貴方だけの歌 ~ラブライブ! School idol IF~   作:貫咲賢希

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\\\[前回のラブライブ]///

/cVσ_VσV「そういえば、何故一人で生徒会長を説得しようと思ったのです?」

リ`・ヮ・)「歌の上達を見せて失敗しても、それで怒られるのは私だけ済むかなって思って」

/cVσ_VσV「穂乃果……」

cVσ_VσV「今度は一人でやらないでください」

cVσ_VσV「皆でやってるのですから、怒られるときも一緒です」

リ`・_・)「海未ちゃん……」

リ`・_・)「でも、先生に私が怒られたときは見捨てたよね?」

/cVσ_VσV「それとこれとは話が別です」

/cVσ_VσV「相談もなしに一人で歌いだしたのは穂乃果だけの責任でしょう?」

/cVσ_VσV「ほら、速く反省文書き終わらないと練習に間に合いませんよ」

リ`T_T)「うええええん」




18話・過去を穿つストレートワード

 穂乃果の奮闘と犠牲により絢瀬絵里からダンスの特訓を引き受けてもらったμ'sたち。

 早速、その日の放課後屋上にて彼女の指導を乞うのだったのだが。

 

「全然駄目じゃない! よくこれでダンスをしようと思えたわね!」

 

 少女たちを待ち構えていたのは冷罵の嵐だった。

 

「基礎ができてないから無駄ができるのよ!」

「少なくとも足を開いた状態でお腹を床につかせなさい。それを全員ができるように。柔軟性を上げることは全てに繋がるわ!」

「ダンスで人を魅了したいのでしょう! これぐらいできて当然!」

「動きが鈍い! 筋力トレーニングも一からやり直しなさい!」

 

 始まってから終わらない叱責。

 最初な静かな苦言だったのが、徐々に凍傷しそうな謗りに変貌した。

 厳しい特訓は海未によって行われていたが、そのときよりも痛ましい顔を少女たちは浮かべる。

 そもそも、海未が行ってきたのトレーニングは主に走り込みよる体力づくりが主であり、絵里が指導している柔軟やバランス感覚の特訓は今までしてこなかった。よって、不慣れな鍛錬にμ'sたちは疲労困憊する。

 だが、こちらから頼んだ手前もあり、全員が懸命に黙々と励むのであった。

 

「もういいわ。今日はここまで」

『──ありがとうございました!』  

 

 そして、時間にして一時間弱。

 絵里が告げた終了の声の後、μ'sたちは揃って礼を言った。

 なんとかこなせたと全員が内心安堵する中、絵里は彼女達を見据えている。

 

「この程度の基礎すら満足にできないなら、ダンスの上達はまだまだ先よ」

『!?』

「わざわざ付き合ってあげてるんだから、少しはマシになりなさい。それじゃあ」

 

 そう言い捨て、絵里はそのまま屋上を去っていた。

 彼女が消えた扉が閉じられたと同時に、我慢の限界に達した真姫が憤慨する。

 

「な、なんなのあの言い方!!」

「ま、真姫ちゃん聞こえるよ!」

「いいわよ聞こえて!」

 

 宥めようとする花陽だったが真姫はかなり腹に立っていたのか、地団駄を踏むような勢いで吐き捨てた。

 

「確かに教えてもらうのはありがたいけど、何事も言い方ていうもんがあるでしょ!」

「確かに怖かったよね。柔軟するときもいきなりだったし。凛、体が裂けると思ったにゃ」

 

 同意するように凛も激しく頷く。

 柔軟を教える際、最初の実験台にされたのは凛であり、そのとき彼女は足を地面で広げたまま背中を押されて悲鳴を上げたのだ。

 

「ことりも腕が痛いよぉ」

 

 逆にそつなく足を地面に広げたまま腹を地面につけれたことりは、筋力トレーニングで苦しい思いをした。

 すると何か考えていた海未が申し訳なさそうな顔を浮かべる。

 

「すみません。私がもっと確りとした特訓メニューを作ればこんな事には」

「え!? なんで海未ちゃんが謝るの!?」

 

