リリカルぼっち   作:ちびたぬ

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どうも、ちびたぬです。

まず、遅れてすみませんでした。
年度末で仕事が溜まり更新が遅くなりました(言い訳)。


お気に入り120件超え!ありがとうございます!!
励みになります。これからも頑張りますんでよろしくお願いします。


では、どうぞ。



第4話 ぼっちは面倒事に巻き込まれる。

------ピピッピピッ……カチッ。

 

「ふぁぁ~~、もう朝か……………おやすみ」

 

『駄目ですわよ、八幡。今日は用事がありますでしょうに』

 

「………そういや、そうだったな」

 

俺が転校してから何日か経った。今日は土曜日。転校してから初めての休日である為、二度寝をしてのんびりゴロゴロと引きこもりライフを過ごそうとしていたのだが、生憎今日は予定がある為二度寝をすることが出来ない。普段の俺からしたら休日に予定があるなどありえないのだが(言ってて悲しくなってなんかいないよ?ちょっと部屋の枕が濡れただけだよ?)、マスターさんからのお願いと言われてしまっているから仕方がない。

 

「……眠い……早く終わらせて、家でゴロゴロしよう。そうしよう」

 

今日は、マスターさんから以前言われた、宅配の日である。俺は二度寝する予定だったお布団さんに別れを告げ渋々と一階に下りて行った。

 

 

 

***

 

 

 

一階に下りるとマスターさんは既にいなかった。

マスターさんは用事があるって言ってたが……まだ朝の六時なんだが…?早すぎやしねぇか?そもそも俺がこの時間に起きられたことが奇跡なんだがな。

 

現時刻は朝の六時。俺がこの時間に起きていること自体が一生に一度しかないくらいの奇跡なんだが、マスターさんがこの時間で既にいなかったことに驚いた。マスターさんは今日、明日と出掛けると言っていた。まぁ、その所為もあって今日宅配に行くのが俺だけになってしまったのだが……。はぁ…どうにか理由をつけて宅配を切り抜けたいが、これではもうどうしようもない。

俺は溜め息を一つ吐き、昨日の内にある程度下準備を終えた菓子を冷蔵庫から取り出した。

 

「昨日の内にある程度終わらせといて良かったぜ………お菓子作りを楽しみにしていた訳じゃないからな?」

 

『誰に言ってますの?…………それに……ノリノリで腕を捲りながら言っても説得力がありませんわよ』

 

「…うっせ。そこはスルーしてくれ」

 

 

 

 

~数十分後~

 

 

 

 

「うしっ、こんなもんだろ」

 

完成したのは、様々な種類のタルトと少し小さめな丸いケーキだ。紅茶に合うと考えて作ったものである。カウンターにあったマスターさんの置き手紙には、どうやら今日、依頼主の孫娘さんが友達を招きお茶会をするそうで、その時に俺の紅茶や菓子類が必要だとか……週末に友達誘ってお茶会とかどこのお嬢様だよ…?つーか依頼主食わねぇし、孫娘さんの友達ってことは友達も女性だろ?そんなところに俺を宅配させるなよ…マスターさん。

依頼主が食べるのではないと分かったので、ちゃちゃっとマスターさんの作り置きを持っていこうとしたのだが、マスターさんの置き手紙に「依頼主は孫娘さんにプレゼントを用意していると言っており、孫娘さんはとても楽しみにしていると言っていたそうである。………手を抜いたら解っているであるな?」と書いてあり、試行錯誤しながら全力でお菓子を作った。……全力でやり過ぎて途中で「ヒャッハ―!」とか叫んでた気がする。調理中の記憶はほぼない。手を抜こうとすると、後ろで無言のままニッコリ笑っているマスターさんが見てる気がしたのでとにかく必死で作った。

 

「……ってかマスターさんはマジで何者なんだよ、怖すぎんだろあの人。何で俺の考えてること分かんだよ?エスパーか何かか?……もう人間やめてんじゃねぇか?」

 

『私も解りますわよ?特に八幡のことでしたら何でも』

 

「何それ、俺ってそんなに分かり易いの?つーかエリスの場合は解ってくれてないと困るんだがな…」

 

