エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~ 作:RipoD
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2024.12.17 14:39
アスカ・エンパイア 六条院 春の御殿 寝殿
親王派のギルドを各個撃破し皇太子派は勢いに乗っていたが、懸念事項があった本部は緊張した雰囲気に包まれていた。
「
ミルローゼが聞く。親王派に属する寺社系のギルドが蜂起の準備に取り掛かっている情報が入ってきていた。
「複数ギルドで集結した僧兵等が300人、討ち漏らした毘沙門天のプレイヤーも合流しているようです」
カシューはSNS上の親王派ギルド同士のやりとりを表示する
「毘沙門天の拠点潰してから親王派は大分瓦解したように見えてたけど新しい頭が出てきたわね」
アンジェラは頭を抑える。
「まだ勝利宣言には遠いか」
リリオはため息をつく
「ただいま戻った。どうされた?」
前線から戻ったフブキが寝殿に入ってくる。
「北東の山に賊が集結している。フブキはどう思う?」
ミルローゼはフブキに話を振る。
「ふむ・・・」
フブキは地図の勢力図で赤く塗りつぶされた山に視線を移す。そしてミルローゼに振り返って言った。
「焼き討ちやむなし」
15:55
──
眼前に紅葉彩る悲詠山がそびえる広大な庭園に大砲陣地が構築されていた。エンパイアワールドは愧園に置いていた大砲を馬に牽かせてきていた。
「あと5分で全門撃てるように設置するわよ」
カン カンと杭打つ金槌の音が響く中ミネルアが叫ぶ
エンパイアワールド以外にも招集に応じた皇太子派のプレイヤーが集結し、攻撃の準備をしていた。
「準備は進んでるようね」
フブキと赤熊(赤い熊毛頭の軍帽)を被ったリリオも六条院から馬を飛ばして現地入りしていた。
「リリオ殿、悲詠山から返事は」
「何も」
フブキは確認したがリリオは肩をすくめる
「焼玉式焼夷弾、準備」
フブキが指示を出す。
火遁術で実体弾が赤みを帯び、ジュージュー音が鳴るまで熱せられる。
暴発しないように慎重に装填されてから焼夷弾は発射された。
山に着弾すると砲弾は枯れ枝、落ち葉に接して自然発火を起こした。
──
「都はどうじゃ?」
本殿で座禅を組んでいた初老の僧侶のギルドマスター、ソウネンはキヨミハラの僧兵ギルドなども招き入れ、戦力を貯めていた。
「大師、双方激しく争っています」
「そうかそうか、これから我らが参戦すれば漁夫の利を狙える」
「僧兵、皆揃っています。」
本殿前にはズラッと僧兵プレイヤーが整列していた。
「大変です大師、山に火の手が」
「なんだと」
見張りから報告を受けたソウネンは山門に登って麓を見やる。
「謀ったな、エンパイアワールド」
麓から登るように上がってくる火の手を見て、ソウネンは欄干を握りこぶしで叩いた。
「全員山を降りさせろ。このまま焼け死ぬだけではエンパイアにポイントを与えるだけだ」
「わっ、分かりました」
ソウネンは矢継ぎ早に指示する。
「あの中を降りていくのか」
「耐久値に不安があるが・・・」
指示を受け取った僧兵たちは躊躇したがやがて意を決する。
「心頭滅却すれば火もまた涼し」
「南無三っ!」
僧兵たちは決死の思いで炎の中へ飛び込んでいった。
──咒学院離宮
「今ある大砲の弾は撃ち尽くした。」
「あとは上手く山全体に燃え広がってくれればいいけどね」
フブキとリリオは陣の中で煙が蔓延した山火事の様子をみていた。
「敵襲~!」
その叫びと共に僧兵らが火を纏いながら山火事の中から出てきた。
「うわっ」
おぞましい光景にひるむメンバーもいた
「見掛け倒しだ。逆に炎上の継続ダメージが入っている。仕留めるチャンスだぞ」
フブキは構築された防衛線の先頭に立って鼓舞した。
あらかじめ設置されていた柵や鉄条網に引っかかった僧兵へ狙いが集中して銃火が浴びせられた。
戦闘が大方終わったあとには焼け焦げた僧兵があたり一面に転がっていた。
「死体に生存者が混ざっているかもしれない。くまなく確認するんだ」
ザクッ ザクッ
フブキの指示の後、横一列に並んだメンバーは前進しながら刀や銃剣で刺して死亡確認をする
刺し終わった死体には目印に付箋を貼りつけていく
「うりゃあああ」
パンッ パパンッ
「ぐぼっ」ドサッ
死体のふりから起き上がった僧兵にも素早く銃口が集まり、処理された
「無理だ、逃げろ」
「逃がすな、残らず討ち取れ」
悪あがきが聞かないと悟った僧兵は起き上がって逃げ出すが、フブキが刀を向けた方向に銃身が向き、発砲音が響く。
(見つからないでくれ、見つからないでくれ)
反撃の機会も見つからず死体のふりをしていた僧兵は検死に引っかからないことをうつぶせになったまま祈る。
ドグッ
しかし腹に蹴りが入り、体を仰向けに転がされ反射的に目を開くと紫色の着物を着た黒髪の少女が見下ろしていた
「そんなに死体ごっこが好きだったらすぐ死体にしてあげるよ♪」
リナリアは大鎌を振り下ろした
(死神だ・・・)
男はデスペナになる瞬間思った
山火事が起きている悲詠山は空も赤く燃え上がっていた。
───同時刻
ブシャッ
一つの地区に寺が密集する中を縫うようにして伸びる路地の石畳と築地塀には大量の血飛沫がかかっていた
その中に死覇装のような着物を纏い、般若面を顔に被った少女が一人佇んでいる
少女は周囲に敵が無くなったことを確認してから般若面を頭上にずらして個人ランキングを表示する。
1位は同じ皇太子派プレイヤー、初日から変わらずYuukiの名前が刻まれている
「まだ、斬り足りない・・・」
少女は自分の名が2位にとどまっていることを見て険しい表情になる。
ヴァイリがVRの申し子と呼んでいたユウキに敗れた彼女は敗北を取り戻すかのように今回のイベントのPvPでキル数を稼いでいた
しかし午前中のリアルでの剣道鍛錬もあるのでその時間はユウキに差を離される
──クロン:ジョブ 〈殺人鬼〉
剣豪のジョブを取る予定だったが辻斬り派生ツリーに現れたこの上位ジョブは対人戦闘特化したボーナスが付いていた
使えるものは使うのが彼女のスタンス
しかしそれでも届かないことに焦りを募らせていた。
自らの技をより高い領域へと昇華するために
しかし、その在り方は堕ちていく
彼女に斬られた者たちはこう呼ぶ “斬鬼”と
ツブヤイター
〈
エンパイアワールド日刊ニュース Vol.20
再生▷↖
《邪教の潜む山に第六天魔王による焼き討ちが実行された》
ナレーションと共に火事が悲詠山山頂まで届く映像が映し出さられる
《邪教徒は地獄の業火で尽く焼き尽くされた》
屍の山の上で腕組みして仁王立ちするフブキ
《親王派はもはや風前の灯だ 皇太子派よ、賊を討ち滅ぼせ》
エンパイアワールドメンバーと皇太子派メンバーが集結している場面が映って映像は終了した
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