【GE作者合同投稿企画】MMOだよ、神喰さん!   作:GE二次作者一同

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【シリアス】【温度差】【残酷な描写有り】【オリアラガミ】【アンチ・ヘイト】

投稿作品「混迷を呼ぶ者」

 時系列的にはBURST終わった辺りからの分岐。 オリ主だけどアラガミ側です。
 所々ふざけが入ってますが、当人はシリアスなので悪しからず。


おうサクヤ、これ貰ってくぞー【劇鼠らてこ 様】

 現在、俺は『あるモノ』を探している。

 

 場所は極東支部。 化け物の巣窟だ。

 先程から鳴り響く緊急時のサイレンは煩わしいし、旧型ばかりとはいえスタングレネードやらトラップやらを仕掛けては妨害してくる神機使いが邪魔で邪魔で仕方がない。

 逐一殺したり避けたりはしているが、今回の目的は……というか、既に俺の目的は人類撲滅ではないのだからむざむざ命を散らしに来るのはどうかと思うのだ。

 

「クソッ! 防御壁はどうしたんだ!」

 

「キィ……」

 

 なんとウザ……邪魔くさい神機使いか。

 元とはいえ、一応お前たちの上司からの要求を熟しに来ただけだというのに。

 

 ゲームじゃアナグラ内の構造なんてほっとんどわからなかったからなぁ。

 『あるモノ』がどこにあるかなんてわかるわけないし、人に聞くわけにもいかない。

 神機使いだろうと人間だろうとまず意思疎通が出来ないからな。 アラガミともできないが。

 

「キィ……」

 

 一番厄介な事態は、第一部隊(チート)が駆けつけてくる事だから、うだうだ言ってないで早めに終わらせないと。

 あぁ、ついでに素材保管庫とか見つかったらいいなぁ。

 

 あいつらのおやつ用に。

 

『少し、いいですか?』

 

 何故この施設は案内板と言う物が存在しないのだろうか。

 俺も元日本人だから、文字くらい読めるよ? 無駄にエントランスでぐるぐるしてたメンテナンスのお知らせみたいなのを書いておいてくれれば、余計な被害出さずに帰るよ?

 

『ちょっと! お話いいですか!』

 

 ペイラー・榊はまず第一にアラガミとの意思疎通できる機械を作るべきだと思うんだよな。 まぁあいつらの意思なんて腹が減ったくらいだろうけど。 塒で待ってる腹ペコ触手少女みたいに。

 あとはまぁ、地球の意思が聞こえるくらいか? 人間に対しての地球の言葉なんか、死ね、滅べくらいだろうけどな。

 

『そこのアラガミさん! 僕の声聞こえてますよね!?』

 

「キィ……」

 

 ん?

 

『やっと反応してくれた……。 もう一度聞きますが、僕の声が聞こえていますか? 聞こえていたら頷いてください』

 

 ……おお。

 栗色の瞳、黒色の髪。

 その服。

 

 神機・レンじゃないか。

 

 とりあえず身体を下方に少し回してみる。

 頷くってコレでいいかな?

 

『言葉もわかるんですね。 よかった……とりあえず、こちらへどうぞ。 ここでは目立ちすぎます』

 

「キィ……」

 

 今お前の元所有者に『あるモノ』を探してきてくれって頼まれてたんだけど……何、協力してくれるのかな?

 とりあえずさっきからこそこそ尾けてきてる奴、倒して良い?

 

『あぁ、サクヤさん……彼我の実力差もわからないとは思ってなかったな……。 全く、リンドウならもっと鼻が良かったのに……』

 

 ぶつぶつと呟きながら、尾けてきている神機使い……橘サクヤの元に歩いていくレン。

 それに一切の目をくれず、俺を凝視している橘サクヤ。 まぁ、橘サクヤにレンの姿は見えないから当たり前なんだが。

 

 そしてレンは、そんな彼女の大きく露出した腹に何かを押し付けた。

 

 ビクン! と一度痙攣し、そのままバタりと倒れる橘サクヤ。

 

「ぅ……」

 

『すみません、彼女は一応リンドウにとっても大切な人だったので……あぁ、今のは単にスタンさせただけですよ。 神機保管庫にあったセクメトの拳のオラクル細胞を凝縮した物を当てました。 見逃して頂けませんか?』

 

「キィ……」

 

 別に、昔ならともかく……今は殺したい、って気持ちは薄いし。

 いやまぁ、一応人類はまだ『害』なんだなーとは思うけどさ。

 というか、言葉通じてる?

