エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~ 作:RipoD
プロローグ 2022.11.6
2022.11.06 13:00 自宅
思えば女子を自分の部屋に連れ込んだのは前世含めて初めての体験だった。日曜日ということもあり、自室に入るときにリビングから覗き込んできた両親が好奇の目を向けてきていた。
机の上には書き置きが二つある。一つは俺の書いたもので2,3年で帰ること、売り払ったアーガス株の代わりに新しく買ったレクトの株は1年以内に売り払うことなどの内容となっている。こんなものが遺書になってしまっては堪らないので家族への「愛してるよ」メッセージとかは抜いた。いかにも死亡フラグだった。
もう一つの方は彼女の書いたもの。家族宛だそうだ。
電子ロックしたドアの下に〔18時に自動開錠する〕と書き置きを挟む。一人息子で溺愛されてる自覚はある。数時間後のニュースを見た親がパニックでナーブギアを無理やり外されないようにするための措置だ。6時なら事態を把握している救急隊が救助して搬送するだろう。
全ての準備が出来たのを確認してベッドへ向かう。ベッドにはすでにナーブギアを被っている幼馴染が寝ていた。俺もその横に並んでナーブギアを被った。
女子とベッドで並んで寝そべるとか恋愛漫画かなにかのシーンだが、これからの死のリスクを考えるとロマンチックのかけらも無かった。どちらかというと心情としては悲壮の果てに心中をする直前のカップルに近い気分だった。これからする事は自殺行為に近い。隣の子には「デスゲーム」について再三警告したがどこまで俺の言葉を信じてくれているのだろうか。
「大丈夫?寝るのが窮屈だったりしないか?」
「問題ない。」
特に緊張した様子もなく彼女は答えた。
「本当にいいのか?しばらくは戻ってこれなくなるぞ」
「心配無用、いつも一緒だ」
普段の平然とした顔をして一足先に「リンク・スタート」と唱えダイブしていった。ここまで来たら俺も後には引けない。
「リンク・スタート」
視界いっぱいに七色の光線が溢れる。
次に目を開くと黒い宮殿のような建物、黒鉄宮が目の前に見え、辺りは中世風の街並みが広がっていた。周りには同じようにログインしてきたプレイヤーが次々と出現していた。この中の何人が最後まで生き残ることができるのだろうか。
広場から通りに入り、ベータテストと変わらない佇まいをしているカフェへ入店する。カフェのカウンターの席には鈍色のサムライヘアーをした男が座っていた。
「クロン」
「ああ、ヴァイリだな」
彼の隣の席に座る。NPCにエールを2本注文すると、金色の液体の入ったグラスがカウンターに置かれた。
お互いにグラスを持って乾杯した。
「ようこそ戦場へ」
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