 いきなり謝罪に穂乃果が驚き、他の人間も何事かと海未に視線を集中させた。

 

「今までの練習メニューを考えてたのは私です。今日、生徒会長に言われた内容も以前から組み込んでおけばこの様なことには……」

「なに言ってるの! 海未ちゃんが考えてくれた特訓あったからこそ、生徒会長の特訓もみんなやり切れたんだよ!」

「穂乃果……」

「穂乃果さんの言うとおりです! 海未先輩の特訓がなかったら、私途中で倒れちゃてたと思います!」

「花陽……」

 

 穂乃果に続いて花陽に慰められる海未。

 彼女は花陽をじっと見つめた後、ふと思い到ったことを呟く。

 

「そういえば穂乃果やことりには『さん』付けなのに、私だけは『先輩』呼びなんですね」

「えぇぇ!?」

「──なんでいきなりそんなことを言ったの?」

 

 海未の突然の発言に花陽が驚き、くすりと笑ったことりが彼女に尋ねた。

 

「いえ、なんとなく」

「なんとなくって」

 

 海未の発言に花陽以外が苦笑を浮かべた。

 微妙な空気になったが、先程の剣呑なものよりもずっといいだろう。

 

「海未先輩って普段しっかりしてるのけど偶に抜けたこと言うのね」

「真姫ちゃん偶にじゃないよ。結構な頻度で言うよ」

「穂乃果、それはどういう意味ですか?」

「何で穂乃果だけ睨むの!?」

「あ、あの海未先輩だけじゃなく新田先輩も先輩って呼んでますよ?」

「かよちん、その話はもういいにゃあ」

「え?」

「うふふ。さ─てと♪ 海未ちゃんのお陰でみんなの気分も変わったし、これからどうする?」

 

 いつも通り賑やかになってきたが、見切りをつけてことりが切り出す。

 下校時刻までまだ時間があり、絵里の指導が終わった今、残りの放課後はどう過ごすべきか考えなければならない。

 

「体力はまだあるけど、正直今は体を動かしたい気分ではないわね」

「なら、新曲の練習でもする? 新田先輩も午後から学校に来てるんだよね?」

 

 体をほぐしながら真姫がぼやくと、凛が歌の練習を提案した。

 歌の練習は基本的に色明を交えて行っている。彼がいない日は真姫が代行して歌の指導をしているが、やはりプロである色明の方が質が上である。

 そんな色明は午前中仕事で学校にはいなかったが、昼休みには授業に参加していた。

 しかし、練習が始まっても色明はこの場にはいない。例え、音楽に関係ない練習でもその場にいるのだが、今日はまだ姿を見せていなかった。

 その事情を海未が説明する。

 

「確かに彼は学校に来てますが、今日は違う部活に顔を出すそうです」

「え? なんで?」

 

 不思議そうにする凛に海未は少し不服そうに説明を続けた。

 

「新田さんの見本生は異性に慣れてない女性の苦手意識を少しでもなくすのが主な役割です。最近は私たちに掛かりきりのため、あまり他の生徒と関わってないから今日は色んな場所に顔出しする、だそうです……」

「ふぇ~。事情を知らないと色んな女の子に会ってるだけにしか見えないね」

「傍から見ればそうでしょうね」

 

 凛の言葉を海未が同調するのは、理由があると頭では解っていても、単に他の女の子たちに会いたいだけではと何処かで邪推しているからだ。

 色明は一見ふざけていそうで真面目な性分なのは海未も知っている。

 口では色んな女子に会えて楽しいとでも言いそうだが、本心では線引きをして職務に取り組んでいるだけだろう。

 しかし、自分の知らないところで彼が女子に会っていると思うと海未は面白くなかった。

 実際やってる事は『不特定の多数の女子に接触している』と、ふしだら行為にしか見えないので不快に感じてるのだと、自身で結論している。

 そんな思いは色明に対して失礼だと理解しているので、海未は気持ちを切り替えるように話題を変えた。

 

「それよりも絵里先輩の指導が終わったので、今日はこの後、弓道部に寄らせてもらいます」

「ああ、そういえば海未せ、─さんは掛け持ちでしたね」

 