 

『はい。 これほど意識のあるアラガミは僕も初めて見ますが……僕がどういう存在であるかもわかっているようですし』

 

「キィ……」

 

 そりゃ、元から知ってたってのもあるけど……俺もアラガミだしな。

 特にアバドン(おれたち)は、レンみたいな神機(うらぎりもの)の気配はわかるんだよ。 あぁ、サマエル(おれだけ)の可能性もあるけど。

 

『あはは……裏切り者か。 確かにあなた達アラガミから見ればそうですよね。 オラクル細胞の塊でありながら、地球の意思であるアラガミを屠る武器であり、地球の害悪である人間を守る盾……』

 

「キィ……」

 

 まぁ、今はそこまで憎々しく思っちゃいないがな。

 既に俺のベースは地球から月に移行しているし、地球は別の方法で人類を潰し始めているし。

 

『それを喜んでいいのか、悲しむべきなのかはわかりませんが……、着きました。 ここに入ってください』

 

 話し(?)ながら移動し、辿り着いたのはゲーム時代によく見た場所。

 主人公の部屋……いや、ここは――

 

『リンドウの部屋です。 最も、今はクレイドル隊長の部屋……ですらなくなった場所、ですね。 彼は今、極東支部(ここ)にいませんから……』

 

「キィ……」

 

 リンドウ。

 雨宮リンドウの部屋か。

 

『はい。 リンドウのバイタルデータは僕が一番知り尽くしていますから、ここを開けるのにも特に問題はありませんでした』

 

「キィ……」

 

 雨宮リンドウ。

 元化け物部隊の隊長でありながら、現在はアラガミ化を果たし、ハンニバル浸食種……否、ハンニバル完全種として変化した――今回、『あるモノ』を俺に要求した大飯喰らいだ。

 

『へぇ、リンドウは月ではそんなことになっているのか……。 僕の事、忘れちゃったのかな……』

 

「キィ……」

 

 いや、そんなことは無いぞ。

 人間だった自分とアラガミになった自分にしっかり区切り付けてるし、偶に「相棒……お前は今、暗い保管庫で眠ってんのかねぇ……。 随分と酷使しちまったし、ゆっくり休んでくれ。 んでもって、いつか新しい主を見つけてくれや……」みたいなことを地球に向かって呟いてるよ。

 少なくとも忘れちゃいないな。 というか、かなり気にかけてるんじゃね?

 

『……! それは、嬉しいな……。 そうか、リンドウは……アラガミになっても、リンドウなんですね……』

 

「キィ……」

 

 おう。

 そんで、そんな雨宮リンドウからの注文だ。

 

『はは、感傷に浸ることも許してくれないのはアラガミらしい……。 わかってますよ。 月に居るリンドウが地球へまで使いを出して欲しがるものなんて、1つしかない』

 

 そう言いながらレンは、机の下に設置された小型の冷蔵庫へと向かう。

 開け放たれるソレ。

 

『これ、でしょう?』

 

「キィ……」

 

 ずらりと並ぶは――ビール。 缶ビール。

 猛々しい狼のマークの前に、FENRIRと黒字で――ってコレ、KIR○Nのパクりじゃ……。

 だが、確かに雨宮リンドウの要求した『あるモノ』はコレだ。

 

『「ビールが恋しいなぁ……」はリンドウの口癖でしたからね。 もしもの事を考えて、サクヤさんが集めていたみたいですよ?』

 

「キィ……」

 

 あぁ、雨宮リンドウが帰ってくる可能性を、ってか。

 健気だねぇ……。

 なら、報酬(?)になるかね……。 アレは。

 

