【GE作者合同投稿企画】MMOだよ、神喰さん! 作:GE二次作者一同
投稿作品「神様死すべし慈悲はない」
再びコラボ企画に私の席を用意していただいた、ということでうちのオリ主がヒマラヤに行ったらという話です。いつも通り期待しないで見てください。あと、すみませんGEOやってない人にはわかりにくいかもしれません。
Qやってもやっても減らないモノってなーんだ?
A仕事。
いつぞや、自分に問いかけたことを再び己の脳内で思い浮かべる。目の前に広がるは無限の書類。恐れずしてかかってこいとかそういったレベルではない。どれもこれもが一部隊の隊長がやるとは思えないモノばかりなのである。本部からの会談手続きとか俺に回すなマッド支部長。お前の案件だろうが。
ここ最近ではアラガミたちよりも書類と戦っている時間の方がずっと長い。ぶっちゃけ俺がゴッドイーターである意味があるのかと問いたくなるレベルである。あぁ、あの頃はよかった。適当に出されているミッションを受注し、現地に行って適当に目標アラガミとそれを取り巻く連中を神機で食べるだけの簡単な作業だった……お金もその場でもらえるしね。それに比べてこの書類仕事の割に合わなささよ。一応必要な基礎知識だけは備わっていたけれども毎日毎日びっしりと狭そうに並んでいる文字列と睨めっこするのはとんでもない疲労感を味わうことになるのだ。何時間も同じ体勢で居ることだってざらにあるしさぁ。
などと愚痴を内心でこぼしながらも書類は確実に、一枚一枚片付けていく。こういったことは残せば残すほど厄介だからね。なんだかんだで仕事をこなしてしまう社畜体質な自分が憎い……。
要所要所、自分で居れたコーヒーを飲み干しつつようやく最後の一枚に手が届く。時間を見ればもう昼を通り越して夜まで突入してきた。これを片付けたら適当にラウンジへとものを食べに行こうと決意しつつ、その書類を読み込もうとして……唐突に通信が入った。誰からだと思いながらもそれに出てみれば聞こえてくるのはサカキ博士とラケル博士のマッドサイエンティストコンビからである。嫌な予感しかしないのだが、よりにもよって支部長権限を使い、大至急招集せよとのことである。
今までの経験からしてろくなことにならないのは確実なので、最後に残っていた書類を速やかに片付け俺はそのまま自室を出ることにした。
「お、仁慈。どうした、こんな時間に?」
「ダブルマッドからのお呼び出し」
「OH……」
途中すれ違った他のゴッドイーター達からこのような同情を多分に含んだ視線を貰い、心に深い傷を負いながらもなんとかしてダブルマッドの部屋へとたどり着く。ちなみにここは支部長室というわけではないのだが、サカキ博士は大体此処に居るのである。仕事をしろ。
ノックしてもしもーしと確認を取ってから中に入るとそこにはゲンドウポーズで俺を待ち構える胡散臭い糸目のサカキ博士と相変わらず(元)ラスボス染みた薄く不気味な笑みを浮かべているラケル博士が居た。
「ブラッド隊隊長樫原仁慈到着しました――――――――で、今度はどんな厄介事を持ち出して来たんですかねぇ?」
「開口一番酷い言い草だね」
「自分の胸に手を当てて考えてから言ってくださいよ」
「心外だわ」
「少しは己を省みてくれません?」
心外なのはこっちなんだけど。
「それはともかく、仕事の話に移ろうか」
露骨に話を逸らすジツを使ったサカキ博士。ここでツッコミを入れても無駄に疲労がたまるだけなのでここは黙って聞くことにする。
博士が言ってきたのは、ここ極東支部からヒマラヤ支部へとゴッドイーター達を移動させようという話であった。何がどうしてそうなったのかはわからないが、割かし真面目な雰囲気だったので、頭のぶっ飛んだ二人がヒマラヤに何かを感じたのかもしれない。そして俺がここで呼び出された理由はそのヒマラヤ支部に訪れる戦力候補筆頭だからだというらしい。……おかしくね?これでも俺は一部隊の隊長である。移動させるには当然後釜が必要にもなるし、そんな手間をかける位なら別の人を選出するべきだと思うんだが。