俺の胸に掛かっているペンダントが光り、エリスが声を掛けてきた。調理中に声を掛けてこなかったのは彼女なりの配慮だろう。

 

『マスターさんも私も、八幡のことをずっと見て一緒に過ごして来ましたわ。八幡の考えそうなことぐらい分かりますわ』

 

「………変なこと言ってないで、さっさと宅配終わらせて二度寝するぞ」

 

『ふふ、そうですわね』

 

俺は恥ずかしくなり誤魔化す様に頬をポリポリと掻きながら、菓子の準備を終え一緒に入れる紅茶の用意をしていた。

 

「さて、これで大体準備は完了だな」

 

『何だかんだ言いつつ楽しんでいますわね』

 

「…………………………早く行くぞ」

 

『はい♪』

 

 

 

 

 

……エリスが一番楽しんでるんじゃないのか?

 

 

そんな事を考えつつ、俺は準備した紅茶と菓子を宅配用のバスケットに入れ出かけた。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

私高町なのははお兄ちゃんの【高町恭也(たかまちきょうや)】と一緒に、すずかちゃんの家に遊びに来ています。お兄ちゃんが一緒にいる理由は、すずかちゃんのお姉さんの【月村忍(つきむらしのぶ)】さんと高校時代からクラスメイトで恋人同士の関係です。お兄ちゃんはいつも真面目であんまり感情を表に出さないんだけど、今日は忍さんに会うのが楽しみなのがよく分かる。私も今日はアリサちゃんとすずかちゃんにお茶会に誘われて楽しみなのは一緒です。

 

「楽しみだね、お兄ちゃん」

 

「そうだな」

 

「ユーノ君も楽しみだよね~」

 

私の膝の上にあるバスケットの中から一匹のフェレットが顔を出してきた。この子の名前は“ユーノ君”。

ユーノ君は、ちょっと前から家で飼っているフェレットの事で今日はユーノ君もすずかちゃんにお呼ばれされています。

ここだけの話、実はユーノ君は魔法の関係者で散らばっちゃったジュエルシードを集めているのです。私はユーノ君がジュエルシードを集めている最中に怪我をしちゃって、その代わりに私が集めているのです。このことを知っているのはもちろん私とユーノ君だけ。家族のみんなに言ってないのはちょっとごめんなさいって思うけど、こればっかりは言えないからね。

 

……前回の封印の時、結果的に封印はできたけどいろんな人に迷惑を掛けちゃった。これからはいろんな人に迷惑を掛からないようにしなきゃ。ユーノ君の代わりじゃなくて私自身の意思でジュエルシードを集めるんだ!

 

 

「なのは、もうすぐ降りるぞ」

 

「あ、は~い」

 

私は顔を出していたユーノ君に声を掛け、バスを降りる準備をした。

 

 

 

***

 

 

 

「いらっしゃいませ。恭也様、なのはお嬢様」

 

 

私達がすずかちゃんの家に着くと、とても美人な女の人がお出迎えをしてくれた。この人は月村家のメイド長の【ノエル】さん。重ねて言いますけど、とっても美人でカッコイイ人です。

 

「どうぞこちらへ、皆様がお待ちしております」

 

私達はノエルさんについていき、ある部屋へ案内された。部屋に入ると真ん中にテーブルが一つあり、周りには猫さんが沢山いた。テーブルにはすずかちゃんとアリサちゃん、そしてすずかちゃんのお姉さんの忍さんが座っていた。

 

「あ、なのはちゃん。いらっしゃい!」

 

最初に声を掛けてくれたのは、忍さんの後ろに立っていた【ファリン】さん。ノエルさんの妹のファリンさんは、すずかちゃんの専属メイドで、明るく優しいお姉さんです。

 

「なのはちゃん!恭也さん!」

 

「恭也、いらっしゃい」

 

「…ああ。お邪魔しているよ」

 

ファリンさんの声で気が付いたのか、すずかちゃんと忍さんが声を掛けてくれた。

 

「……飲み物を準備してきます。お二人は何にしましょうか?」

 

「お任せで頼むよ」

 

「…えーと、私もお任せで」

 

