エンドワールド ~転生者は最強剣道少女達と共にVR世界を席巻す~ 作:RipoD
進撃追撃行進曲聴きながら書いた話
歌詞9番の凱旋になぞらえて
2024.12.19 14:03
中国地方エリアと弊闇京を結ぶ
「フブキ、あなたの指揮下に今回は入るように言われています。」
トトナは前線指揮を執るフブキに話しかける
「承知した」
フブキは頷く。
「後方大廻神社の本部から符丁確認、トコトンヤレ と」
メッセを受け取ったイルマーナがフブキに報告する。キヨミハラなど各地域の戦況の変化によっては撤退符丁も用意されてたがトコトンヤレは戦闘命令だった。
「王がそう言われるのなら徹底的に叩くぞ」
フブキは鞘に入ってる刀を両手で地に立てた。
塹壕の中にはヴァイリ達も混ざっていた。
「コウ、夜番なのになぜログインしている?」
クロンは怒り混じりにヴァイリに問い詰める。
「いやあ、大規模戦闘もこれで最後になりそうだしせっかくだから出たいじゃん。」
ヴァイリは冷や汗かきながら弁明する。
「明日の稽古、途中で倒れてももう知らん」
クロンは拗ねる。
「またやってるわよあの二人」
「犬も食わないアレですね」
カーラとリュミルは見飽きたやりとりに呆れていた。
「来るぞー!丹波勢来るぞー!」
斥候に出ていたミリーが馬で塹壕に沿って走り抜け、繰り返し伝令する。
その後、刀など近接武器を持ったプレイヤーの集団が走り迫ってくる。彼らの頭上を越えてくるように遠距離攻撃術の火遁術や水遁術、念術などが上皇派陣地へ飛んでくるが土塁が阻む。
パパパパパン
パパパパパン
既に銃剣の装着されたライフル銃が斉射され、前衛の丹波勢プレイヤーは被弾してバタバタ倒れ勢いが削がれる
「突撃!」
土塁を駆け上ったフブキが刀を振るう。
ソッソレッレソッソソッソシッソシッソレッレソー
ピィーー!
突撃ラッパが演奏され、ヴァイリがホイッスルを吹くと上皇派プレイヤーは塹壕を乗り越えて逆襲突撃が繰り出される
「無理無理、まともに相手できるか」
「こんなのどうしろってんだ」
現地入りしたばかりの丹波勢の前衛はあまりマップを把握していないエリアでの戦闘に慣れていないため不利を強いられていた。ここ数日で猛威を奮い出し始めた小銃の対応など持つ訳もなく逃げ出す。
「おい、何戻ってきてるんだ。戦えよ」
「前衛逃げるな」
「うるせぇ、戦利品取れない勝てねえ戦やっても意味ないだろ。」
術を放っていた丹波勢の後衛の地点まで逃げ出した前衛が戻ってきていて、縺れ合っていた
「陣形を乱して団子になっている今がチャンスです。戦列整えて!」
旗を揚げたトトナの左右に横2列で銃を抱えたプレイヤーが並ぶ。
「Present. Fire!」
本部から前線へ派遣されていたベティがハルバードを地面に立てて号令をかける。合わせて横列に並んだ銃が斉射される
丹波勢が固まっているところへ集中砲火が浴びせられた
戦場から見て西の岡の上、中国エリアのプレイヤーをまとめた丹波連合のリーダーを務めるコバヤカワは戦況を確認していた。遠目でも次々と撃破されて劣勢に陥っていることは見えていた。
「キヨミハラの街は既に上皇派に陥とされたようです」
丹波勢の伝令がコバヤカワに報告する。
「キヨミハラの助力が得られないなら勝ち目はない。帰るぞ、全員に撤退指示を」
コバヤカワは命令を下す。
丹波連合は都入りを断念して撤退した。
15:42
プライベートVRルーム クレムリン 廊下
大方の戦闘が終わり、ログアウトした本部はクレムリンに戻っていた
本部執務室へ向かっているリリオとキーナの反対側からヴァイリが来る。
「お疲れー」
「お疲れ様」「おつかれ」
右手を上げたヴァイリにリリオとキーナは返事をする
「今回のイベントも圧勝だな俺のギルドは」
「誰のギルドだって?聞こえなかったわ。大部分の戦闘指揮を取っていたのはトトナ、フブキ、エリスじゃない」
ヴァイリの面白くない冗談にキーナは気分を害する。
「フブキは本当によくやってくれたな。親衛は本部護衛で動けず張子の虎になってる最中、彼女が敵陣を何個も潰してくれた。今後も前線指揮官が必要だろう?フブキの今回の指揮を見ればそういうの適任だと思うけどなー」
キーナが名を出したことをいいことにヴァイリはフブキを推す。
