貴方だけの歌 ~ラブライブ! School idol IF~ 作:貫咲賢希
从廿_廿从「花陽乱舞」
VδωδV「ぶちゃけネタが思いつかない」
从廿_廿从「そろそろ完全嘘あらすじも出てくるわね」
346プロ主催シンデレラプロジェクトミニライブが行われる噴水広場では設営が完了されていた。
噴水広場と名だけあって水をモチーフにしたイルミネーション。月のモミュメント。演出を彩るスポットライトやスピーカーなどの大型機材。周りには進入防止のバリケードまで備えられている。
これから踊るアイドルにとって、煌びやかに飾られたこのステージはまさしく舞踏会場。魔法をかけらてたシンデレラたちは不安と期待を胸に秘め、刻一刻と出番を待ち望んでいた。
既に人が疎らに集まっており、事情を知らない人間もこれから何か始まるのかと察する。ここは天井が吹きに抜けになっているため、ライブが始まれば上の階層にいる人間も注目するはずだ。
噴水広場へ他の者達と共にやって来た海未は、その様子に圧倒される。
「もう人がいますね。流石、大手によるイベントですか………」
当たり前なのだが、自分たちのライブとは規模が違う。
そもそもプロアイドルとスクールアイドルを比べること事態烏滸がましいのだが、一度自分たちでライブをしてみれば自然とその差に痛感させられた。
「事前に金と時間をかけて告知したんだ。これだけいてくれないと困るさ」
ほんの少し浅ましい顔をしていた海未に色明が声をかける。
僅かに声が上ずっているのは、姉の晴れ舞台が盛況であることに喜んでいるのだろう。
「つまり自分たちのライブと比べるてとか、お門違いもいいところだ」
「お見通しでしたか……」
見抜かれたことを少し恥じらいながら苦笑する海未に、色明もまた苦笑を見せる。
「だいたい、この規模で新人の初ライブなんざ、か─な─り、恵まれているほうだぞ」
「そうだね。私は学校のイベント。色明は他のアーティストたちと一緒にしたよね」
色明が話していると、その隣にひょっこりあおいがやって来た。
「今回は二組だけどプロジェクトだけで言えば単独ライブ。それだけシンデレラプロジェクトは力を入れているってわけ。これはまさしく穏やかじゃないわね!」
「キッタ───! あおいさんの『穏やかじゃない』きた!」
「え? なんでかよちんそこで興奮したの?」
「あおいさんのと言えば『穏やかじゃない』が口癖! 事あるごとに『穏やかじゃない』って言ってるんだよ」
「それって単なるキャラ作りじゃあ……」
花陽の解説に凛が微妙な顔をする。
ちなみに彼女も猫真似をするが、これは正真正銘口癖だ。
「ふふ、ご想像にお任せるわ」
「口癖をキャラ作りでわざと使い出しただけだろうが……」
あおいがわざとらしく意味深な笑みを浮かべる傍で色明が呆れる。
「ちょっとちょっと、乙女の秘密を勝手に喋るなんて駄目! じゃなくても営業妨害!」
「へいへい俺が悪うございましたから、ちっとは静かにしてくれませんかね」
頬を膨れさしたあおいを見て色明は益々渋い顔をした。
口悪いがお互い本気で喧嘩してるわけではなく、気心知れた仲ゆえの言い合いだと見れば誰もが分かる光景。
そんな二人の親しさを海未は間近で感じ取った。
以前のSoleilのライブ後で起こった偶然の出会いでは、色明とあおいの間には普通の友人程度の認識しかなかったが、一緒にいる光景を幾つも見た今では、二人の間に根強い絆があるのだと解る。
昔、同じ稽古を習っていた。話を聞く限りでは、小学校から中学の途中までは一緒だったらしい。それからも、こうやって同じイベントにやって来るほどには交友は続いていた。
そう考えると、海未の胸の中で暗雲が漂う。が、それを彼女自身気づいていない。
「俺とお前が周りにバレて騒ぎになったら、そろこそ今からやるライブの営業妨害だろうが。自重してくださいよ、プロアイドルさん」
「……わかってるよ。私と色明は少し離れて見るから、他のみんなは今のうちに前のほうに行ったほうがいいわよ。ほら、もう最前列で待っている人たちもいるしね」