「かしこまりました。それと、本日は旦那様のお父様、雹磨様よりすずかお嬢様達へプレゼントがあるそうです」

 

「えっ、お爺ちゃんから?」

 

「はい、何でも雹磨様がよく行かれます喫茶店の紅茶と菓子類をこちらに届けて頂ける様に頼んであると仰っていました」

 

「昨日、お父さんが言っていた「サプライズ」かな?」

 

「恐らくその事かと…。もう少しで到着されると思います。到着しましたらそちらにお届けして頂けるよう手配しますので」

 

「はい、分かりました」

 

「…さて、ファリン」

 

「了解です、お姉さま」

 

「恭也と私は部屋に行きますね」

 

忍さんとお兄ちゃんは忍さんの部屋に、ノエルさんとファリンさんは飲み物を取りに、それぞれ部屋を退出していった。私はすずかちゃんとアリサちゃんのいるテーブルに行き二人にあいさつをした。

 

「おはよう、アリサちゃん、すずかちゃん。今日はお招きありがとう」

 

「おはよう。こっちこそ今日は来てくれてありがとう。今日は来れないんじゃないかなって思ってたから」

 

そう言う、すずかちゃんとアリサちゃんは少し暗い顔をしていた。

 

「えっ?そんなことないよ?今日が楽しみで昨日あんまり眠れなかったんだから」

 

「…そっ、ならよかったわ。最近なのはが元気なかったから心配だったのよ。それですずかと何かできないかなって考えてたの」

 

「困ったことがあったら遠慮なく言ってね?相談に乗るくらいならできると思うから…」

 

「アリサちゃん…すずかちゃん…ありがとう。私は大丈夫だよ」

 

私は知らない内に二人に心配を掛けちゃってたみたい。私達が少し暗い表情をしていると、ファリンさんがお盆に飲み物を載せてやって来た。

 

「なのはちゃ~ん、飲み物持ってきたよ~」

 

「ありがとうございます。ファリンさん」

 

「お菓子も持って来ようとしたんだけど、お店の人が持って来るみたいだからね」

 

すると、さっきから考え込んでいたアリサちゃんが思い出したかの様に質問してきた。

 

「そうそう、さっきから気になってたんだけど、そのお店ってどんな店なの?」

 

「う~ん。私自身会ったことないんだよね。それに、今日初めてお爺ちゃんが喫茶店によく行ってるって知ったから…」

 

「すずかちゃんも知らないの?お姉ちゃんも知らないって言ってたよ?」

 

「じゃあ、ホントにサプライズって訳ね……」

 

「確かにそうだね~。あ、じゃあ私はその店員さんが来る頃だから戻るね」

 

ファリンさんはそう言って、部屋を出て行った。

 

「まぁそれについては、その内分かるしいいか……それよりも…」

 

アリサちゃんは何かブツブツと呟くと、私の方に顔を向けた。

 

「なのは!彼とはどうなの、えーと何て名前だったっけ?」

 

「にゃっ!?…ひ、比企谷君のこと!?それならアリサちゃんは私と大体一緒にいたでしょ?」

 

「お話しする機会が全然無かったんだよね…」

 

「言われてみれば確かにそうだったわね……」

 

比企谷君が転校して来た初日は無理だったけど、私達(特に私)は次の日から、お昼休みと放課後の時間に話しかけに行こうとした。でも、休み時間が始めると比企谷君はいつの間にか教室からいなくなっていたり、私達が龍牙くんに絡まれたりして比企谷君に話しかけることができなかったのだ。

 

私達が比企谷君とどうしたらお話しすることができるか考えていた……。

 

 

 

 

------ピンポーン

 

 

「あ、例の店員さん来たんじゃない?」

 

「そうかもしれないね。多分、ファリンが連れて来てくれると思うよ」

 

「どんな人なんだろうなぁ」

 

「案外、例の転校生君だったりしてね」

 

「にゃはは、もしそうなら凄い偶然だね」

 

喫茶店の店員さんだから年上の人なのかな?少なくとも年下じゃないよね。……あれ?何でこんなに緊張してるんだろう……

私は少し緊張しながら店員さんを待っていた。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

さて、俺は今、宅配先である“月村家”に来ているのだが………

 

