リリカルぼっち   作:ちびたぬ

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どうも、ちびたぬです。

一話にて感想を早速頂き、感動しています。
二話以降もよろしくお願いします!

投稿ペースは十話くらいまではこのぺ―スだと思います。


では、どうぞ。


第2話 ぼっちはファーストコンタクトをとる。

どうも、俺こと本日聖祥大付属小学校に転校して来た比企谷八幡だ。転校初日ということで穏便に影の如く静かに過ごしたかったのだが、どうやら自己紹介からやらかしてしまったようだ。……おいそこ!噛んじゃった事は思い出さんでいい!

 

学校に面倒臭い奴が二人いることは分かっていたが、まさかどっちも同じクラスとはなぁ…。その内の一人のリア充イケメンに目ぇつけられたし、もう一人には目を逸らされたしな。……あ、目を逸らされるのはいつもの事だな。

 

あの後、俺に突っかかって来たパツ金のリア充、竜ヶ崎…だったか?は担任の教師に出席簿で叩かれ、渋々と席に戻って行った。同時に俺も席を指示されたのだが……

 

何で俺の席が教室の真ん中なんだよ……。何、いじめ?新たないじめか何かですか?普通転校生の席って後ろの端の方じゃないのかよ?これだと目立つだろうが、俺のぼっち生活が……。しかも隣があの栗色ツインテールの女の子。さっきっから、こっちをチラチラ見てブツブツ呟いてんだよなぁ。その所為か知らんが栗色の向こうで竜ヶ崎の奴がメッチャ睨んでるし…。ごめんね!この席が良かったんだよね!?お前の席端だから交換しようぜ!……はい、担任に却下されますね。

 

ぼっちライフが完全に潰され自分の席について不満を漏らしていると、チャイムが鳴り授業が始まった。

 

さて、授業については若干理数系が苦手だが、他は学校に通う前に大体覚えたからな……マスターさんは鬼畜だったぜ、あの人マジで何者だよ…。

 

俺はマスターさんに転校前から、学校に通えない代わりにと、勉強を教えてもらっていた。おかげで理数系以外は中学レベルに達しているらしい。理数系は…聞かないでくれ……おかしいな?魔法って理数系が必要なんだけどな。

そのおかげにより授業は大丈夫なので、人間観察しつつ、これからの事について考えることにする。

 

魔力がある栗色ツインテールの女の子と竜ヶ崎の二人が協力関係にあるかどうかがわからんな…。この前の巨大植物の時に女の子の近くで初めて竜ヶ崎の魔力を感知した。という事は、前回魔法関連で初対面した事になるだろう。つまり、あの二人の両方が【管理局】の人間と言う訳では無いみたいだな。もしかすると、どちらも違うって可能性もあるから判断し辛いな。まぁどちらにせよ、俺が魔法について知ってる事や正体を知られたくないからな。今は様子見をするに限るか……。

 

これからについてある程度方針が決まった、というか特に何もできることがなかった。気が付くと、授業の残り時間も後僅かになり、もうすぐ昼休みになるところだった。

 

……昼休みか。ここで飯食うと休めそうにないな。ベストプレイスを探しにでも行くか…。

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

俺はチャイムと同時に忍者の如く廊下へと音を立てずに出た。

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

昼休みの時間。私、高町なのはとアリサちゃんとすずかちゃんの三人組は、その時間が始まってから教室を出て廊下を走っていた。

 

「なのは!コッチよコッチ!早く!」

 

「ま、待ってよ~アリサちゃ~ん」

 

「早くしないとアイツが気付いて追いかけてくるわよ!」

 

「わ、分かってるよ~」

 

ここまで頑張って龍牙くんに見つかっちゃうのは嫌だからなぁ。で、でもアリサちゃん、は、速すぎだよ~。

 

私たちが廊下を走ることになった理由は数分前に遡る。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

お昼前の最後の授業が終わって、みんながお昼ご飯を取り出そうとした時、“彼”がいつもの様に現れた。

 

