【GE作者合同投稿企画】MMOだよ、神喰さん! 作:GE二次作者一同
投稿作品「男主とエリナをイチャイチャさせる小説」
GEオンラインをもとにしたアプリゲームの話です。さくっと読める短さだと思います
私が書いたにしては♂主エリの恋愛要素うすめです。ほぼないです
実際のアプリを忠実に再現しているわけではないのでご注意を…!
「携帯端末用のゲームアプリ…ですか?」
「そうさ。世界中の人と共闘(仮)ができるアプリケーションなんだ。まぁまだ開発途中のテスト版なんだけどね」
誰も欠けることなく今日の仕事も無事終わり帰投した私達極東支部第1部隊
ラウンジで腰を落ち着けさて休憩だと談笑に花を咲かせようとした矢先、支部長室に招集するようメールで指示が来て何事かと不安を抱えながら赴いてみれば、まさかの支部長作のゲームアプリを試してほしいという話であった
というわけで…私達は新たに携帯端末へとインストールされた新作アプリのアイコンをしげしげと眺めている所なのである
「オンラインゲームってやつかぁ~!いやー!楽しみだな!」
瞳をキラキラ輝かせ無邪気に喜ぶコウタ隊長が早くもアプリを起動させていた
普段からゲームをやりこんでるだけあって、俄然やる気みたい
「ふむ…世界中の仲間と共闘とは…なるほど!熱い展開ではないかっ!」
「まだテスト版だから、ローカルネットワーク止まりだけどね」
もう一人の隊員であるエミールも画面にヒビが入るんじゃないかという勢いでタップしまくってるのを見る限りやる気マンマンのようで…
変なものを開発することで有名だというサカキ博士開発のアプリということもあって、正直あまり乗り気ではなかった私もこうなっては試さざるを得ない
それにゲーム自体は嫌いじゃないし
「とりあえずキャラを作って…ゲームスタートっと…」
触り慣れた端末の操作パネルを指でポチポチと押し進めていく
…なぜかリアルでの私そっくりのアバターパーツが用意されてたけど、きっと偶然だろう。うん
でもせっかくあるんだから使わせてもらおっと
「この辺は私たちが普段やってる携帯ゲーム機と同じような感じですね」
ゲーム特有の痛快なSEを合図にナウローディングと表示された画面を見ながらサカキ博士に尋ねた
「そうだね。実はそのアプリはあのゲームを色々と参考にさせてもらいながら開発したんだ」
それは色々と大丈夫なのかとツッコミたくなったが、どうせ言及してものらりくらりと躱されてしまうことは目に見えているのでゲームに集中することにする
「えーっと、あ、きたきた…って、この二人がコウタ隊長とエミール…だよね?」
ログインしたところでロビーらしきところにポツンと立たされた私のキャラ
目前にいる二人組を見てみると、やはりリアルでの容姿そっくりの二人が…
…というかよくここまで似たアバターパーツがあったわね!?
もしやと思いアプリの開発者へと視線を向ければなぜか満面の笑みを向けられた
「君たちがキャラクターモデルになってるんだよ」
何か問題がとでも言いたげな顔でこの人は…
ちなみにこのロビーらしきところっていうのが、なぜか極東支部のエントランスにそっくりの構造だったのも気にしてはいけないのか
受け付けのお姉さんがヒバリさんそっくりだとかいうのも気付かないふりをしておいたほうが良いのか
「…まぁテスト版だってことですし気にしないことにします」
それに男二人はそのこと自体を喜んでるようだし
やれやれと首をすくめながら、もう一度ゲーム画面へと視線を戻した
「私たち以外にもちらほら人がいますね」
「あぁ、君たち第1部隊以外にも、ここ極東支部の職員達には先ほどから配布してるのさ」
つまり私たちが仕事をしてる間に、このアプリは広まっていたというわけね
…ブラッドの皆にも配布されてるんなら、もしかしてゲーム内で先輩と会えたりして…
そう思うとちょっと楽しみだ
「えぇぇ!?それじゃー俺達は一歩遅れてるってことじゃないですか!?うぉぉこうしちゃいられないっ!行くぞエミール!エリナ!第一部隊出撃ぃ!!!」
「任されよコウタ隊長!私がこの世界の闇も払ってみせると約束しようっ!おぉぉ!!!」
ゲームの中のコウタ隊長が現実とシンクロしてぐるぐると変な動きで暴れまわったかと思ったら、受付っぽいところに一直線に走り出していった
そのあとをバカみたいに叫びながらエミールが追いかけていく