「想像はしていたが、やはり大きい家だな…」

 

目の前には正に豪邸と呼ばれるに相応しい様な佇まいの家が建っていた。真正面に大きな玄関。周りは高級そうな壁で覆われていて、一目でこの家が豪邸と分かる建物だった。

俺はさっさと依頼を終わらせるべく、インターホンを押した。

 

………う~ん」

 

『どうかしましたの?八幡』

 

「ん?いや、“月村”ってどこかで聞いたような気がするなって思ってな。思い出せそうで思い出せん」

 

インターホンを押した後、俺は月村邸に来るまでずっと気になっていたことがどうやら声に出ていた様でエリスが聞いてきた。エリスにその疑問を聞いてみると、ペンダントなので表情は分からないのだが、明らかに驚いたような様子をしていた。

 

『………………え?まさか知りませんでしたの!?いえ、確かに八幡の場合、自身に関わりのない人間は基本覚えていないとは思いますが……』

 

「………何かすげぇ嫌な予感がする」

 

『はぁ…本当に覚えていませんのね。八幡のクラスメイトの方ですわよ?』

 

「何か今馬鹿にされた気がするが…。俺のクラスメイト?分かる訳ないだろ。俺転校してきて一週間しか経ってねぇし、そもそも覚える気ねぇし」

 

『胸張って自信ありげに言っている時点で、何か間違っている気がしますの……』

 

「まぁいい。で、その月村って奴は誰なんだ?」

 

『えーと、マスターさんが依頼主と電話をしている時の会話によりますと、お名前は“月村すずか”さんで、仲の良い人物が“アリサ・バニングス”、“高町なのは”が挙げられますわ。………電話をしていた場には八幡もいて聞いていた筈なのですのに』

 

 

「……………………………………は?」

 

 

『それと、高町なのはという少女はこれまでのデータより、あの魔力を持っている少女の名前であることが分かっていますわ』

 

「…………はぁっ!?」

 

おいおい、マジかよ……魔法関係者とは極力接触せずに行きたかったんだが…。ホント嫌な予感しか当たらねぇなぁ。

俺が驚愕し、また面倒なことになったと落胆していると、玄関のドアが開き中からメイドさんか?使用人らしき人が二人、姿を現した。

 

「いらっしゃいませ。【喫茶Eris】の方でしょうか?」

 

「あっ、はい」

 

コミュ症は会話の始めに「あっ」とか言っちゃうのって仕方ないよね。

 

「態々お越し頂き、ありがとうございます。…では、早速ご案内いたします」

 

俺は、メイドさん二人の後について行った。中に入るとやはりと言うか、とても広く置物一つひとつに手入れが行き届いており正にお嬢様の住む豪邸といった内装であった。

 

 

 

***

 

 

 

「着きました。この部屋です」

 

ノエルさんに案内され(移動中にお互いに自己紹介をし、二人が姉妹の為名前呼びを強制させられた。俺の方は…自己紹介で噛まなかったとだけは言っておこう)一つの部屋の前に着いた。妹のファリンさんは別の仕事をやらなくてはいけないらしく、戻って行ってしまった。メイドさんとは忙しいものだろう。やはり将来は専業主婦になるのが一番の様だ。メイドと専業主婦は違うからな!……違うよな?

 

「再度確認いたしますが、こちらで用意するものはありますか?」

 

「あっ、大丈夫です。食器なども事前にこちらで準備していますので」

 

「分かりました。何か必要でしたら声を掛けてください」

 

では私はこれで。と、ノエルさんは自分の仕事へと戻って行った。

 

さて、さっさと終わらせて帰ることができれば良いんだが……

 

“コンコンコン”と部屋の扉をノックし声を掛ける。ここからはもういつもの比企谷八幡ではなく、喫茶Erisで働く店員比企谷八幡だ。

 

「……失礼します。本日月村雹磨様より依頼されました喫茶Erisです」

 

声を掛けると「どうぞ」と、部屋の主である月村であろう声が聞こえた。許可を貰ったので部屋に入る。

部屋…には誰もおらず、その奥のテラスの様な場所に、月村(確かにあんな人がクラスにいた様な気もする、一応覚えておくか)とバニングス(オレンジ髪のいつも竜ヶ崎と騒いでいる女子だった気がする)と高町(栗色ツインテールの少女、名前は覚えておくか)が座っていた。彼女たちの周りには猫が沢山いた。…いや本当に沢山。………ん?いや、一匹だけフェレットの様な奴がいるな。

俺がテラスの方に行くと、三人とも幽霊でも見るかのように目を見開きこちらをみて驚いていた。俺ちゃんと生きてるよ?勝手に殺さないでね?