 わざわざ言い直す花陽に海未はこくりと頷く。

 近頃はアイカツによって弓道部が何かと疎かになっている。

 今後も絵里の指導や新曲PVのため更に時間は削られるだろうが、掛け持ちをすると決めた以上、可能なかぎり弓道部にも力を入れたい海未だった。

 

「スクールアイドルと弓道。更に家の稽古もあって、本当に忙しいですね」

「目まぐるしい毎日ですが充実してますよ」

 

 半分呆れて半分尊敬した真姫の言葉に、海未は辛労を感じさせない微笑を見せる。

 そんな彼女を苦なく言えるのは流石だなと、誰もが感心した。

 

「けど海未ちゃんも抜けるなら今日は新曲プロモのアイディアでも考えよっか。この前は結局、生徒会長に踊りを教わることだけ決めて、肝心のPVは何も決めてなかったし」

「え? それは逆に全員揃ったときの方が良くないかな?」

「私はかまいませんよ。こういうのものを考えるのは苦手ですし、後でどんなもの決まったら教えれたらそれで」

 

 穂乃果の言葉に凛が首を傾げるが、すぐに海未が自分を抜いてやってくれても構わないと言う。

 

「うん、わかった。なら、後でどんなものか決まったか教えるね」

「はい、お願いします。それと真姫。私の代わりに脱線しないか見張ってくださいね」

「わかりました」

「なんで、そこで一年生の真姫ちゃんに後を頼むのかな?」

「では穂乃果。無駄話は一切せずに最後まで決めれますか? ことりは穂乃果を甘やかさないでくれますか?」

『それは──』

「そこで見栄すら張ってくれないから、心配するのでしょう」

 

 曖昧な表情を浮かべる幼馴染たちに呆れながら、海未は弓道部に向かうためその場をあとにした。

 

 ▼

 

 μ'sたちに指導を終えた絵里は、そのまま仕事のために生徒会室に向かうわけでなく、気分転換も兼ねて校内の見回りをしている。

 このまま生徒会室に行けば副会長の東條希に根掘り葉掘り聞かれるだろう。時間を置いたところで問いかけられるのは変らないが、少し自分自身で己の気持ちを整理しておきたかった。

 何故、自分は彼女たちのアイカツに付き合ったのか?

 穂乃果の歌を聴いて可能性を感じたのは事実。

 学校存続のための行動を学園長から制止されているため、気休めの手段として彼女たちに助力したのも事実。

 全ては打算ゆえの行動。それ以上もそれ以下でもない。

 では、何故、自分は親友に会うのを避けているのか?

 見透かれそうだからと、そんな不安を抱くのだろうか?

 そんな思いに耽りながら外を歩いてると、絵里は見覚えのある顔を見つけた。

 

「新田くん! 今日は来てくれてありがとう! よかったらまた遊びに来てね」

「それはどうも。時間があれば是非お邪魔させてもらうよ」

「約束だよ!」

 

 複数の女生徒たちに、この学園唯一の男子生徒、新田色明が気のいい返事をしている。

 遠目から見れば、一人の男が沢山の女性にいい顔しているようにしか見えない。

 最初、見本生の存在を聞かされたとき、絵里は何の冗談だと疑って、次に反対だと抗議した。

 何故ならばここは女子高だ。男子など異物にしかならないだろう。

 しかし、見本生の存在儀を|全て(、、)聞かされ、見本生になる人間を聞き、時間を経った今ではその存在にも肯定的だった。

 絵里はその容貌ゆえ、異性に声をかけられる機会は多い。本人が望んだものではないが、そのお陰で相手が卑猥な目であるか否かは判断できた。

 それゆえ解る。新田色明は少女たちを見ていない。

 当然、物理的なものではなく、精神的なもの。

 彼女たちの好意に気づきつつ、一定の距離を保って、それ以上近づこうともせず、相手が踏み込んできたらすぐに避けている。まさに芸能人が自分のファンに接しているようなものだ。