「お二人はいいのですか?」
「仕方ないだろ」
海未の問いかけに色明が溜息をこぼす。
「大人しくしてても気づく奴は気づくからな。ライブの邪魔する前にとっとと離脱できるよう、遠くから静かに眺めとくわけさ」
「そんな……折角来たのに。お花だって」
「花や差し入れは後で渡す予定。つまらない我侭で水を差すわけにはいかねぇだろ」
「そういうこと。だから私たちは気にしないで」
「……そっか。なら、私たちが新田くんたちの分まで声援を送るよ!」
一瞬、微妙な空気が漂ったがそれを穂乃果が明るい声で打ち破った。
元気が彼女の取り得の一つ。陰鬱な空気もライブ前には相応しくないだろう。
穂乃果はそのまま妹の雪穂の腕をがっしりと掴む。
「雪穂! 私たち高阪姉妹が新田くんたちの変わりに最前列で美波さんを応援するよ!」
「ちょっと、お姉ちゃん引っ張らないで! ていうか、他にも共演者がいるんだからね!?」
「あっ! 雪穂、待って! 私も前に行く~!」
騒ぎながらステージに近づく高阪姉妹を亜里沙が追い、それを見たあおいがくすりと笑った。
「ふふっ! ほんと、穂乃果ちゃんのああいう元気なところいちごに似てるね」
「そうか?」
あおいのその言葉を聞いた途端、色明は微妙な顔を浮かべる。
「そうよ。そう思わないの?」
「思えないな」
「ふ~ん。まっ、いいけど……」
「よ、よーし! 私も穂乃果さんたちや他の人に遅れてはいけません! 凛ちゃんも真姫ちゃんも前に行こう!」
「了解にゃあ!」
「そんなに慌てなくてもまだ余裕があるわよ……」
花陽、凛、真姫の一年生たちもステージに近づいていく。
それを見送った海未はことりに話しかけた。
「あの、ことり……。私もここで残るのでみんなのことを頼んでよろしいですか?」
「海未ちゃん?」
「園田?」
彼女の言葉を聞いた色明は少し驚く。
言われたことりはというと、驚いてはいるが何故か口元が笑っていた。
そんな彼女の様子には気づかない海未はつらつらと言葉を紡いだ。
「新田さんたち二人だけよりも一般人が傍にいれば目立ちにくいと思いますので。ここからでも十分ステージの様子は見えますしね。私、弓道してるので目は良いですし、だから──」
「そっか! うん! 大丈夫! みんなのことはことりに任せて!」
ことりはそう言って親指を立てると、ステージ前にいる穂乃果たちの元へと向かう。
その後ろ姿を眺めた後で海未はくるりと色明たちに振り向く。
「……もしかして、お邪魔でしたか?」
「いや、園田の言うとおり傍にいてくれた方が助かるな。悪い例えになるが、多少なりとも隠れ蓑にはなる」
「そうですか……。別に隠れ蓑扱いでも気にしません。貴方のほうが遥かに大きいので隠すことはできませんが誤魔化す手伝いはできるでしょう」
色明の言葉を聞いた海未が安心していると、あおいがニヤニヤと笑っていることに気づいた。
「霧矢さん? あの、私何か可笑しなこと言いましたか?」
「うん? 全然! ただ海未ちゃんて可愛いなって!」
「はぁ……。何故いきなり褒められてたのは解りかねますがありがとうございます」
「それと、さっきも言ったけど私たちは同い年なんだから普通に話してくれてもいいんだよ?」
「えっと、一応これが私の普段からの口調なのですけど……」
「え? そうなの? もしかして、海未ちゃんてお嬢様?」
「お嬢様と呼ばれるほど大層な家ではないですよ。家が道場をしてるので、昔から礼儀正しくあれと育てられた結果ですね」
「へぇ、海未ちゃんの家って道場なんだ。となると──もしかしてあの園田道場? 日本舞踊の他に武道も教えている?」
「そうですが、ご存知なのですか?」
「ご存知だよ! だって習い事をいっぱいしてたときに其処も通ってたからね!」
「なら、お二人はうちで武道を習っていたのですか?」
意外な発言に海未が驚く。
色明とあおいは武道を共に習っていた話を聞いてたので、もしかして同門者だったのかと彼女は尋ねた。
「違う違う。私が園田道場で習ってたのは日本舞踊。色明と習っていた武道はちょっと変わったやつなの」