『? 口の中、ですか?』

 

「キィ……」

 

 あぁ、唾液は出ないから安心してくれ。

 あと噛まないから。 これでも俺、人間も神機も食った事ないから。

 

『これは……木の板? ……! なるほど、リンドウらしい……』

 

「キィ……」

 

 いくら人間の時の事に区切りつけてるったって、連絡手段があるとわかりゃ話は別なんだろうなぁ。

 正直なんでわざわざ俺が……とは思わないでもないんだが、まぁ雨宮リンドウは既に仲間の枠に入っているし、ついでだついで。

 

『第一部隊と闘っていた頃は容赦の欠片も無いアラガミそのものだと思っていましたけど……君、案外お人好しなんですね。 あぁ、人じゃあないか』

 

「キィ……」

 

 雨宮リンドウは月の特異点だからなぁ。 俺はあくまで歯車だし、シオも妙に知識付けて俺を揶揄するから……はぁ。

 

『……ふふ。 あぁ、すみません……。 その、とても楽しそうでしたから……』

 

「キィ……」

 

 あぁ、まぁ……こっちで殺伐としてた頃よりは楽しいよ。

 明確な外敵(ディアーナ)を倒して、今は創世期の早回しを見ているくらいで……後は毎日、日々進化して多種多様になっていく原生生物+オラクル細胞を狩る日々。

 殺伐としているのは変わらんか。 だけどまぁ、殺すためから生かすためになったってのは大きいかもな。

 

『……羨ましいなぁ。 リンドウの懸念通り、僕はずっと暗い神機保管庫で……』

 

「キィ……」

 

 なら、付いてくるか?

 

『……え?』

 

「キィ……」

 

 冷蔵庫ごと運ぶから、できれば余分なパーツは外してほしいんだが……。 あぁ、重さじゃなくてスペースの問題な。 見ての通り、俺は小型なんでな。

 

『……本当に……連れて行って、くれるのかい?』

 

「キィ……」

 

 おうさ。

 さっきは裏切り者なんて言ったが、神機とは言え元はアラガミ。 というか、オラクル細胞だろう。

 まだノアの母体の残りはあるし、月にお願いすれば自力で移動できるくらいにはなれるんじゃないか?

 

『……お願いしても、いいかな。 リンドウのいる世界へ……いや、僕はもう一度リンドウと……!』

 

「キィ……」

 

 おう、了解。

 そりゃあいいが……お前さんの本体、どこにある?

 ちょっと急がないとヤバイ。 猛スピードでこっちに近づくヘリの駆動音が聞こえる。

 

『! 第一部隊……! わかりました、ご案内します!』

 

「キィ……」

 

 あぁ、その木の板置いて行ってね。

 んで、冷蔵庫を……ぶちっとな。

 

『こっちです!』

 

「キィ……」

 

 はいよー。

 冷蔵機能は失われても、保温機能は残るだろ。

 俺の口の中は気圧とか関係ないし……宇宙航行にも問題なし!

 

 さ、第一部隊と交戦する前に帰ろう。

 

 

 

***

 

 

 

 全身に緩慢な痺れがある。 

 身体が重い。

 

「……さん!? サクヤさん!」

 

「……ぅ」

 

 近くで、誰かが呼んでいる。

 目を開けるのも億劫だ……。

 

「サクヤさん! 大丈夫ですか!?」

 

「リーダー! エリキシル錠持ってきました!」

 

 自分は今まで何をしていたのか。

 そもそも、何故自分は意識を失っていたのか。

 

「ありがとう、アリサ。 サクヤさん、これ飲んで……」

 

「……んぐ」

 

 その錠剤が少量の水と共に身体に流し込まれた途端、痺れが一瞬にして消え去る。

 さらに体の重みが全てとれた。

 

 なんだこの劇薬は。

 

「……隊長……? それに、アリサと……ソーマも」

 

「サクヤさん。 意識が回復して直後で申し訳ありませんが、何か見ていませんか?」

 

