エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~   作:RipoD

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♪戦闘BGM ナルトより沸き上がる闘志






101話 2024.12.16 陽動

2024.12.16 ─法翔寺襲撃と同時刻

 

弊闇京 吉田地区

六翔寺北西に位置する武家屋敷の並ぶこの地区は毘沙門天の勢力下にあった。北側の醞大橋から洛中エリアに入って皇太子派と戦闘し、手負いになったプレイヤーはこの確保されている地区で補給回復をしていた。

 

「おい、塔が攻撃されてるぞ」

侍プレイヤーが法翔寺方面を指差す。塔群からは煙が出たり、倒壊が始まっていた。

 

「八裂がエンパイアにやられた時と同じだ。どこかに砲撃指示をしている奴がいるはずだ」

弓師プレイヤーは屋根に上って隠蔽スキルも看破できる鷹の目スキルを使い、周囲を見回す。

 

すると家屋の屋根の棟からニョキッと二つのレンズが伸びているのが見えた

 

 

───

 

「うーん、よく当たってるねー」

ホタルは屋根の斜面に合わせて三脚を伸ばした砲隊鏡を覗いて着弾を観測していた。

 

「おや?」

ホタルの眼下で毘沙門天のプレイヤーが大勢向かってくる

 

「あちゃー、見つかってたかー」

ホタルは撤収のために砲隊鏡をインベントリにしまうと屋根づたいに走り出す。

 

《ごめーん、バレちゃったー》

《別の観測員に引き継ぐから逃げきって》

ホタルがメッセを送ると連絡員のレイルから返事が来る。

 

「逃げ切るのは難しそうだから少しでも攪乱しないとね」

ホタルは腰にかけていたひょうたんの栓を抜く。するとこぽこぽと液体がこぼれていった。

 

「逃げ道を塞げ!包囲するんだ」

メッセで増援を呼んだ毘沙門天のプレイヤー達は四方八方からホタルを囲い込みだしていた。

 

「このあたりでいいかな」

ホタルは家屋の影に入るとカラースプレーを取り出してヘアカラーを普段のグレーからイエローに変える。服も法被から職人服へと急拵えながらも生産職プレイヤーへと変装する

 

 

「追い詰めたぞ」

ホタルに追いついたプレイヤーが叫ぶ。通りの両側から挟み撃ちにしたプレイヤーの数は60人を超えていた。

 

「きゃっ!なになに」

ホタルは何も知らない素振りで驚いた演技をする。

 

「生産職の格好してしらばっくれても顔は割れてるんだよ。エンパイアだろ」

 

「ばれてたかー、てへっ」

ホタルは自分でコツンと頭を小突いておどける。

 

「馬鹿にしやがって。やっちまうぞ」

毘沙門天のプレイヤー達は武器を手にする。

 

対してホタルは輪っか型の取っ手がついた刃物を出す

「ほう、やりあおうってか?」

「ヘンテコな形した刀だなぁ。そんなんで戦えるのかよ」

 

シャキン

ホタルが刀の取っ手を手首で一回転させると刃は四つに分裂する

 

「風魔手裏剣、影風車!(ミネルア工房製)」

ホタルは大型の手裏剣を投げつける。手裏剣スキルでホタルの意のままに飛翔した影風車は通り抜けたプレイヤー達の胴体を真っ二つにしていく。

 

 

「火遁術!」

印を結んだホタルは口から火を吹く。

 

「うおっ!アブねえ」

毘沙門天のプレイヤーは火炎放射を避けるがホタルの本命は別にあった。逃げ回っていた時にこぼしていた液体に火がかかると更に火の手が上がる。彼女が逃げ回っていた間にこぼしていたのは“ナタネ油”という可燃性のアイテムだった。火の手は木造家屋を素早く走り、辺り一帯を包みだした。

 

「あー!俺の家が。ふざけんな弁償しろ。」

「許さねえ、戦国時代みたいに鼻削いで耳ちぎってやる」

自前のプレイヤーホームが燃えているプレイヤーは激昂していた。

 

「やれるもんならやってみれば?さあ、いくよ」

挑発したホタルは片袖を脱ぎ、胸当て付きの黒インナー姿のまま刀を抜いた

 

まずは正面のプレイヤーを一突きするとそのまま後ろのプレイヤーまで貫通させる。

 

操作していた風魔手裏剣が戻ってくると戻ってきた反動を利用して二投目を繰り出す。

 

予想だにしないホタルの攻撃に毘沙門天プレイヤーは当初翻弄される

 

しかし、残念ながら多勢に無勢。大勢の同時攻撃を避けきれずじわじわとホタルにも傷が増えていく。

 

 

10分に及ぶ戦闘で毘沙門天のプレイヤーは半数以上がデスペナ送りにされたがホタルもHPバーが赤まで減っていった。

 

「はぁ、はぁ、手間かけさせやがって。泣いて土下座してアイテム全部吐き出すなら許してやらんこともないぞ」

追い詰めるのに疲労困憊になっていた侍プレイヤーは息切れしながらも強気で言う。

 

「あいにくこっちもお役目は果たさないといけないんだ」

右手左足が切り落とされて欠損デバフ状態のホタルも立つことできず息が上がっていた。

 

「忍びは捕まって情報を漏らしちゃいけないからね」

しかし、ホタルはしたり顔で左手に花火玉を取り出して火をつける

 

ジジジジジジジ

「おいよせ火を消せ」

「こいつから離れろ」

囲んでいたプレイヤーは青ざめる

 

 ドン

 

虹色の火花とともに周囲を巻き込んで破裂した。

 

 

 

「こっちもだいぶやられたがやっと仕留めた」

「エンパイアってこんなやつらばっかりなのかよ。俺たち勝てるのか?」

「ドロップしたのあいつらが使ってるチート銃じゃん。ラッキー」

「花火の破裂に巻き込まれた連中には悪いがこいつは俺がいただいてくぜ」

「いやいや、火縄士とってる俺が使うよ」

「何独り占めしようとしてるんだ」

取り合いになっているところに引き金が引っかかった直後、“置き土産”の暴発に巻き込まれて更に数人のプレイヤーが死んだ。

 

 

ホタルはデスペナを受けたが吉田地区にいた毘沙門天のプレイヤーを釘付けにし、法翔寺の増援を抑えることに貢献した。

 

 

 




SAOを懐かしまない者には心が無い SAOの再来を望む者には脳が無い
                            ───ミルローゼ
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