「あなた個人の意見が通るとでも?」
リリオは興味なさそうに通り過ぎようとする
「では、戦技開発班長の立場として副ギルドマスターに正規の進言書を提出します」
ヴァイリはリリオの胸元へ一冊のファイルを取り出す。
表紙には《有事諸職種連携部隊再編成計画》と表記されていた
「これは?」
リリオはファイルを手に取る。
「アスカエンパイアのようなジョブ区分のあるタイトルだと班内でジョブが被ったりして効率いいパーティーが組めない。だからそのための再編マニュアル。今回はレベル差、装備差でゴリ押しできたけど毎回こういうわけにはいかんだろう」
ヴァイリが説明する。
「何を企んでるのかしら。大体の戦闘が終わったこのタイミングで」
キーナは警戒する。
「いやいや、なーんも企んでない。ただ組織の一員としてより良い結果が得られるようにしようと戦技開発する身として励んでるだけ。親衛班はもともとアンジェラが設置したところだから、同じサブマスのリリオも直轄の実働隊持ってると便利じゃないかなーと提案してるんだし」
ヴァイリはとぼけながらお手上げのポーズを取る。あまりの白々しさがキーナを余計苛立たせた。
「提案だけはするけど新しい班を作るかは魔王さま次第よ」
リリオは受け取ったファイルを抱えて歩き出す。
「そ、じゃあよろしく」
ヴァイリは手をひらひら振って立ち去る。
「ほんと急に言うのね」
キーナはリリオを追って隣に並ぶ。
「フブキだったら自分のいうこと聞くと思ってるのよ。油断してると彼にギルド乗っ取られるわ」
リリオはもちろんヴァイリの言うことを鵜呑みにしていなかった。
リリオとキーナが執務室に入ると、戦果集計をしているところだった。
ミルローゼは空間ディスプレイでイベントランキングのページをスクロールする。
《ギルド別スコア
エンパイアワールド 1位
キル数 2358
デス数 12 》
「キルレートは全員5以上。上々ね」
ミルローゼはさらにギルド内の個別キルレート表をスクロールしていく。
「魔王さま、先ほど戦技開発班長から新しい提案書が」
リリオはヴァイリから渡されたファイルをミルローゼへ渡す。
ミルローゼはファイルの中身を一通り目を通す。
「合理的タスクフォース編成案と再編部隊中核機能としてのフブキ班ねえ。トトナ達だけじゃ足りないしいいんじゃない?フブキのとこもいつも固定のメンツだしそのままでいいよね」
ミルローゼはファイルの中身の案をあっさり了承する
(そんな軽く決めて・・・)
リリオはヴァイリの思い通りに進んでることが気に食わなかったが、自分の下に班が持てるなら悪くない事だったので黙っておいた。
「でもこのグループだとサナエが木刀から真剣に持ち替えてるし、打撃武器使う人入れてバランス取りたいわね」
アンジェラは指摘する。
「おっ、遊撃班なのに結構いい順位に来てるな」
アルシエは全体の個別ランキングを見ていた。
《8位 ウルリカ(エンパイアワールド)》
その中で目にとまったのはウルリカの名前だった。
「SAOでポカして遊撃送りになったけど、彼女今も親衛希望よね。トレード募集の話出せばシエルが喜んで飛びつきそう」
キーナは思い出して言う。
「シエルを親衛から外すのは戦力上もったいない。ウルリカはフブキの班に組み入れる方向で。それでバランス取れるでしょう」
ミルローゼが言う。
当人たちの意向などお構いなしに人事は決められていった。
───────同刻 四条通り
ソッドッミッドミードッミッ ソッソソミッソミードー
ソッドッミッドミードッミッ ソッソソミッミッドー
速歩行進ラッパの音色とともに通りを過ぎる一団があった。
イベント期間は翌日14時までだが勝者は誰であるかを無派閥プレイヤー達にも示すため、弊闇京へ帰還したエンパイアワールドと皇太子派のギルドは上皇御所、四条通など市街地を一周するように凱旋していた。
「都を護ってくれてありがとうよ!」
「助かったぞー」
「おかげでうちの店は無事だ」
通りの両側に出てきている生産職プレイヤー達から感謝の言葉が送られていた。
ラッパ行進のイメージ
h ttps://www.youtube.com/watch?v=QYYCYV9Rj5M
h ttps://www.youtube.com/watch?v=XJFZ253KXnI