 言われ、無意識に腹を(さす)る。

 外傷は無い。

 だが、なんだろう……。

 

「リンドウ……?」

 

「ッ! リンドウさんがいたんですか!?」

 

「い、いえ……でも、この感覚は……?」

 

 まるで、リンドウに触られたかのような錯覚。 いや、感覚。

 その姿を見ていないにも関わらず、だ。

 そもそも腹を触られたことなど……その、数回しかないのだが。

 

「ッ! そう、思い出したわ……! アレが、アレがいたのよ!」

 

「アレ?」

 

 アリサが小首をかしげる。

 段々と記憶が蘇ってきた。 そう、アレ。

 

「赤い――アバドンよ」

 

「――……! サマエル、ですか……」

 

 隊長――神薙ユウ以外も、ピンと来たという顔をする。

 第一部隊と切っても離せない因縁の相手。

 より深い因縁を持っているのは目の前の神薙ユウと壁に寄り掛かったソーマ・シックザールだけなのだが、それは置いておこう。

 

「アラガミの侵入と、アナグラの外壁の破壊……加えて、何人もの神機使いの施設内撃破。 これは全てサマエルの仕業と見るべき、か……。 サクヤさん、それ以外に見た物はありませんか?」

 

「いえ……ステルスフィールドで尾行していたのだけど、いきなりピリッとした感覚と共に……意識を失ってしまったの。 ごめんなさい……」

 

 そう、そうだ。

 全て思い出した。

 あの感覚は、確かに――。

 

「スタンか……。 さっき、連絡があった……。 アラガミの素材保管庫から……セクメトの爪や翼と言った素材が……根こそぎ奪われていたらしい……」

 

「本当かい、ソーマ。 サマエルがそんな回りくどい事をするかな……?」

 

「サカキのおっさんからの……情報だ。 胡散臭いが……信用は出来るだろう」

 

 あぁ、胡散臭い。

 胡散臭い笑みと、胡散臭い声で、胡散臭い情報を渡さないでほしい。

 信用しづらいから。

 

「――はい、こちらアリサ……え? はい、はい……。 それだけ? じゃあ、やっぱり……?」

 

 どこからかの通信を受け取ったらしいアリサが、驚愕に顔色を染めたり納得しつつも疑問を呈し、通信を切った。

 

「アリサ、どうしたんだい?」

 

「……サクヤさん、取り乱さないで聞いてください」

 

 神薙ユウに問われたというのに、こちらを向いて神妙な顔をするアリサ。

 知らずの内に、ごくりと生唾を飲み込む。

 

 どくりと、鼓動が鳴る。

 

「神機保管庫から――リンドウさんの神機が、無くなったそうです」

 

 私は、駆けだしていた。

 

 

 

***

 

 

 

「リンドウ!!」

 

 いるはずがない。

 ありえるはずがない。

 帰ってきたのなら、連絡をしないはずがないのだから。

 

 けれど、やはり諦めきれない。

 縋りつきたい。 泣いて喚きたい。

 その思いを我慢してきたのに、何故……何故、揺さぶるような事をするのか。

 

「リンドウ!? リンドウ!」

 

 リンドウの部屋へと駆けつけ、扉を叩く。

 勿論反応は無い。

 

「サクヤさん!」

 

「あ……」

 

 駆けつけてきたユウが、IDカードを出してくれた。

 そうだ、ここはもうユウの部屋になったのだ。

 滅多に使うことは無いけれど――。

 

 シュン、と音を立てて開いたドアをすり抜ける様に部屋に入る。

 

「……そう、よね……」

 

 そしてすぐに、がくりと膝から崩れ落ちた。

 

 誰もいない。

 

 確認するまでも無い。

 神機使い1人に与えられる部屋が広くないのも理由の一つだが……スナイパーとして培った気配察知能力が……雨宮リンドウが、ここにはいないという事を知らせてくれたから。

 

「……そうよね……」

 

 そうだ。

 いるはずがない。

 