「さあ!俺の嫁たちよ、昼飯を食べよう!いつもの屋上だろ?ついてこい!」

 

「なんでアンタと、さも当然の様にお昼を食べなきゃいけないのよ!」

 

そう、龍牙くんだ。アリサちゃんが露骨に嫌な顔をして断ってるのに、何事もなかった様に私たちの方に近づいて来る。正直、今龍牙くんとお昼を食べるのは嫌だった。魔法のこともあるし、龍牙くんと一緒だと何かと気疲れをするからだ。

アリサちゃんも同じ様なことを思ったのか、どう断ろうかと考えていると、私の隣にいたすずかちゃんが、今もニコニコしている龍牙くんの近くまで歩いて行き、龍牙くんの耳元で何やら囁いた。

 

「ごめんね、龍牙くん。私たちお花摘みに行ってくるから、先に行っててくれないかな?」

 

「ん?……!おお、そうか!分かった!先に行ってるからな!」

 

龍牙くんはすずかちゃんに何か言われると、元気よく返事をし笑顔のまま、スキップして教室から出て行った。

 

「…すずかちゃん?」

「…すずか?」

 

「ほら、二人共、早く行こう?今の内なんだから」

 

どうやらすずかちゃんは龍牙くんに私たちが遅れて行くと伝えた様だ。でもそうなると…

 

「いいの?お昼休み終わった後、大変になるんじゃない?」

 

アリサちゃんも同じことを思ったのか、すずかちゃんに聞いていた。

 

「大丈夫。多分、龍牙くんは私たちがいつも食べている屋上に行くって言ってたけど、私は先に行っててとしか言ってないから、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「成る程!すずか、ナイスアイディアよ!早とちりしてくれたあのバカに感謝ね。そうなると、此処に居るのもマズイわね。あのバカが戻ってくるかもしれないし…」

 

すると、よし!とアリサちゃんは手を叩き、

 

「すずか!なのは!アイツが戻ってくる前に見つからない場所に逃げるわよ!」

 

アリサちゃんは自身のお弁当を持ち教室のドアへと歩いて行った。すずかちゃんも私もアリサちゃんに続く。

 

あれ?転校生のあの子は何処に行ったんだろう?……そういえば、龍牙くんと言い争ってる時にはもういなかった様な…?

 

私はふと、自身の席の隣である、今日転校して来たばかりの男の子の席を見ながらそんな事を思っていた。

 

「なのは~早く~!」

 

「にゃっ!ごめん、今行く~!」

 

アリサちゃんに呼ばれ、私は教室を後にした。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

そういう訳で、私は今廊下を走っている。本当は廊下は走っちゃいけないんだけど、今はしょうがないよね?幸い龍牙くんにはまだ気付かれていない様で、追って来てはいないみたい。

 

「アリサちゃ~ん、いつまで走るの~?」

 

「逃げる場所が決まるまでよ!……うん、この辺なら大丈夫そうね」

 

走るのを止め、私たちは息を整えながら歩いた。大分走ったけど、どうやら校舎の端の方まで走っていたらしい。

 

「こっちの方にはあまり来ないから、珍しく感じるね」

 

「そうね~、まだ見ぬ発見があるかもしれないわよ!」

 

「にゃはは、とりあえず私はお腹減ったかなぁ~」

 

「それはアタシもよ~。あ、あの辺なんて良いんじゃない?」

 

どうやらアリサちゃんがお昼を食べる場所を発見したみたい。その場所は廊下の一角で校庭と廊下を繋いでいるのか少し踊り場の様なスペースがあり、一種の隠れスポットの様な場所になっていた。

 

「あれ?先客がいるみたいだよ?誰だろうね?」

 

「見た感じ同学年の子でしょ?ここ以外探すにも、もうあんまり時間が無いし相席させてもらいましょ」

 

「あれ?あの子って……?」

 

私はその子に心当たりがあったけど、アリサちゃんとすずかちゃんに続いて、その隠れスポットの端でご飯を食べている男の子の近くまで行った。

 