 

眼鏡もしてきたから、大丈夫だとは思うんだが…

 

俺からすれば、腐った目を見られなければ大丈夫だと思ってる。彼女たちの目線に多少ダメージを負ったが、このままでは仕方ないので俺は固まったままの三人に声を掛けた。……あ、そういやこいつには腐った目見られてるんだったわ。

 

「こんにちは。本日は喫茶Erisをご利用頂きありがとうございます」

 

すると、三人は正気を取り戻したのか、一斉に声を出した。

 

 

「「「なんで、比企谷((君))がここに!?」」」

 

 

「…………私は喫茶Erisの店員です。本日は月村雹磨様より依頼があり、こちらに訪れました」

 

「お父さんの行きつけのお店って比企谷君のお店だったんだ……」

 

「というか、店員ってホントなのかしら?私達と同い年でしょ?」

 

「はわわ、比企谷君が…」

 

三人とも調子を取り戻したのか、各々にブツブツと喋り出した。高町が俺の顔を見て顔を赤くし怒っていることにびくびくしながら、俺はさっさと仕事を終わらせるため持って来たバスケットから紅茶とカップ、食器を取り出した。

 

「……月村さん。今回の依頼の内容は聞いていますか?」

 

「えっ、えーと、ごめんなさい。聞いてないの」

 

「それよりアンタ、敬語じゃなくて普通に喋ったらどうなの?」

 

………………

 

「依頼内容ですが、月村さん達がお茶会をするというので、紅茶とお菓子を振る舞って欲しいというものになります」

 

「そ、そうだったんだ…。…えっ?比企谷君が作ってくれたの?」

 

「ちょっ、ちょっと無視するんじゃないわよ!敬語じゃなくて普通に喋りなさいよ!」

 

………………………

 

「本来なら、当店のマスターが作るのですが、本日は僭越ながら私が作らせていただきました」

 

「そ、そうなんだ。あはは…」

 

「あ~もう!何で無視するのよ!?なのは!アンタもさっきから黙ってないで何か言ってやりなさいよ!」

 

さっきから煩い、えーと名前なんだっけ?髪がオレンジの奴に言われると、高町は先程から俯かせていた顔を上げ、酷く驚いた様子だった。……ちなみにこの会話の間に紅茶とお菓子を置く食器をテーブルの上に置きいつでも品物を出せるようにはしている。

 

「え!?あ、あの、その~、え~と、ひ、比企谷君?」

 

「…………何でしょうか」

 

俺が高町の呼びかけに答えると高町は深呼吸をしていた。

………後ろで月村が高町に「頑張って」と言っているのを見るに、俺と話すのは高町たちは相当嫌なのだろう。…結構傷つくな……後、騒がしかった奴が「何でなのはの呼びかけに答えて、アタシのは無視するのよ!」と相変わらず騒いでいた。

 

「すぅ~、はぁ~。…よし!比企谷君、あ、あの、私と、その、友だt…」

 

 

 

“キィーーーーーーーーン”

 

 

 

 

(((…!!)))