「確かにその通りだ。実際に、初期の段階ではクレイドルに所属する誰かに言ってもらうことにしたんだけど……」
「……おそらく仁慈なら予想しているでしょうが、そうもいかなくなった事情がありまして。なるべくあらゆる状況に対処できる凄腕を送ることにしたのです」
「ここの出身ならほとんどが凄腕でしょう?」
今更ながら言うべきことではないのかもしれないが、極東のアラガミの出現頻度、個体ごとの強さは世界屈指の高さを誇っている。他の支部では早々お目にかかれないような新種もバンバン出てくるのだ。そういったアラガミと嫌でも対決しなければならない極東のゴッドイーターは別の支部のベテランよりもある意味で役に立つだろう。それに強い人なら態々俺を送ることはないだろう。今は一隊員として俺を困らせているジュリウスでも連れて行けばいい。
「あの子はだめよ。何を間違ったのか根っからの戦闘狂になってしまった……コンゴウやシユウすら出てくることが珍しいヒマラヤ支部では生き残れないわ」
「ジュリウスェ……」
ほかにもユウさんはあらゆる意味で有名過ぎるから無理、リンドウさんも同じ理由で却下とのこと。なら他の人に頼めばどうかというと彼らはいわゆる教官染みたことをするための訓練を受けているから無理とのこと。極東の連中は色々すっ飛ばしているからまともに後輩たちを育てるために順序やらものの教え方を学んでいるらしい。……極東が極東である限り無意味だとは思うけど。
「……これだけは言いたくなかったが仕方ない。……今回君は新人として偽って向こうに言ってもらう。理由は……君の休暇だ」
「……?」
「私たちの予想ではことが起きるまでいくらか時間がある。その間、君には新人として向こうに言ってもらうんだ。当然、向こうで出現するアラガミのことも考えて出てくるレベルは低いものばかりだし、新人である君には重い業務は回ってこない……どうだい?この話」
「行きます」
返答までにかかった時間はわずか0.5秒ほどだった。
――――――――――
サカキ博士に移動を命じられてから一週間。荒ぶる資料、仲間達をことごとくなぎ倒し(?)何とか休暇まがいのこのヒマラヤ支部にやって来た。説明を聞くにここはアラガミが少ない地域なため所属しているゴッドイーターも少ないという。確かにミッション欄を覗いてみても小型のアラガミを数匹討伐する程度のモノしか張り出されてはいなかった。
「君が極東から派遣されてきたゴッドイーターか。俺はゴドー。ゴドー・ヴァレンタインだ。新人でわからないこともあるかと思うが、それはそこに居るマリアに聞いてくれ。じゃあ俺は部屋に戻る」
「自己紹介しただけマシ……ということが何より認めがたいわ。……初めまして、早速だけど戦いの訓練も兼ねてある場所の調査へ向かうわ。来て早々で申し訳ないのだけど、神機を準備してくれる?」
マリアと言われた彼女の言葉に従う様に俺は神機を担ぎ上げて彼女の後を追った。
そうしてたどり着いたのは既に廃墟となっている施設だった。だいぶ前に破棄されたのだろうか、電源も生きているところはなく錆も所々に広がっていた。しかしどうやらここはフェンリルの施設だったらしく、ボロボロになりつつも狼のエンブレムが書かれていた布が壁にぶら下っているのが見えた。
「フェンリルのエンブレム……?どういうことなのかしら……詳しく調べる必要がありそうね」
「(なんかヤな予感がするな……)」
なんかフラグっぽいことを呟いたマリアという女性はそのまま道なりにその施設の中を突き進んでいく。道中には長らく放置されたからだろう小型のアラガミが大量に存在していたものの、その実力は大したことはなくマリアさんの攻撃で死なない程度に傷を負わされていた。