「そうなんですか……」
色明と同門ではないことに些か落胆しつつも納得する海未。そもそも同じ流派ならば生まれ育った場所なので動きを見ればすぐ気づくだろう。
「そういえば、前から気になっていたのですが新田さんたちが習っていた武道とはいったいどんなものですか?」
「その話はまた今度だ。始まるぞ」
色明の言葉と同時に周りの証明が落とされて、ステージに青いライトアップが灯された。
『はーい! 皆さん、こんにちは! 346プロのシンデレラプロジェクト、その第一弾のファーストライブへようこそ!』
ステージ脇から司会進行の女性もやって来て、海未も急いで舞台上に視線をを向ける。
司会の女性は本日のユニット紹介をした後で注意事項を説明し、周りに問題ないかを見定めた。
特に騒がしい集団もいないと確認すると彼女はすぐにステージから消える。
『──それではLOVE LAIKAの登場です! どうぞ!』
代わりにやってきたのは白いドレスを纏う二人のアイドル。
片や、長い髪を翻し、大人の美しさと子供のような愛らしさを兼ね備えた女性、新田美波。
片や、アッシュグレーの短い髪と青い瞳で神秘的な爽やかさを持った少女、アナスタシア。
彼女のたちの名はLOVE LAIKA。二人の初ステージが刻下、始まる。
▼
『初めまして──!』
『『──LOVE LAIKAです!』』
彼女たちは舞台に上がる前、とても不安だった。
大丈夫のか。できるのか。お客さんは本当にいるのか。
それは海未たちμ'sがファーストライブ開始前に抱いていたものと同じ。
そこにスクールアイドルやプロアイドルとの差は存在しない。ほとんどの人間が感じる等しき恐れだ。
だが、舞台へ上がる前に彼女たちはその憂慮を取り払う。
これもμ'sのファーストライブと同じ。自分は一人ではない。
傍には、一緒に立ち向かうパートナーがいる。
一人では抱えきれないものを二人で抱えて、彼女たちは眩しい笑顔を大衆に魅せた。
『聴いてください、私たちのデビュー曲──』
『『──Memorics!』』
其れは綺麗で儚い愛の歌。
離れていった恋しい人を切なく思う言葉。遠き光を焦がれ、星のように眩く煌めく二重奏。
白き二人のシンデレラは歌い、踊る。
ゆっくりと軽やかに。時には風を切るように。離れ、重なり合い、交差する。彼女たちの舞踏に魅了された人間が一人、また一人と増えて足を止める。
彼女たちの姿が見えなくとも、その歌声を耳にすれば魔法がかかったように音の先を求め、二人の女に心を奪われるのだ。
幻想的な時間は瞬く間に終わり──、一曲限りの舞踏会が終わった。
『『──ありがとうございました!』』
照明が元に戻るとLOVE LAIKAの二人は頭を下げて、礼を言う。
それに答えるように観客が拍手を送った。ライブが始まる前より増えた人数。
上の階層も合わせれば百単位の見物者。
最前列でライブを眺めていた穂乃果たちは活気付いており、彼女たちの他にも歓声が静かに響いていた。
成功と言っていい結果である。
美波とアナスタシアは涙を浮かべ、自分たちを称えてくれる人々へ手を振るった。
『спасибо!』
『ありがとうございます!』
▼
その後でnew generationsも歌ったが、ライブが終わった後でμ's一行が盛り上がる話題はやはり一番の目的であるLOVE LAIKAのことである。
「新田さんのお姉さま、綺麗でしたね……」
「うん! 歌もすっごく良かった! ことり、ファンになったよ!」
「アナスタシアちゃんも良かったよ! あれで凛と同い年とか信じられないにゃ!」
「それに比べて次に出たユニットは駄目ね。変な顔で笑ってたし、踊りも所々ズレてたわ」
「駄目だよ真姫ちゃん、そんなこと言っちゃあぁ! 最初のライブで緊張してたんだと思うし、完璧じゃないのも生ライブの醍醐味なんだよ! 駄目なとこも愛嬌だよ!」
「ご、ごめんなさい、花陽。失言だったわ……」
「そういえば亜里沙ちゃん、最後になんか叫んでなかった?」