 最初は異例の存在を監視する目的で新田色明の同行を見てきたが、彼がこの学園で心許しているのはアイカツを助力しているμ'sぐらいなものだろう。

 他の女子は幾ら好意を向けられても、自分のファンと同列に扱っている。

 見本生の役目を全うするため、異性が苦手そうな生徒に自ら干渉することはあっても、その生徒が彼に心許して勘違いをする前に距離をおいていた。

 そんな結婚詐欺師でもなれそうな手腕に、善悪は別にして、流石は芸能人だと絵里は色明を認めている。

 そんな彼が少女たちと別れると、自分を見ていた絵里に気づき、にこやかな笑みと共に彼女へ近づく。

 

「これは生徒会長様。校内の見回りですかい?」

「ええ、そうよ。例えばここが自分のハーレムだと勘違いした男子がセクハラでもしてないか確認するためにね」

 

 絵里の皮肉に対し、色明は気にした様子も見せず、にやりと笑ったままだ。

 

「それはそれはご苦労様です。それで? そんな輩は見つかりましたか?」

「生憎とまだ見つかってないわ。見つかればすぐに通報してこの学園から追い出すのだけど」

「当然な処置っすね。そんときは遠慮なく言ってください。不埒なヤツを懲らしめるなら男手も必要でしょう。歌が本職ですが、これでも武道には心得があるんで」

「……そういえば、そんなことも言っていたわね。頼もしいのは結構だけど、暴力沙汰は起こさないでよ。処理が面倒だから」

「弱いもの虐めは趣味じゃないんでそこは安心してください。っと、冗談はここまでとして、会長に聞きたいことがあるんすけど、お時間はまだいいですかい?」

「私は冗談を言ったつもりはないのだけど。いいわ、何が聞きたいの? 予想はついてるけど」

 

 少し空気が変ったが、絵里は何も言わず彼と話を続けた。

 

「予想どおりの質問だと思いますけど、μ'sたちのダンス指導はどうなりました?」

「予想どおりの質問ね。どうもこうも、基礎すらできてないか暫らくはそこを矯正よ」

「予想どおりの答えすね。そりゃあ、一朝一夕で技術が上達する奴なんざ一握りの天才だけだ。ダンスのことは素人ですけど、精々しごいてください」

「素人、ね。……いい機会だがらこの際聞くけど、何でプロの貴方が彼女たちに協力しているの?

 度々学校を抜けるぐらいには忙しい身でしょうに」

 

 絵里がそう尋ねると、再び色明の雰囲気が変った。

 軽口を言う姿勢ではなく、そこはかとなく優しげに彼は言葉を紡ぐ。

 

「これでも随分と自由な時間は作れてるんですけどね。質問の答えは、あいつ等の頑張りに応援したかったからすよ。無謀だとは今も思いますけど、真剣なら手伝ってあげでもいいじゃないすか」

「無駄になるかもしれないのに? 幾ら彼女たちが頑張っても、それで学校が注目されて、そのまま廃校がなくなる。そんな夢のような話を期待してるの?」

「例え学校を救えなくても、精一杯楽しみながら頑張った結果なら、それも一つの青春だと思いますね。意味があったのかどうかは、それぞれが最後に受け止めればいい。仮に──」

 

 不意に色明は表情を消す。そして続きを言葉にした。

 

「それで終わるなら、その程度だったって反省して──そのまま付き合いを遠慮するだけすよ」

「────」

 

 突き放すような瞳に思わず絵里は息を呑む。

 それでは、μ'sが廃校阻止に失敗したことで絶望し、そのままアイカツをやめれば、自分は彼女たちと今後関わるつもりはないと言ってるいるようなものではないか。

 絵里が何か言える義理などないのだが、それは非情ではないかと言いかけたとき、色明の雰囲気が再び変る。

 何かを見つけたような顔した彼は、そのまま穏やかに笑う。

 

 

「まっ、その心配はあんまりしてないんですけどね」

「新田さん?」

 

 そこで聞こえてきた声の主は、弓胴衣に身を包んで歩み寄ってくる海未であった。

 彼女は胴衣に着替えた後、道場の向かう途中色明の声が聞こえたため、思わず其方に足を向けたのである。

 海未は色明を見つけると、一瞬顔を綻ばせた後、傍にいる絵里を見て驚く。

 

