く解りますね!?』
『これが愛か……』
『ゴドー隊長!?』
愛という名目でカモフラージュしているもっとおぞましいなにかではないかなぁ、と近年、付き合いが長くなってきた人生のパートナーの事を考えながら、作戦区域に突入する。既にオペレーターからザイゴートが作戦区域内に存在している事は伝えられ、その姿もしっかりと視認出来ている。作戦区域・灰暮市街。それは現在どこにでも見るような廃墟の姿だった。そしてそういう場所に連中は、
―――アラガミは良く集まる。
息の下でヒャッハー、と叫ぶ。無論、キグルミは無口キャラだ。それは守られなくてはならない―――全国のキグルミ好きの少年少女たちの為に。故にサイレントにヒャッハーしながら跳躍し、近くのザイゴートへと一気に飛び込む。ヒマラヤという雄大な地で自由に放牧されてあったザイゴートはのんびりとした様子をしており、まるで警戒心が足りない。極東なら他のアラガミに食われて死んでいるぞこいつ、と思いながら両足で正面から体を挟み込み、
腕を正面、女形の顔にある口から突き刺す。
そのまま人間であれば脳のある筈の場所を貫通、そのまま腕をザイゴートと同化させる。暴走だとか、アラガミ化だとか、理論とか色々と
怪物とは理不尽であるが故に怪物である。
怪物にそれ以上の説明はいらない。
故に片腕をザイゴートと軽度の同化を完了させ、神機の代わりの鈍器として調達する事に成功する。それを腕にくっつけたまま次のザイゴートへと向かってエリアルステップで一気に接近し、ザイゴートナックルで殴りつけ、近くのビルに叩き込む。見事なザイゴートシュートである。そこで漸く周囲のザイゴートがこの危機に気づき始める。漸く敵が出現したという事に理解を浮かべる。何たる鈍さ。何たる危機感のなさ。
やはり極東がおかしいだけか。いいからキュウビマラソンに誘うのはやめろ。ウロヴォロスで我慢しろ。
『ざ、ザイゴート撃破……こ、これでいいんですか……?』
『これが極東のスタンダードか』
危機感を抱いたザイゴートへと向かって腕のザイゴートを殴りつけ、ついでに突撃してくるザイゴートを瓦礫に埋まったザイゴートへと向かって蹴り飛ばす。破裂するような音共にザイゴートがスプラッターの様な光景を見せるのが見えてくる。その気配か匂いを察してか、更にオウガテイルとドレッドパイクがダース単位で出現し始めるのが見えた。
『い、異常発生! アラガミの異常発生です。中型の接近も感知しています』
『おや、ボーナスタイムの様ですよ、ヤコブ。早速ボーナスを支給してくれるとはヒマラヤも悪くはありませんね』
それな、と息の下で答えつつ、オウガテイルへと飛び込んだ。素早く後ろへとスライディングしながら飛び込みつつ、足元の瓦礫を蹴り飛ばして近くのドレッドパイクの顔面にシュート、その動きを僅かに緩める間に回り込んだオウガテイル二匹の尻尾を掴み、アラガミの意識を自分の意識で浸食、同化、捕食、即席の鈍器として殺害する事に成功する。たぶん自分の表情をモニター出来たら滅茶苦茶邪悪な笑みを浮かべているんだろうなぁ、と思いつつ迷う事無くもふもふハンドで掴む、と言うよりは同化したオウガテイルハンマーを他のオウガテイルへと叩き付けた。アラガミ細胞のはじける感触と血液が溢れ出る感触がキグルミを襲う。
『スプラッタァァア―――!』
『これは放送できんな……』
『極東では大人気でしたよ』
叩き付けたオウガテイルを鞭の様にしならせながらそのまま迫って来るドレッドパイクの顔面に叩き付け、その上半身を吹き飛ばしながら足を伸ばし、露出するコアを次々と蹴り潰して行く。流石に小物のコアはどれだけ集めてもはした金にしかならない。最低限ウロヴォロス級のコアでもない限りは金にならないのは、極東での常識だ。歩いて三分でエンカウントの出来るクソアラガミのコアに一体どれだけの価値があるというのだろうか。もはや捨て値だ。分解されて消えて行くオウガテイルを捨てながら願う。
大型、来い。カモン、カモン、と。
『何ですかあの舞は』
『あれは極東に伝わるアラガミ誘因の舞ですね。お小遣いが欲しい時、もう少し討伐レコードを伸ばしたいとき、誘因フェロモンをばら撒きながらその場で踊り出すそうです』
『舞の方全く関係ないじゃないですか!! なんですか極東って! なんでも極東付ければ許されるって訳じゃないんですよ!?』
『成程……一回の出撃で殲滅できるだけしてしまえば後が楽か……効率的だな……』
『ゴドー隊長ォ!!』
あのゴドーってゴッドイーター、結構面白いなぁ、と思いつつも、此方へとよこされた新人が消えた場所へと向かってルートを進んで行く。瓦礫と廃墟だらけの旧市街は多量の素材が採取できる場所となっているが、それは同時にアラガミ達にとってもそうなっている。地下へと進めばいいのかこれは? と通信を通して送られて来るマップを確認し、地上から地下へと潜り込む。
