紀元前500万年前、魔導師ビビディが創り出した魔人ブウによって四人の界王神が殺された頃、一人の青年が破壊神ビルスの星にいた。
「モグモグ・・・君がここに来るなんて珍しいねぇ~」
そう言いながら肉を頬張っているのは、この『第七宇宙』の破壊の神ビルスである。
「そうですねぇ~、三十年ぶりでしょうか?」
カップにお茶を入れながら、青年に話しかけているのはビルスの付き人ウイスである。
「ええ、その節はお世話になりました」
三十年ほど前、青年は数年の間、この星で修行をしていた。
そのおかげかこの第七宇宙ではビルスとウイスに次いだ実力を持っている。
「それで?今日はどうかしたのか?」
食事が終わったのか、ビルスは真剣な眼差しで青年を見つめる。
「実は・・・・界王神様が四人殺されました」
「何!?」
「あら、この宇宙の創造神を四人も?・・・一体誰が?」
青年の知らせは二人を驚かせるには十分だった。
「魔導師ビビディが創り出したブウという魔人です。奴には理性などが無く、この数年で十数個もの星が死の星にされました」
「なるほど・・・それで界王神達が止めようとした訳か」
「はい、ですが魔人ブウは予想以上に強く、西・北・南そして大界王神様が殺されました」
「では生き残っているのは東の界王神だけなのか?」
「はい」
「それは少しマズイですね、ビルス様?」
「・・・・よし!お前が次の界王神になれ!」
「え、えぇ~~~~!!!」
青年は驚きのあまり食器をいくつか落としてしまった。
「当然だろう、一応僕とウイス以外ならお前がこの宇宙で一番の実力を持っているんだ」
「しかし私は大界王神様の付き人です・・・・・」
「その大界王神様が認められているのですよ?」
「え?どういうことですか?」
実は青年がこの星に来る数日前、魔人ブウが界王神界に攻めてくる前日、大界王神はウイスと連絡をとっていた。
「その時に自分がいなくなった時はあなたが界王神になることを我々から伝えてほしいとおっしゃっていました」
「そうでしたか・・・」
「時の指輪も預かっていたんですよ」
ウイスはどこからか箱を取り出し蓋を開けた。
「それをはめればお前は界王神になる」
青年は箱から指輪を取り、指にはめた。
「これでお前も界王神だな!」
「はあ・・・しかし、何故ビルス様まで私を?」
「ふん!そんなこと、どうでもいいだろう?」
「ホホホ、自分と一心同体である界王神が東の界王神一人だけでは頼りない。なら私やビルス様とある程度やり合える実力者である貴方が界王神になればいい・・・ということですよ」
「おい、ウイス!」
「ホホホ、ビルス様も少しは素直になればよろしいのでは?」
「っち!・・・・まあそういうことだ。この破壊神ビルスが認めたんだ・・・拒否は許さん」
「・・・わかりました。お二人のご期待にこたえられるよう、これからも頑張ります」
「・・・・ところでお土産があると聞いたんだが?」
「ああ、惑星ジングー名物の茶と茶菓子です」
三人は茶を飲みながら世間話をし、しばらくの時間を過ごした。