「生徒会長? いったい、なにを話して」

「いや、女生徒に破廉恥なことしてないか注意されただけさ」

「してたのですか!?」

「してない、してない。冤罪、冤罪。で、園田はこれから弓道部に?」

 

 他の女生徒や絵里とは違う、気の許した顔を見せる色明に、まだ少し狼狽してる海未は頷いた。

 

「は、はい。最近は顔をあまり出してないので」

「スクールアイドルだって大変だっただろうに、頑張るなぁ」

「どちらも好きでやっていることなので、疎かにしたくはありません」

「ふーん」

 

 そう色明は口ずさんだ後、彼は閃いたように彼女へ質問してみる。

 

「けど、弓道は勝負事だろ? 二足草鞋なら、他の奴らに差がついて負ける一方じゃないか」

「……弓は自己鍛錬でやっているのですが、確かに貴方の言うとおり誰かと競うこともあります。練習量の差で他の方々に負けることもあるでしょう」

 

 僅かに悔しそうな顔をしつつも、海未は力を込めて次の言葉を出した。

 

「ですが、結果が残せないからといって続けない道理はありません。落ち込んで泣くこともあっても、それを糧にして前に進むだけです!」

 

 それを聞いた色明は納得したような、もしくは安心したように苦笑する。

 

「うーん、暑苦しいほど糞真面目だな、ほんと」

「はぁ!? な、なんですかいきなり!」

「褒めてるんだぞ?」

「そのようには聞こえませんでした! 生徒会長もそう思いますよね? あれ?」

 

 他の意見も聞きだそうと、海未は傍にいるはずの絵里に話しかけようとしたが、つい先程までいたはずの姿は何処にも見当たらない。

 

「もう! 貴方が変なことを言い出すから呆れて何処かに行ってしまわれたじゃないですか!」

「俺、変なこと言ったか?」

「言いました! でないと無言でいなくなるわけないでしょ!」

「いや、それはどうかと」

「もういいです! 私はこれで!」

 

 そう言って立ち去ろうとした海未だったが、何故かその後ろを色明がついて来た。

 

「何故、一緒に来るのです?」

「そういえば弓道部に寄ったことが無かったから、顔出しにね。これでも見本生の仕事」

「貴方が来たら騒ぐ子もいるでしょう。遠慮してください」

「たかが一人の人間に乱れるなら、心の鍛錬がまだまだだな」

「……はぁ、仕方ないですね。見学するなら静かにしてくださいよ」

「おぅ、園田の弓を拝ましてもらうさ」

「っ──か、勝手してください!」

 

 ▼

 

 海未が色明にやきもきしている時、二人から無言で立ち去った絵里は廊下を無言で歩く

 まるで何かを踏みつけながら進む激しい足取り。誰かに見られていたら何事かと不振がられていただろう。幸いにもこの場所には絵里にしかいかないためその心配はない。

 無人の廊下をひたすら歩いていると、突然絵里は立ち止まった。

 そして、しばらくその場でじっと立ち止まっていると、いきなり近くにあった扉に拳を叩きつける。

 手から痛みを感じながら、絵里は海未が言った先程の言葉を思い出していた。

 

 ──ですが、結果が残せないからといって続けない道理はありません。

 ──落ち込んで泣くこともあっても、それを糧にして前に進むだけです!

 

 何処までも真っ直ぐな言葉。

 それを聞いた途端、絵里は胸を抉られたように痛み、思わずその場から逃げ出していたのだ。

 

「結果が残せないからといって続けない道理はない、か」

 

 自分の口からも同じ台詞を出し、絵里は自分で更に心を乱す。

 海未が自分や色明に対して言った言葉は、偶々聞いていた絵里の過去に、深く踏み込んでいたのだった。

 




 週一更新継続中。更新を急いで、文がドンドン短く。
 でも、長くダラダラ書いても、見放されるだけだと私は思います。
 さて、最後にえりちのトラウマ刺激されました。
 どうやって、えりちがμ'sに加わのるか、期待してくれると嬉しいです。
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