指定されたルートから灰暮市街の地下へと潜って行く。光の届かない薄暗い通路を抜けて行けば壁にはフェンリルのマークが見える。そのまま奥へと進んで行こうとすれば背後、足音を立てながら迫って来る存在を感知する。
『ああああ! こ、この反応はヴァジュラです! に、逃げてください! こんな所にヴァジュラなんて普通は―――あ、あれ、ゴドー隊長は?』
『ワクワクを取り戻したかのような表情で追い出撃しましたよ』
『そうだ、転属願いだそう』
『ともあれ、お小遣いの時間ですよ、ヤコブ』
うーい、と聞こえないが答えつつ、前へと向かって飛び込む。薄暗い通路を抜ければ少し広い、地下電灯のついたエリアへと到着する。なんで廃棄都市の地下に電気が通っているのか、その事実の追及は後にするとして、広い場所に出たのであれば十分に動き回れる。
振り返れば四足歩行、人間よりも巨大なトラと猫と人が合体したような、異形の生物の姿が見える。
―――それこそがヴァジュラ。雷帝の名を冠する雷を操るアラガミ。
人類の天敵。
並の支部であれば。
そう、並であればと言う言葉が付く―――だが極東出身のゴッドイーターに並なんて言葉は存在しない。全員が修羅道に生きる羅刹共だ。誰一人として弱兵なんて存在しない。そんな奴
極東出身ゴッドイーターにとって、ヴァジュラ程度は餌でしかない。十匹揃えた所で喜んで殺すだけだ。
―――Welcome to hell.
ヴァジュラが吠える。自然と捕食者としての力を持って襲い掛かってくる。食い殺すという運命しか見ていないヴァジュラが雷鳴を纏いながら飛び込んでくる。その姿に合わせる様に此方からも飛び込んで、大きく口を開けたその怪物の顔面を逆にヤクザキックを叩き込む。予想外の反撃にヴァジュラがよろめくが、そんな事を気にする事なくキグルミモフモフハンドの同化率を上昇、そのまま硬化させた拳をヴァジュラの顔面へと追撃する様に叩き込み、その牙を折る。
『え、えー……』
ヴァジュラが引き剥がす為に雷鳴を集めようとするが、それを邪魔する様に顔面に拳を叩き込んで邪魔をする。そのまま鬱陶しそうに振るう前腕を飛び越えながら頭上に着地、冠の様な飾りを蹴り取りながら背中の装飾をもふもふハンドの手刀らしい動きで切り裂き、背中にストンピングを叩き込みながら横へと転がり落ちる。ヴァジュラが結合を再生させようとする中、その動きを無視する様に再び接近、素早く拳を顔面と下あごと足の関節へと叩き込んで行き、一打ずつ叩き込んでそれぞれを破壊して行き、一時的に筋力を強化しながら足元から練り上げた力を瞬間的にブーストさせ、バーストしながら蹴り飛ばしてヴァジュラを壁に叩き込む。
『ヴぁ、ヴァジュラ結合崩壊……』
オペレーターの声が震えているが、それを気にする事はない。そのまま一気に飛び込む。痛覚が人間ほど鋭くはないアラガミは物理的な衝撃が伴わない限りはめったに動きを停止しない。スタングレネードだって有限ではない為、可能な限りは物理的に圧殺するのが理想的だ。だったらアラガミの殺し方は簡単だ。
押さえつけて、追い込んで、徹底的に殺す。
壁に叩き付けた所でバーストを維持したまま、片手で顔面を抑えながらヴァジュラの首元に拳を叩き込む。肉を砕く感触を感じながらも拳を何度も叩き付けて行き、ヴァジュラを逃がさないように頭を、そして眼を片腕で潰す様に押さえつけ、ヴァジュラが逃げ出せない様に解りやすい痛みを与えながら首にどんどん腕を叩きつけて沈めて行く。もがくヴァジュラが雷撃を浴びせてくるがそれを無視し、身体能力任せに雷撃を耐えながらそのままヴァジュラの首の中に腕を突き刺し、横へと引き裂く様に横へと腕を引っ張る。ここまで酷く体を抉れば痛覚の鈍いアラガミといえども、激痛と狂いそうになる。
だがそれよりも早く胸の奥まで腕が到達する。そのまま腕を変形、コアを捕食してキグルミの内側へと引き抜いて補完する。力のなくなったヴァジュラの姿が倒れる。コアの引き抜かれたその姿はもう、二度と動く事はない。
ヴァジュラの始末に完了―――振り返るが、さらなるアラガミの接近の気配はない。なるべくむごたらしく、アラガミを惹きつけられるように血をばら撒きながら殺したのだが、どうやらこれがこの一帯に出没しているアラガミで一番上だったのか、或いは、という所だろうか。
『せ、戦闘終了……お疲れ、様です……え、本当に? 本当に倒してしまったんですか? ヴァジュラですよ? そんなスナック菓子を食べるような感覚で倒しちゃうなんて……』
『接触禁止指定でもなければ所詮はこの程度ですよ。極東では準備運動程度です』
『転属する時は西の果てにしよう』
どこへ行こうともアラガミから逃げられるとは思えないから、非常識に怯える時間があるなら慣れればいいのに……と思いつつ、周りを見る。ヴァジュラが消えた所で回りをゆっくり観察する時間が出来る。
調べれば自分が来る前に発生した比較的に新しい戦闘の痕跡が見れる―――となるとこのルートで奥へと進んだ存在がある。
またそれとは別に、外へと逃亡したような痕跡もある。此方は引きずり方と出血量からいてアラガミの方だろうか?