「『Я очень восхищённый Вашим выступлениями. Желаю Вам ещё больше успехи,』ですか?」
「え? 何語?」
「多分ロシア語だよ、お姉ちゃん。亜里沙はロシアのクォーターて説明したでしょう……」
「ええと、日本語で言うと『あなたの活躍にとても魅了されていました。更なるご成功を祈っています』ていう感じです」
「悪くないライブだったわ。LOVE LAIKAに
「LOVE LAIKAは兎も角、あとはどうかねぇ……」
「身内贔屓の言葉は聞きませ―ん。花陽ちゃんも言ったように悪口は駄目だよ」
「別に身内贔屓も悪口も言ってないだけどねぇ。ていうか、俺はさっさとこれを届けに行くんだがお前たちはどうする?」
そう言って色明は姉に届けるための花束と差し入れが入った袋を掲げた。
事前に自分がやって来ることをスタッフに了承してもらっているが、撤収作業もあるので早々に向かわないといけない。
「勿論、待ってますよ」
「あの、私は途中までついていったら駄目ですか?」
海未が言った傍で別の言葉が出てきた。花陽である。
「もしかしたら一目だけでも他のアイドルが拝めるかもしれないので……」
「私は最後までついてきたいな。美波お姉ちゃんと話したいし」
と、言ったのはあおいだった。
それを聞いた色明は眉間に皴を寄せて嫌そうな顔を浮かべる。
「小泉の途中までは構わないがあおいはどうなんだ? 他の事務所のイベントだぞ? 入れるか解らないぜ?」
「なら入れるようにお願いするわ。色明がね」
「何で俺がそんなことをしないといけないんだよ。……一応、言ってみるが駄目なら諦めろよ」
「なら、折角だし私たちも途中までついてこようよ。穂乃果も他のアイドルが見られるなら見たいし」
「え? 流石に大勢だと迷惑では?」
突然の穂乃果の言い分に戸惑う海未。
彼女も興味がないわけではないが、自分たちは色明を合わせて十人と大人数。大勢で押しかけて色明に迷惑がかかるのではと彼女は心配したが、当の色明は気にした様子ではなかった。
「別に関係者前の入り口までなら問題ないだろ。ていうか、マジで急がないといけないから来たい奴は勝手についてこい。こっちだ」
「あ、待ってください」
結局、色明が歩き出すと全員が彼の後を追う。
一同は色明の先導により舞台裏までやって来る。スタッフばかりでアイドルらしい人物見かけることはできず、花陽は少し残念そうにしていた。
到着とすぐ、色明は入り口前に待機していたスタッフに話しかける。
「すみません。新田美波の家族のものですが……」
「!? 新田色明さんですか!? おお、本物だ。ええと、話はプロデューサーから聞いてます。どうぞ、中にお入りください」
「ありがとうごさいます。お勤めご苦労様です」
「いえいえ、仕事ですので。ところで後ろの方々は?」
「ただの連れです。ここで待ちますので気にしないでください」
「え、ちょっと!? 私が入れるようにする交渉は!?」
あおいが驚いた声を上げると、色明はあからさま舌打ちをした。
「ええと、一緒に中に入りたい人がいるんですけど駄目ですよね? 駄目ですか。そうですか。お手数かけます」
「待って待って! その人何も話してないよね! すみません。私、スターライト学園の霧矢あおいというんですけど」
「お前馬鹿! 何、勝手に名乗ってんだコラ! 名乗ったらややこしく──」
「え!? あのアイドル博士でSoleilのメンバーでいけない警視総監に出ていて愛用ブランドはフューチャリングガール! 穏やかじゃない!の霧矢あおいさんじゃあないですかっ!!」
「詳しいな、アンタ! さてはコイツのファンか!」
「わ─た─し、中にいるアイドルとお話したいんですけど駄目ですか─?」
「自分のファンだと解った途端、下手な色仕掛け使いやがったぞ!」
「ちちちち、ちょっとお待ちを! いいま確認を! 駄目でも裏手からなら誰にもばれずに」
「コラ、職権乱用すんなよ。上司にご意見飛ばすぞ」
「うーん。穂乃果ちゃんと海未ちゃんを見てるような気分」
『え? 何処が(ですか)!?』