 だから、自身に配給されたビールをこの部屋の冷蔵庫に詰めるなんて行為も、結局自己満足にすらなり得ない空虚な行為に過ぎない。

 当たり前だ。

 雨宮リンドウは、死んだのだから。

 自身も見たではないか。 あの、残された神機と……おびただしい血液を。

 

「……そう、よ」

 

「サクヤさん!」

 

「……?」

 

 絶望の縁ではない。

 当たり前のことを再確認した、その淡い期待が打ち砕かれただけのサクヤを呼ぶ声があった。

 神薙ユウ。

 彼は焦った顔で、手は震え、その目は限界まで開かれ――

 

「……冷蔵庫、ありません……よ……」

 

 その口で、よくわからないことを言った。

 

 無い?

 

 よろり、と立ち上がる。

 いや、立ち上がれていない。

 だが、這うようにして……そこへ向かう。

 

「……本当だわ」

 

 無かった。

 何って、冷蔵庫が。

 

 ぶちまければあの時見た夥しい血液をも包み込めるくらいの量の――缶ビールが入った、冷蔵庫が。

 fc(フェンリルクレジット)に換算して1340800fc程の缶ビールが――無い。

 

「冷蔵庫も、コードから千切られていますね」

 

「……サマエルが、冷蔵庫を持って行ったんでしょうか?」

 

「……冷蔵庫、もしくはビールに偏食傾向を向けたアバドンか……研究し甲斐がありそうだ……」

 

「皮肉ですか、ソーマ」

 

 この非常時にこのノリなのは、流石は元第一部隊……ではなく。

 何故か。

 

 何故か己は、橘サクヤは……その声を思い出した。

 

 

『ビールが恋しいなぁ……』

 

 

「! そこ……?」

 

 よた、よたりと……窓に近づく。

 そこにいる。

 

 そこから、声がする。

 

 そこへ近づいて――気付いた。

 

「……木の、板……?」

 

 それは何の変哲もない木の板だった。

 少なくとも、見た目はそうだった。

 

 そしてそれには、何かが刻まれていた。

 

「……」

 

「サクヤさん?」

 

 その木の板を、そっと手に取る。

 あぁ、前が見えづらい。

 ぼやけているようだ。

 

 あぁ、このふざけた文字が見えづらい。

 叩き割ってやろうか。

 

 あぁ――

 

「リンドウ……」

 

 優しく、そのただの木の板を抱きしめる。

 温かいわけでもない、その木。

 でもこれが、サクヤにとってはこれが――何よりも、暖かかった。

 

 なんという汚い字か。

 なんという読み辛い字か。

 

 けれど、なんという――リンドウらしい言葉か。

 

 この言葉は胸に秘めておこう。

 悪いが、後ろでこちらをピョコピョコ伺っている面々にはとても見せられそうにない。

 声に出すのも勿体無い。

 脳裏に或るリンドウの声を、忘れるはずの無いその声の通りに――。

 

 

 

 これは、私の物だから。

 

 

 

***

 

 

 

『リンドウはなんて書いたんですか? 僕、人間の言葉はわかるけど、文字が読めるというわけではないんですよ』

 

「……」

 

 知らん知らん。

 男女のなんたらに首を突っ込むと、クアドリガに蹴られるぞ。

 ま、野暮って奴だ。 

 

『……君も経験が?』

 

「……」

 

 あるわけないだろ? 俺はアラガミだぜ?

 

『……妙に人間らしいから、もしやとおもったんだけど……』

 

「……」

 

 人間らしさなら、雨宮リンドウとかシオとか……お前さんの方が、遥かに上だって。

 

『……これ以上は聴いても無理そうだね。 あとどれほどで着くんだい?』

 

「……」

 

 あと3日くらいだな。

 もっとスピードだせるけど、そうするとお前の本体が潰れちまうだろ? 口の中に収まりゃ良かったんだがな。

 

『そんなにかかるのか……。 いや、それしかかからないと言うべきかな?』

 

「……」

 

 どっちでもいいわ。

 しかし、お前さん俺の言葉を聞いてたわけじゃないんだな。

 真空空間だと音が出ん。

 

『君の感応波を感じ取っているだけだよ。 だって君、それ鳴き声じゃないって自分でもわかってるだろ?』

 

「……」

 

 歯車と歯車のこすれる音、って認識だな。

 実際は違うんだろうが、駆動音……ないしは稼働音みたいなもんだろ?