『あ、奥の方からゴッドイーターの反応を感知しました……彼です! 保護してください!』
オペレーターから情報更新が行われ、進むルートが新しく提示される。それに従いながら地下を歩いて進んで行く。やがて奥へと進めば素産むほど激しい戦闘の痕跡が見えてくる。
そしてそれを追いかけながら進む奥で、漸く、その姿を発見した。
まだ若い、男の姿で、服装は極東を出た時と変わらない白と赤の物。その片手には
これは本人から聞き出すほうが早いだろう。
『マリアさんの方はどうですか? ……あれ、何をしているんですかキグルミさん』
彼の片手を掴んで持ち上げ、片手で拳を作り、迷う事無く気絶している彼の、その腹へと拳を叩き込んだ。
『まさにモーニングショットですね』
『欠片も面白くありませんからねそれ!! というか保護―――! 保護対象―――!』
「うっ、この腹の奥底に響くけど後に残るダメージが一切ない芸術的な程に磨かれた無駄に芸術的な腹パンはキグルミ先輩のだ……! ごふっ、おはようございます」
『えぇー……起きるんですか……』
手を解放すると一瞬だけよろめくが、次の瞬間には両足でしっかりと立ち、そして体を安定させてた。自分は全く使わない回復アンプルを投げ渡すと、それを早速投与し、体力を回復させた。それが終わったところで、ボディランゲージでマリアの行方を聞き出してみる。流石後輩だけあって、即座に此方の質問を理解してくれた。
「あぁ、マリア姉さんですね……その、彼女の事に関してですけど―――」
直後、彼の口から語られる今までの状況と見慣れない神機の事実に面倒を感じる。
ヒマラヤ支部―――極東からの一時的な出向で来ることとなったこの地は、他の地域と比べれば圧倒的にアラガミの数が少ない地となっている。その為、この土地は慢性的な人員不足で困っているという話でもあった。
ならば、と極東からの出向でやってきたこのヒマラヤの大地。
しょっぱなから、事件とめんどくささの香りしかしなかった。それこそ数年前のアーク計画の時のようなめんどくささを。
早く頭を空っぽにしてアラガミを絶滅させられる極東に帰りたいなぁ、と思いながら、
―――ヒマラヤでの、新たな任務が始まりを告げる。
やぁやぁ、皆久しぶりだね? 皆大好きなてんぞーおじさんだよ。やっぱお兄さんで。今のは割とダメージ大きかった。という訳でGE合同企画もついに3回目、3回目だよ。まさか3回目があるとはね? まぁ、こういうお祭り企画の類は大歓迎だからもっと増えてくるといいんだけど、ハーメルンは横のつながりがそこまでなろう時代に比べて薄いというか、こういう企画は少なく感じるねえ。
色々と勉強したり、高め合ったりするのに合同企画自体は悪くなく感じるんだけどねぇ。
まぁ、それはそれとして―――お久しぶりです。申し込みの締め切りを忘れて企画に遅刻した男です。皆はGEOはもうやったかな? クソロードとリセットロードとクソガチャとの戦いには勝利できたかな? 個人的にアラガミよりもあのロードこそが最悪の敵じゃないかと私は思うんだよね。
また話が逸れる……という訳で、腹パン妖精ことホムラくん、或いはヤコブくんのヒマラヤ出張。GEO主人公は極東流による調教済み、ラケルたんもいるよ! というフルコースな感じで。GEOはクベーラとかいうギガントサイズなアラガミもいるわけで、”こういう奴に上って目玉を抉り抜いたら楽しそうだよなぁ……”とか思いつつ書いてました。相変わらず人間の戦い方しねぇなこいつ。
ともあれ、またまた楽しい企画をありがとうございます。こういうお祭り企画は大好物な訳でして、楽しく書かせていただきました。此方は既に完結作品で、続きを書く事はありません。ですがこうやって企画で誘われたりでちょくちょく未来の姿を書く事で読者が楽しめるならいいのかもしれないなぁ、と。
この先、ヒマラヤがどんなふうに炎上するのかは皆様の想像次第という事で、お疲れ様でした。