ブラコンが頑張るお話。   作:ああああ

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ぐっぱいぶらざー

 

 

 

 

『姉が死んだ』

 

 

交通事故だそうだ。

小さい子供を助けようとしてそのままトラックに轢かれたと聞いた。

 

我が姉ながら、それらしい死に方をしたらしい。

小さい頃から人を助ける為に、生まれきた様な人間だと言っていた。それだけが生きがいの様な、困っている人がいたら相談にも乗るし、行動にも移している人。

 

―――優しい、優しすぎる人。

 

自分が両親に怒られ、家出すると言い近くの公園へ突っ走っていった小学生の頃。姉はいつだって俺の味方で優しく頭撫でながら言うのだ。

 

『お姉ちゃんに任せなさい!』

 

両親に一緒に謝ってくれた。

受験勉強に困ってた時だって、自分もテストが近い筈なのに勉強に付き合ってくれた。文句すら言わずに当たり前だと言いながら手伝ってくれた。

全く関係のない人が虐められている現場を目撃したときは、特攻して止めに行ってた。虐めは止めたら悪化すると、言うが虐めっこ達は改心した様に次の日から虐めをやめたそうだ。

腰を直角に曲げながら重そうな荷物を持っているおばあちゃんを目撃したときは、勿論のこと家まで送ってあげた。

 

ありきたりで、誰も見向きもしないことを当然のことの様にやる。

 

姉がしたことなんて話したら、辞書なんて追いつかないレベルでたくさんある。

年がら年中人助けをして、街の皆の人気者で柄の悪い連中ですら今では姉の親衛隊なんて団体が出来て、姉を見習い街のゴミ拾いなどの活動を行ってすらいる。

 

 

そんな姉の死に。

当然、誰もが悲しんだ。

 

皆が泣いて、そして誰かが言った。

 

『泣いてちゃダメだ』と『死んだアイツが泣いてほしいと思ってるのか?』と。

 

姉が言っていた。

 

『笑ってりゃなんとかなるさっ!』と。

 

バカみたいに口を開けて、白い歯をむき出しにしながら豪快に笑うのだ。

 

『がっはっはっはっは』

 

悪役みたいな笑い方。それでいて、誰よりも幸せそうな笑顔。

 

―――皆は笑った。姉が笑う様に。

 

 

いつもバカみたいに笑っていたのに......。

 

 

「クソが......」

 

 

なんで、なんで、なんで。

なんでなんでなんでなんでなんで......ッ!!!!

 

 

「なんでお姉ちゃんが......死ぬんだよ...」

 

別の誰かでよかった。

父さんでも母さんでも街のばあちゃんでもじいちゃんでも小学生でも中学生でも高校生でも教師でも誰でもいいから、ソイツが身代わりになればよかった。

なんで、なんで姉が死ななきゃならなかった。

なんで、助けた。

信号見ないクソガキが悪いだろ。ソイツが死ねばよかった。

 

なんで、助けた。

 

ふざけるな。

 

 

なんで。

 

なんで、なんで。

 

 

「.........いつもみてェに笑ってくれよ。クソみてェな笑い声、上げてくれよぉ......なんで、なんで.........ふざッ、けんなァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

怒りに任せて、部屋のモノを壊しまくった。

 

椅子を持って壁に叩きつけ、机の教科書を強引に破き、文房具をぶちまけ本棚を倒し、壁を殴り穴をあけ布団を切り裂き、パソコンのモニターを壁にぶつけ、キーボードを真っ二つにし、ゴミ箱を振り回し、椅子を何度も何度も何度も何度も何度も、壊れるまで床へ叩きつけた。

 

「―――――ァァァァアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

 

 

――――叫び、叫んだ。喉が腫れ上がるまで叫んだ。声が出なくなるまで叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

「な、んで......くそぉ......ふざけん、なぁ......ぁ、ぁあぁあぁああああ―――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朦朧とした意識の中。

ふらふらとした足取りで俺は歩く。

 

 

向かっているのは、姉が死んだと言われる交差点。

一歩一歩と不確かな足取りで、俺は歩く。

 

何故其処へ向かっているのか、わからない。

けど、行かなきゃならない気がした。

 

あそこに行けば姉に会えると思ったのかもしれない。また、あの笑顔を向けてくれるかもしれない。

 

そう思ったのかも知れない。

 

 

でも、辿りついた先にあったのは沢山の花と、何の変哲もない何処にでもある交差点だけであった。

 

 

「......は、ハハ」

 

 

 

―――何にも変わらなかった。

 

 

 

むしろ姉が死んだと言う事実を突きつける現実だった。

 

人が死んだと言うのに、何事もなかったかの様に車が行き来する交差点。

姉がココで死んだと聞いた人達が置いていった花達。

 

 

「バッカみてェ......」

 

 

その言葉の言ったのは俺で、言葉の行き先も俺。

 

もう何もやる気が起きない。

姉が死んだ世界なんて、いる価値がない。

俺は、姉がいればよかった。その他大勢はどうでもよかった。むしろ、クソだ。クソ以下だ。姉以外どうでもよくて、どうでもいいむしろ死ねばいい。

 

 

 

頭の中がスッキリしていた。

もしかしたら、ゴッチャになって頭がパンクしていたのかもしれない。

 

 

 

けどまぁ、どうでもいい。

姉がいない世界なんて、クソ程どうでもいい。

 

 

 

 

 

 

 

もう、このまま死んでしまおうか―――。

 

 

 

 

 

 

 

そう思った時、声が聞こえた。女の悲鳴だ。

 

悲鳴と共に、耳が痛くなるような甲高い音が近づいてくる気配がした。

 

 

 

 

――――茫然と立っていた俺の意識は、悲鳴によって現実に引き戻される。

 

 

 

 

 

 

俺は視界を悲鳴がした方向へと無意識に向けてしまう――――と、同時に視界が真っ暗になり何かに身体が引っ張られる様な浮遊感に襲われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――俺が、最後に見た景色は、交差点に置かれている沢山の花束であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(......もし願いが叶うなら、また姉ちゃんと一緒に笑いたい)

 

 

 

 

 

 




最後テキトーになった。反省はしてない。
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