 

『ああ。 僕にはただの音としてしか聞こえないからね……。 僕だって、感応波で喋りかけているだけなんだし』

 

「……」

 

 感応現象は便利だねぇ……。

 あれ、もしかして感応種とも意思疎通可能だったり?

 

『あぁ、あれは無理だよ。 僕達旧式に対しては、「黙れ! 動くな!」って意思を叩きつけるのみだから。 勿論君とも無理だね。 そもそも君以外のアラガミは、そこまで明確な意識を持っていないよ』

 

「……」

 

 世界を拓く者やエインヘリアル、世界を閉ざす者なら或いは、って事か……。

 

『? 知らないアラガミだね。 そんなのがいるのかい?』

 

「……」

 

 俺達には関係の無い事さ。

 さ、そろそろ来るぞー。

 

『来る? 何が?』

 

「……」

 

 右ッ!

 

『!?』

 

「……」

 

 いやー、聴覚使えないのは分かってたが、まず届くと思ってなければ当たってたな。 オラクルパワーやばすぎるだろ。

 

『い、今のは……オラクルバレット……?』

 

「……」

 

 左、右!

 

『まさか、神薙ユウ……!?』

 

「……」

 

 一応まだ大気圏とはいえ、ほぼ宇宙に入りかけているバスケットボール大の的を正確に狙撃するとか、やっぱ化け物だよなぁアイツ。

 

『……地球が人類を撲滅できないワケだよ』

 

「……」

 

 あぁ、全くだ。

 

 

 

***

 

 

 

「リンドウー、サマエル遅いなー!」

 

「ん……あぁ、そうだなぁ……」

 

 巨大な影が遠くに揺れ、高くそびえるシダの葉ざわざわ。

 原生林の、水辺の洞窟。

 

「あぁ……全く」

 

 真白の少女と人影1つ。

 

「ビールが、恋しいなぁ……」

 

「シオもビール飲むぞー!」

 

 

 

 今日も月は平和である。

 

 




 自作ssのIFストーリーの小話、という感じになりました。
 自作ss前提で書いたので、分かり辛い点が多々あったかと思いますが、ご容赦ください。
 
 さて、今話は「レン、月へ行く」「サクヤ、ビールを奪われる」の二本立てでした。

 1340800fc相当の缶ビール……分かりやすく比較対象を用意しますと、よろず屋で購入できる回復アイテムで一番高いのがOアンプル:200fcになりますね。
 あと、基本的に武器の最終強化費用が169600fcです。 えぇ、0が一個多いだけですね。

 あの世界、どうやってビール生産してるんでしょうかね。
 荒廃した世界な上、麦なんて嗜好品より食事に使われると思うんですけど。 大麦であれ小麦であれ。 それとも初恋ジュース的にアラガミ素材でも使ってるんですかね。
 まぁ、だから高級品……ゴッドイーターなんて危険な職業に配給される品なんでしょうけど。

 そんな感じで、130万相当の缶ビールを冷蔵庫ごと奪い取る事に成功した主人公。 更には雨宮リンドウの神機まで持ち帰りました。
 あの木片に、それ以上の価値があったかどうかは……一番上の方を見てくださいな。

 それでは、此度GEコラボ企画にお呼び頂き、ありがとうございました。
 主人公は神喰いさんじゃあありませんが……私もスマホじゃないのでMMOにゃ参加できませんが……。
 末永く、GOD EATERと共に在りたいと思います。

 それでは最後に。
 
 RETAE(レイタ) DOG(ドッグ)taenoy(タエノィ) reve(レイヴ).

 ENO(エノ) YI() IAWAKOIHS(アウェイコイッシュ)

 らなうよさ!
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