「今から基礎的な動きを見せるわね」
どうやら新人(ということになっている)の俺に対する教育らしく、どのような動きで敵を倒すのかということを具体的な動きを踏まえて教えてくれた。なんてまともな人なんだ。まとも過ぎで極東には絶対に行かせてはいけないという使命感に襲われつつもその動きを見て、次に弱らせたアラガミに教えられたとおりに攻撃してみせる。
「すごいわ、完璧。……貴方はきっと才能があるのね」
「ありがとうございます」
しっかりと褒めることができる彼女はとてもいい指導者になると思われる。そのようなことを考えつつ施設の中を突き進んでいくと、先程までの通路とは違い開けたところに出た。色々な機械類が並べられているものの、そのすべてが機能を失っており特に利用できそうなことはない。少々拍子抜けだと思ったが、それでもまだ別の所に続いている道もあることから調べる場所はまだあると考えられた。
「ここまでは特に何もなかったわね……。けど、もう少し調査を進めてみましょうか」
「了解です」
彼女の言葉を肯定し、歩みを勧めようとしたその時、俺と恐らく彼女の耳に一瞬だけ不気味な音が聞こえた。その音に弾かれるように顔を上げた俺達はお互いに顔を見合わせる。
「ねえ。いま何か聞えなかった?」
「聞えましたね」
そう口にした瞬間、彼女の背後に白いアラガミのようなものが現れた。それを視界に入れた瞬間俺は彼女の手を引っ張り俺の後ろに隠すと同時に右手に握っていた神機を振るう。俺の攻撃は元々マリアさんを攻撃しようとしていたのだろう相手からの攻撃を受け止める形となった。しかし、流石にアラガミとの力比べにとっさに反応した攻撃が勝てるわけでもなく俺とマリアは後方に飛ばされてしまう。彼女の胴をしっかりと掴んで空中で一回転した俺はそのまま地面に着地、彼女を置いて白いアラガミへと躍りかかる。
「フッ!」
「~~~~~~~!」
上段からの攻撃を回避した白いアラガミはまるで人間のようにそのまま俺から距離を取り逃げようとしていた。しかし、残念ながらこちらには銃形態があり、尚且つ込められているバレッドはシエル特性のえげつないバレットなのだ。ブラッドの血の力も合わさってアラガミにとっては悪魔のような力を誇るだろう。それを放って相手の動きを止めた俺はそのまま接近して白いアラガミの身体を切り裂く。そして首尾よく見つけたコアを捕食した。
「ふぅー……お仕事完了」
「え?えっ……えっ!?」
何やらマリアさんの混乱しまくった声が聞こえるが、知らない。
極東ではその日出て来た新種を狩るなんてことは日常茶飯事です(白目)
―――――その後の話を少しだけしよう。
「見たことも聞いたこともないアラガミの素材を手にいれたんですよね?少しでいいから見せてくれませんか!?」
「貴方が新人などと冗談でしょう!?もし本当に新人だというのであればどうしてそこまでの力を……!」
何やら俺の所属することになった第一部隊の方たちに言い寄られている毎日を送っています(白目)いやー、金髪ツインテールに素材狂いの男の子なんてヒマラヤもキャラが濃いなー。というわけで助けてください。ゴドーさん、カリーナさん。
「いい奴が入って来たな。これで俺の趣味の時間が増える」
「そんなこと言ってないで止めてあげましょうよ……ってもういない!?」
「二人とも、樫原さんを困らせちゃダメでしょう?」
……やはりここの支部でも癒しはごく一部らしい。
マリヤさんの言葉でそれを改めて自覚し、最終的には極東に居るのと変わらないのではないかと思うのであった。
はい。というわけでタイトルの答えは、いつも通りですそもそも物語が始まらないという結果になりました。
神機を食われるまでもなく普通に倒してしまいました。仕方ないね、世界の危機を救っているのだからね。