一連の流れを眺めていたことりの感想に穂乃果と海未が驚愕。
花陽はまだ周囲にアイドルがいないか探しており、真姫は興味なさそうに髪をいじくり、雪穂は呆然として、凛と亜里沙はハンドスピナーで遊んでいた。
その時である。
「何かあったのですか?」
とても重い声が響いた。
「ひっ!」
小さな悲鳴は誰のものだったのか。
舞台裏の入り口からのそりと一人の男が現れた。
──でかい。
二メートルはあるガッシリとした体格。目はとても鋭く愛想の欠片も感じない。町を歩けば職務質問待ったなしの大柄な男である。突如として現れた巨漢にその場にいた少女が怯えていた。
「あっ、お疲れ様です」
「新田色明さんですか……。お疲れ様です」
唯一動揺しなかった色明が挨拶すると、男も大きな体を傾けて丁寧に挨拶をした。
「い、色明ぁ。この人、知り合い?」
突然の巨漢に流石のあおいも恐れをなしており、震えた手で色明にしがみ付いている。
それを目撃した海未が形容し難い表情を浮かべていたが、誰もが巨漢に注目してたため気づく人間はいなかった。
「シンデレラプロジェクトのプロデューサーだよ」
「プロデューサー? 警備の人かと思った……」
「それでいったい何が?」
「俺と一緒に姉に会いたいと連れが言い出したので、大丈夫なのかと確認してたところです」
「かまいませんよ。どうぞお連れの皆様もお入りください」
即答だった。
プロデューサーはこの現場に置いての最高責任者。彼が了承したのならば止める人間いない。
「……わかりました。ありがとうございます」
「ただ、我々もあまり長くここにいませんのであまり時間は取れないことをご了承ください」
「はい、わかってます──じゃあ、行って来るわ」
「ええ。そこで待っていますね」
振り返った色明の言葉に海未が返答する。
「? 彼女たちは入らないのですか?」
この場を離れようとしたが海未たちだったが、プロデューサーの呟きに思わず立ち止まる。
彼の言葉には色明も驚く。
「もしかして、あそこにいる子らも入っていいんですか?」
「? ええ、勿論」
表情が一切変わっていないように見えるが、プロデューサーの内心は不思議そうにしていた。
彼は最初から海未たちも歓迎していたのである。
それを察した色明は神妙な顔つきで海未たちに目を向けた。
「お前らも入っていいらしいが、どうする?」
「入ります! 是非、入らせてもらいます!」
真っ先に反応したのはやはり花陽だった。
プロデューサーの申し出は彼女からすればまさに棚からぼたもち。アイドル好きの彼女が遠慮するわけでもないのである。
「なら、折角だし──」
そうなるとここで引き下がるほうが返って迷惑だろう。
残りの者も同行することにした。彼女たちも興味がないわけではない。先程ステージで見たLOVE LAIKAと会ってみたいし、他のアイドルも見れるかもという期待が膨らむ。
「はい。では、こちらです。案内しましょう」
行動が決まり、プロデューサーの手引きによって建物内に入る一行。
「そういえば──皆様はライブをご覧になったのですか?」
色明とあおい以外が緊張な趣で移動中、プロデューサーが尋ねてきた。
「ええ。勿論ですよ」
答えたのは色明。
それを聞いたプロデューサーはしばらくの間の後、再び口を開く。
「──どう、でしたか?」
躊躇いがちの問いかけだった。
何故そのような声色なのかは想像付かないが、返答はすぐに訪れる。
『楽しかったですっ!』
その場にいた少女たち全員がはっきりと答えた。
彼女たちの言葉を聞いたプロデューサーは安心したように吐息を零す。
「……それは良かったです」
はい。アンチヘイトタグをつけた原因の一つがこの回ゆえです。
別にNGは嫌いじゃないですけど、やっぱり今は許されても当時は批判の嵐だったですからね。
続いてはLOVE LAIKAとの直接対面。そして、μ'sの新たな試練が解る回ですかね。
できたら来週も更新したいとこ。
ではでは。
PS、更新してもまったくお気に入りなどが増えなかったため、一話をごっそり変えてみました。他の場所も随時改修中です。