 

「あの~、ここでご飯食べていいかしら?」

 

 

その男の子はアリサちゃんが喋りかけると、“ビクッ”と身体を震わせてこちらに振り向き、私たちの顔を見て…ううん。正確には私の顔を見て一瞬目を開いて驚いてた?けど、直ぐに表情を戻し元の向きに身体を向けた。

 

 

 

「……別にこの場所は俺のものではないからな、好きにすればいいだろ」

 

 

 

そう言い、転校生の男の子「比企谷 八幡」くんは席を立ち上がりこの場を去って行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う~ん、すずか~誰だったっけ?あの男子?」

 

「え~と、どこかで見たことある気がするんだけど……もしかして今日転校して来た比企谷くんじゃないかな」

 

「あー!だからね、どこかで見たことあると思ったのよ!朝は龍牙の所為で周りあんまり見れなかったのよね。……それにしても、なんか無愛想って感じね、近寄りがたいというか…それに何あの目!?ゾンビみたいじゃない!」

 

「アリサちゃん、ゾンビみたいって……でも確かに、話しかけ辛い雰囲気があるよね…。あれ?なのはちゃん、どうしたの?比企谷くんがいた方に手を伸ばして?」

 

 

どうやら比企谷くんが去った時、私は自分でも分からない内に咄嗟に比企谷くんの手を掴もうとしていたらしい。

 

「え!あっ、こ、これは、えっと、その何というか……」

 

「ん~?なのは~、もしかしてあの転校生が気になっちゃったりしたのかなぁ~?」

 

「にゃっ!?そ、そそそ、そんな事ないよ?!確かに綺麗な髪だな~とかカッコイイな~とかは思ったけど…。さっきのは、その、比企谷くんとお話ししたいなって思っただけで……」

 

ニヤニヤしたアリサちゃんは、顔が真っ赤になった私の反応が面白いのか、問い詰めようとしてきた。しかし、さらに追及しようとした所ですずかちゃんに肩を叩かれ止められた。

 

「もう…アリサちゃん、言い過ぎだよ?なのはちゃん、ごめんね?でも、確かに私もお話しはしてみたいとは思うな。話しかけ辛いけど、転校して来たばかりでどんな人か分からないし、悪い人ではなさそうだもんね。……それにメガネ一つであんなに印象が変わるんだね」

 

「あー、なのはごめんね。なのはの反応が面白くてさ、つい、ね?……でも気をつけなさいよ!たとえメガネかけてイケメンに見えても実際は目が腐ってるから危ない奴かもしれないんだからね?……っと、早くご飯食べちゃいましょ?」

 

気付けば龍牙くんから逃げて、さっきのことがあったのでお昼休みの時間が始まってから大分経っていた。

 

 

 

 

 

「……でね、…うん。今度、すずかの家でね、……」

 

「そうだね~。……ホントに?アリサちゃんだって…」

 

 

 

 

すずかちゃんとアリサちゃんは和気藹々とお話ししている。

 

そんな中、私はさっきの転校生の事を考えていた。

 

……「比企谷 八幡」くん。みんな目が淀んでるとか言ってるけど、私の第一印象は「綺麗」かな…。ちょこんとはねている髪が特徴的な真っ白な髪に、何処か悲しそうな、酷く濁っている目……でも私は一瞬だけど見たの。比企谷くんの()()()()()()()()()()()()()を…。私の思い過ごしかもしれない。でも私にはその一瞬だけど見えた“眼”がとっても綺麗に見えた。最初の自己紹介で比企谷くんが教室内を見渡してるとき、私と目が合っちゃったんだよね。その時ジッと見られちゃって恥ずかしくて顔逸らしちゃった。レイジングハートが魔力の反応はありませんって言ってたから、普通にお話ししたいなって思ったんだけどなぁ。お友達になれないかなぁ……。

 

 

 

 