…ゲームの外の世界でホントに走り出す必要は全くないと思うんだけどなぁ
「じゃー早速そこでミッションを受注してみてくれたまえ。コウタ君」
「了解でーす!こういうところもなんかリアルでのオレ達と似て…る…」
「…?どうかしましたかコウタ隊長?」
満面の笑みで新たにプレイするゲームの画面を見ていた彼の表情がいきなり曇りだす
「いや…この討伐対象の所…」
ずいっと先ほどとは比べ物にならないぐらい…そう、例えるなら任務中に想定外の大型種に囲まれてしまったとき並みの真顔で、コウタ隊長は私とエミールに画面が見えるよう携帯端末を差し出した
「えーっと…オウガテ…イルッ!?それにドレッドパイク…ザイゴート…って!なんですかこれ!?」
討伐対象とされているエネミーの名前は現実でのアラガミと同じであり、ミッションの解説文を見る限りはその容姿や能力まで似せてあった
これにはさすがに冷静さを取り戻したのか、コウタ隊長が問い詰めるような視線でサカキ支部長を見据える
「大丈夫。私はちゃんとした考えをもって作ったんだ。質問批判意見は後々聞くから、まずは一通りプレイしてみて欲しい」
一方彼は普段と何ら変わらない笑顔を浮かべながらゲームの続きをプレイするよう促してくる
私達第1部隊の3人は顔を見合わせ仕方なく静かに携帯端末の画面へと指を滑らせた
アラガミとの実戦前のように震えてしまっている手は自分の気のせいだと言い聞かせた
「始まったぞ…」
戦いの舞台となるのであろうフィールドに、私たちの分身であるキャラクター3人がポンっと現れた
荒廃した建物が見渡す限り広がり足元に舞う砂埃がやけにリアルで、ゲームのはずなのに仕事をしているような緊張感を感じさせる
まだ距離があるが遠くに見える緑色の動くモノは、おそらくこの世界でもドレッドパイクと呼ばれているエネミーだろう
サカキ博士の目的はいったいなんだというのだろう?
私にはさっぱり分からなかった
「コウタ隊長。できれば指示を出していただきたい」
その場から微動だにせず携帯端末を指が赤くなるほど強く握りしめたエミールが静かにつぶやいた
「あ、あぁ…って言われてもな…」
操作を確認するかの如く、ちょこちょことコウタ隊長操るキャラクターがその場で旋回し始める
そうしている間にも討伐対象であるエネミーは刻一刻と近づいてくるわけだが…
ジワリと手に嫌な汗が浮かぶのを感じた
…何慌ててるのよ私
これはゲームなんだから…落ち着いて…落ち着いて…
「ちっ…まぁ最初っから強い奴なんて出てこないだろ!とりあえず攻撃ボタン押して突撃だっ!」
うぉぉっとやけくそな叫び声をあげながら、コウタ隊長のキャラがあっちの世界のドレッドパイクへ突撃していく
しかし彼が近接用の武器をもっているのは中々違和感がある…と思ってしまうほど見た目がホントにそっくりなのだ
ザクッザクッ!
3人がかりで得物を振りかざし、小気味よいSEを鳴らしながらゲーム内のアラガミの体を切り刻んでゆく
迸る血しぶきは現実のものを見慣れている私たちにとってはリアリティに欠けていたが、それが安心感を生み出しこれはゲームなのだということを実感させてくれた
そのおかげか最初の1体を片付けたことを皮切りに、次々にエネミーへとトドメをさし初陣は見事大成功に終わったのであった
「ふぅ~…いやいや、アラガミモデルの敵って知ったときは流石にどうかと思ったけど、実際やってみるとけっこう楽しかったな」
好成績が表示されてる戦闘結果のリザルト画面を見ながら、私たちはほっと一息ついていた
「そうですね!相手の動きとかも現実のアラガミを忠実に再現してましたから、動きも読みやすかったですし」
「そこなんだよ」
「え?」
突如割り込んでいたサカキ博士に私たちの視線が集中する
突然どうしたのだろう?
「そのゲームのアラガミは現実の彼らの動きを出来る限り忠実に再現したものとなっているんだ…もっとも、まだ数は少ないけどね」
まぁほぼ毎日アラガミを倒す日々を送っている私達から見てもそう感じたのだから、ほんとに再現率は高いだろう
それがどうかし…
「あっ…」
ある一つの仮説にたどり着き、私の全身に鳥肌が立った
「どうしたというんだエリナよ?」
エミールもコウタ隊長もポカンとした表情で私とサカキ博士へ交互に視線を動かしていた
けど…まさかそのために…?