 

 

これは()()()()()()()()()()()()か…………随分近くで覚醒したみたいだな。高町の奴も気付いたみたいだが……さて、どうすっかな…。

この近くでジュエルシードが覚醒したのだが、今は高町もいるし月村達もいる。動くに動けないこの状況でどうしようかと考えていた。高町も気付いたのか、一瞬、ジュエルシードが覚醒した森の方を見ていた。高町が急に黙ったのが不思議に思ったのだろう。月村達が声を掛けていた。

 

「…なのはちゃん?大丈夫?」

 

「なのは?急に黙ってどうしたの?」

 

「………えっ?…あ、あはは、だ、大丈夫だよ?」

 

「大丈夫には見えないんだけど…?」

 

いつも煩いオレンジ髪の少女(オレンジさん(仮))が納得がいかないのか高町に詰め寄って行った。

 

「ふ、二人とも落ち着いて。えーと、そう!比企谷君の紅茶飲んで落ち着こう?…ね?」

 

いやいや、なんで俺の淹れる紅茶で落ち着こうとしてるんだよ……

月村とオレンジさんはすっかり飲む気になって、さっき用意したカップを手元に持って来ている。高町も飲む気なのかと高町の方を向こうとした時。

 

 

 

 

「あっ!ユーノ君!!」

 

 

 

高町の近くにいたフェレットが急にテラスから出て、草むらの方に走って行ってしまった。

 

「あら。ユーノ、どうしたの?」

 

「え〜と、ユーノ君何か見つけたみたい。ちょっと探しに行ってくるね?」

 

「一緒に探す?」

 

「だ、大丈夫だよ。直ぐに戻るから!」

 

月村とオレンジさんが心配していた様だが、高町はそう言うと走って行ってしまった。

 

 

 

…………()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

…成る程そういうことか……。まさか【変身魔法】だったとはな……。あのフェレットにしてやられた…。さてと、封印に関しては高町の奴に任せて大丈夫だろう。俺としてはこのままこの場で待っているのが一番良いんだが……。

高町が居なくなった後、月村とオレンジさんは顔を俯かせ暗い表情をしていた。

 

「……なのは、大丈夫かな…?」

 

「なのはちゃん…」

 

……まぁ、高町ことが二人とも心配なんだろうな。だが、魔法のことは言える訳ないし、その他にも色々と思うところがあるかもしれん。やっぱりぼっちは最高だな、そんな面倒臭いこと考えなくていいんだからな。

……そろそろ結界魔法でも発動するかもな。…………はぁ、面倒なことに巻き込まれたもんだ。

 

「…月村。高町の奴が心配か……?」

 

「うん。なのはちゃん最近、何か辛そうだったから……」

 

「アンタは心配じゃないの!?すずか!こうなったらなのはのこと探しに行くわよ!」

 

“辛そう”か……。魔法だけが問題なのではないかもしれんな。それに確かに三人で探しに行った方が効率はいい。いつもの俺なら速攻賛成している…が、今回は事が事だからな。

 

「まぁ落ち着け、オレンジさん。高町のことは俺が探しに行く。月村は俺が帰って来そうになかったらノエルさん達にでも声を掛けてに行ってくれ」

 

「なっ…!誰がオレンジよ!!アタシはアリサ・バニングスよ!!!」

 

「えっ!?比企谷君が探しに行くの?声を掛けに行くのは分かったけど、直ぐに呼んだ方がいいんじゃないの?」

 

「あんま大事にしたくないだろ。ギリギリまで呼ぶのは待っていた方がいい。直ぐに戻れば心配を掛けずに済むだろ」

 

「う、うん。分かったよ。…その……比企谷君も気を付けてね?」

 

「………俺のことより高町の心配をしとけ」

 

そう言い、高町とフェレットが走っていった方へ身体を向ける。月村が悲しそうな顔をしていたのは気のせいだろう。高町のことが余程心配なのか。俺じゃ役不足だってか?まぁ俺のことが心配ってことはないだろうな。俺と月村は高町と違い心配される間柄ではないし、何より…()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

…………月村の奴、余程高町のことが心配なんだな。……ったく、面倒な事に巻き込みやがって。さっさと帰って来れればいいんだがな。

俺は誰かに悪態をつく訳ではないが、溜め息を吐き、草むらへと走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……だーかーらー!アタシを無視するなぁーー!!!」

「ア、アリサちゃん、落ち着いて!」

 

……………後ろから何か聞こえたが、気のせいだな。

 

 

 




如何でしたでしょうか。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

アリサのスルーっぷりがすげぇww

次回はついにあの子が登場します。



感想・評価・ご指摘等頂けると幸いです。

次回も読んで頂けるとちびたぬは嬉しいです。
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