お昼ご飯を食べながら、なのはは転校生“比企谷八幡”に対して“友達になってお話ししたい”と、小さな願いを抱いていた。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

……マジでビビった…。驚いて身体ビクついちゃったじゃねぇかよ。俺挙動不審になってなかったよな?…つか、何であいつらがこっちに来るんだよ…油断してメガネ外してたからゾンビとか思われてるんだろな…あぁ明日から「教室にゾンビがいるんだけど?」とか「あいつ目腐ってるんでしょ?」とか言われるんだろうな。はぁ…転校初日にして学校生活の終わりを迎えたか……。明日からどうすっかな?こっちには来ないだろうと思って、校舎内歩きまわってやっと見つけたベストプレイスだったのにな……。

 

俺は、昼休みが始まってから直ぐに校舎内を歩きまわり、やっとの思いでベストプレイスを見つけお昼を食べていたのだが、食べ終える直前に例の栗色ツインテールとその友達?がやって来るのが分かったので、俺は飯を急いで食べ終えてその場を後にした。

 

あいつらはいつもこっちで食べている訳では無さそうだったな…。別の場所を改めて探すのも面倒だし、明日以降様子を見て決めるとするか。

 

普通なら別の場所を探すのだが、あのベストプレイスが余程気に入ったのか、俺はそんな事を考えながら廊下を歩いていた。

今は昼休みの中頃、後は適当にぶらついていれば良いだろうと思っていると、前からあの竜ヶ崎が現れた。竜ヶ崎は今まで走っていたのか少し汗をかいていたが、表情自体は焦っている様子は無いが、何やらキョロキョロと探している様だ。

 

「あ!おい、そこの転校初日から俺の嫁のなのはに手ェ出そうとした白髪モブ野郎!テメェに幾つか質問がある!答えやがれ!!」

 

えぇー……。何つー上から目線の自己中な我儘王子だよ…。まぁそれだけの実力があるからこその物言いか…普通の人間じゃ魔導師相手には太刀打ちできねぇしな。

 

俺は竜ヶ崎の傲慢な態度に呆れつつも慎重に考える。

 

相手にするだけ面倒なんだが、答えないなら答えないでメンドくせぇだろうな……。それってこいつに遭遇した時点でつみじゃねぇかよ、何それメンドくせぇ…………あんまりこいつと関わるのは今後を考えると良くは無いんだがなぁ……。

 

「……質問は答える。手短にしてくれ」

 

「当たり前だ!テメェとなんかと好き好んでおしゃべりなんかするかよ!そんな暇あったら、俺の嫁たちと一緒にいるわ!…よし、じゃあ、まず一つ目だ!」

 

竜ヶ崎は指を一本立てた。と言うか、俺を指差してきた。

 

「俺の嫁たちが何処にいるか知ってるか?」

 

「…………はぁ?」

 

あいつが言ってる“嫁たち”って確かさっきの栗色ツインテールたちの事だよな?

普段なら普通に教えているのだが、何故か嫌な予感がして即答することができなかった。

 

……待て。そもそも、何であいつらはあの場所に来たんだ?普段から使用している雰囲気はなかったな。今日偶然にあの場所を見つけてやってきた感じだ。……何かから逃げてきたのか?一体何から?

 

俺の予想が一つの結論に行き当たる。

………もしかして、こいつから?()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のか?…そう考えると大体繋がるな。……そもそも自分たちのことを“嫁”と呼んでる奴を好き好む奴もそうはいないか。

 

俺の仮定が合ってるとすると色々と変わってくる。

となると、こいつと栗色ツインテールが協力関係である可能性が低くなる。「植物事件」が昨日だったことから考えるに魔法関連についてまだ話し合って無さそうだな…。と言う事は、もしかすると昼の時間を使って話し合う可能性、若しくは話し合う約束を取り付ける可能性があるかもしれん…。まぁ、今はあの場に栗色以外の人間もいたから、あの場で話し合う事はなさそうだが、どうすっかな…。俺がどう答えようと結局は少しの先延ばしにしかならないからなぁ…。