「このアプリって、将来的には一般の人にも普及させるつもりなんですよね?」
「まぁ…そうなるのはもっと先の話になってしまうと思うけどね」
何かを察した様子を見せる私に、彼はにんまりと口角を持ち上げた
これが本当に狙いだとするなら本当にすごい人だと思わざるをえない
「つまり…これは一種の訓練用アプリ…ってことなんじゃないんですか?一般の人も含めて」
そう
このゲームは現実のアラガミの動きを忠実に再現しているため、奴らの対処法を練られるのだ
…操作キャラはあくまで倒せる人前提の動きだが、一般人がプレイしてもアラガミの動きを把握するのに役立つのは間違いないはずだ
「はははっ…そんなばかな…」
コウタ隊長が乾いた笑い声で私の意見を否定しようとするも、サカキ博士はうんうんと頷きながら笑顔を崩さなかった
「実は今彼女が言ったことがほとんど真の目的でね。ゲームだから危機感が薄れるし現実でアラガミと対面したときに動けるかどうかは分からないという問題点もまだまだ多く孕んでいるけど、長い目で見れば被害を減らせるのは間違いないと思っているよ」
「やっぱりただのゲームじゃなかったんですね…」
彼の発明したものだ
楽しく遊んでハイ終わり
で済むとは思ってなかったけど、まさかこんな理由があったなんて…
「それに一般の人だけじゃない。エリナが言ったように、俺達ゴッドイーターにとっても命の危険無く訓練できるシステムってことだろ?まぁ実際に体を動かすヴァーチャル訓練もあるけどさ。こっちだったら気軽に…って言っていいものなのかわからないけど、出来るし」
「なるほど…世界を救うゲーム…素晴らしいっ!素晴らしいじゃぁないかっ!」
その点を考慮してもいろいろと問題点があるのはサカキ博士も言っていたとおりだが、これなら確かに…特に小さい子供とかには効果覿面かもしれない
「新種のアラガミが現れたり、奴らの動きが大幅に変わったときには随時アップデートという形で更新することもできるしね」
そこまで見越して携帯端末のアプリという形のゲームにしたというのかしら?
本当にすごいものを発明する人…
「けど、ゲームとしてもおもしろくしてくださいよ~?」
コウタ隊長がゲームマニュアルのシステム面をチェックしながらゲーマーっぽいことを呟いた
安心した途端これなんだからまったく…
とはいえやはりゲームというからには楽しくやりたい
不謹慎かもしれないしアラガミ達に対する敵対心や嫌悪感が消えたわけじゃないけど、私だってそう思う
だから彼を見習ってマニュアルを見ようと画面に視線を戻したところで、ある一か所が点滅してサインを送ってることに気が付いた
「あれ?ゲーム内メールだ」
ピコンという耳に響くSEとともに、画面の端っこにメールの着信を示すアイコンが現れる
誰だろう?
『エリナだよな?オレオレ、ブラッドの隊長だよ。このゲームやってたんだな。どうだ?よかったら一緒に何か行かないか?』
「せんぱい!?」
思わず声に出してしまいハッと慌てて口に手を当てるが時すでに遅し
ニヤニヤとした視線を感じて咳払いしてゲーム画面に集中する
「せんぱいからメールきました」
務めて機械的な口調で淡々と告げた…つもり
「へぇ~そうかそうか。んじゃーエミール。俺たちは二人で別のところ行くかっ!」
「そうだな…邪魔をするといけない!エリナよ!二人で楽しんでくるといい!この仮想世界を通じて我々の世界を救うという旅を!」
「ちょ…だ、だからっ!別にせんぱいとはそんな関係じゃないっていつも…!」
「まぁまぁまぁわーかってるって!俺とエミールは部屋に戻っておくから!」
なぜオンラインのゲームでリアルの場所にまで気を使うのかさっぱり分からなかったが、私が何か反論しようとする前に彼らはさっさと支部長室から退散してしまった
「「…………」」
あとに残されたのは先ほどから笑いを崩さないサカキ博士と深いため息をつく私だけで…
「おや?もしかして私も邪魔かな?」
「ち、違いますっ!」
私のあきれた視線をどのように受け止めたのか、はたまた冗談のつもりなのかからかっているのか…
とにかくもともとここはサカキ博士の部屋と言ってもいい場所だし、彼の要件ももう済んでいるだろうから私も自室に戻ることにした
それにせんぱいにちゃんと返信しなくちゃいけないし
いつの間にか緩む頬に自分でも気づかずに、私はメールの文章を打ちこむのだった
『いいですよ。私の足、引っ張らないでくださいねっ!』
~FIN~