 

 

「えぇぃ!早く答えろ!!テメェには異論反論抗議質問口答えはねェんだよ!質問に答えねェ拒否権もな!!」

 

竜ヶ崎は痺れを切らしたのか、俺に返答を催促してきた。俺は悩んだ末に、

 

「いや、知らん」

 

嘘を吐くことにした。竜ヶ崎は俺が悩んでいるとは露知らず元々期待してなかったのか、特に追及して来なかった。

 

「チッ、使えねェな…。まぁいい、じゃあ次の質問だ!!」

 

えぇ…聞いといてそれかよ……。ってかまだあるのか…幾つかあるって言ってたが、この調子だと面倒だな…。

 

 

竜ヶ崎は次の質問に入るのか指を二本立てて俺の方へ向けていた。

俺は次からの質問も似たようなのかと呆れつつ、手短に終わらせる為に色々と質問に対する答えを考えていた。

 

しかし竜ヶ崎の次の質問で、俺は頭の中で考えていた回答が綺麗さっぱり吹っ飛んで行き、奴への警戒心を急激に高めることとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

 

 

 

 

 

 

気付いた時にはもう遅く、奴の雰囲気は先程までと打って変わり、禍々しいオーラの様な物が溢れ出していた。

 

 

…っ!!ちっ、油断した、こいつ最初からこれを聞きに来やがったな。落ち着け、冷静になれ、表情に出すな。焦ってるところを見られたらアウトだ。………まず、こいつのオーラの様な物が何なのか分からんが、恐らく魔力の様な物なのだろう。

 

竜ヶ崎から出ている禍々しいオーラは教室や植物事件の時に感知出来たものと同じだった。俺は落ち着きつつ、分析をし始めた。

ふぅ、さてどうするかな…。危険なことに変わりないが、これはこいつを知る事のできるチャンスでもある。下手に勘繰られない程度に奴の情報を抜き取ることはできるか?

 

「…どういう意味だ?質問の意味が分からん」

 

「質問に質問で返すんじゃねェよ。テメェには異論反論抗議質問口答えも拒否権もねェっつったろうが」

 

竜ヶ崎のオーラがさらに強く、濃くなった。

 

ちっ、面倒だ…。さっきまでとまるで違いやがる。冷静に確実にこっちを問い詰めようとしているな…。どう答えたものか…。

 

「早く答えろ。()()()()()()()()()()()()()()って聞いてんだよ、違うとしたら………もしや【ミッドチルダ】出身か………?まぁとにかく、テメェみたいな奴は普通はいねェんだよ

 

改めて聞くぞ、テメェは何者だ?」

 

 

「………名前は比企谷八幡。海鳴市に住む小学生だ。お前の言っている言葉はよく分からないな」

 

「………………まぁいい。今はそう言う事にしておいてやる。だから覚えておけよ、俺の邪魔をするなら容赦なくぶっ殺すからな」

 

 

「…しておいてやるも何も、本当の事なんだがな…」

 

…予想以上に自爆してくれたな…。……これ以上はそろそろ危険か。

 

「質問は終わりだな?」

 

俺はそう言い会話を終わらせようとしたが、竜ヶ崎は「待て」と声を上げて一歩近づいてきた。

 

 

「最後に一つだけ答えろ」

 

「…何だ」

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

 

 

 

「………………………お前はどうなんだ」

 

 

竜ヶ崎はギロッとこちらを睨み、チッと舌打ちをした。

 

「俺はモチロン『俺の嫁たちを全員救って』嫁たちとハーレムを作る為だ!っつーか、聞いてんのは俺の方なんだよ!早く答えやがれ!!」

 

「………『全員救う』…か……まるでアニメの主人公の様な発言だな」

 

俺は竜ヶ崎の方を見て

 

「……俺はお前みたく強くない。自分のやるべきことに必死に生きているだけだ」

 

竜ヶ崎の禍々しいオーラが消え始めたのを確認しながら、俺はその場を後にした。

 

 

 

 

***

 

 

俺は表情を曇らせて廊下を歩いていた。

廊下を歩いている最中、さっきの竜ヶ崎の最後の質問について考えていた。

 

「何の為に生きている?」…か……。俺は本来は当の昔に死ぬ筈だった人間だからな……。別に今から竜ヶ崎の様に全員を救うなんて大それた事は出来ない。そんなの唯の傲慢だ。そもそも俺はそんな事出来はしないんだ……実際に俺には何も出来なかったんだから……。しかし、こうして生きてしまっている以上、成し遂げなければならない約束がある。もし俺の目的に奴が邪魔をするって言うなら俺は奴と戦うことになるだろう。だが、絶対に俺は成し遂げてみせる。……彼女の為に、………そして、自分の為に………

 

 

 

………【彼女との約束】を守る。それだけが俺が生きている理由なんだから……

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

俺は廊下でモブ野郎…いや、「ヒキタニハチマン」だったか。奴が戻って行った方を眺めていた。

 

 

あの野郎は【原作キャラ】じゃないのは確かなんだが、転生者かどうかは分からなかった。俺の魔力に対しても特に反応を見せなかったし、奴自身に魔力が感じられなかった。それだけなら普通の奴と同じなんだが、あの野郎の醸し出す雰囲気は普通の小三じゃありえねェ。……それにあの野郎が最後に言ってた「やるべきこと」っつうのも気になるな…。あぁ、くそ!マジで何モンなんだよ、あの野郎…!

 

俺はその場で「ふぅ」と一つ息を吐き深呼吸をし、上を見上げて拳を突き上げた。

あーだこーだ考えるのは俺には性に合わん!あの野郎が俺の野望を邪魔するならぶっ殺すまでだ!!

 

「ふっふっふっ、俺はなのはやアリサやすずかたち嫁たちとハーレムを築き、【フェイト】も俺のハーレムに加えて人生勝ち組になってやるぜぇぇ!!」

 

ふっふっふ、これから会うフェイトも母親が死んで傷ついたところを優しくすれば俺にメロメロだろ。あのオバサンは俺の為に犠牲になって貰わないとな!

俺は、人生勝ち組ルートを思い描き、廊下の真ん中で大声で意気込んでいた。

 

「はっはっはっ!俺こそ最強!!ハーレムルートまっしぐらだぜ!!」

 

はっはっはっ!そうと決まれば早速ハーレム計画の実行に移るとするか!

ん?何か忘れてる様な……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

「あっ!結局あの野郎、嫁たちの居場所知らなかったじゃねェか!ふざけんな、俺と嫁たちの時間を邪魔しやがって!ぜってぇ許さねェ!!」

 




如何でしたでしょうか。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

転生者である竜ヶ崎龍牙くん。唯のポンコツではありません……多分。
八幡はやはり「ヒキタニ」と呼ばれてしまうのですね。

感想でも書きましたが、設定として
龍牙くんは転生前から「龍牙」という名前を自分につけると決めていました。なので親から名前をいただく時にメッチャ首振って反対しまくりました。そして「龍牙」で頷きその名前に決まりました。両親は苗字が「竜ヶ崎」なのでかなり渋っていましたが自分からこの名前が良いと言っているので反対はしませんでした。この時龍牙くんは苗字が「竜ヶ崎」だとは知りません。……両親が一言苗字が竜ヶ崎と言っていれば名前は変わっていたかもしれませんね。
――――ちびたぬより――――当初の彼の苗字は「剣崎」でした。しかし色々作品を見ていった中で「剣崎」って苗字を使用している作品がありまして、「あ、苗字変えよう。」と思ったのです(苗字は別に変えても支障はないので)。んで、どうせなら俺ガイルっぽくできないかなと。名前の「龍牙」にあう苗字で浮かんだのが「竜ヶ崎」でした。


感想・評価・ご指摘等いただけると幸いです。

次回も読んで頂けるとちびたぬは嬉しいです。
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